195 創造魔法って素晴らしいね~
こんばんは、こんにちは。
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※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
フォレアもそれができるならやってみればいいです、と言う。一棟作ってみて、それでもいいと言うならば、他にも作ればいいんだとアドバイスをくれた。
考え方次第だな、と思ったよ。
それなら、と間取りを考えよう。今までは、頑丈に造るために中央に廊下を作ったけど、今度はそうでなくてもいい。空間の中に実際の建物があるのと同じだから。それなら南側を通路や日の当たる部屋にすれば、北側は空間の中にする。それを東西に伸ばしてマンションを造る。それを南北に二列並べても、日当たりだけ気にすれば問題ない。だって、南と北に並ぶ建物は、通路を歩いても、空間だから眼の前にある建物は薄いものになる。だから人の視線も気にせず、日当たりも問題ないんだ。
既に、アパートやマンションの住人、事務局、祈りの場、国営集合住宅の住人、新たにできる商会など、迷宮の街は全てゴミ袋に入れないとゴミは出せない。不法投棄は、警備隊に探されて、確保され国の基準で処罰される。それは大きく宣伝されてるから、知らないとは言えない。ゴミ袋もかなりの数、事務局で販売されてるんだ。
だから、ゴミ処理の職員も、契約の翌日から動いている。荷馬車で移動しながらゴミを集めて回る。
でも、まだゴミ処理場を作ってないので、倉庫を土魔法で造り、そこに入れてもらってる。
そこそこの施設が動き出してる今。
ノルたちはそろそろ迷宮に入ろうかと思っているらしい。それなら俺はユリアロウズ国の街に向かって屋敷を造ってこようかと思っている。
フラットとサン、ソラが一緒に行ってくれるから大丈夫だ。そして使用人たちとも繋がっている中での作業だから問題ない。
それなら、明日、あちらに行くことになった。
ノルたちも明日から迷宮に入ると決めたらしい。それなら、食料確保をしてくるといい、アニとブートも一緒に出かけていった。給金を払うからそれでと言ったけど、普段良くしてもらうのでお金を使うことがない。それに自分たちの経験値のために頼むなら、できるだけの食料を用意するのは当然。そう考えているそうだ。
まあ、そう言うならそれでいいかな。
甘いものは料理長が持たせてくれるって言ってくれる。それは頼むことにした。だって、空間にも入れないからね。
ただし、水晶は全員に持っててもらう。ノルは時々に連絡をくれることになってるから大丈夫だろう。
いざという時には結界を張る。危険が直ぐ側にあるんだから、その危機感は直接感じれられるだろう。アニもブートもしっかり感じてほしい。
もちろん、眷属たちの食費はノルに預けましたよ。
翌朝、しっかりと食事をした皆を迷宮へ送り出した。
その後、フラットとサン、眠ったソラを連れて、ユリアロウズ国の街にある自分の土地に空間を開くことにした。
空間を開いたあと、敷地を囲むように決壊を張る。透明でも認識阻害の結界だね。
使用人たちもその場に出てきてもらって、中に戻った俺は生き物がいないことを確認し、敷地や建物など全てを切り取りストレージに入れる。
再び外に出て、おじいちゃんと話したように見える部分は一部だけで、他は拡張空間に入れたいとイメージしてシュミレーションしてみよう。
(シュミレーション)
そこには、ある程度の建物が見える。
玄関とホール、応接室と食堂キッチン。そして客間がひとつだね。その間にトイレはあるけど。
残りは拡張空間の中に入ることになる。
うん、これなら大丈夫だね。
そう考えて、空間を拡張し、そこも含めて空間にある屋敷全てを貼り付ける。木の一本まで全てだね。
<創造魔法>
ぶわっと光が沸き起こる。
俺達と使用人たちは、その間にお向かいの商会へ行くことにした。
「こんにちは。会頭さんはおられますか? ナギといいます」
「いらっしゃいませ。ナギ様でございますね、しばらくお待ち下さい」
はいは~い。
その間に、いろいろ見てますね、料理長は。そして侍従たちも何か見てるよ。もちろん料理人も確認してました。
「ナギ様! お久しぶりでございます」
「こんにちは。ご無沙汰してます。お元気そうで良かったです」
「はい、何とか無事に過ごしています。それで、今回、こちらに屋敷を作ろうと思っていますので、またお願いしたいと思いまして。使用人たちと一緒にご挨拶に参りました」
「そうですか! それはとても嬉しいことです。それで、こちらで活動されるのですか?」
「いえ、基本的に私は眷属たちと旅を続けますが、毎日屋敷に戻って寝泊まりや食事を摂るつもりです。空間魔法を使って戻りますので。冒険者たちは一部、戻ってこちらで活動するとは思いますが、すぐに全員というわけにはいかないと思います。他国にいろいろと施設を残して来ますので、そちらの管理もありますから」
「……なるほど、そうですか。それで、あのシルバーウルフの子は?」
覚えてくれてるんだね。
フラット!
