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転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。  作者: コウ(九龍 紅)


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23/202

23 やっぱり出たよ、牛頭ぁ~! 能力を開花させてもらったフラットは最高!

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。


アルムお爺ちゃんにタブレットもらっててよかったな、と思うお話です。

今日もよろしくお願いします!


 上を見れば、マックスさん、ショルダーさんたち冒険者が降りて来る。

 俺とフラットは穴の底に到着して、灯りを灯した。


 <魔力増量ライト>


 ポンポンポンと大きめのライトが三個出た。地上と同じくらいの明るさ確保だ。


 とりあえず、探索してみるけど何も気配はない。

 それなら、と横穴の中にもライトを一個放り込んだ。これでなにも見つけられなかったら笑うしかない。


「ナギ、フラット。心臓が止まるかと思ったぞ」


 あははは、すみませんと髪の毛をいじった。

 小隊長さんはどうなったのかな?

 どうやら騎士団長が拘束したらしい。拘束して近くの木にくくりつけたと聞いた。魔物でも来たら死にそうだね。


 気を取り直して調査することになる。

 洞窟の中もかなり明るい。

 フラットが奥へと歩きはじめる。それに続くのはショルダーさんだ。あと騎士団員が数人。それ以外は、穴の壁を手でコンコン叩きながら調べはじめた。マックスさんは魔道具でギルマスと話してる見たいだね。


 俺は壁際で魔物の気配を探りながら一歩一歩すすんでいるんだけど。今のところは何もない。


 でも、魔物はどこから来た?

 間違いなく壁の向こうにいた。でも洞窟の中に横穴はない。おかしい事ばかりだね。

 とんでもない発想ではあるんだけど、この土の中に魔物を作り出す何かがある? それとも研究所みたいなところがある? どこかに通じる通路がある?

 いろいろ考えるけど、研究所はないと思うよ。あと、魔物を作るっていう発想が正しいかどうかはわからない。三つの中で一番可能性が高いのは、この穴がどこかに続いている。これは案外あるかもしれない。迷宮なんかも突然できるらしいからね。何があってもおかしくないと思うけど。


 この付近で迷宮ってあるのかな。


「マックスさん。この近くっていうか、領地内に迷宮って言うか、ダンジョンっていうの? あれはある?」


 うん?


「いや、聞いたことないけどな。隣国は大小様々なダンジョンがある。なにか気になるのか?」


 さっきの三つの推測を話してみる。あくまでも三つの選択肢ならね。


「絶対ないとは言えないぞ。今のところ、穴の中は大丈夫そうだな」


 そうですね、今のところは。


『ナギ。みんな気づいてないけど、少しおかしいところがあるよ。風が入ってきてる』


 風?

 俺の呟きを聞き逃さなかったのはマックスさんだ。

 どうした?


「フラットがね、壁から風が入ってるところがあるって言うんだけど」


 なに!

 騎士団長と相談しはじめたけど、待つことはできないね。

 洞窟の入り口から中へと歩く。


「すみませ~ん! ちょっとおかしい箇所があるので、急いで洞窟から出て下さい! フラット、出ておいで!」


 わあーっと冒険者や騎士たちが駆け戻ってくる。フラットは最後尾でこちらに向かっていた。

 何だか嫌な予感がする。

 飛翔魔法を発動して、逃げる人たちの上空をフラットの方へと移動した。

 確かに一カ所だけ土埃が横に流れている。

 もしかして穴が空くのか?


 フラットも気になるのか、振り向きながら皆の後を着いてきている。人の脚は遅い。このまま何かが出てきたら、フラットが危険だ!

 あと少しで皆が洞窟から出るはずだ。


「洞窟から出たら、地上にあがって下さい! すぐにです、マックスさんにも伝えて!」


 わかった! と誰かの声が聞こえた。

 もし、何かが出てきたら少しでも時間を稼がないと。

 フラットの背に降り立った俺は、よく気がついたねと首元を撫でる。

 急いで、フラット!


