200 賃貸ブースをつくったけど、これって不動産屋さんだよね。
こんばんは、こんにちは。
いつもありがとうございます。
気づけば200話になってました!
今日もよろしくお願いします!
※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
なんて思ってたらできちゃいましたね。
あはは、すごいすごい~
「ミカ、できたよ。君の仕事場所はここだから、よろしくね」
「う、嬉しいです局長。ありがとうございます、頑張ります。さっそく、そろそろ契約に来られるので、お願いできますか?」
そうなの?
補佐を見てみれば大きく頷いたよ。
「わかった。じゃあ、書類を出すよ」
ブースの奥に入った俺は、奥の椅子に腰掛けた。あれ? ここって……
拡張されてるけど。そういうことか。書類とか金庫とかはこの部分にあるんだね。外からは見えない仕様だよ。すごいなぁ。
ミカに説明すれば驚いてるね。
引き出しを開けてみれば、あれ? もう書類が入ってるけど。あはは、やっぱりアルムおじいちゃんはすごい!
書類を取り出して説明します。
必ず、この場で、裏に記載されている内容を説明する。そして納得できたらここにサインを貰うんだよ。
それからの契約になる。
物件名、家賃、預り金とその明細、毎月の最終期限、そして身分証明書を確認した控えなどを記載する。ギルドカードなどの番号や詳細を詳しく書くこと。
などなど、いろいろと説明したよ。
出来上がった契約書の控えはここに入れること。 お金はこの下の金庫に入れて、最終的には明細と一緒に小さな金庫に移し替えて変える前に所長に渡す。
新しい物件情報は、このファイルに綴って、契約が完了したらこっちに移すこと。
物件は未契約のものはあそこに張り出す。単純明快でいい。毎月の家賃、マンション、アパート名、間取り図、など。それ以外は聞いてもらう。そんな感じでね。
わかりました、と喜んでるよ。いろいろ仕事は多いけど、頼むね。そうお願いしておきました。 嬉しそうに、次の面談用の書類を用意してるよ。
とりあえず、俺のサインは今ある書類には入ってるけど。
じゃあ、この契約用紙とか面談記録、その他もろもろの書類を一部ずつもらっておこうかな。あとでコピーするのに必要だから。
その後、賃貸の契約にやってきたのはアダムさんだった。なんで?
まあ、俺は奥の椅子に座ってるけどね。
「ナギ様。使用人たちの部屋を契約させていただきます。ハーフマンションで良いので、六人分、お願いしたいのです。新しい部屋も出来上がっているようですね」
「はい。午後から造りました。そうですか、あたらしい使用人たちですか?」
「三人はそうです。あとの三人は部屋がなくて相部屋で難儀させていましたので、助かりました」「うちにとってもありがたいことです。感謝します」
「とんでもございません。それと、先程馬場に納品させていただきました。飼い葉と敷き藁ですが、どこか保管する場所があればよいですね。厩舎が狭く感じました」
「なるほど、そうですね。では、あとで作ります。アドバイス感謝します」
「いえ、とんでもございません。ですが、できるだけ馬たちも馬番たちも動きやすい方が良いですから、差し出がましいことを申しました」
そんなことはない。
ありがたい話だ。倉庫を造るのを忘れてたよ、俺。情けないね。でも、こうやってやっていけるんだろうね、人との関わりって。
その後は、ミカがちゃんと説明をして契約を終えました。
新しいハーフマンションだったので、Sランクから受け取ってた鍵をミカが再確認して渡してました。そしてマンションの部屋配置図の該当場所をバッテンしましたね。
うん、すごいじゃん、ミカ。
ちゃんと預り金や当月分の家賃を受け取って、領収証というか、受け取りを書いてました。うん、これでおしまいです。
「では、ナギ様。さっそく今から引っ越しをさせていただきます。食堂でお世話になると思いますが、ポイントカードもできるそうなので、大喜びでした。本当に助かります」
こちらこそ、と返しておきました。
その上相談があると言うアダムさんです。
では、所長室で、と補佐に言えば、お茶をお持ちしますと引き受けてくれました。
「アニ。夕方俺が書類などを預かって戻るよ。日報もよろしくね」
承知しました、と頭を下げて送り出してくれました。
アダムさんと一緒に階段を上がります。
まだ迷宮は開いてないけど、いろいろと人が来ますね。登録に来る人も多いです。
あとは、野営場の許可証申請とかですね。
所長室に落ち着いてホッと息を吐きます。
