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194 東辺境の迷宮の街が動き出したよ。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


「なるほど。そういうことですか。ですが、私にそのような能力がありましょうか。侍従として生きてきただけでございます」

『うむ。問題ない。ナギ様は王宮の侍従にさえ目をかけてくださるのだ。職業や位など関係なく、本人を評価してくださる。今までの我のやってきたことは無駄であったと認識したほどだ。故に、これから西辺境の依頼に取り掛かっていただけるとは思うのだが、そうなれば、そなたにも力を借りることになる。そしてナギ様の動き、考え方、眷属殿たちの仕事など様々経験するであろう。そうであるならば、迷宮の地を治める辺境領主として実力がつくと思うておる。学んでほしいのじゃ。ならば、ナギ様がおらぬとも、そなたが運営して行けるであろう。我はそう思うておる。ナギ様を師と仰ぎ、学んでほしい』

 いっきに話した国王だけど、戸惑ってるのは間違いないね。

「じゃあ、陛下。結果は後で報告するよ。とりあえず、許可は出たんだね」

 もちろんでございます、と返事を聞いてフォレアに代わってもらった。

 グズってたので、早く代われ! と怒鳴っちゃったよ。


 フォレアといろいろと打ち合わせや今後のことなどを話して、また会いに行くからと通信を切った。


 さて、リミット。

 するとノルがアニのところに行ってくれたね。

「それで。引き受けてくれるのかな?」

「あの、私で良いのでしょうか。商人の息子で三男ですので、計算くらいはできました。ですから文官の道を選んだのです。それだけです。それで……」

 この人、本当に正直で優しい。そして利口だ。こういう人じゃないとダメだ。人をまとめるために、いろいろな角度から周りを見られる。そうか、『認識行動』というユニークスキルはそういうことなんだね。全てを認識して先々を見て動く。素晴らしい能力だよね。

「あのね、リミットの能力の一つとして『認識行動』というユニークスキルがある。どういうスキルだろうと思ってたんだけど、君を見てて理解した。周りを認識して先々を見て動くという能力だよ。だから胸を張ってほしい。民のために何かをして、とか言うんじゃないよ。自分が住みやすい街なら民も住みやすい。そう思って運営してくれればいい。判断つかない時にはいつでも連絡して。国王に聞いてもダメだと思う。だから水晶で直接連絡してくれていい。俺達は旅に出ることもあるけど、屋敷には連絡とれるからね。相談してよ、いつでも」

 そう、気軽に連絡してほしい。そうでないと大きな問題になりかねないからな。

 そう言えば、少し安心したらしい。


「私でお手伝いができるのでしたら、ナギ様のお手伝いをさせてください。ですが、不安があれば、旅に出られた後でも連絡させていただきます。それでよろしければ、よろしくお願いします」

 よっしゃ!

「うん。それでいいよ。大変だとは思うけど、迷宮管理事務局を造るから、そっちは適任者を探す。ただし、局長はリミットでね」

「ええ? それはおかしいです。東はナギ様が局長だと伺いました。ですので、優秀な方に所長をお願いして、ナギ様とのツナギをさせていただきます」

 は? ツナギって。

 そうか、リミットは冒険者でもないから、いろいろ押し付けても大変だね。でも、俺が局長って、フォレアが言ってた気がするけど。あ、違うか、みんな言ってたね。まあ、それは仕方がないけどさ。

「わかった。それでいいよ。でもね、辺境領の運営はリミットのやり方でお願い。迷宮はいろいろ決まり事があるからそれはそれで誰か見つけるよ。じゃあ、辺境領主として頑張って欲しい」

 はい! と嬉しそうに返事をしてくれて安堵した。


 じゃあ、とりあえず戻ると伝える。

 アニに会計のことを聞けば、以前のものはめちゃくちゃだったらしいが、リミットが丁寧にチェックしてまともに戻したらしい。王弟も搾取してたと聞いたので、王宮に連絡して怒りをぶつけたんだ。

 それなら、すぐに商業ギルドを通して送金するって国王が言ったぞ。その上に、代官の私財があると言えば、それは今回、そっちに向かってくれた依頼料だと言った。でも、かなりあるぞと言えば、問題ないそうだ。それなら、残ってくれる職員たちに心付けを渡すと伝えた。

 申し訳ないと頭を下げる国王は普通の人みたいだな。


 フォレアに聞いたが、俺が依頼を終えて支払いが終わった時、王宮を辞することになったらしい。後釜はフォレアの側近だった男爵家の四男らしい。国王も家に戻ることを優先しなくなったらしい。なぜなら、フォレアが時間通りで戻ることにしたから。その後は男爵の息子が引き受けることになったらしい。それも勉強だと笑ってた。

