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181/202

181 新しい産業ができそうな予感ですね。楽しみです~

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 領主の館に到着して、最初にしたことは、執事に話を聞くこと。他にもいくつかそういう町があるらしい。でも、一番ひどいのは執事の実家の町。それなら、今日向かうけどと問えば、フルレットに確認して欲しいという。わかったよ、と侍従たちを呼んでもらった。


「お疲れ様。ごめんね忙しい時間に。話を聞きたくてね」

 そう言い、人数のことを聞いた。残っている侍従は六人だ。うちの屋敷と比べてはダメだと思うんだけど、どうだろうね。

「今の人数で問題ございません。以前は、侍従長が指示を出しておられましたが、私達とは少し違うようで。それ故、後でその仕事に手を取られておりました。ですが、今朝はスムーズに仕事が進んでおります。他の者達も同様に励んでおりますので」

 そうなのか? 執事に聞いてみたら、今の方が皆充実しているでしょうと言ったよ。それなら今のままでいいの?

 はい。

 なるほどね。余計な人材はいても仕方がないってことか。 

 侍従長を決めて欲しいと執事が言うので、ぐるりと見回し、さっき話してくれた人を指さした。

 全く問題ない能力があるよね。もし、執事が引退したら、この人でしょうよ。

 ありがとうございます、と執事は満足そうだ。どうやら、そのつもりらしいね。うん、いい感じだよ。


 お茶もお出しせず、と慌ててるんだけど、いらないよと伝えておく。これから早速行きたいんだと言えば、もちろんですと言う。

「あの、ナギ様。私も同行させてください。情けないことに全く状況を知りませんでした。ですので、この度のことを教訓に、アダム殿にもお手伝い頂きまして、商品の品定めをお願いしたいと思っております」

 ふむ、それはいいね。

 それならアダムさんに聞いてくればよかったね。

 聞いてみましょう、とフルレットが連絡を始めたんだけど。そんな勝手な……やっぱり貴族だよね。


『ナギ様。アダムでございます』

 あれ? アダムさんだぁ~

「はい、おはようございます、アダムさん」

『ああ、よかった。領主様のお屋敷ぬ向かわれたと伺いまして。お忙しいところ申し訳ございません。見ていただきたい商品がございまして、いかがでしょうか』

「そうなの? 俺も見てもらいたいものがあったんだよ。今どこですか?」

 どうやら店にいるらしいよ。

「じゃあ、今からお迎えに行きます。それで、これから良いものを見に行こうかと思ってるので同行してもらえませんか?」

『ありがたいです。もちろん、同行させていただきます。では、待っていればよいのでしょうか』

「うん。フラットが行きますので。空間に入ってもらえばいいですから」

 承知しました、と聞こえて通信は切れたね。


「フラット、アダムス商会にいってアダムさんを連れて来てくれるかな。冒険者と同じところに入ってもらって」

 わかった~とフラットは飛び立ったよ。


「その間に、ナギ様。お茶をいかがでしょうか?」

 うれしい、ありがとう。

 そう言い、ソファに座りました。

 じゃあ、準備しますとフルレットが言うんだけど、たくさん騎士はいらないよと伝えておく。じゃあ、団長だけでもというので許したけどね。

 嫌いなんだよ、ゾロゾロ連れて歩くのは。


 美味しい紅茶を頂いてます。

 サンも鞄から出てきてお菓子を食べてますよ。飲み物はミルクですけど。

『ナギ、確認は終わった。探索したが間違いない。結界は境界線を目安にオニキスが張った。あとは頼んだが、今どこだ?』

「領主の館でお茶をごちそうになってる。アダムスさんが一緒にって言ってくれたからね、フラットに迎えに行ってもらってるんだ」

『わかった。そろそろ到着するから』

 はいは~い、と念話を終えた。

 

 お仲間ですか? と執事が聞いてくれる。

 ノルが戻るからと言えば、お茶をご用意しましょうとドアを開けて声を掛けたね。すごいよ、やっぱり。この人は執事の鏡だよ。うちの執事と同様に優秀だよね。


 それからすぐにやってきたノル。

 早いね、と言えば急いで戻ったらしい。あはは、ゆっくりしてくればいいのに。


 お茶をひと口飲んだノルの動きが止まる。

「旨いな、これは。このお茶か、お前が言ってたのは」

 そうだよ~

「これは旨いな。香りもいいし、苦みも全くない。子供でも飲めそうだぞ」

 そうでしょ、と笑顔を返した。

 

 紅茶が終わった頃、フラットが戻ってきた。

 外で待っていた俺達はフルレットと騎士団長、執事というメンツだね。すぐにフラットが空間を開いてくれたので、執事以外は押し込んだよ。アダムさんと補佐の人は自分で入ってくれました。フルレットは無言のまま押し込みました、あはは。


