67 新しいオーブンでお菓子をたくさん作ったよ~
こんばんは、こんにちは。
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「いらっしゃいませ、ナギ様」
こんにちは。
「この度は大変でしたね」
そうですよね~
「なので、しばらく留守にします。いろいろ依頼がありますし、旅に出るので」
そうですか、と補佐に何かを話した。
「それで本日は、どのようなものを?」
ノルの冒険者用の服を頼んで、下着や服もそろえて欲しいと伝える。この方も火事に?
そう聞かれたので、この人がいなきゃ、死人が出ていたかもと言えば驚いていた。
家は建てないのかと聞かれて、今のところは予定してないと答えた。だれか使いたい人がいたら、お貸ししますから。水晶を持っているので、連絡ください。
そう頼んでおいた。
ノルの服はとても良いものだった。
防具などもあったので、とりあえずのものを揃えた。
そして普段着なども必要だし、下着なんかも全部だ。
補佐という人がいろいろ揃えてくれて助かった。
ミスリルは最近どうかと聞いてみれば、入荷が少ないと言う。今なら持ってますよ、と言えば売って欲しいと言われた。一メートルの立方体を五個取り出した。金額はお任せだ。だって知らないもん、相場なんて。
じゃあ、と買い物よりミスリルが高額だったので、おつりをもらってしまった。たくさんね。
じゃあ、と店をでた。
ノルが謝り倒すので、気にしないで欲しいと伝える。最悪を回避してくれたんだから、そのお礼だと伝えた。
じゃあ、空間に入るかと聞けば、問題ないらしい。でも、それなら俺が入る方が効率がいいよね。
料理をしたかったから。お菓子を作ってみたかったし、オーブンも試したいからね。
そう言えば、ノルが背に乗ってくれればいいとフラットがいう。魔物と間違えられないようにという気遣いだ。
じゃあ、とノルが椅子に座った。俺とサンは空間に入ったよ。
休憩の時間は念話をもらうことにして、俺はオーブンを取り出す。
どこに置くかなとみていて、気づいた。キッチンを改良しよう。
そう、新たに置く場所を作った方がいいと思ったんだ。多少、熱い風が出てくるから。その心配がないように、キッチンを改造したい。サイズは大きくなってもいい。他に支障がなければいいんだけど。
(クリエイト)
すごい光が見えたと思えば、オーブンが移動していた。キッチンのコンロとは違う場所に入っている。そう、魔道キッチンのキッチンみたいになってた。すごいね~
熱はどこに行くんだろうと余熱をしてみれば、熱はきちんと遮断されてるみたいだ。なぜかはわからないけどね。別に空間が熱くなるわけじゃないし。面白いね、クリエイト先生は。本当にすごいよ!
じゃあ、次だね。
お菓子の作り方の本を開いて何をつくるかと考える。
最初は焼き菓子がいいかな。
ネタはクリエイト先生にお願いして、型にバターを塗る。そしてその中にネタを流し込んだ。上にドライフルーツを置いて焼くことにした。
書かれている通りに予熱したオーブンに並べていく。いろんなものを混ぜ込んだりトッピングしてみた。甘みは抑えてますよ。あとでクリームをのせてみたいから。
いろいろ試してみた。
最終的にはチーズケーキもできました。ふっくらとしてもっちり出来上がったので大成功だろう。
当然、それぞれを大量コピーしてますよ。
そう言えば、何も連絡ないけど休憩しなくていいのかな?
『フラット休憩は?』
『してもいいけど。お菓子できた?』
『できたよ。味見してくれると嬉しいな』
『わかった。じゃあ、どこかに降りるね~』
待ってるよと言って念話を終える。
「サン。フラットたちが休憩しに戻るよ。準備しておこうか」
『わかった~。じゃあ、サンはこうちゃのカップ、だすね~』
頼むよ、と言っては見たものの、どうやって出すんだろうとみていれば、地面からにょ~んと伸びて食器を取りだしている。へ? すごくないか、サン。
お皿も出してもらったので、焼き菓子やケーキを大きめにカットして四角いトレイに盛った。
こういうとき、四角くて平たいお皿があればいいね、と思ってクリエイト先生にお願いしてみたら、完璧な真っ白の角皿が出来上がった。
今、オーブンはシフォンケーキを焼いてる。
ふわふわシフォンが目標だ。そのために、泡立て器も魔道具としてクリエイト先生に改良してもらった。魔力で動くから使いやすいよ。
『ただいま~』
フラットとノルが戻って来た。
二人にクリーンをかけて、座るように促した。
サンは? とみればどうやら紅茶を入れてくれるみたいだね。本当にこの子は良い助手になったよ。
いろんなケーキを大きな角皿に並べておいてある。それぞれでとってもらうことにした。フラットのお皿を出せば、ノルがいろいろ取り分けてやってる。
