78 美味しい紅茶と乳製品を根こそぎ買って、海の国で依頼を受けたよ、オニキスが。
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※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
アイテムボックスで数を確認すれば、そこそこ溜まってきた。でも、揚げたて唐揚げやできたてハンバーグはコピーしておく。そうじゃなきゃ、一度に二十人前は軽くなくなるから。コピー機能は本当に助かるよ。料理をコピーするくらいなら魔力もほとんどいらないから。
旅の途中でお誕生日会もやったよ。
俺は無事八歳になりました。フラットは四歳になった。
ノルの誕生日を聞いたけど知らないみたい。孤児院の前に捨てられてたらしい。拾われてから十八年らしいから、今は十八歳。
それなら決めようと言うことになって、俺とフラットと同じ日を誕生日にした。
だから、ノルも十九歳です!
オニキスも誕生日はわからないらしいので、同じ日がいいという。え? でもすごい年齢でしょうよ。まあ、いいか。
無事にオニキスも一つ年を取りました。
みんなのお誕生日を終えて、最初に到着したのはローゼンビリア国。乳製品と紅茶を確保する為だね。
商業ギルドで聞いてみれば、ここにもありますがと言うんだけど。全く量が足りないんだ。だからどこかの農場を教えて欲しいとお願いしたよ。当然、紅茶は商業ギルドの在庫を全て買いましたけど。
もちろん、当日入荷の牛乳、チーズ、バターなどは全て買ったけどね。
それだけの買い物をすれば、喜んで教えてくれた。
量がそろうだろう農場を三軒教えてもらい、それぞれの農場にも連絡を入れてくれた。
午後からなら、と言われたので、早めの昼食の後、三つの農場を回って全ての乳製品を確保しました。発酵中のチーズは、温度や湿度などをきいて保存庫を作ります、と買っちゃったよ。
空で空間に入りゆっくり眠った一行は、翌日の朝からは数日移動になりました。
といっても、俺は空間で食事の在庫作りとお菓子作りしてましたけどね。
全く知らなかったんだけど、オニキスたちはノルも含めていろいろと楽しんだみたいだよ。魔物を狩ったり、盗賊に襲われてる人たちを助けてアジトに行ったりね。
そんなこと全く聞かされてなかったから、ある日、夕食前にフラットが盗賊のアジトにあったとお宝を出したときにはひっくり返りそうになった。
これ以上、いろいろどうするんだよ! と思ったんだけど。でも、せっかく人助けをしたんだから、と皆をクリーンしてからたくさん褒めました。
で、これはどうするの? と問えば、俺にという。それは……
「いいじゃないか、パーティーリーダーのナギが持ってて当然だよ。だから早くしまって。お腹ペコペコだし」
はあ? とノルをみれば、満面の笑みだね。
商業ギルドで売ってもいいしね、と軽く言ってくれましたね。仕方なくストレージに入れたんだけど、「メンバー盗賊討伐戦利品」というファイルができました。はぁ……
そんな風に旅をして、やっとロスジル国に到着したよ。遠かったよ~
確かに海がある。ひろ~いと感激した。でも、この世界、海では泳げない。
海にも魔物がいるからね。
それでも喜んでるのはオニキスだけ。
宿をとって、休むという俺たちとは違い、海の魔物を狩ってくるといっちゃったんだ。
まあ、美味しい魔物ならいいけど。
宿を探しながら買い食いをして楽しんだよ~
焼き魚や貝焼きなどたくさん食べた。美味しいものは大量ゲットです。途中、宿探しのことを思い出して少々慌てたけど。
屋台で情報を集めたけど、全員話しが違った。でも、一応、確認には行ったよ。
その結果は散々だった。宿とは言えないものまでありました。うん、ヤバいよね。
結局、ギルドを探して向かうことになった。
そこではノルが聞いてくれた。
