179 フォランドール領のブーゲリアに連絡してみたよ。
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※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
考えたのは迷宮事務局のトップ。それと、今夜問い合わせするけど、迷宮探索協会のこと。そこの人事は確認する。もし、協会から人がくるなら鑑定で認められた者しかいらない。何度でも何人でも鑑定してやり直す。ただ、迷宮事務局は東の迷宮におく。西はまだ未定。だって、ここは俺が指名したフルレットの領地だし、孤児院もある。職人たちもいるし、一緒に頑張ってくれる冒険者たちもいる。だから環境が違うから。
そうか、と納得したノルだけど……
その後の話に、ソファの上にひっくり返ったよ。
その話は、探索者協会のトップはオニキスに頼みたいということ。
そして、副所長は未定だけど、できればブートに頼みたい。それを聞いたブートはシャキンと音がするほど固まって立ち上がった。だけど、もし、協会本部が人を派遣するなら、人物の鑑定はするけど良い人なら副所長になってもらってもいい。
鑑定できる人をと思った、そしてトラブルに対しての実力、そして何より迷宮のことを知るオニキスなら最高だ。
「それはそうだな。迷宮のことはオニキスが最善だな。だが、トラブルとかの解決は?」
「急ぎなら連絡してもらう。それ以外は、屋敷に戻った時に聞く。必要なら俺かノルが行く。全員で行ってもいい」
なるほどな、と納得してくれたよ。
「それと、ハルトだけど。彼には迷宮事務局で憲兵か警備の方を頼むことになると思う。Aチームを連れて街の中を回る警備隊を率いてもらいたい。そしてトラブルや賃貸の者らに対しての見回り、野営場の小競り合いやトラブルに対応する。もし、大きな話や揉め事になれば、オニキスが出てゆく」
それはいいなとノルは賛成してくれた。
ブートだけど、本当は憲兵団を頼もうと思った。
まあ、兼任でもいいけどね。おそらく協会から人を派遣すると言うはず。それが実現するなら、協会は副所長として頼んでもいい。だけど、あくまでも副所長。オニキスのもとで仕事しないなら入れ替える。それでいいよ。
「なるほどな。オニキスはどうなんだ? ナギはお前を頼りたいと言ってるぞ」
「うむ。難しい書類などは対応できぬが、トラブルや迷宮のことなどは任せて欲しい。トラブルに関しては、主に問うて水晶で見てもらい対応する方が良いな。おそらく、我の正体を知れば、何も言わぬだろうが」
「あはは、それはそうだな。お前はナギの眷属。だから孤児院のことも見守って欲しいものだ」
そういうノルにオニキスは「当然である」と返したよ。面白いね。
「まあ、急ぐならすぐに戻るよ。それに、屋敷から出かけるか、孤児院で頼むか、だけど。オニキスはどっちがいい?」
そう聞いてみた。だいたい答えは予想できるんだけどね。
「我は屋敷の方が良いのだが。その都度、繋いでもらうことになるが良いであろうか」
「それは、アルムおじいちゃんに確認するよ。だから大丈夫」
ありがたい、と安堵したみたいだね。あはは、かわいいじゃん、オニキス。
「ブートはどう? 当然、戻るのはオニキスと一緒に戻ればいいよ。朝も一緒に出勤になるけど」
そう聞いてみた。
「ええと。俺は副所長ですか?」
そっちが気になってるのか。
「まあ、協会からの人間がくだらないやつならそうなるかもね。それ以外に迷宮経験者で人となりがいい人がいればいいけど。それ以外にも頼みたいことがあるんだ。Bチームを纏めて欲しい。というのも、迷宮事務局で賃貸の管理、コインシャワーのお金の回収には回る必要があるんだ。それと同時にコインシャワーは清掃も必要。当然、ごみ焼却場、公衆浴場なんかはお金も関わってくし、清掃のこともある。賃貸物件の金のことは毎月持ってきてもらおうと思うけどね」
続けて懸念事項を話す。
商店は大丈夫だろうが、気になるのは行商エリア。当然、予定日数の前払いをしてもらうけど、それでも出ていかない奴とかゴミだけ放って出ていこうとするやつなんかがいそうだ。その対応を頼みたい。
ごみ焼却場は職員の管理業務として数日に一度、確認に行ってほしい。公衆浴場は、風呂の中の清掃に重きをおいて。そうでないと、汚い風呂には入りたくないでしょ。そんな時は、職員にダメだしね。
あとは、街全体の清掃を管理してほしい。今、アパートにいる元普通の仕事をしてた人たちは、ゴミ集めでも掃除でも何でもやりたいと言ってくれたから、今はこづかい程度を渡している。だけど、ちゃんと職員として頼むから使いこなすのはブートに任せる。当然、人数が足りないだろうから、募集もする。
まあ、いろいろ細かい問題はあると思うけど。
ブートには王都からきたSランク四人を預けたい。だから、事務局の人間を護衛して公衆浴場とかはブートが集金に行く。コインシャワーも同じ。まあ、詳しいことは話すけど、事務局の職員も外を見せて理解してもらう。
これはブートに迷宮事務局の憲兵としてまとめて欲しいということ。