 くわぁん!


 全員が洞窟から出たのを確認したフラットは、一気に駆け出し、洞窟から出た。


 縄ばしごやロープを使って登っているけど、これじゃ間に合わないかもしれない。


 <大きな風の玉>


 風魔法ででっかいボールを作って、底に残っている人をまとめて中に入れる。そのまま上昇させてできるだけ拾って地上まで送った。


 残っているのはマックスさんと騎士団長さんと俺たちだけだ。フラットは洞窟の中を睨んだまま動かない。

 その間にも、ほとんどの人たちは地上に上がれそうだ。


「何か感じるか」

「えっと、風がかなり入って来てます。土煙を見て」


 二人は洞窟の方をみて確認している。


「なるほど。あそこですか。どこかに続く洞窟があるのでしょうか」


 騎士団長の言う通りだと思うけど。さて、どうするか。


「とりあえず上に上がるか。策を練ってからの方がいいだろう」


 そうですね、と二人は納得している。

 当然その方がいいんだろうけど、もし空を飛ぶ魔物だったら? ダンジョンとかってどんな魔物がいるんだろう。飛んだりするのかな。

 そう考えれば、俺とフラットでは対応出来ない気がする。だって、ダンジョンに入ったことないんだから。


 二人を空気の球に入れて地上へと送り出す。俺とフラットは飛翔魔法であがった。

 縄ばしごを引き上げろと叫んだ騎士団長の声に、騎士たち全員が動き出す。縄ばしごとロープを皆で引き上げはじめた。


 その時、ドドドン! と音が聞こえる。

 なんだ!?


 その声が終わる頃には、洞窟の中から土煙が広がっている。


「あっぶねぇ! フラットよく気づいてくれたな。ありがとう」


 ショルダーさんはフラットを思い切り褒めてくれている。


 がぁぁぁぁぁー

 ぐおぉぉぉぅぅぅぅー


 あれ、今度は二頭かな?

 下をのぞき込んでいれば、マックスさんと騎士団長さんは魔物の正体を確認したいらしい。

 それなら簡単だよ、と風を吹かしてみれば、魔物の姿が明らかになる。

 穴の底にいたのは、ミノタウロスが二頭だった。

 今のところ、二頭以外はいなさそうだけど。音で判断するしかないよね。


「参ったな。ここはミノタウロス専用の穴かよ!」

「でもミノタウロスは空飛ばないよ?」

「もちろんそうだが、これ以外に出てきたらどうなるかわからんからな。この前はどうやって倒した?」


「氷の斬撃で切りました。何度も」


 氷の斬撃?

 あはは、知らないよね。俺が勝手に作ったから。


「今もそれはできるか?」

「うん、大丈夫。だけど、ここからじゃなくて、少し降りるかな」


 おいおい! とマックスさんが突っ込んだ。あはは、面白い。


「空中でやれば大丈夫だと思いますけど?」


 それはそうかもしれんが……


「地上なら広いから皆で戦えるけど、ここは無理でしょ。このまま埋めても逆効果になりそう。それなら、今の二体を狩って、そのあと、洞窟の入り口の高さまで凍らせる方がいい。それなら上から監視しても見やすいから」


 おまえなぁ、とマックスさんは呆れちゃった。


「なるほど。これはそのへんの魔法使いでは無理な話ですね。ですが、斬撃を放ったときに反動はありませんか?」


 そうなんだよね、それがあると思う。

 じゃあ、ちょっと待ってて下さいね、と俺はフラットと一緒に少し移動した。

 こんな時のメールだよね。


 ++++++++

 アルムおじいちゃんへ

 こんにちは。ナギです。

 もう知ってると思うけど、面倒な事になってるんだ。

 それで聞きたいことがあります。

 フラットは空を飛べる? 空中で同じ所で止まったりできるかな。亡くなったお母さんはどうだったんだろう。とりあえず、そんな能力があるかどうか教えて下さい。


 ナギ

 ++++++++


『アルムおじいちゃんに、フラットは空を飛べるかって聞いたんだ。空中で止まっていられればもっといいから。もしできるなら、俺を乗せて穴の途中まで降りてもらいたいんだ。そこで魔法を使う。氷の斬撃で首を切り落とすよ』

