74 食うのも狩るのも肉ばかり~
こんばんは、こんにちは。
いつもありがとうございます。
今日もよろしくお願いします!
※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
「お疲れ様、皆。それにしても多かったね!」
『うむ。ここに溜まっていたのだろうな。次からもあると思う。覚悟した方がいいぞ、主』
そうだね。
『ナギ、お肉たくさん出たの?』
『あるじぃ~、おにく~』
あはは、お肉が気になるの?
「お肉たくさんでたよ。牙もね。毛皮もかなりあったけど、一番多いのはお肉だね」
やった~! とフラットは大きな尾を振って、サンはぴょんぴょん跳ねてます。
ノルはいつも同様にっこり微笑んでるだけだ。
ニヤリとクールに笑ってる、ように見えるオニキスだけど。ドラゴンの姿でそれは怖いよ?
お腹すいた、とサンが言うのでコケそうになったよ。
じゃあ、とその場でフラットの空間に入った俺たち。当然全身をクリーンしました。だって、フラットとオニキスは血だらけだったからね。
さて、ご飯だよね。
お昼ご飯は何がいいかな?
肉! と全員一致だ。
じゃあ、ガッツリ系だね。
いろいろ出してみるかな。
焼き肉丼、ステーキ丼、牛丼、カツ丼、鳥照り焼き丼、オーク生姜焼き丼などなど。
気に入ったのを器に入れるからと伝えれば、取り合いになってるよ。喧嘩しないようにね~
最終的に、最初は焼き肉丼を全員に盛る! サンは二人前、フラットは三人前、オニキスは五人前ですが……
ノルはもう食べてる。あはは、人間でもかなり食べる人なんだよ。
俺はステーキ丼を選択する。
最初のお代わりはサン。俺と同じステーキ丼を二人前だね。俺も必死で食べてます。じゃなきゃ、いつ食べられるかわからないから。
次々とお代わりの嵐。
コカトリスの照り焼き丼と熊肉のステーキ丼、オーク生姜焼き丼は人気でした。牛丼とカツ丼はノルが食べてくれました。
しばらく食べまくったあと、温かい紅茶を飲んでます。
そしてデザートは、王宮の焼き菓子と俺の作った焼き菓子ですよ。食べ比べってわけじゃないけど、どちらも人気でした。
王宮からの焼き菓子は半分になっちゃった。料理長はうちの子たちの食欲を舐めてるよね。俺は三倍くらいの量作ってるから問題ないけど。
俺以外は夕食の相談を始めてるけど、あんたたち、さっき食べたところだよね?
夕食は肉と決まった。どのみち、肉だろうけどね。
焼き肉がいいらしい。野菜もあるし大丈夫だよね。
こっそり、特大のフライパンで肉を焼き続ける覚悟をした。まあ、焼き肉用にカットした肉はたくさんあるし、鳥系は並べておいておけば、ひっくり返して焼くだけだから。赤身肉をひたすら焼こう。野菜も一つフライパンを用意して焼くのです。肉も野菜も食べてくれるからね。今夜は野菜サラダはなしでいいかな。
そっち行ったよ!
了解!
この階層は青空がある草原。
かなりの広さがあるのは鬼門だね。
連携をとりながら狩っているのは角ウサギに牙が生えた魔物。角ウサギとは別の魔物だと聞いて驚いたけど。
ジャイアントファングラビと言うらしいんだ。ジャイアントって進化したやつみたいで、なかなか強いのですよ。前の迷宮でも雪の階層に白いのが出てきた、あれの普通版だそう。肉は雪の世界のより美味いらしい。雪の世界にいるのは脂肪分が多いんだって。寒さに抵抗するためかな。
これは角ウサギより断然美味しいと聞いて気合い入ってます、全員。
最初はすんごい数だったんだけど、オニキスに肉のことを聞いた後は、皆の勢いが違った。
ノルは仕掛けを見つけ次第声をかけて進んでいる。これはすごい能力だよ。長剣もかなり使えるようになってる。剣士で問題ないかな。ランク的にはもう少しだとは思うけど。
サンは氷の槍で、フラットは雷で、オニキスは氷のビームみたいに見える槍で倒してる。
俺はショートソードですよ。運動不足だから。でもこれ以上大きくなったら魔法だね。今で俺の身長ギリギリくらいの体高なんだ、ジャイアントファングラビは。
変わらず前衛はフラットとオニキス、中央はノルとサン。俺は殿ですよ。でもかなり来ますよ、魔物たち。
ドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスに入れるから、最後になるんだよね。ノルの護衛はサンがいるから完璧なんだ。俺の為に罠の場所をマークしてくれてる。ありがたいよ~
途中で小部屋があった。
中を探索すれば、ぎっしりとジャイアントファングラビが詰まってる。その中にはお宝があるみたい。仕掛けはないね。珍しい……でも再度鑑定が必要でしょう。
小部屋は後で戻ることにして、先へ急ぐ。まだまだ量が減らないから。
三時間と少しでやっと中央あたりかな。ため息をつけば、その先から一廻りデカいやつらが来たよ。それも大きな牛です。ブルーブルと言うらしい。どうやらここも肉階層みたいだね。
続けて行く?