 だから時間を持て余しているらしい。それなら戻ってから屋敷にくればいいと伝えたんだ。ここと王宮を繋ぐから、そこを通って通えばいい。仲間しか通れない結界を張るから、王宮から人は来られないと言えば、大喜びだった。俺の仕事のこと、商売のことを引き受けてもらうつもりだと言えば、とても喜んでくれた。


 じゃあ、明日の夕方に仕事が終わり次第連絡をもらうことにした。

 さて、戻ろうかと立ち上がった時、可愛い声が聞こえる。

『あるじ~、おちちゃ~』

 おっと、ソラが起きたね。

 カバンから出してやったら、ぺたりとテーブルに座って手を挙げる。

「もう少し待てるかな、ソラ。今から屋敷に戻るんだよ。どう?」

『ん~、わかっちゃ。しゅぐ、かいり?』

「うん、すぐ戻るよ。いいかな?」

『いいお~』

 そう言ってくれるので、先に戻ってもらうことにした。サンが一緒に戻ろうと言ってくれたから。

 サンにいちゃんともどる、だそうだ。当然フラットも一緒に戻ってもらうことになる。お弁当などはサンのアイテムボックスに入ってるから問題ない。

 開いてもらった空間から、一度中に入って執事に頼んでから乳母車のサンとソラに手を振って、フラットにお願いしておきました。


 その後、領主の館の使用人たちに、心付けを渡してゆく。

 人数を聞いて、それぞれの役目や職歴にそった金額を渡した。そこそこの金額になっただろうけど、みんな慎ましやかな生活をしているようだ。

 リミットが認めてた使用人たちだから、皆同じ考えなんだろう。

 なんだかそんな気がしたんだ。



 翌日は、管理事務局の職員との契約になる。

 同じ契約書を作ったので、来てくれた順番に仕事内容の確認をし、契約書をそれぞれ確認してもらってからサインを貰った。当然二部もらったよ。事務局の印を作ってたので、それを押して返す事になってる。

 アニがメインで手続きをしてくれるけど、ノルと俺も参加した。ブートも当然参加してくれたけど、Bチームは外で護衛というか集まった人たちの整理をしてくれてる。

 お陰で思ってたよりすんなり終わった。

 

 勤務は明日からになる。

 当然、続けて募集する。馬番とウエイトレスを募集してる。

 そう、馬場に馬を置くので、その世話を手伝ってもらうためだ。そして食堂のウエイトレス。思ったより評判になって、次男君の仕事が大変なことになってる。今は、屋敷の侍従が二人手伝いに行ってくれてるんだけど、いつまでもというわけには行かない。


 それも、職員募集と同様に各所に張り出した。


 翌日から迷宮管理事務局は稼働し始めた。

 当日は、いろいろな備品などの不足を確かめたり、複写式の伝票の使い方を教えたり、手持ちの素材を鑑定してもらったり、総合受付の人には、対応する場合を想定して、数人が問い合わせに来たということで、護衛の対応も含めて検証した。

 当日は、フォレアも王宮を休んで手伝ってくれたんだ。

 文官として能力が高い彼は、事務系職員のつくった書類を精査したり、買い取りの伝票処理なども細かく指示した。

 アニは最初の受付のテストをして、迷宮の案内を検証する。そして許可証の発行を実際にやってみた。探索者としての証明証は、冒険者であっても必要なので、新しい辺境ギルドのギルマスに頼んで、冒険者で証明証の発行を希望する人たちを実際にこさせてもらった。

 最初の探索者証明証の発行はギルマスだったのは笑ったけど。

 元高ランクの冒険者だったので、数階層くらいは行ってみたいと思っているらしい。まあ、問題ないだろうけどね。まだ、二十八歳だし。


 次々と冒険者が来て、探索者として登録してくれたので、証明証の発行は本番さながらだった。この記録は探索者協会へ送られるので、間違いは許されない。

 俺もブートもアニも。そしてAチーム、Bチームも登録したよ。

 まあ、俺達はなくてもいいんだけどね。

 特別にノル、オニキス、フラットも登録した。そうでないと、俺以外が入る時に困るから。

 さすがにサンとソラにはないけどね。


 そして探索者の証明証を持っている人は、馬場の食堂で、ポイントをつけることになってる。そう、ポイントカードを作ったんだよ。当然、事務局と連動させました。食事代、銅貨一枚につき二ポイントがつく。それが知らぬ間に貯まるのだ。カードで貯まったポイントの確認はできるので、二百ポイントから食事代の一部として使用できる。

 もちろん、一般の人に対しては、専用のポイントカードを作ったので、銅貨一枚につき一ポイントがつく。同じように使えるから、毎日日替わりランチを食べる勤め人などは、知らぬ間にポイントがたまるんだ。

