171 身体が動きにくいけど、頑張って魔道具いろいろ作ったよ。
こんばんは、こんにちは。
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※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
生クリームといっしょにビワとブドウをはぐはぐ食べる。うちの生クリームは甘さ控えめなので、ちょうどいい感じ。
アダムさん、いいもの提案してくれたね。
もっといろいろ探してほしいくらいだ。でも、他国になると大変だよね。じゃあ、俺が各国で特産のフルーツを探してみるのもいいかもしれない。楽しみのひとつになりそうな気がするよ。
アニもかなり気に入ったみたい。
庭師に聞いてくれるらしいから、うちで育てばいいよね。でも、ビワは季節ものだった気がする。ブドウはどうだったっけ? うーん、忘れたなぁ。
最悪は仕入れたフルーツをコピーしまくるかな。
それがいいかもしれない。そう言えば、盗賊のアジトで回収したのがなかったかなぁ。落ち着いて時間があるときに確認しよう。
もう、アイテムボックスの中も何があるかわからなくなってるからね。いつ時間がとれるかわからないけど、ちょっと整理しようか。
そうだ、魔物の解体はどうするかな。
「ノル。討伐した魔物の解体だけど、どうしようか。かなりの数いるんだけど。無鉄砲に解体しても面倒でしょ。どうしようか」
「料理長の肉の在庫は? 孤児院の方も聞いてみればいい。少ないものから解体して、肉を分けておくほうがいいぞ。特に孤児院にはある程度まとめて渡しておく。次にいつ来られるかの話になるだろ?」
「最悪は、商業ギルドのゲートを使うかな。アイテムボックスの小さいのにいれて送ってもいいし。とりあえず、明日確認してみるね」
それがいい、とそろそろ寝るかと使用人たちに礼を言って、其々が散らばった。
んーっと全身を伸ばして、弛緩する。
はぁ~
今朝も自力で起きられなかった。執事長が起こしてくれたから、なんとか目を開けたけど。本当に最近身体がだるい。朝、すっきり起きられたことはないな。やっぱり、身体が成長する速度が遅いんだろうか。身体が小さいのは仕方がないけど、いくつになったら大人の大きさになれるんだろう。まあ、十二歳だとこんなもんかと思うが、この世界の人は大きい。俺は追いつけるんだろうか。
そんなことを今考えてもしょうがないか。
じゃあ、起きようっと。
サンとソラを浄化します。
最近は、サンもお疲れなのでしょう、朝、起きるのが遅いんだよ。 ソラは通常モードだけどね。
フラットは?
あはは、いつもと同じで大股開きだね。その上、バンザイしてる。面白いよね~
でも、フラットがちびっこたちのお世話を引き受けてくれるから、本当に助かるんだ。他国に行った時、美味しいものを食べさせてあげよう。というか、ユリアロウズ国に屋敷ができれば、お母さんのところに手を合わせに行きたいね。大きくなったフラットを見てほしい。頼りにしてるんだと報告したいよ。
「フラット、起きて。朝、王都ギルドまで行ってもらわないとだし。美味しいご飯も冷めちゃうよ」
「……ん? 起きる! 美味しいご飯だ~」
あはは、一気に覚醒したね。
あ、サンも起きちゃったかな。
『あるじ~おはよ』
「おはよう。起きられたね。じゃあ、ご飯に行こう」
あい~、と小さな腕を上げてくれました。
俺も急いで着替えをして、鞄の中を確認してからソラを寝かせます。毛布もそっと掛けておきましょう。
いつもと同じように鞄をかけローブを手に持ってドアを開く。
「おはようございます」
執事長が笑顔で待っててくれたよ。
おはよう~とフラットは頭にサンをのせて歩き出す。俺も挨拶をして食堂を目指します。
「おはようございます!」
そう元気に挨拶してくれたのは、ハルト、ブート、アニだ。
ノルは俺達の後を追うように降りてきた。オニキスは俺の影にいるので、問題ないね。
旨々な朝食を食べている間に、ソラの朝ご飯のお弁当と追加の保存容器、デザートが置かれます。もちろん、おやつもありました。今日は蒸しパンのようですね。
俺、サン、フラット、アニにも間食の入った保存容器が置かれます。サンとフラットの分はコピーしました。足りなければ、俺の分をコピーします。そうでないと、保存容器だらけになるから。でも、一部は孤児院に使ってもらうようにしてるらしい。助かると喜んで受け取ってくれるって。まあ、仕事のある時には必ず必要になるからね。
最初に出発するのはフラットです。
王都冒険者ギルドへ行きます。自宅組と家族を迎えに行くためですが、ハルトが一緒に行くそうです。
孤児院の前で大きくなったフラットは手を振って空に上がりました。ちゃんとハルトに結界を張ってくれてるね。