『そうなの? できるなら僕もナギと一緒に降りるよ。絶対にナギは守るから、椅子をつけてね』

『そう思ってる。ごめんね、危険な事に巻き込んで』

『僕はナギの眷属だよ。ナギと一緒に戦うのは嬉しいから』


 うふふふ、ありがと、フラット


 ピコン! とメールが来たみたい。


 ++++++++

 ナギ殿


 メールがきて嬉しかったぞ。

 さっそくじゃが、フラットの能力じゃな。

 さっき、儂が付与しておいた。

 フラットは走るのと同様、空を飛べる。そして空中で停止することもできるぞ。ユニークスキルじゃな。

 いずれ開花する能力じゃったが、少々早めになっただけじゃ。シルバーウルフ王であった母は空も飛び、時にはブレスさえも出すことのできる者じゃった。その実子であるフラットができぬはずはない。ただし、飛行速度は母の半分程じゃ。飛行距離は最速でなければ国一つくらいは飛んだまま通過できる程かの。

 今回の依頼では、空中停止を使い、攻撃を終えたあとはその姿勢のまま飛行へと移行できる。身体の大きさはあまり小さいと無理じゃ。単独では大きな犬ほどなら飛べるがの。

 まあ、便利な力じゃ。年齢とともにレベルが上がれば能力も上がるということじゃから、ガンガン使えば良い。魔法も使えるしの。使えば使うほど能力値は上がるのじゃ。

 まあ、二人とも頑張れ。応援しておるぞ!


 アルム爺

 ++++++++


 うわぁ、大丈夫だってフラット!

 おじいちゃんが能力をくれたみたいだよ。

 でも、元々飛べるんだって。まだ若いから使えなかったんだね。じゃあ、頼むよ。


 マックスさんのところへ駆けて戻ったけど、フラットは自主練するみたい。


「お待たせしました。なんとかできそうです。フラット、ユニークスキルで飛べるらしいです。だからフラットに乗って途中まで降りて攻撃してみますね」


 みますねってお前……

 マックスさんはかなり心配らしい。


「大丈夫ですよ。無理そうなら僕も飛べるし」


 まあ、そうだろうけど……

 あ、マックスさん泣きそうだ。


 ふわりと側に降りたのはフラットだ。


「すごいね、フラット。大丈夫そう?」


 くぅ! と力強く返事してくれたよ。


『とても気持ちいいよ。ふわんって風に乗っかってる気分』


 ふ~ん。

 じゃ、行ってみる?

 うん。

 二人の無言の会話にいくつもの視線が……


 椅子を取り出してフラットにつければ、おお~と声が聞こえる。鐙を下ろして上に登っていけば、また、おお~と聞こえるんだけ ど。

 椅子に乗って取っ手を掴めば鞍が調整されたので、ベルトを装着!

 ほんと、すごいなって聞こえたよ。

 まあ、こうなるよね。


「じゃ、行ってきます!」


 皆の声を丸っと無視してフラットはブワリと浮き上がる。

 ほんとだ、風に乗ってるみたいだ。


 穴の底では、ガオガオ煩いんだけど。

 ゆっくり穴の中に降りてゆくフラットの背中で確認すると、喧嘩するわけでもなく、なんだか壁に当たり散らしてる感じかな。

 壊れると大変だから止めてよね!


 真ん中くらいまで降りたフラットにそのままホバリング状態になってもらう。


『ここでいいかな、攻撃。あまり下に降りると何があるかわからないから』


『そうだね。強めでいけばいいんじゃない?』


 うん、そうだよね。じゃあ、やってみるよ。


 <魔力増量・氷の斬撃>


 ジュシュッと飛び出した氷の斬撃は、この前より強力な感じがする。


 ぐがぁっっっ!