サンがいれてくれた温かい紅茶は完璧だ! この子はどこまで進化するんだろうね。
うわぁ~と空にいた二人は大喜びだ。
これはすごい、美味しい! と煩いことこの上ない。でも、ちょっと嬉しいな。美味しいって食べてくれるのが一番だ。
「これは販売できるレベルだね、ナギ」
そんなことないよ。プロにはかなわない。
『売るのはダメだよ~僕たちのがなくなるから!』
あはは、フラットはそう言ってくれる。もちろん、俺は仲間のためにしか作る気はない。
「迷宮にも行くけど、鳥の魔物を狩りたいね。唐揚げとかつくりたい。この前、狩ってきたけど、数はあまりなかったからね。たくさん食べるだろ? オニキスがいればもっと食べるし」
そりゃそうだ、と皆で笑う。
とりあえず、つくるなら唐揚げがいいか、グリルがいいかと聞いてみれば、唐揚げが先にほしいと決定したみたい。
あと、どれくらいで到着するかと聞けば、普通に飛べば三時間くらいだって。早いね、フラットは。
じゃあ、その間におにぎりをつくっておこう。迷宮では便利だし。海苔はないのかな。海苔があったらいいのにな、と後でクリエイト先生にお願いしてみよう。
じゃあ、普通に飛ぶね、とフラットたちは出て行った。
サンは、オニキスに念話してくれたらしい。
『こんどは、なにをつくるの、あるじぃ~』
「今度はおにぎりをつくるよ。少し待ってね、海苔っていうのを巻けば美味しいからつくってみるね」
は~い、とクリーンして食器を片付けてくれてる。
ん? サンがクリーンしてる?
できるようになったよ~と言うので、それなら任せておこうかな。じゃ、俺はクリエイト先生にお願いしてみよう。
日本であった味付け海苔が欲しい。海藻からつくる海苔で、磯の香りとほんのり味が付いてるものなら最高です!
(クリエイト)
テーブルの上が、ぶわりと光る。
その後には、大きな缶があった。これ、見たことあるよ。四角い缶の蓋を開ければ、ズルズルと繋がる味付け海苔が入ってる。日本でみたのと一緒だ~
その缶が全部で十個だよ? まあ、乾燥材もあるしアイテムボックスに入れるから問題ないけど。
それじゃあ、炊飯鍋を取り出してボウルにとりわけ軽く塩を振る。さっくり混ぜてから、水で手を濡らして握ってみた。
味付け海苔を巻いてからサンに試食してもらう。
『あるじ、このくろいのなぁに~すごくおいしいよ~』
うん、そうだろう、そうだろう。
「これはね、味付け海苔っていうんだよ。こっちの世界にあるのかは知らないけど、クリエイトでつくってみた。だから、俺の見たことのある形になってるんだ」
おいしいよ~と素直に喜んでくれる。
どうやってつくるのかと聞かれて、おにぎりの握り方、海苔の巻き方を教えれば、テーブルにのっかったサンは、腕を出して手のひらを俺と同じくらいに引き延ばす。水をねといえば、水魔法だろうか手が濡れている。こうやれば早いよね。サンも頭がいいよ。
サンが握ったおにぎりは、俺が試食した。
うん、美味い! 握り具合もちょうどいいよと言えば、よかったと喜んでいる。
じゃあ、とでっかくて四角いお皿を置いて、そこに二人で並べていった。海苔を大量に取り出して、どんどん握る。
鰹節でもあれば、中に入れられるのになと少し残念だけど、とりあえず今はいい。
結局、炊飯鍋二個分で百六十個の味付け海苔おにきりが出来上がった。
即アイテムボックスに入れましたよ。
さて、今のうちに炊飯鍋でご飯を炊いておこう。
米を洗って魔道具でご飯を炊く。残ってた魔道具三台はフル活躍だ。
ご飯が炊き上がって、アイテムボックスに収納した後、出来上がってたシフォンケーキを取り出してみる。
なかなか良いできあがりだね。オーブンの中に置いてたから少し焼きすぎかな。
でも、サンと二人で味見してみたが、全く問題なかった。でもふわふわの方がいいと、再び挑戦した。
シフォンケーキは、皿にホールで取り出して、それぞれワンホールごと出せるようにした。だから一度に焼ける二個だけオーブンに放り込む。
再度ネタをつくって、紅茶を少し入れてみた。どうなるかわからないけど、紅茶シフォンができればいいな。
そろそろ卵も仕入れておきたい。王宮で売ってもらえるかな。あと、魔物の解体をおじさんに頼もう。全ての魔物を頼めないかな。王宮で使うなら使っていいし。
オニキスは迷宮にいけるのかな。無理なら俺たちだけで行こう。早く片付けて次に進みたい。それが本音だ。
ギルドはあてにならないから、ドロップ品のいらないやつはどうするかな。今ある迷宮の周りにある買取屋ってどうなんだろうか。王宮で必要なものがあるなら使ってもらってもいい。うん、そうしよう。
いろいろ珍しいものもあったみたいだし。大きな宝石なんかは使い道がわからない。
王宮に到着して、オニキスに迎えられる。
ブーゲリアも安心したみたい。心配かけたんだね。