空間の入口は開いてますが、いつものところに結界を張り、少し開けてあります。
残りの俺達も、外に出ます。
「ねえ、お金はある? 毎日、ドタバタするからどうかな。渡しておこうか」
「そうでございますね。まだ、金貨二百枚程はございますが」
わかった、と白金貨百枚入りの革袋を渡しました。それを確認した執事は、アイテムボックスから受取を出して、サインして一枚渡してくれました。ほとんどが孤児院で使う費用と使用人たちの給金なんだけどね。
この用紙は、二枚複写になってます。前世の領収証のようなものですね。もちろん、下に引く厚紙もありますよ。そして、サインして下の一枚を渡してくれます。日付と金額をもらいました。受取用紙には、預り金のところにチェックされてます。
いろいろ使い回せるように、チェック項目があり、フリー枠もあります。これでお互い便利になりました。
他にも、現金出納帳を作ってあるので、毎月提出してくれます。それは俺のサインをしてコピーを返します。どうやら、綴ってくれているようなので、そのための紙のファイルも作りました。ただし、重厚なものではなく、前世では一番安価なもので、留め金じゃなく紐にしてありますけど。
必要に応じて、作るからと伝えているので、相談してくれる執事はとても優秀です。
同じ様に、料理長をはじめとして、各部署の使用人たちからの注文もきちんとさっきの用紙で上がってくるので、いつ、誰が、何を注文したか、あとで確認できるのですよ。この世界では、驚くほど便利だそうです。
まあ、便利な方がいいよね。俺も確認しやすいから。
さて。
外に出れば、洗濯の人たちは既に第一陣を干してありますね。すごいですよ、この人たちは。
「ナギ様、おはようございます。お忙しそうですね」
「うん。ちょっとね。どう、洗濯は。足りないものはない?」
「そうですね。子どもたちの洗濯は一度で終わりません。ですが、回数こなせばいいので、頑張ります」
頑張るって、大変でしょうよ。
「干す場所の広さとか物干しの数はどう?」
「この広さだと、今の数が限界だと思います。このあたりは住みやすいのでしょうが、風が強くないので、少々大変ですが」
なるほどね。じゃあ扇風機かな。それとも、換気扇? どっちもあったほうがいいよね。湿気がたまらない方がいいよ。それなら、魔道具の室温調整にするかな。風が吹く魔道具を作ろうか。テーブルを作ってそこに於けばいいよね。それなら、いっそ、乾燥機にするか。いや、縮むと大変だから、やっぱり冷風・温風が吹くものがいいね。テントで使う位の大きさならいいかな。そうだ、アニにも頼もうかな、魔力の充填を。うん、そうしよう。
それなら何を作るかな。
まずは洗濯機だよね。
隣に並べるか?
ちょうどいいくらいかな。業務用になると大型になるから無理だね。商売し始めれば、外に大型を置くのもいいかもしれない。シーツとかはどうなんだろうか。
それなら、今のものをコピーして、大型も作っちゃおうかな。水洗いだけで、細かい設定はないものになるけど。シーツとかカバーとかくらいかな。シーツだけでもかなりあるよね。毎日取り替えるなら、数枚ずつあるのを洗って使いまわしになるよね。でも、アイロンも大変だよね。それなら、洗濯乾燥機にするかな。いや、それは面倒だね。
「ノル!」
おう、とかけて来た。
「あのね、洗濯機だけど、もう一台増やそうと思うんだ。それと、大型の洗濯だけのやつを外に置こうと思ってる。脱水は出来上がるから、外に干したほうがいいかな。それとも、大型の洗濯乾燥ができるやつがいいかな。そうなると時間がかかるけど、放っておけば出来上がるよね。アイロンは必要になるけど。シーツとか大変でしょ」
「それなら作ればいい。今の洗濯機も子供が増えたんだから、二台増やして三台にすればいい。置く場所はあるか?」
それはあると思うといえば、魔力の充填が大変になるか、と考えてる。
それは、ここにいる間は、アニに頼むつもり。それ以外は、迷宮で手に入れた、でっかい水晶に貯めておくかな。いくつか充填して、そこから入れられるようにしておくよ。建物内の魔力は一か所で充填するようになってるんだ。だから、ここは別になるからね、大きめの水晶をつけて充填するようにしておこう。
できれば、洗濯場の魔道具も一か所で管理できれば無駄がない。
じゃあ、やってみようかな。
とりあえず、今の洗濯機を二台コピーしよう。
そうだ、アニを呼んでもらおうかな。
(コピー)
おっけ。どこに置くかな。隣ともう一箇所は反対側になるね。移動はノルにまかせておきましょうか。重いし。