「お忙しい所、すみません」
そんなふうにアダムさんがいいますが、俺としては一休みできていいですよ。
香りの良いお茶が置かれて気が付きました。
そうだ、お菓子がないけど。
「アダムさんだからいいですよね。これ、食べて見てください。うちの料理長がつくりました、カップ蒸しパンです」
「ほう。これですか。ナギ様が良く食べてますね。では、いただきましょう」
そういったアダムさんが、手に取った蒸しパンをしげしげと見てますね。
紙をめくってパクっと噛みつきましたが、動きが止まってます。美味しくなかったんでしょうか。
「ナギ様。これは素晴らしいですね。はちみつをお使いですか?」
「そうです。俺がつくったものを改良してくれました。だから甘さも優しいでしょ」
素晴らしい、とあっという間に終わっちゃいましたね。
「本当はもう少し大きいんですが、魔法を使ってる途中でも食べられるようにと小さくしてくれました」
「なるほど。これは素晴らしいです。焼き菓子の種類は多いですが、蒸しパンという発想は素晴らしいですね。これは販売できないのでしょうか」
「そうですね、個数の問題もありますが、日持ちしないんですよ、それほど。だから料理長もまとめてつくってアイテムボックスに入れてます。当然、俺達はアイテムボックスに入れますし」
なるほど、と考えてるね。
「ならば、販売分をアイテムボックスに入れておいて、お得意様にだけおすすめするということでいかがでしょう、最初だけになると思います。そのうちに、欲しいと言われる方が増えると思いますので、上限を決めて注文を受ければよいかと。ぜひ、これは当店で販売させていただきたいです。広まれば、屋台でも売れますから」
そんなふうに言ってくれますけど、俺だけじゃ返事できませんよね。
だから料理長に聞いてみることにしました。明日、返事をしましょうか。
さて、ここからが本題です。
どうやらアダムさんはポイントカードを作りたいそうです。そう、これは商業ギルドに登録したシステムなので、勝手にはできませんからね。
その上、ポイントを付けるためのカードに仕上げる、そして確認するための魔道具が必要です。当然、それは俺しか作れないシステムです。その相談でした。
商業ギルドを通さなくても問題はないので、受け入れました。
そしてアダムス商会のどの店でも使えるようにオリジナルのカードを作りたいそうです。それは別料金になりますけど、いいですか? と問えば全く問題ないそうです。ある程度纏まった数造りたいらしいね。まあ、そうでしょうね、その方が安いし。
じゃあ、それはまるっと引き受けました。
魔道具はコピーすればいいだけですから。ポイントカードは同じ大きさで統一できるようにしたいので、作ります。デザインを問えば、紙を出してくれました。そこにあるデザインで作りたいそうです。
じゃあ、とその場で造ることにしました。
このデザインでポイントカードを造りたい。デザインの修正はオッケー。だけど、店名なのであまり変化しないように。
そしてそれを作って使うための魔道具も。以前つくったものと同じでお願いします。
(クリエイト)
ふわりと光ったその場には、箱入りのカードと魔道具がありました。
うん、できてるね。
カードを確認してみましたが、とんでもなくかっこよくなってるんだけど。
「これ、確認してください」
はい、と箱を開けて取り出したアダムさんはひっくり返ってます。
「ナギ様。これは……とても素晴らしいカードです。貴族の方々でも喜んでいただけるでしょう。そしてこれが魔道具ですか?」
「そうです。とりあえず、一枚つくってみましょうか。俺もつくってもらえますか?」
当然です、といってくれたので早速作りましょう。
じゃあ、名前と住所を書いて。指紋登録っと。
ふわりと光った魔道具の上にはカードがありました。そして同じ人の登録カード控えですね。
「あの、いまのは?」
じゃあ、説明しようかな。
カードを作る時に必要な事柄は、名前、住所、そして指紋を登録すること。これで本人かどうかの確認ができる。これはポイントを使う時に必要ですよ。
そしてあらかじめ付与するポイントがあるなら、この数字で記入できる。
ポイントを使う時には、ここを押せば、こっちに現在の保有ポイントが出る。それを押してから使用ポイント数を入力すれば、支払いの時にそれが引かれて残ポイントだ表示される。
では、とアダムさんが俺のカードを手に取り、ポイント付加ボタンを押した。そして千を入れましたね。
出てきたのは、俺のポイントが千ポイントだという明細。
うん、できましたけど、千ポイント?
