55 王都までの旅です~
こんばんは、こんにちは。
いつもありがとうございます。
コメントを頂いていますが、数日、お返事できていません。ごめんなさい。
後日、お返事ますので~
今日もよろしくお願いします!
ただいま~
お帰り~
「いい本あったか?」
「うん。それ以外に良い話しがある」
なんだ?
全員が興味津々だけど。
「薬やポーションが全部売れました!」
はぁ?
あはは、驚くよね。僕も驚いたんだから。
明細を見せて、上級ランクだと説明すれば、なるほどと感心したあと、震えだした。
「こ、この金額で買取?」
そうだよ~
ふふふと笑って空間に入れば、家の中はきれいに整ってたよ。
買い物した鍋やプライパンもちゃんとキッチンに収納されてるし。
僕たちの寝室だって、ベッドメイキングもバッチリだね。どうやらみんなで片付けてくれたらしいよ。
じゃあ、明日の出発にするかと言うので、ギルドで肉とお弁当を受け取って出かけようということに決まった。
新たな気持ちで出発できるね、と夕食の準備を始めた。
ご飯の途中でフラットにお願いをする。
「フラット、今度の旅で薬草とかミスリルを採取しながら行くでしょ? だからサーチしながら行ってもいいかな。時々は空間に馬と人を入れて飛んでもらう事になるかも」
『いいよ~忙しいなら、僕がサーチするからメルトかノルが乗ってくれてもいいからね。美味しいご飯も作って欲しいから。誰か乗ってないと、普通の魔物だと思われるのは嫌だ』
それでいいの?
『いいよ。ナギの身体が疲れない方がいいし、ナギのお手伝いしたいから~』
ふふ、本当にいい子だね。
メルトとノルがなになに? と聞くから説明しなきゃね。
フラットの言ってくれたことを聞かせれば、さすがフラットだと褒め称えてる。フラットに乗るのも楽しみだって。本音はそっちでしょ。
夕食を終えて、僕とフラットとサンだけお風呂に入った。
メルトとノルはもう入ったらしい。
じゃあ、と後片付けをお願いして、お風呂に向かう。
わ~い、と二人は遊び始めたから、僕は長い髪を洗う。同じ石けんと洗髪料を空間の家にも置いたので、気持ちよく入れるだろう。
ガシャガシャと洗ってタオルでくるむ。
お湯に入って二人がどう洗うのかをみてれば、魔法だった。
フラットは全身泡だらけになってるし、サンは泡のボールになってる。思わず吹き出してしまった。
「二人ともかわいいね~」
洗い終わったら、シャワーで流しているんだ。本当にできた子たちだね。
風を纏ったフラットの上にタオルを巻いたサンが乗って、その後ろを、風で髪の毛を乾かす僕が歩いて行けば、大人二人は笑ってる。
「風の一族か? 三人ともかわいいな」
メルトが変なこと言ってるけど、無視無視。
とりあえず早めに休もうということになり、それぞれが部屋に向かった。
朝食を満足いくまで堪能したあと、皆でギルドまで馬を走らせる。もちろんフラットもね。いつものようにサンはバッグの中にいるよ。
結界も張ったし、忘れものはないはず。
途中で、皆に声をかけられるから、手を振っておいた。テキトーだね俺。
「おはようございます!」
元気に食堂へ向かった。
「おはようございます、お弁当できてますよ」
ありがたい! フラットが受け取ってくれるみたいだ。
俺はお金を払う人~
三十食作ってくれてたみたいで、助かった。
丁寧に礼をいって、カウンターを素通りする。
「ナギさん、おはようございます。その様子では今日出発されるのですか?」
さすがよくわかってるね。
「はい。ここを出たらそのまま出発します」
「くれぐれも気をつけてね。お帰りをお待ちしております」
ありがとうございます。丁寧に礼をいって、やっと買取カウンターに向かった。
「おはようさん。今日出かけるのか?」
「うん。ここでお肉を確保したら出かけるよ」
そうか、とおじさんはいつもの通りだ。
目の前にはワイバーン二体分の肉がドドンと置かれる。これもフラットがアイテムボックスに入れてくれた。それ以外のオークも同様でした。まあ、僕のアイテムボックスには、まだたくさんあるからね。
明細を受け取って確認すると、ワイバーンの素材は変わらず高額だ。オークはキングもいたらしく、皮も牙もそこそこの値段だね。魔石だけは返してもらった。魔道具に使うからって言い訳しましたよ。正直、魔石をゲットすることはあまりなかったけど、きれいだしいいよね。
素材の代金を受け取って、考える。これはどうしたものかな。金貨十五枚以上だから分けた方がいいのか?