いや、とりあえず行かないとダメでしょうよ。結界張っても周りがブルーブルで埋まるしね。
じゃあ、行くよ!
オニキスとフラットが半分ずつ受け持って、横幅一杯に狩ってゆく。
その後は、ノルとサン。そして、俺も変わらずに殿を歩いてます。
ここにも小部屋があるね! ノルの声で確認したら、うん、あるよね。でも、ここにはブルーブルはいない。宝箱もない。
からっぽだよ~
残念~
あはは、残念なんだね。
ドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスに回収するとき思った。ドロップ品はほとんどが肉と角。あとは皮だね。
既に午後五時が近い。ドロップするならどんな狩りでもいいよね。
『フラット、オニキス~時間も時間だから、殲滅する?』
『良いのか?』
『いいよ~どうせドロップするしね』
『わかった~』
あはは、フラットは即了解だね。
じゃあ、とフラットはこっちに飛んでくる。オニキスはブレスで焼き払うことにしたらしい。
フラットは、近くにいたブルーブルを焼き払った。
「ねえ、後に小部屋があるんだ。そこにぎっしりいるんだよ。でも宝箱があるからサン、凍らせてくれる?」
『りょーか~い』
フラットに乗って小部屋に戻れば、ノルは罠の解除に取りかかった。
その間に後の方からドロップしてくるのはブルーブルですよね。
フラットが引き受けてくれたので、俺たちは安心して待ってることができる。
その間にドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスに入れた。
小部屋を合図と共に開けば、ぎっしりとジャイアントファングラビが詰まってますよ。これ、動けないでしょうよ。
ペキペキと凍っていく獲物たち。
全てが凍ったら、前の方からドロップしてくる。
その間に宝箱を鑑定する。やっぱり、ミミックがいるね。
「ノル、ミミックがいる。気をつけて!」
わかった、と凍った魔物が消えた後、宝箱を慎重に開けた瞬間長剣でなぎ払った。
おお、見事。
中には宝石があったらしい。少々がっかりしたけど、一応宝石箱ごと回収した。
小部屋から出ようと思ったら、すぐそこにフラットがいる。焼き払って通り過ぎた後みたいだね。
じゃあ、と後をみてから外に出た。
『フラット、打ち漏らしは任せて!』
うん! とフラットは進んでゆく。
ノルとサンは逃げてきたブルーブルを狩り始めた。
さて、俺はドロップ品の回収だよね。
ブルーブルの階層を終えた俺たちは、フラットの空間で夕食タイム。
約束通り焼き肉三昧だ。
今日とったディグビッグの肉やワイルドボアも美味美味~と言っても俺は焼く係ね。
一つは鳥系の肉。もう一つは野菜。肉は二つのフライパンで焼いた。バーベキューコンロにすれば楽なんだけど、うちは違う。皆、器じゃないと食べられないからね。
どんどこ焼いた肉たちは、皿の上に留まってる時間はなかったよ。それでもノルは負けじとテーブルに置かれてすぐに取り皿にひったくるように分けてた。負けてないところが素晴らしい。
鳥も野菜も肉も。一時間以上焼き続けて、ひと息つける程度になった。
やっと俺も食べられる~
白米を大盛りにして、キッチンで肉の焼き加減を見ながら食べるんだけど。途中でグリルしたチキンを出して食べた。だって、ノルが戦線離脱してから、鳥以外がお好みだったからね。
ひとしきり食べた皆が落ち着いたのは、焼き肉開始から二時間後。俺はやっと椅子に座って食べることができた。熱々ご飯をお代わりして、肉を食べる。残念ながら、野菜はカットしたのがなくなった。仕方なく、肉を食べる。でもグリルチキンも美味しいよ。
先に皆を風呂に追いやるんだけど、大きさの関係で、子犬姿のフラット、サン、ノルが先発組として向かった。
その間、オニキスはシフォンケーキをワンホールと紅茶をポット一杯味わっていた。
やっと食事を終えた俺は、ため息をついて全身の力を抜いた。
焼き菓子を口に入れて、安堵する。うちの子たちの食事は戦争といってもいいね。明日は焼き肉は禁止。作って保存してるものにしてもらおう。
食器類やフライパンをクリーンして、風呂から出てきたフラットの毛を拭いてやる。サンも拭いて欲しいというので、優しく拭いてやった。
今はオニキスが風呂に入ってるから、俺は少しだけベッドへ……
次に目を覚ましたのは、サンのお腹すいたコールだった。
え? お腹すいたの? だって……
あははは、俺、寝ちゃってたんだね。
やっちまったよ。
「おはよう」
おはようと返されて、朝食を取り出す。
「昨日はごめん、ナギ。疲れてるのに、大変だっただろ」
大丈夫だよ~多分。
「でも、今日からしばらくは焼き肉禁止だね。いい?」
はい、と皆が項垂れた。
作ってあった朝食を山盛り出して、朝ご飯。
いただきますと幸せそうな顔を見て、俺はとても幸せになった。
さて、今日は何がいるのかな?