「いつもご贔屓にしていただいているので、ポイントを付けさせていただきました。孤児院の分や工房の分は執事殿に指紋を登録していただきます。そして、屋敷のポイント分も執事殿にいたしましょう。指紋登録だけでも別の人でできますよね?」 それは問題ないけど。そうか、いつも支払いをするのは執事だからね。じゃあ、それでお願いしますと伝えました。明日、一度来てもらうことにしました。ここで執事に登録してもらいましょう。
請求書別に登録すると言う事ですね。
これは良い考えです。さすがアダムさん!
じゃあ、この魔道具をあと三台といわれましたが、そこそこお金がかかりますよと言えば、先行投資だって。まあ、それならいいですけど。
その場で三台の魔道具を作りました。魔石でも充填でも使えますから便利ですよ。
当然、俺の分も一緒につくってアイテムボックスに入れました。あとはコピーすればいいですからね。
『ナギ。そろそろ戻るが、お前は?』
『今、所長室だよ。戻ったらゆっくりしててね。こっちが終わり次第戻るから。フラットたちのことも確認しておいて』
『わかった、じゃあ、詳しいことは戻ってからだな』
お願いね~
念話を終えると、とりあえず支払いをと言ってくれます。ええと、かなり高いんだけど、どうしようかな。鑑定で値段が決まってるからね。
「魔道具は鑑定金額になりますけど、いいですか? あと、権利のことですが、やっぱり商業ギルドを通した方がいいのかな」
「そうですね、一応権利を登録されているのでしたら。いかが致しましょうか」
うーん、別にいいけどね、それくらいなら。
「じゃあ、別にいいですよ。アダムさんだし。権利といっても商業ギルドが儲かるだけですからね。俺には一パーセントしか入らないので」
一パーセント? というので、カードが売れる度に、その金額の一パーセントですよ、と言えば驚いてたよ。
安すぎますね、と驚いてるよね。
結局アダムさんには魔道具のお金を三台分もらいました。商業ギルドで白金貨一枚なので、俺の手元にはその九割入ってきます。だから九割で売りました。
アダムさんの知り合いなら同じ条件でいいかと聞かれたのでいいよと答えたよ。ただ、魔道具は全額払わせるからと言うので笑っておきました。
では、明日、お願いしますとアダムさんは戻っていきました。
じゃあ、俺は倉庫をつくってからゴミ処理場を見てくるからと事務局を後にしました。
降り立ったのは馬場です。
馬番に謝ってから外に倉庫を作りました。薄いけど幅広い倉庫です。扉はたくさん必要ですが、薄いので使いやすいでしょう。
(クリエイト)
バババーっと走る光のあとには倉庫ができてます。うん、早いね~
馬番は慣れたものですね、じっと見てますよ。
鍵は全てを回収してもらうようにお願いしました。これからゴミ処理場を見に行くからね、と空にあがったよ。
水晶でSランクに招集を駆けます。馬ですぐ来てくれるそうですよ。
空に上って街を見ながら移動します。
迷宮はどうだろうね。
えっと、今日から当番制で冒険者がいるはずだけど……
あ、いたいた。
ちゃんと仕事してるかな。
そろそろメンバーも迷宮から出てくるのかな。今日戻るって聞いたから、そろそろのハズだけど。
そんなことを考えていれば、気配がするよ。
扉が開くのかな?
おっと、外に出てきたのはオニキスだね。
そしてブートとアニ、最後にノルが出てきて、しっかり扉を閉めてから結界を張りましたよ。
読んでいただきありがとうございます。
不動産とポイントカードって、現実世界そのものですよね。笑
どれだけ広がるんでしょうか、楽しみです。
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




