75 自ら立てたフラグを回収するためにアンデッド系を倒しました。
こんばんは、こんにちは。
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今日もよろしくお願いします!
※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
十八階層はキラーマンティス。
また蟲系かよ!
鎌の部分は売れるらしいけど、いらないよ俺は。
当然の様にボスは吸血蟷螂エムプサ。
甲殻が鉄みたいに堅いらしく、鎌と一緒にドロップしてました。短剣も一緒にね。それに思ったより大きくない魔石があった。宝箱はなかったし、踏んだり蹴ったりだー
とにかく、このダンジョンは未開だったからか、どれも数が多い。いや、多すぎるよ。俺たちじゃなきゃ、無理だったと思うほどに。
これからも多いんだろうけど、できたら蟲系と屍霊系は止めて欲しいよ~
どうやら自らフラグを立ててしまったようで……
次の十九階層はゾンビとスケルトンのアンデッドたちだ。
臭いし煩いし。
これは殲滅しかないとオニキスがブレスで片付けてしまった。飛びながらブレスをぶつけるから早い早い!
ボスはノーライフキングだ。
真っ黒い骨は不気味ですよ。もちろん、すぐにやられたけどね。
透明の魔石と骨がドロップしたけど、拾いたくない~
宝箱には真っ黒な魔剣があったけど、気持ち悪いから、箱ごと入れた。あはは……
二十階層も同じでした。
レヴナントとグールの混成部隊。途中からはワイト。
ボスは死霊王リッチだった。
リッチのドロップ品は良かったと思う。
きれいな水晶、紫色、青、赤、緑、黄色などのでっかい宝石などなど。それに王冠とリッチからドロップしたとは思えない、真っ白い杖だった。水晶が組み込まれた上部は、とてもきれいで欲しいと思ってしまったよ。
二十一階層、二十二階層もアンデッド系でしたね。でも、首のない馬とかマミーとか骨でできた蜘とか……
みたくもなかった。
ボスもヤバイやつばかり。なかでも首無しの騎士が面倒だった。ここで俺は仕事をしましたよ。
光魔法をぶちかまして、浄化してやりました!
うん、これはもっと早く使えばよかったね。みんなごめん。
食事をとり、魔物を倒し……
どんどん進んでいった俺たちだけど。
途中からは俺も参戦しました。そうでなきゃ無理になってきたから。ドロップ品は半分位進んで一気に回収するようになった。
俺も魔法ぶちかましながら進んだよ。
頑張った俺たちは、今、四十四階層にいる。
どうやらここが現在の最下層みたい。オニキスはそう言った。
ボスはワルプルギスだ。
ヤバいんじゃないかな。
当然、相手するのはオニキスになるんだろうけど、その前に、フラットとサン、俺が挑戦することにした。ノルは辞退したいって。
さて、どうするかな。
フラットは空中から獄炎を使った。
一歩引くくらいの熱量に思わず結界が張られたほど。
どれくらい時間が経ったのか、やっと収まった炎だけど、それでもワルプルギスは立っていた。全身から煙が出てるよ!
サンは太い氷の槍をぶっ放す。五本くらい飛んでいったけど、最初は避けられて、二本だけしか命中しなかった。普通なら刺さらないらしいけど、さっきの獄炎で毛が焼けてるからだろうとオニキスは言う。
それなら、俺の得意なでっかい槍を使うかな。
空中に上がってフラットの背に乗った。
<魔力大増量氷の槍>
ドブシュッ! と飛んでいったのは、電柱よりも太くて長い氷の矢? だ。グワァァァァーーーーッ! と聞こえて、ワルプルギスの心臓部分にはぽっかりと穴があった。目を見開いたままゆっくりと倒れてゆく。
これって、成功したのかな?
『よくやったぞ、主。フラットもサンもな』
やっぱり倒せたんだね! 嬉しくて小躍りしそうだったけど、ピクリとワルプルギスの指先が動いたのを見逃さなかった。
これ、どうすりゃいいんだよ!