空間から出たら、安全エリアの周りはオークの大群がいた。これ、どうするのかな?
とりあえず、俺、ノル、サンは安全エリアで待機。そしてフラットとオニキスが飛び出して行く。
今日は最初から殲滅するみたい。
火炎放射器と化した二人をみて、呆れるしかないんだけど。
結局、その階層はオークだけだった。
次の階層は?
もう嫌になってきたんだけど、オークの上位種だね。キングまでいたよ。ということは……
はい、また火炎放射器ですよね。
朝からドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスに入れるしかしてないよ俺。
サンとノルは仕掛けをマークして、小部屋を探し突入する。そして宝箱をゲット。
それを鑑定して保管するのは俺の仕事です。
当然の様にサラッと終わった俺たちは、次を目指す。
次はファングウルフですね~
でもデカい!
ダイヤウルフくらいあるかも。
でもフラットとオニキスのテンションが低すぎる。
なぜか。肉が美味しくないから。
オニキスはブレスで焼き尽くすつもりみたい。フラットはその打ち漏らしを狩ってる。
サンとノルのコンビは相変わらず、小部屋あらしですね。部屋を開いて、魔物の数によって戦い方を変えてるのはいいよね。多かったら凍らせてるし、そこそこなら狩ってます。うん、それも良し。
俺は……何の変化もありません。ごめんね。
そんな風に四階層進んで今日は終わりです。
夕食はリクエストで唐揚げを大量に取り出した。うん、簡単でいいね。それと大量の野菜サラダ、パン、マカロニサラダです。
俺は唐揚げじゃなくて、肉豆腐を出しました。揚げ豆腐の中に細切れ肉を詰め込んで味を含ませたもの。甘めに仕上げたので、白米にぴったりだよ。
『主。それはなんという食べ物だ?』
お? オニキスが興味を持ったね。
肉豆腐だと言えば、皆が食べたいという。それならと二切れずつ出したんだけど。気に入ったのはノルとサンだけ。オニキスとフラットは腹に溜まらないからと、漬物扱いしやがった!
それからもドンドコ進んで行った。
ここは魔物の数が多いのはもちろんだけど、かなり強い魔物が最初からいたね。迷宮のランクが上がりそうな気がするよ。
ただ、十階層でも出てこなかったボスが、十五階層から出ました。
最初に出たのはジャイアントキラービーのクイーンだ。
当然、フロアにでる魔物も強くなってきた。
十五階層はジャイアントキラービーだ。でっかいハチの集団が迫ってくるのは気味が悪い。でも、ドロップ品はお金になりそうなものがたくさんある。外殻は防具に使えるらしいし、毒針もお金になるみたい。時々ローヤルゼリーも落としてくれたし。
十六階層はポイズンスネークでした。
ボスはレッドサーペント。これはきれいな皮が欲しいなと思ってしまった。でも強かったね。
フラットとオニキス、サンも参戦して倒したけど、丸一匹分の皮と真っ赤な魔石。そして血の色をした魔剣がドロップされた。ノルが発見した宝箱には、金貨や宝石がざくざく入ってたのには驚いたよ。
十七階層は蟲系。
俺の大嫌いな階層だ。キラービーの時も思ったけど、我慢できないほど蟲は嫌い。
ここはアーミーアントだけが迫ってくる。アリの行軍なんてみてるだけで吐きそう。日本では普通にアリはじっと見てられたんだけど、この世界では無理だった。
あまりにデカいし強すぎるし数が多い!
大軍で大きな魔物だって殺す程の力を発揮するんだからね。絶対対応したくない。俺なら一気に全部凍らせるけど。
ボスは戦争蟻ミュルミドンでした。
まあ、予想はしてたみたいだよ、オニキスは。大国と戦争ができるほどの巣をつくる人馬型の身体構造をした巨大蟻です。陣形を組むほどの知能があり、前肢は人間のように器用で武器を持って行動するんだって。でも、オニキスの攻撃一発で終わってたけど。
ドロップ品を回収してとっとと次に行ったよ~
読んでいただきありがとうございます。
おもっきり、タイトル通りです!!
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