 試しにやってみたけど、大受けになりました。時々、ポイントカードを持っている人にだけサービスがある。飲み物を注文した時にはクッキーが二枚つくのだ。毎日じゃなくてランダムですよ。

 だって、焼き菓子を仕入れできた時だけになるからね。


 まあ、イベント感覚で面白がってくれてる。

 特に、お昼のランチは大好評だ。毎日三種類のランチから選んでもらう。その料理は、お得に見えるようなサラダの盛り付け、ドレッシング、マヨネーズなどに工夫してる。そこにどうやって料理を盛れば大盛りに見えるか。そのあたりも、屋敷の料理長がアイディアを出してくれて、俺が前世の知識をふんだんにいれて作り上げたランチだ。主に肉料理になる。

 まあ、これからもいろいろ仕掛けて行きたいと思ってるんだけどね。


 オッドも大喜びで解体してるんだ。

 肉はアダムには申し訳ないけど、俺の店になったから、自分の屋敷で解体したものを使うことにした。それは当然だと言ってくれたのでありがたいことだ。それ以外の食材はアダムス商会から仕入れてる。

 オリジナルで屋敷で作ったもの。ビワとかブドウのジャムや、ジューサーを作ったので、生ジュースなど、美味しい果物が入った時、ジャムができた時、など、客が欲しがるようにたくさんは用意してない。

 

 まあ、いろいろ楽しいね。


 迷宮管理事務局がオープンしてから三日後には、商人の借地権の抽選会をやった。管理事務局の三階にある広間でやったけど、ギューギュー詰めになるほどの人が集まっちゃったよ。

 当然、国営の集合住宅にも申し込みが殺到した。そして馬場に作ったマンションも既に満室だ。なぜかというと、辺境内にある近くの宿は早々に満室になり、次に国営の集合住宅、次に事務局で案内できるのは、カームアパートの二棟とマンションになっちゃったんだ。探索者はアパートの希望者が多かった。国営と違うところは部屋が少し広い、シャワーがある、魔道具のグレードが少し高いなど、内装や設備の違いで決まってしまった。マンションは、王都や他国から来た商会の職員が多かった。その中に、うちのBチームの四人が最初に一人部屋に入ったのは爆笑した。

 結果として、アパートも四部屋空いたので、問題ない。ただ、うち専属で依頼を稼げるように、王都ではなく辺境のギルマスが対応してくれることになったので、マンションも特別な賃借料を決めた。依頼料が他の依頼よりもいいので、半額と言うわけにはいかないし、職員になったわけじゃないので半額も無理だ。おおよそ、三割引くといえば、大喜びだった。

 

 フォレアからの提案で、宿が絶対的に足りないし、商会の職員たちも、住む場所がないのが現実だ。それなら、マンションと同等くらい、アパートと同等くらいの建物を建てたほうがいいと提案してもらった。カームアパートは孤児院があるし工房もある、洗濯屋もあるので、知らない人は入れないほうがいいという。でも、既に入ってる人は仕方がない。ただ、悪人は入れない結界があるので、そのあたりは安心だ。

 同じようにマンションも結界があるので、善人しか入れない。だから商会の使用人たちは安心して住めるらしく、予約がかなり入っている。今は安宿を探したり、家ごと借り上げたりしているらしいが、やはり気を使うので、店を建てている間に作ってほしいと要望が多い。

 でも、売り土地はないんだ。

 どうするか、と検討中だね。

 野営場を少し小さくしたらどうかという話も出たが、それはやめたほうがいい。絶対に野営場は人気になるから。


 それなら、馬場を少し狭くするかという方向で話が進んでいる。

 馬が可愛そうだという思うのだが、建物を建てて、内部の一部を拡張する方がよくないか、とアルムおじいちゃんが言った。

 そう、馬場に入る道だけ確保して、陽のあたる場所は今の半分ほど。残りは空間拡張して広く取る。

 マンションを造る時、表に出ている部分は半分でもいい。その奥は窓はなくなるけど、拡張空間でもいいんだという。その分、家賃を少し安めにすれば、昼間仕事をしている商会の職員などは、気にならないだろうと言った。なるほど、と思ってしまったよ。

 確かに、ひと部屋分とトイレやシャワーだけでも空間に入れば二列並べても馬場をそれほど縮小しなくても大丈夫かもしれない。それぞれの建物を拡張空間付きの建物にする。日当たりは外に出ている場所なら問題ない。寝室や風呂なら暗くてもいいから、仕事に出る人はそれでいいかもしれない。うん、これができたら凄いことだよね。


読んでいただきありがとうございます。


こんな風に街ができたら楽しいでしょうね。

ゲームの世界みたいだよ。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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