そう呼べば、振り返ってこっちにやってきたよ。
「この子がそうです。今は成長して人化できるようになりました。ですが、討伐や迷宮ではシルバーウルフの姿で頑張ってくれます。屋敷では獣化してることが多いですよ」
そうですか、この若者が。
「あの頃はナギ様を背に乗せて毎日ギルドに行ってましたね。またよろしくお願いしますね」
「はい。僕も、ここのアメが大好きなので買いに来ます!」
あはは、フラットはアメなんだね。
「こちらが執事長、こちらは侍従長です。そして、料理長! ちょっと来てくれるかな」
はい、と小走りで来たよ料理長。
「こちらは屋敷の料理長です。おかげさまで毎日おいしい料理を食べさせてもらってます。注文は執事か侍従長から入ると思いますが、珍しいものがあったら、声をかけてください」
「それはそれは。私は、当ミルロット商会会頭のミルロットと申します。どうぞよろしくお願いします。ナギ様には小さい頃からお世話になっております」
そうですか、とそれぞれが挨拶してますね。
「それで、いつ頃からこちらに?」
「今、屋敷を造ってます。土地が狭いので、一部は空間の中になりますが、入口や応接室、ホールなどは外の部分にありますので。ですが、悪人は入れない結界を張るので、会頭さんたちは問題ないと思いますが、できるだけお騒がせしないようにしますので」
なるほど、素晴らしいです、と感心されてしまった。
俺が話をしている間、見てていいよと言えば、それぞれが散っていった。
最近の話を聞いてみると、俺の家が火事になって迷惑をかけた隣の家だが、何やら立ち行かなくなり家を売りに出して出ていったらしい。だが、広い屋敷をこの街で買う人はいない。未だに売れてないらしい。
へ? とぽかんと口を開いてしまったよ。
ナギ様が購入してくださればいいのですが。
そんな風に呟く会頭さんだけど、それもどうなんだろうね。でも、マンションかアパートがあればどうだろうか。
でも、すぐには決められないよね。
あははは、と笑ってごまかしました。ねえ、そんなこと、すぐには決められないよ。だって俺、まだ十二歳になってないよ?
とりあえず笑ってごまかした時、買い物をしてもいいのかと料理長が声をかけてくる。
いいよ、と答えれば、補佐の人がついて行ってくれました。
「ナギ、アメが欲しいんだけど、いいかな」
「いいけど。ソラも欲しがると思うからどうしようかな。喉に詰まったら大変だから」
「小さい子がいるのですか?」
そうなんですよ、と苦笑する。
それなら、と会頭さんが提案してくれたのは、棒に刺さったアメだったよ。これ、水飴だよね。三センチくらいの丸いアメが付いてますよ。
「それ、いいね。でも、ドロドロになりそうだけど」
ケタケタ笑うフラットだけど、サンが興味を示したよ。
『あるじ~、それ、ほしい~』
「食べてみる?」
う~ん、というので、一本先にもらいましょうか。
日本にあったものとは形が少し違います。
棒が短いんですよ。そう、俺が子どもの時に駄菓子屋で買って食べてた水飴と同じです。
いびつな水飴という感じかな。
棒は割り箸一本くらいですね。それが短く付いてます。これなら水飴が柔らかいので、詰まることもないでしょう。
もっと小さい水飴のもありました。そう、半分くらいの大きさですね。
サンは、三センチくらいの水飴を口に入れます。ちゃんと小さいお手々で棒を持ってますよ。口に入れてもぐもぐやってたら、綺麗になった棒だけが出てきました。
あはは、面白いね。
『あるじ、これおいしいよ。普通のアメよりも優しい感じがする~』
そうだね、アメが違うんだよ。会頭さんはご存知ですかと聞いてみれば驚いてますね。
「これ、水飴というものだと思います。小さなころに食べてましたよ。まだ両親が元気な頃ですけど」
なるほど、それならご存知ですね。
「自然のものだから大丈夫なんだよ。サンも本当ならこっちの方がいいね。フラットもだけど、小さすぎるでしょ」
うん、ちいさいよね、と言ってますね。
「それでは、こちらはどうですか? 水飴ですが加工前の瓶詰めです。スプーンかなにかですくい上げれば食べられますが、くるくる回して取らないと、水飴が垂れるし糸を引きますよ」