魔物の解体をお願いしたいと言えば、料理長も見せて欲しいと言う。使えるのがあったら使って、といっておいたので、わくわくしてるよね。
「お帰りなさい、ナギ様。解体か?」
「うん。まだいろいろ持ってるんだけど、できるだけ頼みたいんだ」
任せろと言ってくれるので、次々取り出した。
あ。鳥、あったよ。でっかいやつがいたんだけど、食べられるのかな。
聞いてみたら、大鷲らしい。なかなか美味いと聞いた。普通の鳥肉と変わらないらしいが、空を飛んでるから筋肉が少し固いって。どうすればやわらかくなるのかな。
それは料理長が教えてくれた。
炭酸水につけるといいって。この世界には人工的な炭酸水はないらしい。自然に炭酸水がわき上がる場所があって、そこで汲んで瓶に詰めて売ってるときいた。それはいいかもね。作れるかなぁ……
二時間くらいつけ込んでから料理するんだって。じゃあ、レモンとか一緒につけ込んでもいいかもね、と言えば感激してたよ? 今度やってみるらしいから結果を教えてもらうことにした。
じゃあ、大鷲も解体を頼む。
オークもそろそろあってもいいね、と大量に取り出す。
とりあえず、ここまでで、とストップされた。アイテムボックスがないからね、仕方がない。終わり次第入れ替えて欲しいと言われた。
前に頼んだ肉は、魔法使いに冷凍してもらったと受け取った。素材は? と聞かれたんだけど、ギルドがアレだからとえば、王宮で買取してくれるらしい。それも全てお金になるって。そうか、魔物の素材は売れるって聞いたしね。じゃあ、買取をと頼むんだけど、普通の値段で買い取ってと頼んだ。そうじゃなきゃ、高く買い取りしそうだから。赤字じゃ意味がないでしょ。
さて。お肉もいろいろ確保できた。
「オニキス、お前はここにいる方がいいのかな?」
『うむ。ブーゲリア、どうなのだ』
「はい。いて下されば、王宮内が静かです。良からぬ事を考えず仕事を進めてくれますので。他国への牽制にもなりますから」
そういうことなんだね。
「じゃあ、僕たちで迷宮に行こうかな。早く片付けたいでしょ。あの山へ向かう道を造るだけでもかなり時間がかかるよ。国内全土から道を造る職人を呼ぶほどだね。どうしても曲がってつくるでしょ、道。階段でもつくるなら別だけど」
階段、ですか?
ブーゲリアは考えも付かなかったみたいだね。
森を階段状に切り取る。一段を広めにとって、そこに店が一軒建つくらいの長さでつくれば、平らじゃなくても商売もできる。
その次は奥行きが広めの階段を十段くらいつくって、また店が建つくらいの階段。
そんな風につくれば、曲がりくねった道は必要ないでしょ。あまり欲をかくと急階段になるけど。山頂から下に向かって角度を測って計算すればいいと思うよ。
そう言えば、なるほどと納得してる。
でも、これは俺が頭で考えたこと。実際できるかどうかはわからない。
調査するならオニキスがいる間にした方がいい。大きな籠か箱でもつくって山頂まで運んでもらえばいい。オニキスがいれば魔物もよってこない。念の為に高ランクの冒険者を一緒に行かせればいい。
そう提案してみた。
じゃあ、冒険者は俺に見繕って欲しいと言う。
俺はここの冒険者じゃないよと言えば、街から呼んでもらっていいって。完全にここのギルドを信用してないって事でしょ?
そうです、と力強く頷いてるんだけど、それでいいの? それなら王都のギルドから派遣してほしい。街も人数が減ってるから大変だと伝えた。
それなら、今回はそうしてみると言ってくれた。よかったぁ、と正直安堵した。
オニキスに説明すれば、それがいいという。
とりあえず、迷宮の入り口を広く平らな場所にしてくれるらしい。そこで仕事をすれば早いだろうと言うので、それがいいと頷いた。できればフラットも手伝えと言うんだけど、なんで?
山頂から下まで角度を測るにしても、オニキス一人が技師たちを守れない。まあ、そうだよね。
それなら、まっすぐな木を探して枝を落とし、山頂からの角度を測る目安にするかな。じゃあ、枝を落とすのはサンがフラットと引き受けてくれるって。
じゃあ、俺が技師たちの護衛をすれば、オニキスも移動できるね。
とりあえず、一日でどれくらいできるかやってみることにした。明日は、技師たちを運ぶ籠をと慌てるブーゲリアにいらないと伝える。フラットの空間で運ぶよと言えば、泣いて喜んでいた。泣かなくてもいいのにね。
皆の依頼料は出しますから、と言ってくれるので、依頼として受けることになりました。
読んでいただきありがとうございます。
美味しそうなお菓子がたくさんできましたね。
サンと一緒に作るおにぎり。とてもかわいいですね、サンは。
そして料理が上手。本当にかわいいですね、サンは。
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