 やった! 初撃は成功ですよ。


 大きい方のやつ、首が切れてぶら下がったまま身体が傾いて、倒れちゃいました。

 えへへ、これなら他も大丈夫かな。


 そんな風に簡単に思ってたんだけど。

 どうやら学習したな、こいつ。

 斬撃を避けるんだよ。でも、バカだよね~

 避けた斬撃が壁を切り裂いて戻ってくることは計算できてなかったみたい。でも、やっぱり二撃めとなると甘いな。

 上から横の攻撃はかなり難しいんだよ。

 じゃあ、曲がればいいのにね。無理かな、曲げるの。でもそこまで無理は言えませんから。


 <魔力増量・氷の斬撃>


 ジュシュッと飛び出した大きな斬撃はミノタウロスの両足を切断する。そのまま二撃目で首に突き刺さった。


 おお! すごいね。

 倒れれば首は狙い放題だから。なんか利口だね、魔法って。


 ぐがぁ!


 最後の声は短いものだった。

 鑑定すれば死亡になってるから。

 血しぶきをクリーンしてから、一度に二頭分、アイテムボックスに回収した。

 ついでに底まで降りて、フラットに乗ったままで洞窟を確認するけど、何も来てはいないみたい。今のうちに凍らせておくかな。本当ならこいつらが出てきた横穴も氷で塞ぎたいけど、さすがに奥まで行くのは危ないね。


『ナギ、今のところ何も来てないよ。周りも大丈夫』

『じゃ、行ってみる?』

『うん!』


 無言の合意でフラットは洞窟へと入って行く。


「ナギ! 危ないから戻れ! 頼むから、フラットー!」


 あ、マックスさんだ。騎士団長さんも何か叫んでる。

 でも、今はこっちに集中するよ。

 あたりの探索をしながら奥へと進み、横穴を確認した。

 さすがに、ここに入って行く勇気はないね。

 じゃあ、凍らせよう!


 <魔力増量・氷埋>


 ゴゴゴゴとすごい音が聞こえて、横穴の中に氷が入って行く。すごいよ、これ!


 しばらく奥へと入ってたけど、そのうち入り口まで一杯になった。

 じゃあ、と引き返して穴の底まで戻る。


「ナギ、大丈夫かー?」

「だいじょうぶ~」


 地上に手を振って問題ないよと笑顔をおくっておいた。皆、心配してくれてるからね。


 洞窟の入り口から一メートルくらいのところまで氷で埋めようと思ってるんだ。

 フラットに話せば、氷の量が増えるごとに上に上がってくれるって。頼りになる相棒だよ。


 <魔力増量・氷埋>


 ゴゴゴゴと同じように底から氷が盛り上がってくる。

 フラットと少しずつ上に上がりながら見ていたんだけど、そういえば俺の魔力って大丈夫なのかな。

 まあ、後で見てみようかな。


 一分もかからずに氷は洞窟の入り口を塞いで、盛り上がった。

 とりあえずは終わりだね。

 フラットはゆっくりと地上へと向かって飛んでるよ。まぶしいほどの明るさに目がくらくらした。

読んでいただきありがとうございます。


タイミングよく、タブレットもらっててよかった。

フラットに早めに能力をもらったから、なんとかなりましたね。アルムお爺ちゃんに感謝です。

クリエイトもそうですけど、本当に可愛がられてますね、ナギは。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 貰ってて良かった、タブレット! と、マジで思いましたわ。 孫が可愛いお爺ちゃんに感謝ですね♡
[一言] ナギの適応能力というか、発想がすごいよね(*^_^*) もはや無双状態笑 それにしても可愛いナギを落とすなんて、許せない!鉄槌じゃあーーー!(#`д´)ノ
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