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201/202

201 ごみ焼却場は、なかなかの出来上がりです。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


「お疲れ様です!」

 あはは、冒険者たちが直立してるよ。

「おう、お疲れさん。お前たちが今日の当番か?」

「はい、そうです。ナギ様の部隊とギルドから各一名です。開いたあとは、Sランクの方たちが交代で一日一人来てくれるそうです!」

「わかった。ご苦労だが、もう少しで終わりだろ。頑張ってくれ。魔物の危険もあるから気をつけろ」

 はい! と最敬礼だね。

 面白いよ、ノル。


 すーっと降りてゆけば、オニキスが主! と声をかけてくれたね。

「お疲れ様。無事に戻ってよかったよ。先に屋敷に戻って。所長室の奥に空間開いてるから。常設にしたからね。あと、これが所長室から専用部屋への扉の鍵だよ。中からは自由に開くからね」

 鍵を二本渡しておいたよ。

 手を振ってオニキスの背にのったブートとアニは空に上った。


「お疲れ様、ノル」

「おう。久しぶりに戦ったが、楽しかった」

 羨ましいね。

 そう言ってみたら、今度一緒に行こうって言ってくれたよ。


 これから何をするのかを聞かれたから、公衆浴場を作ると話せば、ノルも一緒に行くって。

 じゃあ、先にごみ処理場へいきましょうか。

 

 地上に降りた頃には、Sランクたちが来てくれた。焼却炉の設備を確認するのは俺がするけど、先に公衆浴場を造るかな。いや、違うね。先に確認しておかないと公衆浴場が出来上がらないよ。配管とかいろいろあるし。


 鑑定では問題ないね。

 じゃあ、燃焼テストだね。


 燃焼!


 ゴウっと音が聞こえるほどの火が燃え上がる。

 それはここにある小窓から見えるんだけど、凄い炎だね。

 うん、これなら大丈夫だよ。


 冒険者たちには、ここ以外の事務所などを確認してもらうことにした。

 外に出て水のタンクを確認すると、かなりの量の水が溜まりそうだね。直接下から湯を沸かすってことか。これ、五右衛門風呂だよ、絶対。それに給水の魔道具があるので、ある程度減ったら水が入るんだね。

 すごいよ、これ。水の入れ忘れとかあれば大変だけど、それもない。ゴミを焼く時だけ火が入るんだし。ということは、水もその時だけ入るのかな。うん、そうみたいだね。自動給水って出てるから。

 ここから湯が流れて、この配管を通っていくんだね。でも、これは壁でも造らないと危険でしょ。 あ、違うね。ちゃんとお湯を流せば配管が重みで下がるのか。それでこんな小さな壁が盛り上がっただけだったんだね。凄いよ、クリエイト先生。その上、枯れ草とかが入らないように網で囲まれてる。ということは、いらない熱はここから開放されるし枯れ葉とかで火災も起こらないってこと。基本的な設備だけど、至れり尽くせりだよね。


 じゃあ、移動しようかな。

 

 ノルが呆れてるけど、無視しておきましょう。


 じゃあ、このあたりかな。 

 イメージしようか。

 ゴミ処理場で沸かしたお湯で公衆浴場を造りたい。日本の銭湯のイメージで。

 番台はいらないけど、チケット売り場と確認所が必要。

 脱衣所には、昔の銭湯のように一人一箱のロッカーが欲しい。鍵は昔のままで、金属板に凹みがある簡単なもの。それを鍵に差し込めば開く。引き抜けば鍵がかかる。そんな感じでお願いします。

 浴場は滑りにくくて掃除が簡単な方が良い。排水は魔道具を使いたいです。排水までにゴミを取るフィルターを付けてください。フィルターは掃除式でも交換式でもいいです。交換式ならコピーしておきますし、燃えるゴミで出せるほうがいい。

 脱衣所、浴場には換気システムを造りたい。湿気をためないようにしたいです。

 あと、森に近いので石造りでお願いします。いざという時には避難できる場所として確保したい。

 できれば、家族風呂もいくつか欲しいです。ひと家族に対して小さな浴場付きの小部屋を貸す。貴族用は必要ありません。貴族でも民でも同じ扱いですので。


 それ以外に必要と思われるところはお願いします。

 そうだ、ええと、浴場の入場券は、事務局で販売してもいいです。そうでないと金の管理も必要になりますので。チケット制にしようと思ってます。十回分で十一枚チケットをつける。昔聞いたコーヒーチケットの要領で造りたいです。それなら、チケットを受け取るだけでいいので。


 では、いろいろざっくりとしてますが、俺が銭湯をイメージするのでお願いします。


(クリエイト)