まあ、後で考えるとして。今日の分はフラットに持っててもらうことに決めた。
「気をつけて行くんだぞ。何か狩りながら行くのか?」
「うーん、必要に迫られたらね。あとは薬草とか鉱石を採取しながら行こうかと思ってる。じゃ、行ってきま~す!」
手を振って送り出してくれる。
素材買取の入り口から外に出た。
いつものパン屋さんでホットドッグとサンドイッチを山盛り買ってフラットに受け取ってもらった。
ギルドでコピーした水晶だけど、今はメルトが持っている。とりあえず、テントや寝袋なんかも入れてもらってるんだよ。なにかあったときのためにね。
ギルマスに会わずにすんだ、とため息をはく。
じゃあ、とりあえず、必要な薬草をメモしたので、全員に渡した。ノルは鑑定が使えないので、本物をみて覚えてもらうしかない。
薬草で一番レアなものをサーチした。
結果、以前戦争中に採取した薬草と鉱石のありかがわかる。といっても前と同じ場所だね。
「フラット。前に鉱石と薬草をセットで採取した場所があったよね、ムーンベアがたくさん出た所」
『うん、覚えてるよ~あそこに行く?』
頷けば了解と返事がある。
「フラットについて行ってくれる~」
了解! と二人は馬を走らせる。
いつもの角で曲がったフラットは、しばらくゆっくり駆けている。
草原に出た時には、スピードを上げた。馬がついてこられるスピードだけど。
二十分くらいかければ、岩山が見えてくる。
あたりに魔物の気配はない。念のために、岩山の裏側を覗いてみたけど大丈夫。
じゃあ、とフラットから降りて二人が来るのを待つ。
到着した二人が、馬を近くの木に繋いだので結界を張りました。
「えっとね、薬草はこれだよ。ナイフでここから切り取って。鉱石はね……」
みれば、既にフラットが採取を始めていた。
一個手に取って、これだと教える。
じゃあ、別れて採取ね。
結果として。
薬草が二百株。鉱石は二百十個だった。途中からサンが鉱石集めに参加したからね。こっちは三人で薬草を採ってたし。
全てを俺のアイテムボックスに収納して、再び街を通り過ぎるように駆けた。
街を出て、スピードを上げた。
お昼まで駆けてからご飯にしようという事になったからね。
今はメルト、ノル、フラットの順番で進んでますよ~
フラットが前にいると、何も見えないからね。でもフラット、サン、俺は探索しながら走ってる。サンは気配を探ってくれてるんだ。これほど強い味方はない。
しばらく駆けて、ようやくお昼だ。
以前を思い出して、スープを作る。そして野菜サラダをとりだし、肉を焼くんだ。
焼いてあるステーキを取り出してパンを籠一杯に入れてノフラットに渡した。スープの具合はサンが見てくれてるんだよ。
ステーキを焼きながら、皆でいただきます!
そんな風に薬草を採取して、僕は食事を作り置きしながら薬を作る日々です。
といっても、薬やポーションは魔道具にお任せだし、食事は手作りできるものは作るけど、パンとかうどんなんかはクリエイト先生にお任せですからね。時短ですよ、時短! 決してズルじゃないですから!
なんて言い訳をしながら、できた料理はフラットと僕のアイテムボックスに半分ずつ入れている。だって、何が入ってるかわからないくらい入ってるんだもの。
サンはどんどん進化してるよ。
ポーションを作ると言うから薬草を渡せば、最上級ポーションをつくっちゃったりね。これ、一本で金貨五十枚以上らしい。王族くらいしか持てないよね。
僕もSランクのポーションを作りました。なぜでしょう、魔道具は同じ物なのにね。まあ、いいんだけど。ありがたい話だよ。
念のために、と救急箱をもう一つ作って、飲み薬や貼り薬、ポーションなどをフラットに渡した。
気になることがもう一つある。
サンはお腹の中にいろいろ入れられるらしいんだけど、それもどうかなと考えてる。魔物を狩っても、フラットか僕が入れちゃうけど、サンが空間収納を持ってたらかなり便利でしょ。
だから、クリエイト先生にお願いしてみました。
サンに空間収納アイテムボックスを持たせたいとお願いすれば、いいよと言ってくれた、と思う。
作れましたよ、無事に。容量も関係なく時間も止まる。フラットと僕と全く同じ仕様のアイテムボックスです。
サンはかなり喜んでいる。これで自分がいろいろできると跳び上がってた。気にしてたのかな。
時々は馬で駆けることにした。
街なら薬草はないしね。
今までは薬草の採取場所まで駆けるくらいで、つまらないだろうなと思ってた。じゃあ、街の手前から馬で進むことになった。
馬たちは楽しそうに駆けているんだよ。
以前はスルーした街だけど、様子を見るだけとゆっくり進んだ。
とても賑やかとは言えないけど、廃れているわけじゃない。なんだか鬱屈した雰囲気があるんだよね。
嫌な予感しかしないので、足早に通り抜けた。
「あんな街もあるんだな。気持ち悪いくらいだった」
「そうですね。あの街、何かあるんじゃないですか?」
そうかもな、とメルトは不機嫌だ。
不機嫌になっても仕方ないでしょうよ。皆同じなんだから。
なんだかんだ、機嫌の悪いメルトに話しかけることもできず、そのまま走っていた。
だけど、今度は魔物の気配だね。
えっと、これは?
