69 夜ご飯は肉合戦!
こんばんは、こんにちは。
いつもありがとうございます。
肉合戦? だいたい想像できますね。
今日もよろしくお願いします!
さて。
次は何が出てくるのかな。
ゆっくり歩いて進んで行けば、でっかい影がいくつも見える。あれは、狼かな?
ブラックファングウルフという魔物らしい。
こういうやつらは黒いほど強いそうだ。その上はないんだろうな!
んっと。さっきのにも牙があったけど、もしかして牙があるやつ、それもでっかい牙があるやつはファングが付くんだろうか。
狼だけど、フラットよりは小さいね。
フラットはシルバーウルフ王の子供だからから。かなりでっかい。こいつらとは大きさが違うよね。
でも、同じ狼だけど、いいのかな。
チラリとフラットをみてみるけど、全く気にしてませんでした!
正面から駆けていって、相手をなぎ払ってるよ。
まあ、ガキをぶん殴る若者、って感じかな。でも、多分、フラットの方が若いと思うよ。
面白いように相手が吹っ飛んで行く。
さて、サンはどうするんだろうね。おお、氷の刃が飛んでってますよ~
じゃあ、僕は空中から奥の方を狙いますかね。
<魔力多め氷のライフル弾>
バンバンバン!!!
どれも眉間を撃ち抜いて行く。後の方にいるやつらは少し大きいみたいだね。
これほど同じ魔物を集めようと思っても無理でしょうに。本当に迷宮って不思議だよ。
ぶん殴り攻撃から氷刃攻撃に移行したフラットと、相変わらず氷刃攻撃をしてるサンは確実にこちらに迫ってくる。このままじゃ、俺が切り裂かれそうだよ。
一度後に下がろうと飛翔して二人の後に降り立った。
その間にドロップ品を回収っと。
もちろん、オマケのドロップ品も当然回収しましたとも!
残りを倒したフラットとサンは、得意そうにこちらを見る。
うん、よく頑張ったね~
次はボス部屋だけど、その前の安全エリアで空間に入った。当然、クリーンはかけましたよ。
「お疲れ様。二人ともよく頑張ってくれたね~助かったよ」
『あるじぃ~サン、がんばった~?』
うん、とっても頑張った!
『ナギ、大したことなかったね。次からは強くなるかな』
うん、大活躍だったね、フラット!
「多分、次はもっと強くなると思うよ。何階層まであるのかわからないけど、どんどん進めればいいね」
うーん! とサンの元気な声が聞こえた。
『ナギ。お腹すいた~』
『サンも~』
よしよし。じゃあ、何を食べる?
お肉、お肉、と合唱してるんだけど、可愛すぎるよ~
じゃあ、焼き肉がいい? 他にはトンカツもあるし、ステーキも焼けるよ?
『ステーキを焼き肉のソースで食べたい!』
『サンはふつーのやきにくがいい~』
じゃあ、別々につくるかな。
魔道コンロにフライパンを三つ置いて。
じっくり熱したフライパン二つでカット済みのステーキを焼く。もう一つで、焼き肉を焼いて行くのだが、オークのバラの部分とロース、ワイバーンを焼き肉の厚さにカットして放り込んだ。
ジュウジュウと肉の焼ける音と匂いが充満する。
様子を見ながら、野菜サラダを大量にとりだし、二人に問う。
「パンがいい、ご飯がいい?」
『ご飯~!!』
おお、二人とも米だね。
じゃあ、と取り皿を出した所で、フライパンに焼き肉のタレを投入だ。
じゅわじゅわ~っと匂いが広がる。
ささっと絡めて大皿に取り出した。
テーブルに二つの大皿を置いて、大きめのボウルにご飯をよそった。
食べていいよ、と言えば突進する二人。
フラットは直にステーキにかぶりつく。サンは、フォークで突き刺して食べてますよ。隣りに置いたご飯はあっという間になくなった。
お代わりをしてサラダをそれぞれに大量に盛り付ける。これはお残しは許さないのです!
じゃあ、次を焼こう。
でなきゃ、間に合わない。
ステーキを二枚ずつ大きなフライパン二つに入れる。
カットしておいた肉を焼き肉用のフライパンに入れて、じゅわじゅわ混ぜ混ぜだ。
焼き肉のタレ再び!