そこそこの宿をいくつか紹介してくれたよ。もちろん、従魔が泊まれる宿。さっそく向かって三日、宿をとった。最高級の部屋で、風呂付きだ。大きな寝室と個室がいくつかある。まるでスィートルームだよ。
一度宿に入って、ベッドに転がる。
ノルは奥の一部屋を確保した。隣りにオニキスをと勝手に決めちゃった。
ところで、オニキスは何してるんだろうね。どんな魔物を狩ったんだろうか。
そんなことを思いながらソファで目を閉じていたらオニキスから念話だね。
『主。いくつか魔物を狩ったが、どうする?』
「ギルドで解体を頼みたいね。肉が美味いのは確保! じゃあ、ギルドで会おうか」
承知した、と返事がきたので、再び俺たちはギルドに向かう。
ギルドの前で待っていたのはオニキス。
うれしそうに待ってたけど、いい獲物が狩れたみたいだね。
買取カウンターと書いてあるところへいって、お願いしてみる。
「いらっしゃいませ。どんな魔物がいますか?」
大きいの? とオニキスにきけば、かなり大きいという。
それなら奥へ行きましょうと解体場へ連れて行かれた。
さ、ここへ出して。
でも、オニキスはクビを捻るばかりだ。
「ここには置ききれぬ。この台は壊れるぞ」
え? とこちらを見るんだけど、そうみたいですよ。
じゃあ、と床を指し示したのでやっと出してくれるみたいだ。
ドデン、と出てきたのは……亀? それも大きさが半端ないよ。
「アスピドケロンだが、まだ幼い。せいぜい三百年から五百年といったところだろう。他はどこに出すのだ」
あれ、職員さんが固まってるよ? 解体職人だと思われる人は興味深げによってきた。
「少々おまちください!」
あ、どっか行っちゃったけど?
あとは何があるの? と聞いて見れば次の獲物を捕りだした。
これ、なに?
「うむ。レイン・クロインという海竜の一種だ」
なるほど。この二頭でバカでかい解体場が半分塞がった。オニキスは次の獲物を出し始める。
次はなんか普通の大きさの魔物? といっても三メートルくらいあるけど。ウミサソリというらしい。まあ、サソリだよね。海にもいるのか、サソリって。全部で十二体ありました。
他には? と聞けば、あとは普通の鯨だと取り出されたのは、日本で捕鯨対象となっている普通の鯨だね。懐かしい、鯨の肉。食べた~い!
どどどどど、と音がして、海の男って感じのおじさんが顔を出した。
「お、お前。これ……はぁ、まあいい。とりあえずは何から解体すればいいんだ」
「鯨のお肉が食べたい。あとは肉が美味しいやつをお願いします!」
あははは、と解体の職人さんに顎をしゃくった。
明細を作ろう、とおじさんが指示してる。
「お前たち、ちょっと俺の部屋に来い」
えー、とあからさまにいっちゃったけど、丸っと無視されちゃった。まあ、仕方ないよね。
「で、お前のギルドカードを見せろ」
俺? なんでだよ。
「お前の従魔が倒したんだろ? 俺の予想ならそうなんだが」
あ、バレてる?
しぶしぶギルドカードを取り出した。
やっぱり、と呆れてる。
「でも、ずっと飛んできたから、魔物を狩りたいっていったし。ダメでした?」
「……ふぅ。いや、逆にありがたかった。アスピドケロンとレイン・クロインは依頼が出てたんだ。依頼達成として処理する。お前、いつ来た」
「今日?」
はあ? と呆れられちゃいました。なぜかな。
「わかった。宿はとったんだろ、教えろ。そうだ、忘れてた。俺はギルマスのクックブルだ」
よろしく~と笑っておくよ。
「お前の従魔はスライムとシルバーウルフとドラゴンだったっけか。その兄ちゃんがドラゴンか?」
そうだよ~
「いつまでいる?」
えっと三泊です。
「そうか。なんでここに来たんだ。遠かっただろユリアロウズ国からは」
遠かった……
「美味しい海の幸を買いにきました。みんなよく食べるからごっそり買って帰ろうかと思ってます」
絶句、でしたギルマス。
「なんでも買ってくれ。それとな、依頼は受けないか?」
えーーーー!
