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189 食堂のあるアパートが『食堂のあるマンション』になってました。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 そうだ、アダムス商会へ連絡しないとね。

 その前に……

 メニューを考えてもらう。

 それぞれの原価を計算してもらいたいので、アダムさんと話しをしてもらう。魔物の肉でよければ、屋敷に解体人がいるので、そこそこの肉は確保できると思うと話してみた。

 それと、給金の話し。

 どれくらい必要なのかを聞いてみたが、住む所のこともあるし、料理や原価など全てを検証してみると言ってくれた。

 司祭様たちの食事に関しては、今日の夕食から作ってくれるって。値段は、一応あとで相談することにした。当然、お任せメニューがメインになるけど、朝食以外は注文してもいいらしい。それはありがたいね!

 もしかすると、事務局の職員たちも来るかもしれない。そのあたりは、その時にと、後日ゆっくり話しをすることにした。


 料理長にも相談した方がいいかな。

 そう頭の隅っこにおいて、アダムスさんに連絡した。どうやら、建物ができたのは知ってたらしい。看板も大きく掲げてるから、大通りから見えてたんだって。じゃあ、そこから入って来てもらうことにした。道沿いに建物を建ててるからと伝えておきました。


 あとは、何だっけ?

 あ、そうだ。トッドにどれくらい肉があるか聞いてみないとね。

 忘れるといけないから、すぐに執事に連絡しておこうか。


『お疲れ様でございます。トッドですが、素材がかなり溜まっているので引き取ってもらいたいと申しておりました。それと、肉はかなりの数解体しているようです。どういたしましょうか』

「そうなんだね、じゃあ、今夜でも引き取ろうか。いや、あとで引き取りに行くから。一般的な食用の肉を料理長にも聞きたいし、アイテムボックスの明細も見たいんだ。あとで連絡するね」

 承知しました、と水晶通信を終えた。


「ナギ、そろそろ光が落ち着きそうだよ」

「そうだね。光が収まったら、確認してもらおう」

 フラットは嬉しそうに見てるね。


 さっき、執事から報告を受けたんだけど、司祭様たちは旅の疲れが出たのだろう、遅くなってしまったと悔やんでいたらしい。でも、連絡しましょうと言えば、祈りの場に向かいたいと言うので、空間を入ってブートに聞いたらしい。それなら、と空間を通ってもらって祈りの場へ案内してくれたって。荷物はあとで取りにくるそうだ。

 勝手なことをして申し訳ないと言うんだけど、ちょうど俺も建物を建てるためにイメージを固めていた時だったので、問題ないと礼を言っておきました。


 はぁ、お腹すいたなぁ。

 今朝もらったおやつを食べよう。

 あれ? サンがこっちを向いてるね。そうだ、ソラの朝ご飯渡してなかったよ。

 駆け出した俺を見て驚いたフラットはキョトンとしてる。

「ごめんね、サン。ソラの朝ご飯渡してなかったよ」

 いいよ~とソラを抱き起こしてるよ。すごいよね、サン。抱っこまでしちゃうんだ。

 小さなテーブルを渡せば、ちゃんとセットしてくれる。

 朝食を取り出して、お代わり分とデザート、おやつを渡せばアイテムボックスに入れてくれたよ。保冷バックにはミルクと果実水が入ってるのでバッグごと取り出した。

 サンは今朝、おやつや保冷バッグはもらってるからね。ソラのバッグは水色だからわかるんだ。


『あるじ、さきにいっとけばよかった、ごめんね~』

『そんなことないよ、俺が忘れてたのがダメだった。ごめんね。もう少しお願いできる? サンもおやつ食べていいから』

 う~ん! と大喜びだね。

 にっこり笑って見てるフラットだけど、一緒に食べればいいよと言えば嬉しそうに頷いて、大きな保存容器を取り出したよ。

 それなら、とテーブルと椅子を出してあげましょう。俺も一緒に食べるかな。


 あ、終わったね、光。

 行ってくるね、と駆け出す。

 やっと終わったそこには……

 デデンとおおきなアパート? マンションみたいな大きさの建物がありました。あはは、グレートアップしたね。

「ナギ様、素晴らしい建物ですね。思ってたより大きいです!」

「うん、俺もそう思う。予定より少し大きいよ。中に入ろうか」

 はい、と店の入口を開いた。

 すごいね、と呟いちゃった。

 入ってすぐは壁だね。その隣にはカウンター? ここ、会計カウンターかな。

 景色のいい窓が広くある一階の店舗部分。これ、シャッターがついてるんだけど。緊急時に閉めるんだろうね。昔の雨戸だよ、これ。

 カウンターの上にあった鍵を取り、奥へ向かいます。

 フロアにはちゃんとテーブルと椅子もありますね。さすがに座敷はないけど。でも、冒険者でも気楽に入って来られる内装になってる。

 そして、調理場の前には広めのカウンターがあるね。

 ここから料理が出てくるんだな。すごいね、これ。小さくてもバイキングくらいはできそうだよ。満席だと三十席ある。さすがに満席になれば大変だろうけど、それくらい繁盛してもらいたいね。