おそらく、協会から人が来る。
本当は、探索者協会とか迷宮事務局の金の管理はアニに任せたい。しばらくは落ち着かないと思うんだけど、その間に、俺は西の迷宮依頼をやってくる。その間に、だいたい落ち着くかと思ってるんだけど、ブートやアニがいなくても業務が遂行できるようになればいいけど。
そういい、ため息を付く。
「とにかくやってみなきゃということだな。やっとアパートの住人にも仕事があるか。雇い入れてるとは言え、手伝いだけじゃ肩身が狭かっただろうから、明日にでも話してやろう」
それとね、と言えばオニキスたちは夕食前に風呂に行くと階段を上がった。サンとソラもフラットと一緒に寝室に向かったよ。アニとブートも行っちゃった。
「それにしても、ハルトは遅いな」
そうだね、と言えばノルが水晶を取り出したよ。
「何か甘いものでもいかがですか?」
おお、さすが侍従長だよ。
「欲しい。果物でもケーキでもいいんだ。それとね、おはぎが食べたい。今日はかなり魔力を使ったから、身体はスッキリしてるんだけど、全くお腹が満たされない」
すぐにご用意いたします、と離れていったよ。
「はぁ、困ったやつだ。ブートだが、Aチームのやつらと飲みに行くらしい。それなら早めに連絡しろよと怒鳴っておいた。甘えてるな、やつは。使用人が頑張ってくれてると言うことを理解してない。今夜はどこかに泊まれと言ったぞ。飲んだくれはうるさいから」
あはは、それでいいよと伝えたよ。
背負うものもいないから楽ちんなんだろうね。俺も気をつけよう。ブートは少し離した方がいいと思う。それなら、こっちでの仕事中はブートに報告させて、アパートにでも入れるかな。酒を飲む時は外でと言っておかないとダメだね。
たくさん出してもらったおやつを頬張る俺を見たノルは、大爆笑だ。メシ、食えるのか? と聞かれたので大丈夫と答えておく。だって、あれだけいろいろ作ったけど、間食してなかったんだからね。
そう言えば、気をつけろと言われた。うん、ゴメン。
おはぎを三個食べ、果物を食べて、今はケーキです。
じゃあ、話を始めましょう。
今日、辺境伯の館で鑑定したけど、執事が古参でとても良い人だった。その上、実家のある町で作ってる紅茶をごちそうになったけど、これは販売可能のグレードで、聞いてみれば若い人が出稼ぎに行ってるので、年寄りが作っているらしい。なぜ、と問えば野菜も茶葉も安い。だから働くために若い人は街を出てゆく。その悪循環らしい。なんとも言えない気持ちになったけど。
そのことは俺が何とかしようと思ってる。野菜はどれだけあってもいいしアダムさんもいる。そして紅茶は俺が必要なもの以外、全部引き取ってもいい。それほどの香りと味だといえばそれは興味深いと言ってくれた。
だから、執事を連れて一度町に行きたい。
様子を見れば、やることが決まると思う。多分だけど、それ以外にも同じような町があると思うから、辺境の街を調べてもらうことにしたんだ、フルレットに。辺境の街が繁栄しないと、孤児院も暮らしにくくなる。だから、ここのことは頑張るよ。
そう伝えれば、ノルは優しく微笑んでくれた。
「お前らしいな。わかった、協力はする、任せとけ。ええと、明日にでも行くか?」
そうだね、ととりあえず、館の職員は半分になった。だから変わりは必要かどうか、検討してもらうことにしてある。その返事を聞いたあと、向かいたいと伝えた。水晶もないから、連絡のしようがないらしい。
わかった、と受け入れてくれたのはありがたいよ。
それ以外、明日はどうするかという話になる。
ええとね、さっき話してなかったんだけど、本当ならアニを迷宮事務局に残したいんだ。文官の勉強もできるし、魔法が使える。それに頭もいいから、いろいろ吸収すると思う。そうなれば、ブートはSランクたちを差配する。アニは書類仕事や人の鑑定を学べるでしょ。
それはいいなと賛成してくれた。
その後は、迷宮事務局の場所を決めるために、領主の持っている土地を確認することにした。
地図にきちんとポイントしてくれているので助かる。
いくつもあるその場所をひとつ一つ確認してゆく。
ある程度の広さがあって、迷宮に近い場所。そうなると限られてくるんだけど。
いくつかの物件をみて検討することしばし。
その中で面白い場所に土地があった。なんでこんなところに? と疑問に思ったんだけど。
迷宮の街に作った大通りと辺境を通る街道の間にあるエリア。そこに、小さくてこんもりとした森? 林? がある。そこは取り残されたように見えるんだけど。そこなら領主の館からでも迷宮からでも近い。それに多少こんもりと盛り上がってるので、高くなってるんだよ。
それなら、高い場所に建物を建てれば、野営場から迷宮、ゴミ処理場、公衆浴場などを見渡せる。うん、ここ、いいかもね。
ちょっと探索してみよう。
ノルと二人で探索する。
ええと、この土地は……ここ、教会を作ったほうがいいくらいの土地だね。これなら、いいかも。事務局の隣に教会を造るかなぁ。
どうやらノルも同じ意見らしい。
そういえば、この街の教会ってどこなの?