「そんなにいうなよ。漁師たちは困ってるんだ。生きてゆくために漁に出るんだが、デカい魔物がいて困ってる。今日出してくれた魔物たちはかなり沖にすんでるが、漁師の狩り場としてる海域には、それなりのやつらが集まってくる。今、一番困ってるのはシー・サーペントだ。ドラゴンならすぐだろ。ただ、数匹いるが」
「美味しいの?」
「はっ? お前の基準は美味いかどうかなのか。美味いぞ。唐揚げやステーキにすれば絶品だ。それに皮は防水だからいいものが作れる」
ふうん。じゃあ、お肉は確保だね。皮は見てから決めようかな。
「余裕があるならクラーケンの討伐依頼もあるが」
クラーケン? と聞けば絵を見せてくれた。これは、イカ? タコ?
「これも食べる?」
「はあ? クラーケンなんか食わないぞ。お前は食うのか?」
「わかりません。僕が思ってるのと同じならすごく美味しいよ。素材は取れないの?」
口くらいだって。
じゃあ、捨てる前に肉を見せて欲しいと言っておく。皮はいらないけど。
わかった、依頼の紙を取り出した。まあ、もしいなくても仕方がないらしい。人が確認した途端に死が待ってるんだからね。
オニキスに聞けば、明日、晴れてたら向かうらしい。
目の前にはギルマスのサインがはいった依頼書が置かれた。ちょうどその時、買取カウンターの人が明細を持って来た。状態を確認してから解体するらしい。そのあとっで金額を出すらしいので、明日の昼まで待って欲しいと言われた。
わかった。
了解して立ち上がる。
とりあえず、宿に戻ることにした。そしてお昼寝タイムだ。
お風呂に入ってのんびり浮かんで、ベッドで惰眠を貪る。まさに至福の時だ。
夕食に行こうと階段を降りる。
はい、ここでテンプレですよ。レストランにいた豪商だと思われる太ったおっさんたちに絡まれた。というか、酌をしろ、ここに座れと引っ張り込まれそうになったよ。
ここで立ち上がったのはノル。おお、かっこいいぞ、ノル~
「止めてもらいましょう。俺たちの連れに手を出さないで欲しい」
うん、そうだぞ!
ガタンとたち上がったオニキスを見てあとずさる男たち。
「な、なんだ! お前たちの連れか。じゃ、じゃあ、これでこの場は収めてくれないか?」
これはなんだ、と手のひらにある金貨数枚を見たノルがキレました!
「いい加減にしろよ! 俺たちは冒険者だ。お前たちみたいにいい格好もしていなが、これくらいのはした金で人が思い通りになると思うなよ。お前たちはクズだ。後悔させてやろうか?」
うわっ、こんなノルは見たことがない。
すごいかっこいいんだけど。オニキスからも怒りがダダ漏れですよ。
なんやかやと理由をつけて引き下がった豪商たちは、そそくさと部屋へ戻っていった。
ふん、ざまあみろ!
俺は何もしてないけど。
まあ、そんなこんなで今日も天気がいい。
当たり前のようにオニキスは依頼だからと嬉しそうに飛び立った。
俺たちは、魚介類を買うならどこがいいかと、宿で教えてもらった市場に向かって、あちらこちらを見てる。
いろいろあるよ、さすがだね。
海はなかなか出られないので、近くの獲物ばかりらしい。
その分、貝類が充実してたのは嬉しい誤算だ。
魚はアジ、鯖みたいな光り物系と鯛、イサキみたいな白身の魚が中心だ。残念ながらサーモンみたいなのはいなかった。そのかわり、干物がいろいろあったよ。それに塩鮭はありました!