 日本の銭湯やスーパー銭湯をイメージしてみたよ。これでわかるかなぁ。


 ちょっと遅れてぶわりと湧き上がった光はかなり大きいね。じゃあ、これを囲む結界を張ろう。明日の朝、解除するので。


(結界)


 おお、きれいな結界が張れたよ。

 それと森の方に魔物避けが必要かな。


 もし、ゴミ処理場から野営場まで、魔物よけの壁が必要なら造りたいです。高さなど、全てをお任せします。


(クリエイト)


 ババババーーーっと光が走りましたね。

 どうやら魔物よけは必要だったみたい。うん、気づいてよかったよ。



 ふむ。いつ見ても綺麗だね、この光は。


 Sランクたちに報告をもらいました。問題ないそうです。鍵を受け取ったので、戻ってもらいましょう。


「これは何ができる?」

「公衆浴場だよ。みんなのお風呂だね。出来上がったら繋がないとでしょ。お湯がちゃんと通らないとダメだし。でも、それは明日だね。明日もSランクたちにはここの確認を頼みたいんだけど」

「いいだろう。ブートに伝えておく。戻るのか事務局へ」

「うん、戻るよ。賃貸部門をつくったから、そこの書類も持って帰らないとね」 

 じゃあ、行こうかとノルは闇豹姿になってくれました。飛翔で背に乗って下を見ながら飛びます。野営地には数組がテントを張ってますね。

 ゴミ袋は強制してるので問題ないでしょう。

 あとは、掃除とか馬番とか希望者がいてくれればいいけど。

 そうだ、公衆浴場とゴミ焼却場の職員を再度、募集しないと。追加募集ですね。


 戻る途中でフォレアから連絡がありました。

 明日は休めるそうなので、こっちに来たいって。じゃあ、来てもらおうかな。

 朝、連絡してから迎えに行くことにした。


 事務局に戻れば、元気のいい声で迎えられるのは嬉しいね。

 ノルが賃貸ブースを見てるよ。

 ミカにノルを紹介しておこう。

 とても恐縮してますが、ノルは頼むぞ、と言っただけだね。まあ、説明してないからね。

 マンションを見たいというので、もう一度出かけることになった。

 

 馬場に静かに降り立ちました。

「これが一部空間に入っているマンションか」

「うん、そうだよ。『カーム・ハーフマンション』って名付けた。アダムさんの店の使用人たちも入ってくれたんだ。昨日作ったのはあっち。で、即日申し込みが殺到して、満室になった。後の人は、新しい方にと申込みしてくれたんだ。だから今日も契約したんじゃないかな」

「なるほどな。お前は商売の才能もあるな。それで、つくった数で問題なさそうか?」

 たぶんね、と返事をしたけど、本当のところはわからない。でも、あの場所にはあれ以上作れないから、現実を見て考えようかな。


 馬番たちに声をかけるノルは優しいよ。

 倉庫もつくってもらったと喜んでるけど、俺が造るの忘れてたんだよ、ごめんね。

 

 そのあたりの用事も終わらせて、俺達は一度事務局に戻りました。

 今は所長室で香りのいいお茶を飲んでる。ノルも一緒にいるけど、戻らなくてもいいの? と聞いてみれば、一緒に戻るって。

 それならいいけど。


 そろそろ終業時間だし、戻る準備をしようかな。とりあえず、出しておいたカップ蒸しパンをいくつか手にして、ハグハグ食べてます。それを見ているノルは静かに微笑んでるけどね。

 

 馬番たちがそろそろ戻ってくると思うんだけど、それまでは待つしかないですね。

 その間に、各部署からの報告を見ます。

 今日、探索者登録したのは二十二人でした。なかなか多いんじゃないでしょうか。



 今のうちに聞いてみようかな。

 ブートとアニの動きはどうだったのか。迷宮に大きな変化はなかったか、など聞きたいことは山ほどあるんだけど、とりあえず気になってるのはその二つです。


 ブートは当然全く問題ない動きをするらしい。アニの魔法も以前より魔力も上手く使いこなせてるんだって。特にアニは魔法の使い方、つまりどこでどんな魔法を使うか、どれくらいの威力で行使するか、などがよく理解できてるって。

 それは凄いことだね。

 魔力切れを起こさないように、途中で甘いものも補給しながら戦うらしい。パーティの魔法使いとしてなら、Sランクパーティで十分通用するだろうって。

 それを聞いてすっごく嬉しい。

 魔法は使えばいいってものじゃない。俺は時々威力が大きすぎる場合があるけど、無限大の魔力量を使いこなせるまでにはしばらくかかったから。

 普通の魔法使いは、他の人が戦いやすいように工夫するんだけどね。

 でも、安心した。

 これなら、俺がいない時やふた手に分かれて依頼を受ける時など活躍の場はかなりある。

 迷宮自体も問題ないらしい。うん、よかったよ、安心したぁ。


 もうすぐ西の辺境へ向かうことになるから、事務局をオニキスとアニ、ブートに任せることになる。その間に、フォレアにも仕事を手伝ってもらうんだけど、いずれ、皆を引き戻したいと思ってる。