もう仕方がない。
<氷魔法ワルプルギス討伐>
とんでもないことを考えちゃったけど、俺の思いを魔法にぶつけてみた。
ピキリ! それだけ聞こえて、ワルプルギスの全身が凍った。
鑑定してみれば、どうやら討伐成功らしい。
『うむ。復活しようとしておったのか。良い判断だったな、主』
かっこいいね、とフラットが言う。すごいね~あるじぃ~、とサンがいってくれた。地面に降りれば、ノルがすごいすごいと大騒ぎだ。でも、やっぱり尊敬できる、と呟いたのが聞こえたけど、知らぬふりをした。尊敬なんてしなくていいよ。俺は規格外だからね。
心の中で呟いて、ドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスに入れた。そして宝箱を引きずってきたサンに促されて中を確認する。
剣でもあるのかと思っていたら、白金貨がざくざく入ってた。二つに分かれた半分には、貴金属や金の像など訳のわからないものがどっさり入ってましたよ。
ま、とりあえずよかったよ~
奥の地面が光り始めて、全てを回収した俺と仲間たちはその上に立った。
光に包まれたと思ったら、小部屋へと降り立つ。
外を見てみれば、入り口の内側、端っこに小部屋があったらしい。どうやら帰還用だと思われる。それも最下層からのみ使えるみたい。
とにかく戻ってこられた、と嬉しくなる。
中を探索すれば、まだ魔物の数は多めだけど、俺たちがみたギュウギュウつまった状態じゃなくなってた。よかったね、皆。
オニキスの背に乗ったあと、きちんと結界をはり偽装してくれた。
夕方なので、既に調査団は降りたみたいだね。
王宮のいつもの場所へ降り立てば、慌てて騎士団か駆け寄ってくる。
お帰りなさい! と皆が一斉に叫んでるけど、煩いよ。
「よくぞご無事で!」
ブーゲリアたちも駆けてきたよ。
ただいま、と皆で声を上げれば、王宮へと連行されてゆく。
疲れてるんだから、そんなに押さないでよと言いたい。
王宮で、皆に大歓迎される。
とりあえず、食事をと言われて、クリーンしてから食卓についた。
うまうまな料理が次々と並べられるので、待てないらしく、食べていいよと伝えれば、ノルもがっついてたのを見てわらっちゃったよ。
俺もゆっくり食べ始める。
でも、ここには米がない。
アイテムボックスから炊飯鍋を取り出して白米を大盛りにして食べ始めた。
料理長が不思議そうにしてるけど、俺はこれが好きなんだよ、とガツガツ食べた。
おかずはとても美味しくて止まらないんだよ。
でもね、と見たらパンは既になかった。お代わりのパンは大かごに一杯ある。
片手でパンを持ち、肉を頬張るオニキスに呆れる。
フラットはと見れば、隣りに一人専属の侍従がいました。サンも欲しい物を指さして取り分けてもらってる。
もう、うちの子たちはどうなのよ! と叫びたいけど、ノルと俺のことは、専属侍従が世話してくれてるから同じか。
やっと腹が落ち着いた俺は、窓際にあるソファに移動した。これ、最初はなかったんだけど、いつの間にか置かれてたんだよ。とっても座り心地がいいんだ。
「ご無事で何よりです、ナギ様。それでいかがでしたか?」
「うん、あそこは僕たちでよかったよ。普通の冒険者じゃ、二階層まで行かれなかったと思う。とにかく数が多かったから。それに出てくる魔物のランクがわりと低層階から高いね。四十四階層が現在の最下層。十五階層からボス部屋があるけど、それまででもなかなかの魔物がでるし、数が多すぎる。面倒でオニキスとフラットが炎で焼き払って進んだくらい」
それほどですか、とブーゲリアは驚いている。
「あと少し遅かったら、暴走が起きてただろうね。それも数千から数万体の魔物が雪崩れるほどの」
えええ?!
あ、ブーゲリアが腰抜かして座り込んじゃったよ。ごめんね。
詳しいことは後日ということにして、食事を終えた俺たちは部屋に戻って休むことにした。
ゆっくりと目覚めた俺は、隣を見てみるけどサンとフラットの姿はない。
まあ、いいか。と再び眼を閉じた。
どれくらい経ったのかな。
胸に圧迫感を感じて目を開けた。
『あるじぃ~、よるごはん、たべないのぉ?』
よるごはん? えっとどういうことかな。
『ナギ。そろそろ起きてご飯食べよう。一日何も食べないのはダメだよ。みんな待ってるから』
うそぉー、俺一日寝ちゃってたんだ。
「ごめん、今起きるから」
いいよ~と待っててくれるので急いで着替えて廊下を歩く。
「ナギ様。お身体は大丈夫でしょうか?」
おお、侍従が聞いてくれるよ。ごめんね~
「心配かけたね、ごめん。ぐっすり眠ったから大丈夫だよ」
よかったです、と優しい笑顔を見せてくれた。
「主殿、大丈夫か?」
「ナギ、身体は大丈夫なのかな」
オニキスもノルも心配してくれたんだ。
「ごめんね、心配かけた。一度起きたんだけど、また寝ちゃった。みんなも心配かけたね」
ブーゲリアをはじめとする皆にも謝った。