 執事を乗せるために、久しぶりにフラットの背に椅子をつけます。

 しっかりと留めつけられているので、安心した顔で執事が乗りました。あぶみをしかり踏みしめて乗ったよ。さすがだね。フラットはすぐに結界を張ってくれましたね。

 俺は鞄をかけてノルの背に乗ります。

 そして執事の道案内でフラットが先行して飛びます。


 本当にそれほど遠くないね。

 ここ、この前討伐した場所の麓だね。これじゃ大変だっただろうね。一応、魔物よけの壁はあるけど、これじゃ無理だね。

 今まで色々あっただろうにね。


 ゆっくりと降り始めたフラットについて、ノルも降りますよ。

 サンは鞄から顔をだして見てますね。

 

 すぐに腹ばいになったフラットから執事が降りたよ。なぜだか違和感がないんだよ、スムーズで。

 俺もノルから降りれば、すぐにノルは人型になったよ。

「あれ、ミナルさん。どうしたんだい、こんな時間に」

 この執事はミナルっていうのか。

「いや、領主様も一緒だ。農作物を見ていだだけるんだが、長はいるかい?」

 呼んでくると引き換えしたのは、壮年の男性だった。


「ありゃ、ミナル。どうしたんじゃ? 領主様も?」

「ああそうだ。こちらのナギ様が町の紅茶を気に入ってくださってね。それで何とかしたいと来てくださったんだ。ナギ様はアルム神様の御使い様だ。ありがたい話だよ」

 御使い様!

 そう言い、その場にいた人たちは平伏する。

「そういうのは必要ないよ。俺はおじいちゃんのお使いをしているだけ。それで昨夜聞いたんだよね、この町のこと。それなら、いい話だと勧めてくれたんだ」

 ありがたいです! と嬉しそうに頭を下げた。


 じゃあ、早速見せてもらうことにした。

 アダムさんも一緒に畑に向かうことよ。フラットは森を見てきてくれるって。背中にサンを乗せて結界を張り飛び立った。

 

 フルレットと騎士団長、執事も行くので、数人の団体行動ですね。

 ふむ。とってもきれいな畑だよね。茶畑は綺麗に刈り取られている。他にもあるのかな、と問えば、果物を作っているらしい。

 それを見たアダムさんが叫んだ。

「ナギ様。この果物です、今日私がお持ちしようと思っていたのは。この町で作られていたのですね。数が揃わないと言われていた理由がわかりました」

 そうなの?

 どうやら、誰かからの頂きものらしい。アダムさんが勧めてくれるということは、かなりおいしいんだろうね。


 食べてみますか、と聞かれたので頷いちゃったよ。

 じゃあ、と剥いてくれるらしい。長は自宅に戻っていったよ。

 この果物は、夏前に収穫して真夏に食べるのがおいしいらしい。まあ、年中食べられはするらしいけど、一番熟すのが真夏だって。

 それは美味しそうだね。

 夏ならよく冷やして食べるんだろうね。

 

 広場に戻ったあと、長が大きな皿を持ってきてくれたよ。

 そこには黄色い実が並んでる。これ、マンゴーみたいに見えるんだけど。

 ひとくち口に入れれば、かなり旨い。

 やっぱりこれはマンゴーだよ!

 これ、ジュースにもできるし、ジャムも作れるよ。

「これはこの町だけで作ってるものなの?」

「そうですじゃ。この町しか作れないのでな。他所の町にも苗を渡したが、育たんかった。作り方は詳しく話したが、無理じゃったな」

 そうなんだね、それはどういうことなんだろう。


 ちょっと探索してみようかな。

 うーん、ここ。

 これはどういうことなの? アルムおじいっちゃんの加護がある土地だね。聞いてみたら魔物も余りよってこないらしい。来てもオークがちらほら、くらいだって。だけど、肉を好むことはあまりないらしい。年寄りばかりだし。

 

 年寄りって、そんなことないでしょ?