いい匂いが漂ってくるけど、二人の腹を満たしてからじゃなきゃ、俺は食べられない。ううう~食べたいよ~
それから肉ルーティンを繰り返すこと、六回。なんと、フラットは二十四枚のステーキを食べた。サンは何キロ食べただろうか。
ごちそうさま、と聞こえて安堵する。途中からご飯はサンがよそってくれてたからね。たすかるよ~
当然のように、サラダも全部食べてくれた。野菜嫌いじゃなくてよかったよ。
じゃあ、と温かい紅茶をそれぞれのボウルに入れてやる。そしてデザートだ。
俺がつくったシフォンケーキをワンホールずつ置いてやれば、嬉しそうに食べ始めた。
どう? と感想を聞けば、甘すぎなくて美味しいって。
はい、美味しい! いただきました~
嬉しくて、腹が減ってたのを忘れてた。
じゃあ、俺も焼き肉かな。
サンの為にカットしておいた肉をフライパンに放り込む。じゅうじゅう焼いてタレを絡めて終わりです。でも、少し足りないかな。じゃあ、遠征の時につくってたタコの酢物やコロッケを取り出した。
テーブルについてゆっくりと食べる。
二人のデザートはそろそろ終わりそうだね。
ごちそうさま~
うん、お利口さんだ。
じゃあ、お風呂に入っておいでと言えば、子犬姿になったフラットとサンはお風呂へ直行した。シャンプーできる? と聞けば、サンがボトルを押してくれるらしい。フラットを洗ってもくれると聞いて、サンの主婦力を再確認する。
きゃあきゃあと聞こえる二人の声に癒やされながら、ご飯を食べる。お代わりしようと炊飯鍋を覗いたら、あと一杯分くらいしかなかった。愕然とする俺。
じゃあ、と残りご飯を全部茶碗に入れて、大盛りにしたご飯をガツガツ食べた。
ふぅ、ごちそうさま。
さて、デザートだね。
シフォンケーキをカットして、紅茶を飲みながら味わう。
うん、美味しいじゃないの。これはいいな。食感もふわふわで。プレーンと紅茶両方食べたけど、とても満足できた。
またつくっておこうか。
そんな時間があればいいけどね。まあ、コピーしたのが五個ずつあるんだけど。二人は各一個食べるから、すぐになくなりそうだね。
風呂から上がった二人にお水を出して、身体を乾かしているのをみていた。
『ナギ、お風呂は?』
「忘れるところだった。入ってくるから。乾いたらベッドに行ってていいよ」
そう言って手を振りお風呂へ向かった。
どうやら、サンがクリーンしてくれたようで、フラットの毛一本浮いてない。気遣いできる子たちだね。
サバーッと湯が溢れるほど深く沈む。
はぁ、とついため息が出ちゃうね。
オニキスとノルは頑張ってるかな。
多分だけど、まだ先がある気がする。いけるとこまで進んでから帰ろう。それまでに緊急の呼び出しがない限り。でもオニキスがいるから大丈夫でしょうよ。
こうやって迷宮の調査が終わっても旅がしたい。
他国にも行きたいし、他のダンジョンにも潜りたい。そうなれば嬉しいけど。オニキスは一緒に行くと言ってくれた。ノルも同じ。フラットとサンは言わずもがな。
それなら俺が決めるだけだね。
ミスリルも大量に確保できた。一メートル立方体が数万個単位で入ってるんだ。これで武器をつくりたいと思ってたりする。他にもいろいろつくってみたいし。便利になるならいろいろつくろう。それに薬もつくりたい。薬草はたくさん確保してあるけど、つくってない。ポーションをつくっておきたい。サンのポーションはグレードが高すぎるから、どこかで他の人に何かあっても出せない。けど、俺が作ったものなら、ランクSだから大丈夫だろう。
そんな風に自分のやりたいことをやっていきたいな。
眷属の三人はずっと一緒にいてくれるだろうけど、ノルは自由だ。別の挑戦がしたいなら、気持ちよく送り出したい。
それは最初から思ってることだし。
そのためにも明日からも頑張って、最下層を目指そう!
長い髪を風魔法で乾かして、ベッドに転がった所までは覚えてるよ。でも、其の瞬間からの記憶はありません!
気がついたら、フラットが大きな鼻で起こしてくれてた。
おお、起きなければ!
慌てた、慌てた。
朝食の支度ができて、三人で食べる。
今朝は、サンがつくってくれた味付け海苔を巻いたおにぎり、だし巻き卵、お味噌汁だ。
それだけしか出してないけど、大喜びで食べてる二人に微笑む。俺も負けじと食べまくった。
この朝食は俺のお気に入りに入るな。そんなことを思いながら食べまくりましたよ~
食後のお茶を楽しんでる俺の前では、二人がまだ食べている。本当によく食べるよ。だから元気で頑張ってくれるんだと納得して嬉しくなる。
ノルはちゃんとご飯食べてるかな。オニキスも大食いしてるだろうか。
そんなことを考えながら、香りのよい紅茶を飲んでる俺って、七歳だよね、今は。こういうところは前世のおっさんが発動するみたいだ。あはは、仕方ないよねぇ。
今日も元気に頑張ろう! と三人でボス部屋の前に出た。
ここは何がいるのかな。
そっとデカい扉に魔力を通せば、ゆっくりと開いて行く。
中は空っぽ?
おかしいな、そんなはずは……
ブフゥゥゥゥゥーーーーーーフン!
ドッと地面を蹴る音がしたと思ったら、ドドドドドーーーと地面が揺れるほどの振動と共に姿を現したのはイノシシ!?
デカい……
そして、むちゃくちゃ鼻息が荒い!
<鑑定>
パイア:暴れイノシシ Bランク
普通は山に棲む巨大な暴れ猪
気性は相当荒く、見るもの全てを轢き殺そうとする
なんだよ、これ。
こんなのみたことない。
こいつ、俺たちを轢き殺すために走ってるの?