 キッチンは使いやすそうだよ。

 とりあえず、今夜の分の食材を出そうか。

 何がいる? と問えば、野菜と肉、パン、米などあるものは何でもだって。

 じゃあ、とりあえず、俺が持ってる野菜、パン、米を出そう。あと、肉はトッドを呼ぶかな。

「忙しい時間にごめんね。トッドを呼んでくれるかな。ブートに聞けば俺がいる馬場の場所がわかるから、来てもらって。肉を見たいんだ」

『承知いたしました、すぐに連絡いたしましょう』

 そう執事は引き受けてくれたよ。


 主人にはこれを渡しておくよ、とブレスレットのアイテムボックスを渡します。

 容量無制限、時間停止型のアイテムボックス。

 野菜や肉など、何でも入れておけば、素材が傷まないからね。生き物は入らないから。貝とかは水と一緒に空気が入らない袋に入れれば入るよ。

 そういえば、そんな袋はありませんね、と笑ってる。

「ナギ様。流れ者の私たち親子に、このような高価なアイテムを貸していただけるとは驚きです。逃げるかもしれませんよ?」

「あはは、そんな心配はしてないよ。俺はアルム神様の使徒。アルムおじいちゃんが、あのタイミングで会わせてくれたと思ってる。それにおじいちゃん譲りの鑑定魔法でも問題なかった。だから、美味しい食事を作ってよ。俺も商売だから、損するのはダメだけど、大儲けしなくてもいい。迷宮に向かう人、戻った人たちがお腹いっぱい食べられるようにね」

 涙を流す主人と息子たちは、深く頭を下げて、アルム神様に感謝です、と言ってくれた。俺が一番感謝してるんだよ、おじいちゃんには。


 Bチームの面々が、残りの部屋を確認するために階段を上がってくれたよ。司祭様には水晶で連絡をすれば、すぐに来てくれた。鍵を渡せば大喜びで確認にいったよ。

 鑑定すれば、アパートよりは少しグレードが高いみたいだね。カームマンションとなってた。どうやら、建物の壁もアパートよりは部厚く、高さも高い、階段も石造りでしたね。部屋の中を確認してみようかな、と俺も階段を上がります。

 驚いたことに、キッチンやシャワー、窓枠、手すりなんかもグレードが上がってるね。それにカウンターテーブルも広くなって常設になってる。そう、一人部屋、二人部屋と作りも違うし、設備も違ってました。ベッドも少し良いものですね。家具付きなので、マンションになるとどれくらいの金額になるんだろう。アダムさんに見てもらった方がいいかな。

 高ランクの冒険者や探索者、他国から来た商人などが借りるかもね。

 

 司祭様たちは、大喜びでした。鍵は二本渡しました。もし、本数必要なら申し出てもらいましょう。あとは、賃貸契約書を作らないとね。

 料理人たちは、使用人扱いになると思うけど、店と住宅を貸し出す形式でもいいね。それは話しましょう。その方がいいかも、とか思うけど、どういうかな。

 もし、俺の経営で使用人として住むなら家賃は半額だね。申し訳ないけど、司祭様たちには正規の値段になると思うんだ。おじいちゃんに聞いてみたほうがいいかな。


『ナギ。待たせた。やっと到着した。途中で盗賊に襲われてる商人たちがいたから手間取った。それで、録画だったか、やってみるか?』

『うん。やってみる。そのまま少し待ってて』


 オニキスとノル、二人の視線で映像を記録したい。

 西の辺境だが、それ以外でもそんな風に眷属の視覚を借りて映像を記録するスキルを作る。

 スキル名は『視覚共有録画』でお願いします。

 その都度、録画してもらう眷属を指定しますので。


(スキル作成)


 えっと、スキルを確認すれば。うん、ちゃんとできてるよ!

 じゃあ、早速やってみようかな。


(オニキス視覚共有録画)

(ノル視覚共有録画)


 おっと、これは二人の視覚が俺の頭に浮かんでるのかな?