『ナギ、強いやつがいるけど、どうする?』
そうだね、と何がいるんだろうとフラットと話すことにした。
『フラット、感じてる?』
『うん。サーペントじゃない? たくさんいるみたいだけど』
『サーペント?』
蛇のでっかいやつ、と教えてくれる。数メートルはあるらしい。できるだけ早くやっつけたいと考えてサーチで確認した。いるよ、たくさん。これヤバいよね。
うーん、肉はどうかわからないけど、多分皮は売れるよね。それなら狩るしかないでしょ。
メルトに声をかけてサーペントの存在を話せば、皮が手に入るなとニヤリと笑う。肉は? と聞いたら、かなりの高級食材だという情報ゲットだ!
じゃあ、今から行く!
近くにいって、少し後悔したのは口にできない。
これ、本当にデカい蛇だよ。
ウニョウニョと絡まってるみたいだけど、なにやってんの?
どうやら交尾してるらしい。うう、気持ち悪いよ。
でも、もう遅い。何匹かが気づいたみたいだね。
「急所は? 頭かな」
「そうだな。でも、首をぶった切ってもいいぞ。ただ、尻尾に気をつけろ。すごい速さで飛んでくるからな」
わかった。でも、これくらい大きければ魔石も大きいんだろうね。きれいな色ならいいなぁ。
剣を抜いた俺を見たフラットは飛び出していった。サンは岩の上から水刃で攻撃してる。フラットとサンで、ズバズバ胴体を切ってるよ。こわ~
遅れをとった! 飛翔魔法で空中に上がれば、メルトとノルも駆け出した。
ライフル弾がいいかな、と考える。そうじゃなきゃ、戦ってる皆に当たる確率が高い。
<氷ライフル弾>
バン!
やってみたけど、頭をかすっただけだね。
やっぱり刃で切る方がいいかな。
<氷刃>
持ち上げた鎌首を狙って氷の刃を飛ばせば、一瞬で転がってゆく。うん、これがいいね。
メルトとノルの攻撃に、威嚇を込めて首を持ち上げたところを切り裂くんだ。協力して狩れるのはいいね。
三十分ほど戦ったあと、残り一匹になっていた。こいつは一番デカい個体だ。多分群れの長だろうね。
長の尻尾に食らいついているのはフラットだ。自由に尻尾を振れないように押さえ込んでくれてる。地上からはメルトとノルが剣で攻撃するが、刃が全く役に立たない。
サンは、岩の上から長の両目を潰した。
じゃあ、俺のターンだね。
<氷刃>
シュバッと飛び出した氷の刃は、一瞬で長の首を切り落とした。
「終わったね!」
ああ、と皆笑顔だ。結局、抜いた剣は綺麗なままでしまいました。
のんびり旅はそこそこ快適で、楽しく日々を過ごした。
空間にこもった俺は料理を作り貯めたり、薬を作ったり。ポーションもかなりできてる。
ほとんどをフラットのアイテムボックスに入れることにしてる。そのかわり、僕のアイテムボックスは魔物とかいろんなものを作る材料がかなりの量あるんです。なんで、こうなってるかというと、気が向いたときにすぐ作りたいから。思いつくものを思いつくままに作ってるんだ。
出来上がったものはフラットとサンに渡す。多少は魔物も入ってるけど、オークとかワイバーンくらいだね。あと、テーブルや網のセットなんかもコピーして入ってるよ。鍋とかコンロの魔道具なんかも同じようにコピーした。これなら片方が壊れてもすぐに対応出来るからね。
今も出来上がったポーションの瓶を箱に詰めているところだけど。そろそろ王都が近いので、外に出よう。
当然の様に順番に並んでいれば、あまりに大きなフラットをみて覚えていたのだろう、別の入り口を指さされた。
そこで特別に入れるみたいだね。
どうやら謁見に来たと知っているらしい。三人のギルドカードを確認して、中へ入れてもらった。ただし、条件としてひとつ。フラットは大型の狼くらいでいること。それは守って欲しいそうだ。民が驚くからね。まあ、それは仕方がないことだと納得する。
それなら問題ないと送り出してくれた。
ここからは、メルトたちは馬を引いて歩いてくれる。
宿はどこにするかと話していれば、先日の宿でいいだろうと決まった。じゃあ、メルトとノルは馬を連れて宿を取ってくると言う。じゃあ、と滞在費を用意してたので渡しておいた。俺の部屋は二人部屋にしてもらう。メルトとノルも同じだね。
読んでいただきありがとうございます。
ポーションも売れたし、新しく作ってたし。すごいね、ナギちゃん!
王都までの旅も、ナギたちに取ってはプチ旅でしょう。楽しく到着できてよかったよ。
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