そうですね、とフラットを見れば、欲しいです! と顔にかいてあるよ。
「そっちのアメじゃなくて水飴なら買ってあげるけど、どうする?」
「水飴がいい~。でも、歯は綺麗にしなくちゃなんでしょ?」
「そうだね、甘いのは同じだよ。甘い元は違うけど、やはり虫に食べられるのは同じ。だから、寝る前には浄化しないとね」
「わかった! ちゃんとするから。そうじゃないと痛いのは嫌だ」
そうだね、と大瓶を木箱ひとつ分お願いします。
驚く会頭さんですが、お菓子を作るときにも使えるのでと言えば、なるほど、と納得してましたね。
『あるじ~、ひかりがおわったよ~』
本当だね、と買い物を続けてもらうことにしました。
インクや羊皮紙もいいかと執事が問うので、いいよと伝えました。
伝票はまだまだあるらしいので、それ以外らしい。
じゃあ、とりあえず戻って確認するね、とフラットに頼んでサンとソラのいる鞄をもち、街道を渡ります。
後ろからは料理人と侍従長、庭師などが付いてきました。
結界を通って戻った場所は、すばらしいものでした。
ちゃんと小ぶりの建物がありますよ。玄関を入れば、いつもと同じです。料理人補佐が調理場に向かいました。侍従の一人は二階に駆け上がります。庭師は外に出ていきましたね。
うん、全く違和感ないよ。
寝室に上がってみれば、いつもの寝室やお風呂がありました。
『すごいね、あるじ~。おもて、ちいさいのに、なかはひろ~い!』
「そうだね。創造神であるアルム神様の魔法、創造魔法を使ったんだ。いつもは使えないほどの魔力がいるんだけどね」
『ふうん、すごいね~、ありがたいね』
「そうだね、ありがたいよ。とりあえず成功だね。じゃあ、お金を払いに戻ろうかな。買い物がたくさんあるだろうしね」
は~い、とサンは鞄に入ったよ。
街道を渡るのに、馬車をやりすごしましょう。
「ナギ! ナギじゃないのか!?」
え? 誰?
「戻ったのか、ナギ!」
あはは、『蒼い翼』の前衛のマックスさん、女性魔法使いのミミカさんと僧侶のレインさん、そして他のメンバーたちだった。幌の付いた馬車に乗ってるよ?
「戻ったといえば、戻ったのかな。前の土地に屋敷を造ったので。活動拠点は、まだ他国の依頼が残ってるので、そっちだけど」
「そうか、屋敷をな。でも、久しぶりに顔が見られてよかった。随分大きくなったな。それにもっと綺麗になったぞ」
「そうなの、ありがと。今ね、ミルロット商会で買い物してる途中なんだ」
そうかそうかと嬉しそうだね。
「ナギ! 買い物終わったけど、お金は?」
「ああ、ごめん。すぐに行くよ」
う~ん、とフラットは店に戻ったね。
「誰だ、あれ」
「え? ああそうか。あれ、フラットだよ。人化してる姿だね」
人化? と驚いてるな。
「なるほどな。さすがシルバーウルフ王の子だな。いっちょ前の男だぞ、あいつ。それで、あとで来るのか、ギルド」
「うーん、そうだね。時間が取れれば行くよ。みんなに会えたらいいな」
「じゃあ、待ってるからな。ギルマスにも話しとく。ドールーハも喜ぶと思うぞ。会ってけよ」
そうだね、と返事をすれば「じゃあ、後でな」そう言い馬車は離れていった。
侍従たちは残っているので、待っててもらおう。鍵を閉めてね、と言って出てきたから、早く戻らないとね。
すみません、お待たせしました~
そう言い、店に駆け込んだ。
「いえ。どうやらマックスさんたちとお会いになったようですね」
「はい。久しぶりに会いました。フラットを見て驚いてましたよ」
なるほど、と明細書を出してくれた。
確認して、サンは何も買ってないの? と聞けば水飴を買ったという。
それだけでいいのかな? この商会には本がたくさんあるけど。
そう言ってみれば、本が見たいという。それなら、フラットがアイテムボックスに荷物を全て入れて、執事たちと屋敷に戻ってくれるって。
じゃあ、お願いね。
読んでいただきありがとうございます。
思ったままのものが作れるって、考えたら凄いことだね。
絶対にないと思うけど、実現できるのが魔法でしょ。
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明日もどうぞよろしくお願いします。