「危ないから避けて!」
サンはフラットの背に乗り、右へと避ける。俺は左へと飛んだ。
ただ、真っ直ぐ駆け抜けたパイアは、壁に激突する。
あれ? 小回りきかないのかな。それともバカ?
ブフゥと再び鼻息が聞こえて、俺の方が弱そうだと思ったんだろう、俺に向かって地面を蹴って爆走してくる。
これ、どうやってやつけるんだよ!
『ナギ!』
『あるじぃ~!』
『大丈夫、なんとか対応する。みててよ、そっちにいったら大変だし。無理そうなら飛翔する!』
りょーかい!
こいつは、まっすぐ突っ込んでくる。それなら真っ直ぐ受けて立つかな。
<魔力多め氷の太い槍>
バン!
ズバッと音が聞こえて何かが飛び出した。その太い何かは、見事にパイアの眉間を捕らえたみたい。
ズズズズズドドーーーン!
聞いたことのない音が聞こえて、先を見る。
驚いたことに、パイアは串刺しになってた。うん、これ丸焼きスタイルだね。
おっそろしいな、俺の氷の槍。電柱くらいの太さの槍だよ。いや、槍と言うより鉛筆みたいな形だね。
これって、倒したって事?
スーッとパイアは迷宮に引き込まれた。残ったのは氷の鉛筆だよ。
おお、こわっ! これ、魔法がなければ死ぬよ、絶対。これでBランクだって。ここから先、どうなるのよ。
『ナギ、よかった。あれは何? でかい棒だね』
『すっごくふといぼう?』
「あはは。魔力多めで太い氷の槍ってイメージで魔法使ったらああなった」
『やりなのぉ~?』
『あれは槍じゃないでしょ。柱だよね』
いや、槍ってイメージだよ? ただ魔力込めすぎたかな。
『あるじぃ~、なにかでたよ~』
お、ドロップ品かな。
毛皮と肉が大量に。そして牙、かな。あとは、でっかい魔石と宝箱。
あけていぃ~? いいよ。
ぱかっと開いた中には、骨か牙かしらんけど、短剣と宝石みたいなのがある。
鑑定してみれば、パイアの牙でつくった短剣。そして、魔力をどれだけでも貯められる宝石。何につかうんだよ、これ。
それよりも、宝箱の方が高そうだね。
全部をフラットがアイテムボックスに入れた。
次の階層は……
なんと言うか、微妙だ。
ゴリラ、だよね。俺よりはずっとでっかい。キングコングの小さいの、と表現すればいいかな。
それが、ウホウホと胸をドラミングしながら俺たちを待ってるんだけど。どうやらCランクらしい。
少し前までは、行き当たりばったりだったけど、鑑定してみれば面白い。それなりに対応すればいいし、ボスたちならどれだけ危険か。どんな攻撃をするのかなどが理解できるから。これからはちゃんとしましょう、鑑定をね。
さて、どうする?
Cランクというくらいだから強いんだろうけど、さすがに魔法はつかわないでしょうよ。力押しのような気がする。
じゃあ、順番にやってみる?
一番手に名乗りを上げたのは、サン。
試しに、と氷の弾丸を撃ってみたいらしい。
ブシュッと飛んでいった氷の弾丸は、見事にゴリラの頭を撃ち抜いた。ドラミングが止まって、ゆっくりと身体が傾きごろりところがったゴリラさん。
じゃあ、次は僕だ!
フラットが前に出て、氷の刃を放つ。
バシュッと飛び出した氷刃は控えていたゴリラの首を順番に切り落として行く。
あはは、これ普通に大丈夫そうだね。魔法を使わない人は大変だろうけど。
ついでに俺も指拳銃を試してみる。
<氷の矢>
バン!
ブシュッと飛び出した氷の矢は見事に後ろにいたゴリラの喉を貫通した。当然、一瞬で息絶える。
「じゃ、魔法で行くかな。その方が早そうだよ」
全員で氷刃を放とうと言うことになり、せーの、と一斉に放った。
ズバッ、ブシュッ、ブシャッと次々と首や腕、脚などが切り離されて行く。さすがのゴリラでも四肢がなくなったら出血多量だ。少しずつ進みながら魔法を放っていった。
フラットが乗れと言ってくれるので、じゃあ、と背に乗って魔法を放って行く。
途中からフラットは空に上がった。なぜかと言えば、ゴリラの姿が消えるのが遅いから。
ずんずん進んで倒して行く。
ある程度進んだ時、ゴリラの大きさがでかくなった。あ、お兄ちゃんクラスだ。
でもやることは同じ。
サンは、器用にドロップ品を回収しながら氷刃を出してる。俺もオマケドロップ品を回収しながら指拳銃連発だ。
一時間もしないうちにあれだけ広い階層を通り抜けて、ボス部屋前の安全エリアまでたどり着いてしまった。
読んでいただきありがとうございます。
肉合戦というよりは、肉祭りでしたね。
ほんと、普通の家ならすぐに破産しますよ笑
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