『お待たせ。なんとかできたみたいだよ。ふたりとも何か見てくれるかな。目に付くものがいいけど』

『わかった。じゃあ、俺は岩の後ろに森が見える、どうだ?』

『うん、見えた。オニキスは?』

 どうやら辺境門を空から見てるらしいね。

『あれが辺境門か。騎士がウロウロしてるでしょ?』

 あはは、その通りだって。

 録画の映像を確認すれば、それぞれのファイルがあって、日付がある。そして録画時間が進んでるね。

『大丈夫みたい。録画時間が増えてるから録画成功だね』

『わかった。じゃあ、それぞれが確認するから』

 よろしく、と頼んでおきました。


 もう着いちゃったんだね、速すぎでしょ、オニキス。

 盗賊は減ってないんだよね。魔物は狩ったけど。そのあたりはわかってないよね、国王も。


 蒸しパンを口に入れながら椅子に座っていれば、Bチームの面々が駆け下りてきたよ。それぞれに紙の付いた鍵を持ってるね。すごいよ、ちゃんとしてるじゃん。

「素晴らしい部屋でした。あちらのアパートより高額なのでしょうか」

「まあ、そうなるよね。ここはアパートじゃなくてマンションになる。石壁も分厚いし、家具とかもグレードが少しいいでしょ」

「まんしょん? それでは、カームマンションということですか? 高ランク冒険者なら住みたいでしょうね。部屋数もそこそこありましたし、一人部屋も広かったです。三階から上は一人部屋だけでした」

 そうなんだね。それでこの鍵の数か。

 二人部屋と三人部屋は、料理人の部屋と司祭様たちの部屋の間にひと部屋ずつあるらしい。ふむ、それはいいかもね。

 

「ナギ、アダムさんが来たよ~」

 ああ、どうも。

「こちらは新しいアパートですか?」

「こちらはマンションといいます。アパートより少しグレードが高いですね。なので、後でまた教えてもらいたいです、賃貸料」

「はい、もちろんです。それと、一階はお店ですか?」

「そうです。良い料理人が職員の面接の最後に来てくれたので。隣国の店を引き払って来たそうです」

「なるほど。やはり隣国はあまり情勢がよくなさそうですね。多くの人が移動していると聞きました。何事も無ければいいんですが。なぜ、あれほど国民が疲弊するのかわかりません。とても資源の豊富な国ですからね。薬草も珍しいものがありますし、それに使う鉱石も潤沢にあります。その上、肉食に適した魔物が多い。当然、ポーションを作るための素材もたくさん取れます。薬師も錬金術師も多いのですよ。まあ、国が囲ってますが」

 なんだ、それ。

 そんなことをするから、国民は食っていけなくなるんだよ。冒険者とか商人はいいかもしれないけど。あれ? でも、冒険者も辺境に一緒に来たって聞いたけど。どういうことなのかな。


 あ、トッドが来たよ。

「ナギ様。お疲れ様でございます。やっとお呼びがかかりました」

「あはは、ごめんね。食用の肉はどれくらいある?」

「恐ろしいほどあります。一般家庭でも料理人でも使えるだけの肉はどこにでも売れますよ。素材は今日、引き取ってください」

「わかった。ギルマスも代わったから、ギルドに行ってみるよ。大喜びだと思うけどね」

 はい! と嬉しそうだね。

 値崩れしますか、と心配してるようだけど、そんな心配はない。俺が売るんだから、そんなもったいないことはしないと伝えれば、安心してますよ。

「魔物はまだまだあるけど、どれくらい持ってる?」

「残り二百体くらいです」

「それなら、後で渡すよ」

 お願いします! って嬉しそうだね。


「ナギ様。もしよろしければ、アダムス商会にもおろしていただけませんか? 最近肉が多く取れないようです」

 そりゃそうでしょ、俺達が借り尽くしたからね。

「それはいいですよ。ですが、店で使うものを先に選ばせてください。うちの解体職人の腕は王宮でも有名でしたから」

 それほどですか! と驚いてるね。


 じゃあ、店に入ろうかな。

「店主。肉を持ってきたけど、見てくれるかな」

「はい、ありがとうございます!」

 張り切ってるよ、店主は。


 トッドが調理台の上にいくつも出していきます。

「これは素晴らしいですね。大きな筋もありませんし、とても綺麗です。これはお高いのでしょうか」

「それはアダムさんと相談するけど、俺の仲間の職人が解体してくれるんだ。だから心配しないで。とりあえず、種類と数を相談してくれるかな。トッド、おねがいね。種類と数をメモしてね」

 はい、と欲しい肉を聞いて取り出してます。そのまま確認した店主はアイテムボックスに入れてますよ。

 オーク、ボア系、熊系、ワイバーンたち亜竜系、コカトリスなどの鳥系をいくつも出してました。

 とりあえず、これだけを。そう言い、アイテムボックスの明細を見せてるよ。それをメモしてるのはトッドですね。


「うちか買い取る分はあるのでしょうか?」

「問題ないと思うよ。屋敷の分も確保してると思うけど、聞いてみるね」

 

読んでいただきありがとうございます。


なんだか不動産屋さんみたいになってますね、ナギ。

でも、これからも増えそうな予感がしますが……


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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