あまり塩がきいてない方がいいといえば、塩抜きの方法を教えてくれた。まあ、知ってたけど好意を無にすることはできないので、ちゃんと聞いておいたよ。
たくさんの貝や魚を仕入れた俺たちは、屋台でタレ味の串焼きを頬張っている。オニキスの分も買いました。その後はギルドに行って確認だ。
「いらっしゃい。ギルマス呼びますから」
呼ばなくていいのに。
「よう。忙しいのに悪いな」
あはは、忙しいのはオニキスだけだよ。
「これが買取金額だが、明細を見てくれ。それと素材をどうするか決めて欲しい」
うん、と見てみるんだけど、亀と海竜の肉が結構な金額だね。
「これ、美味しいんですか?」
「ああ。美味いぞ、高級食材だ」
なるほど。じゃあ、手放すわけないね。
「半分でもいいからギルドに買い取らせてくれよ」
うーん、どうしようかな。亀はでっかいから半分くらいはいいけど、海竜の肉ってどれくらいあるの?
おっと、結構あるね。
「じゃあ、半分ずつならいいよ。」
ありがたい! ギルマスは跳び上がりそうだね。
あとは亀の甲羅とか海竜の皮、爪、髭、目玉などなど……
『オニキス、どう?』
『うむ。もう終わったから戻っているところだ。ギルドか?』
『うん。それでね、でっかい亀と海竜の素材はいる?』
『別にいらんだろう。いつもどおり買取に出せばどうだ?』
じゃあ、そうする~
「素材はいらないから買取で。あと、鯨の肉は欲しい。ウミサソリは美味しい?」
「これも案外美味い。塩ゆですればいいんだが、外皮ごと茹でると素材が取れないから、一応外してあるぞ」
じゃあ、お肉はゲット、と思ったけど、五頭分でもいいからというんだよ。でも肉が少ないでしょ。
これが一頭分だと出されたけど、うちの子たちなら一人分だ、と呟けば諦めてくれた。でも、外皮とか毒針とかの素材は全部買取りだよ~
「戻ったぞ、主殿」
おお、おかえり~
こっちに出してくれ、とギルマスは自ら案内してるよ。
そのに出てきたのはシー・サーペント。全部で二十一匹です。
「こんなにいたのか」
「うむ。五匹ほど狩った後出てきた。それで見えたやつは全部狩ったぞ。よかったか?」
「もちろんだ! それとクラーケンはいたか?」
ああ、とぶっきらぼうに答えて、ずるずるとアイテムボックスから出てきたのはでっかいタコだ! いや、イカか?
ちょっとごめんね、と脚の先っぽを切り取って見てみるけど、どう見てもタコだ。皮を剥いでみたらタコ刺しだ~
薄くミスリルの短剣でそぎ切りして口に入れてみた。ん、あま~い。醤油も取り出してちょっとつけてみればタコ刺しのできあがりだ! 頭はイカみたいなんだけどね。
ノルとオニキス、サン、フラット。全員が食べたいというので、少しずつだよと口に入れてやれば、全員で合唱する。
「美味い!」
「これはこれでいいんだけどね。できるだけ生は止めよう。雑菌がいると嫌だから。これも唐揚げにすれば美味しいし、煮ても美味しいよ。柔らかくなるように加工するけどね」
食べたい食べたい、とフラットとサンは念話で合唱してるよ。
じゃあ、頭はいらないからと脚だけ持って帰ることにした。おおお、とギルマスが驚いてるけどね。
残りはゴミらしいよ。もったいないね。
読んでいただきありがとうございます。
ノルが豪商にとった態度、かっこいい~
オニキスも、楽しい狩りができたみたいだね。依頼の時はちょっとぼそっと獲物のことを話してたけど、面白い、オニキスは。王様気質なところがすごいよね~
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