夕食をしっかり食べたことで安心したみたいだね。
デザートもかなり美味い焼き菓子を出してくれた。どうやら新作らしい。
おいしいね、とサンと並んで食べる。
フラットもお代わりしてるみたい。
明日は、ドロップ品の確認を、と言いにくそうにブーゲリアが言ったので、引き受けた。ただし、オニキスとフラット、サンは、調査隊を手伝いにいくらしいのでいない。ノルは手伝ってくれるって。じゃあ、今夜、残すものを選びたいと言えば、オニキスは快く引き受けてくれた。
俺の部屋でブーゲリアも一緒に検討している。
肉は当然確保するんだけど、いらない肉もあるよね。まあ、煮込めばいいか。
あとはオマケのドロップ品にあった薬とポーションの材料、毛皮を一部、そしてレッドサーペントの皮は俺が死守した。リッチの透明の魔石、他の魔物の魔石も特大のものだけ、そして宝石も特大だけにした。でっかい水晶は残したよ。あと、ローヤルゼリーは確保だね。ブーゲリアが泣きそうになったけど。かわいそうだから、半分は売る方に入れてあげた。
お金や金の延べ棒は当然出してないんだけど、魔道具といっていいアクセサリーは検討案件だと考える。前の迷宮で出てきた火魔法の効果が上がるネックレスはとってあるけど、今回は同じような水魔法用があったのでこれは確保。あとは、それぞれに欲しい物をあげることにした。サンは、大きな鞄がいいと言う。オマケのドロップ品の中にあったね、と出してやれば大喜びだ。赤い狼の毛皮でできた鞄。中はオークの皮らしく、柔らかくて心地いいらしい。ノルは短剣を手にしている。フラットは水魔法の能力アップのネックレスだけど、これはどこにつける? あ、それなら魔法を使うかな。
ミスリルのチェーンを外して伸縮自在魔法をかければ、全く問題ない。
大きな狼程度のフラットの首に入れようとすれば、するすると伸びて、チェーンも太くしっかりしたものになった。ブーゲリアはポカンとしてたけど。
オニキスは? と聞けば別に欲しい物はないらしいんだけど、どうするか考えてるみたい。
オニキスが手にしたのは、ノーライフキングのコートだ。これも魔法をかけてくれというので、伸縮自在の魔法をかければ、嬉しそうに来ていた。これ、ドラゴンになればどうなるんだろうね。
最後は俺。
俺は決めてたんだ、これに。
リッチのドロップ品の、水晶が入った真っ白い杖だ。
「魔法使いではないのに、それですか?」
ブーゲリアが不思議そうだ。
「主は魔法使いと言っても問題ないほどの魔法を使う。我は剣をもつより魔法で戦った方が良いと思う。以前はフラットと主二人だけだったが、今はノルも我もいるのだ。そしてフラットも魔法以外で戦える。当然、もしもの時には剣も使える故、なんの問題もない」
そうですか! と驚いてるブーゲリアだけど、違いは理解できてないだろうね。
まあ、帯剣して杖を持ってればもっと楽に魔法も使えるかなと思ってるんだ。あとでアルムおじいちゃんに聞いてみよう。
残りは? と聞かれたので売ってもいいよと言えば、数の記録をと、ブーゲリア自ら書いてくれるみたい。アイテムボックスに数がでるからね。
じゃあ、と読み上げていくんだけど、これが時間かかるんだよ。途中からオニキスが交代してくれた。
何度か交代して、やっと終わった。それをコピーすればブーゲリアが跳び上がって驚いたよ。大げさじゃないの?
今日はのんびりするかという話になったけど、早く次の迷宮に行きたいとフラットが言う。オニキスも同じだね。サンとノルはどちらでも。
俺も正直言えば、早く終わらせて旅に出たいのが本音だ。旅ならのんびりできるから。
オニキスによると、三番目は初層階に魔物が溢れているらしい。まだ浅い迷宮だけど、低級魔物の繁殖が半端ない。今、片付けておけば、しばらくは大丈夫らしい。次には冒険者だけで対応出来るかどうかはわからないが、数年は大丈夫だろうと言う話しだった。
低層魔物ならすぐに終わるよね。
それは間違いないと聞いたから、じゃあ行くかなと三番目に入ることにした。
そこは低級魔物の楽園かと思える程の賑やかさだった。それが四階層まで続いたけど、俺が凍結して一瞬で終わらせた。リッチの杖を使って魔法を使えば、かなり楽に魔法が使えることがわかった。これは魔法使いなら欲しい逸品だろうね。
その後、二階層は中級魔物がたくさんいた。ついでにと凍結しておしまいだ。
ここは低ランクの迷宮になるかもしれないとオニキスが言った。
最初は中級、二番目は上級か最上級の迷宮だなと分析していた。
読んでいただきありがとうございます。
アンデット……
どの世界でも、絶対に会いたくないです! もしかして、好きな人はいますか?
他の作品に出てくる主人公のアンデットは別にいい人、骨? ですけど。
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