裏のボイラーに邪魔にならない場所に大型の全自動洗濯機が欲しい。魔道具にする。洗濯、濯ぎ、脱水、乾燥を一度でできるものが欲しい。前世のクリーニング店が使っているようなもので、三十キロくらいまで洗濯乾燥できるもの希望。十キロから三十キロくらいまで設定して使えるもの。温風も適度な温度で洗濯物が縮まないように。できるだけ乾燥時にシワが取れるくらいの風量がいい。
場所はどこがいいのかわかりません。それに伴って必要な備品もわかりませんが、お任せします。
できれば、床置き方の洗濯機三台と大型のもの、後で作る干し場の換気扇、冷温風の魔道具も集中で魔力を充填できるようにしたいです。いろいろありますが、よろしくお願いします。
(クリエイト)
ブワッと湧き上がった光に、確認すれば、外のボイラーと反対側の壁九十度の場所に大型はできるんだろうね。
あとは、洗濯場の入口に魔力の集中システムができるみたい。
これはいいね。
じゃあ、俺は次を作ろうか。
大型の扇風機のような、冷風・温風器が欲しい。最悪、形は既存のものでもいいですが、洗濯物を乾かすために使いたい。サーキュレーター機能も欲しいです。別で作って貰ってもいいです。それは左右上下に首を振るものがありがたい。
置き型で移動もできる方がいいです。
これも、魔道具の集中システムを使ってほしい。ある程度の範囲は動かせるように。
その風で湿気を抜くために、どこかに換気するシステムが欲しい。ダクトで繋いでもいいですが、その場合、ダクトの風は屋根の上にでも抜けるようにしてほしい。湿気が戻ったり、雨が漏れたりしないように。できるだけ使用人たちが楽なようにお願いします。
(クリエイト)
再び光ったのはいくつかの場所。これは任せておこうか、と洗濯場に行ってみる。ノルが新しく作った洗濯機を職人と移動してくれてるね。裏の大型もできたみたい。
ボイラーとはかなり離れてるから、大丈夫でしょう。
ええと、あっちの魔力集中板から来るんだね。あとは、換気だけど、あれ? ここにはないよ? 太いダクトが……
あはは、すごいよ。屋根が広がってるじゃない。そして奥に柱ができてる。軒下までダクトが伸びてるよね。あと、これは何?
あ、折りたたみ式の壁かな。クローゼットの扉みたいなのがあるけど、これはガラス? いや、違うね。鑑定すれば、強化アクリルだって。すごいね。その向こうにはスリット状の壁がある。それなら、この扉を開ければ風は通るんだね。使い方によっては便利になりそうだね。
「ナギ、この洗濯機の魔力はどこに繋ぐんだ? 水や排水はできてるけど」
ええとね、こっちの集中板にあると思うよ。
「遅くなりました!」
あ、アニがきたね。
さっそくアニに集中板へ魔力を充填してもらいましょう。
うん、満タンになりましたね。えっと、こっちは? これも魔力保存用の箱なの?
これにも充填しておけば、片方がなくなったら、自動的に切り替わるって。孤児院内の集中板はもっと大きかったからね。
あ、向こうもできてるよ。
ええと、でっかくて横長いダクトがある換気ダクトだよ。これ、半分ずつ使えるみたいだね。スイッチが二つある。ダクト1、ダクト2だね。
それと、これが冷温風の魔道具だね。これも少しなら左右に動くんだ。すごいよ、初めてみた。
で、これが扇風機だよ。サーキュレーターというより、でっかい扇風機だよ。
センプウキって書いてある、おもしろ~い。
「ナギ様、これは……」
うん、作ったよ。これはこの全自動洗濯機と同じもの。で、外にあるのが、大型だよ。シーツとかなら数枚入るだろうし、布団なら一枚かな。乾燥までできるからね。布団とかは、何かいれるものがあるかな。
中を覗けば、でっかいネットがいくつかあった。それと取説だね。
乾燥するかどうかは選べると思うから、取説を読むように。
そして、干場だけど。
これはダクトだよ。ここから空気が吸い上がってゆく。1と2で半分ずつ動く。両方動かすときは両方押すじゃないかな。そして、これは冷温風器だね。少しは首を振るから。
で、こっちはセンプウキ。ただ風が吹くだけなんだけど、首をふるんだ。移動式にしてあるから、このコードはついてくる。ここの魔道具も集中板から来てる。魔力タンクは予備があるから、取説で確認してね。
そういえば、ありがたい、と涙を流してたよ。かなり大変だったろうね。
干し場の床をちゃんと掃除しないと、ホコリが舞い上がるよ。石張りだから、毎日ちゃんと掃除して。水で洗っても大丈夫だし。
そう伝えたら「一層励みます!」だって。
お願いね、と伝えておきました。
読んでいただきありがとうございます。
現代の洗濯機能がガッツリ盛り込まれましたね。
商人ギルドの会頭かみれば、ひっくり返りそうですけど。
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