 ただ、国や貴族にいいようにされるのは嫌だ。だから、任せられる人間に頼みたい。フォレアは最終的に国外に居場所を見つけてやりたいからね。


 とりあえず、将来的にはノルに頼もうと思ってる。そう、迷宮事務局、孤児院、賃貸物件、そして俺がつくったごみ焼却場や公衆浴場などの施設のこと。まだまだいろいろあるだろうけど、とりあえず、西の辺境に取り掛かっている間は、オニキスたちでなんとかしてもらいたいんだ。あとは、数日に一度、見に来ればいいようにしたい。それが俺の希望。

 

 本音を言えば、もう他国の依頼なんか引き受けたくない。各国の孤児院のことを中心に回りたい。たとえ迷宮があったとしても、スタンピード対策くらいはいいけど、国のことにはかかわらない。

 もう王族や貴族とは関わりたくないからね。

 

 この国では王子さえ、排除すると話をした。現実に処刑されたかどうかはわからないけどね。

 王弟でさえ、あの体たらく。もうお金なんかはいらない。既に使い切れないほどのお金を持ってるから。だから、各国で皆で孤児院のことを中心にチェックする。そして盗賊や目に余る悪事を働く者たちを静かに排除する。たとえそれが王族貴族であっても。


 ソラもまだまだ手がかかる。サンは大丈夫だろうけど、ひとりじゃ移動も大変だからね。サンとフラットはコンビとしては最強だと思うんだ。ソラは俺が連れて移動することになるだろうしね。

 でも、いろいろ考えてみれば、フラットとサン、ソラは俺と一緒に行動することになりそうだね。

 ノル、オニキスはこの辺境でも活躍できるだろうけど。ブートとアニ、Sランクたちもいるし、問題なさそうだね。

 ただ、フラットとサンは俺と一緒に行動するのは良くないかもしれない。緊張感もないしね。成長を考えるとやはり無理だろうね。

 それぞれが成長するためには、時間がかかる。でも、俺が側にいれば、皆成長できない気がするんだ。だから、途中でちょこっと冒険してみたいんだ、俺も。


 特に気になるのは東の隣国のこと。

 国の考えがかなりへんてこりんだ。自滅の道を歩んでいるとしか思えない。よい産業もあると聞いてるけど、それも民がいてこそでしょうよ。俺みたいな魔法使いがいればいいだろうけど、そうじゃないと、人力で鉱石を掘り出すしかない。

 もっと気になるのは森のこと。

 冒険者でさえ、ここへやってくるんだから、国自体の防衛などは騎士団だけなのかな。それじゃ魔物は増え放題だろうし。

 よくわからない国だよね。それがちょっと心配かな。

 おそらくだけど、前にあったことがあると思うんだ、騎士団の偉い人たちに。勇者召喚した国を壊した時にいたんだと思う。覚えてないけど。

 ただ、不運なことに迷宮はこちらがわだった。

 でも、自分たちが決めた事だし、俺には関係ない。 

 それでも、何か仕掛けられれば大変なことになるよね。トランサル王国に対して攻撃したいんだと思う。でも、俺がここにいるから無理。

 だけど、何かを仕掛けようと思ってるだろうね。

 この街には結界を張ってあるから、悪者は入れない。でも、それ以外の場所からなら入れる。現実的には無理だと思うけど。辺境以外がどれほど戦えるか、接する国との関わりはどうなるのか。そのあたりは触れる気はない。だからこの街だけを守る。商人でさえ、今街にいる人は問題ないということ。ただ、流通ができないと民が苦しむから、そのあたりは考えないとね。


 おっと、書類を見ながらずっと考えちゃったよ。

 俺が見た後は、ノルが確認してくれてるね。

 あはは、俺は自分の世界に浸ってたのか。やっぱりノルがいてくれてよかったよ。ノルとフォレアがいたら国の管理もできそうだね。


 この国には海の街があると聞いてたけど、まだ行ったことはない。海があるから海産物もわりと簡単に手に入る。住むことだけを考えるなら、とても住みやすい国だといっていいだろうね。それでも、王族と貴族がいる限り、というか考えを改めないならば住むことは考えられないよね。


読んでいただきありがとうございます。


そろそろ東の辺境のことは終わりそうですね。

西の依頼はサクッと済まそうと思ってます。だって、そろそろ飽きてきたから。笑

本当はもっとナギが冒険するところをかきたい。だから考えてます~


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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