探索すればすぐにわかった。
そこそこの教会があるんだね。それなら、ここは祈りの場として造るかな。民が自由に出入りできる祈りのための場所。アルムおじいちゃんに聞いてみよう。その後、決めればいい。土地はすごく綺麗な土地だよ。清々しいほどの美しさだね。それなら、祈りの場には少し木々を残そうか。いや、ない方がいいかな。周りから見える方がいいでしょう。迷宮に入る前に立ち寄ってもいいし、戻った時に感謝を捧げてもいいからね。
話せば、ノルは大賛成だよ。よかった、賛成してくれて。
それなら、今からフォランドール領のブーゲリアに連絡をしてみよう。
『ナギ様! ご無沙汰しております!』
あはは、勢い良すぎでしょ、ブーゲリア。
「こんばんは、久しぶりだね。元気だった?」
『はい! 毎日忙しくさせて頂いております。今はどちらですか?』
「トランサル王国の東の辺境だよ。迷宮を見つけちゃってね、東西の辺境に。それで、設備や街造りを依頼されたんだ。だからいろいろ忙しいよ」
『そうですか。それは……我が国もお願いすればよかったのですが。ですが、お手伝い頂いたあとは、何とか頑張っております。お会いしたいですね』
「そうだね。そのうち、昔の街には戻ってみるつもりだよ。その時にでも立ち寄るよ」
『それはありがたいです! 楽しみにしております。それで、本日は何事でしょう?』
「うん。探索者協会っていうのがあったでしょ。そのことを知りたいのと、世界ギルドに連絡してほしいんだ」
『なるほど、では、お話を聞いてもいいでしょうか?』
うん、と話をしてみた。
探索者協会は迷宮事務局内に置きたいといえば、納得してくれたよ。街の管理も全てするんだと伝えれば、羨ましいって。
で、オニキスが探索者協会のトップ。どうしても協会から人が来るのかと聞いてみた。
そうしたら意外な返事が来たよ。
別に決まり事を守ればそれはいいらしい。協会には当然連絡をしなくちゃだけど、という。協会に属していない国もあるらしい。
それを聞いて驚いた。
やはり各国は、利権絡みになるのがいやらしい。協会から派遣されたやつらが好き放題することが多いらしい。ただ、ブーゲリアの領内は、俺が話に加わっているので、それはないんだって。無理難題もないって。
でも、あのタグは? と問えばあれも、別に世界で身分証明証として使えるというわけじゃないんだって。だから、国内の迷宮に入るためのもの、で問題ないって。だって、住人は各領主に願いでれば、身分証明は作ってくれるらしい。それ以外にも冒険者ギルド、商業ギルドでも問題ない。
なるほど、それなら協会に属さなくてもいいのか。
じゃあ、考えてみる。
だけど、辺境の冒険者ギルドのギルマスは放っておけないから、連絡して欲しいと一連のことを話しておきました。
それは由々しき事だと、ブーゲリアはすぐに連絡するらしい。俺に連絡をするようにと世界ギルドに言うって。以前のことがあるから、いい人をよこしてくれるだろうと聞いたよ。
じゃあ、ユリアロウズ国に戻るときには連絡するから、と伝えた。
お休み~と連絡を終えて通信を終えた。
はぁ、しんど。
「ナギ、そろそろ皆降りてくるからメシにするか?」
もうそんな時間か。
「そうだね、ご飯食べて寝たいよ。お風呂にゆっくり入りたい」
そうだな、と言えば、侍従が皆を呼びに階段を上がっていった。
はぁ、疲れた。昼間はいろいろ頑張るんだけど、夜はぐったりだね。屋敷に戻って安心するんだろうか。まあ、そういうことだろうね。
みんなが降りてきて、楽しい夕食の時間です。
ソラもサンもお風呂に入って綺麗になってたよ。フラットはお兄ちゃんとして、しっかり面倒見てくれますから助かるよ。人型でソラも綺麗に洗ってくれる。フラットは魔法で洗うんだけど、サンがしっかりブラッシングしてくれるし、身体を揉み洗いしてくれるらしい。そう、シルバーウルフの小さい姿になるからね。
読んでいただきありがとうございます。
なんだか変わった迷宮事務局になりそうな気がします。
それも面白いかもですね。
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