 年齢を聞いてもらうことにしたよ。ブートとBチームの仕事ですね。

 

 その間に、俺はアルムおじいちゃんにメールしました。

 加護のある土地だよって。

 そう言えば、思い出したらしいよ。

 ここにあったおじいちゃんの像を、村だった頃、村人が命に変えて守ってくれたらしい。今は、町長の家に祀られているんだって。

 だから、感謝の気持ちを込めて、加護を与えたらしい。農作物はよく育つようにと土地の改良もしたらしいんだ。珍しい苗木も渡したそうだよ。

 だから、ここしか育たないってことか。

 ということは、何を作ってもいいのかと問えば、果物や野菜、お茶などは何を作ってもよく育つって。

 人がいればいいだけだと。販売ルートはアダムさんに頼めばいいらしい。

 でも、人がいないね。

 それなら若いものに連絡をするか、俺が農業をしたいという人を雇えばいいと言われたよ。うん、それがいい。

 ちょっと段取りしてみるから、と返事をしておきました。


 おじいちゃんとのやり取りを話せば、なるほど、と皆が納得してたよ。

 長は、自分の曽祖父が像を守って殺されたんだと言う。もう百年以上前の話しだと聞いた。若気のいたりだろうと思ってたけど、おじいさんの行動には意味があったんだと泣いてたよ。


 それなら精一杯頑張ると言ってくれた。できれば、誰かよこしてほしいというんだけど。募集しないとね。

「ナギ様。それでしたら、うちから数人農家出身の人間を向かわせましょう。空き家などはありませんか?」

 あります、と嬉しそうな長だね。

 

 ちょうど、五人ほど、農家出身者がいるらしい。農業がしたいといつもこぼしていたらしいからね。夫婦もいるらしいので、安心だって。

 じゃあ、家を見て欲しいと言われたので、ノルが一緒に行きました。

 鑑定するからと聞いたので任せておいたよ。


 あ、フラットが戻ったね。

 あまりに汚いのでクリーンしましたけど。

 すぐに人型になったフラットは、嬉しそうに笑う。

「ナギ、あまり魔物はいないみたい。一頭だけオークがいたから狩ったけど、どうする?」

 そうだね、と考えていれば執事が言う。

「解体が得意な者がおります。少しお待ち下さい」

 そう言い、奥の家に向かった。


 ブートたちは、それぞれの年齢を聞き、家を回って家族構成も調べてくれてたよ。

 どうやら、四十代中盤から五十代、六十代以上らしい。みんな若いじゃん!

 今、畑をやってるのは、六十五歳までの人が中心らしいから、果物の生産は助かるんだって。でも、市場ではかなり安いから、町の中で消費しているらしい。それはもったいないよ!


 それで、長に聞いてみたいよね、どれくらいなら売ってくれるか。

 あ、そうだ。それはアダムさんに任せようかな。その方がいいよ。

 アダムさんに話をしてもらうことにした。直接どうぞと言われたんだけど、人も派遣できないし、面倒もみられないからとお願いしました。うちはアダムス商会から買い入れますので。

 お気遣い感謝します、と笑ってるんだけど。まあ、その方がいいよ。ずっといるアダムさんの方がいい。


 じゃあ、そろそろ戻りますか。

 それなら、とアダムさんは、後で馬車でくるらしい。もちろん、農家出身の人を連れてね。

 

「ナギ、この家が良いかと思う。ここから三軒は大丈夫だな。他は少し手がかかるぞ」

 そうなんだね、と中を見てみれば、家具とか食器類もあるみたい。使っていいからと言われたので調べてみれば、もう出稼ぎ先に家を持った人たちの置き土産だって。名義は長になってるので問題ないって。これはいいよね。

 じゃあもう一度来ましょうと寝具は持ってくるかと補佐と話してたよ。ただ、魔道具がないので、それは考えようということでした。

 まあ、頼まれないからやらないけどね、俺は。

 

 その日にあった果物は長にもらったので持ち帰りますよ。

 販売が始まったら、俺に直接連絡してくれるって。

 迷宮のことが終わり次第、西に行かれるのでしょう? と聞かれていたので、オニキスたちは毎日くるからと伝たので、商売もできると思ったのでしょうね。

 今まで通り、孤児院のことはお願いしますけどね。


 じゃあ、と獣化したフラットの空間に入るアダムさんたち。今回は執事も入ってもらったよ。そして、執事に長の家においてもらいたいと通信用水晶を渡せば、涙を流して長に話してたね。そんな大げさな。

 盗賊の押収品だから気にしないでと言っておいたよ。



 ノルとフラットと空に上がります。フラットにはブートが乗ってますよ。

 一気に飛べばすぐに到着しましたね。

 じゃあ、と執事たちをおろしましょうか。

 その間に俺はオニキスに念話します。

『オニキス。お疲れ様。どう、そっちは』

『うむ。そろそろ木材の回収が終わるのだが、あとは根っこだけであるな』『わかった。じゃあ、そっちに回るから。少し待ってね』

 承知した、と聞いたのでノルに告げた。

 

 じゃ、ありがとうね、執事さん。いい話になりそうでよかったよと言えば、こちらこそ、ありがとうございました、と深く頭を下げてくれました。


読んでいただきありがとうございます。


マンゴー、おいしいですよね。

なかなか流通は難しいかも知れませんが、将来的には高級果物として販売できそうな気がします。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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