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170/202

170 王宮の文官長が討伐数を見て後ずさり、コケちゃったよ。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


「お疲れ様です、ナギ様、ノル様!」

 あはは、宰相が駆けてるけど、転けないでよ。

「遅くなっちゃったね。ギルドで美味しいもの仕入れてたんだけど、その後面倒がおこったから」

 何かありましたか、と問うけど、とりあえず腰をおろしたい。そして間食でしょうよ。


「ナギ様、ノル様。お疲れ様でございます。パーミット領の冒険者がとんでもないことを。申し訳ございません」

 あはは、ひとつ前の事件だね。

 とりあえず、何か飲もうかな。果実水がいいかな。

 

 失礼します、と侍従長がやってきて、フルーツケーキと果実水、紅茶をおいてくれました。

「うわ、ありがとう。タイミングがいいよね、侍従長。本当にできる人だよ」

 恐縮です、と頭を下げてノルの方へ向かった。


 フルーツケーキは変わらず美味しいね。絶品だよ。紅茶もいい香り~

「本日はお二人ですか?」

「ううん、あとで新メンバーの冒険者ブートと魔法使いアニから連絡がある。今、王都ギルドのことでいろいろ頼んでるんだよ。ちびっ子たちは寝ちゃってたし、フラットに頼んでオニキスとハルトと一緒に屋敷に戻ってもらった。大人数できてもしょうがないでしょ」

 なるほど。そう頷いた宰相は何かあったと気づいたんだろう。キリングのことだけでもドキドキしてるだろうけどね。


 俺が話してる間に、ケーキをたいらげたノルが詳細を話すみたいです。まあ、全部見てるからね。

 俺は旨々継続中です。

「なんということでしょうか! 信じられません」

 宰相も怒ってるじゃん。国王もため息をついてるけどね。


『ナギ様。全員、牢に入れました。終わりましたので、そちらに』

「わかった。すぐに繋ぐよ。いつものところにね」

 お願いします、と水晶通信を終えて、壁に向かう。

 仲間は通れる結界を張り、魔法を行使する。

 

 王都ギルドのギルマスの部屋に繋たい。いつもの場所に繋ぐ。


<虚数空間魔法> 


 ブワッと一瞬光った壁は、王都ギルドにつながったよ。


 ナギ様~とアニがやってくる。ブートも来たよ。

 じゃあ、魔法解除。

 これで終わりです。


「お疲れ様です、お二人共どうぞ、おかけください」

 宰相に促されて、二人はひとり用にそれぞれ腰をおろしました。そして、国王がいることに気づいたんだろう、立ち上がって臣下の礼を取る。

「そのような気遣いは無用である。皆には迷惑をかけるばかりで、申し訳ない」

 ヒョコリと小さく頭を下げたよ、国王が。

「ふたりとも、いいから座れ。お前たちはナギの側にいるものだ。この国では臣下の礼は必要ない。まあ、どこでも同じだがな」

 ケタケタ笑うノルは、レアだよ~


 ケーキを貰った二人はいい香りの紅茶を飲みながら、安堵してるね。俺もおかわりをもらい、ケーキ再びです。うん、旨い!


 それからは、ノルが全てを話してくれる。

 貴族のあり方がなってないから、あのような冒険者ですら貴族になったつもりで働かない、と怒ってるよ。もうキレないでね。

 延々と続くノルの話しに、宰相の顔色は青く、国王は白くなってるけどね。まあ、バケモノの話しが一番大きな問題だと思ってるんだろうね。依頼が終われば王宮との付き合いはしないって、ノルがハッキリ伝えたから。

 宰相、倒れないでね。


 

 いろいろと話しが続いてるんだけど、そろそろ終わりたいよね。

 お、やっと討伐の話しかな。

 じゃあ、念写しようか。

 ええと、討伐魔物数は、七千五百三十三頭だね。あと、間伐木材は……四十二万八百一本でしたね。あはは、もう笑うしかないでしょ。


 二部コピーして一部を俺のアイテムボックスへ、もう一部は宰相へ渡した。

 宰相の動きは、止まりましたね。国王に見せれば、国王は大きく目を見開いてあんぐり口を開いて止まった。

 やっぱりおもしろいね、この人たち。

 これほどいるとは思ってなかったんだろうけど、現実だよ。

 スタンピードが起こる寸前だったとノルが言ったので、ブルリと震えたよ。


「で、では。お、おしはらい、を。文官、長。こちらへ」

 失礼いたします、と入ってきた文官長は、二枚の紙をみて、後退り、突っかかってコケた。

 あ~、尻もちついちゃったね。


「これは……少しお待ちくださいませ。すぐにご用意いたしますので」

 そう言い、計算を始めた。

 そして、すぐに結果をメモして文官二人に渡したよ。

 さっきのコピーは宰相に返したけどね。


「ですが、これほどの魔物がいて、樹木が生えていたとなると、現在はどうなのでしょうか」

「来るときにも見たけど、すごくきれいになってたよ。見てみる?」

 できれば見たいというんだ。

 じゃあ、モニターをおいてっと。

 

 現在の森の様子を見たい。今日討伐したところだけでいい。暗ければ、魔法で明かりをつけて欲しい。


(投影)


 ふっとモニターに映し出されたのは、孤児院の裏だね。孤児院からスタートするみたいだよ。もちろん裏の森もきれいになってるから問題ないけど。

 すっと森の頂きに上がったあと、明るい光が上から照らされる。そして、森全体が照らされたよ。

 そこをゆっくり移動するんだけど、やっぱり綺麗な森になってるね。ええと、その前の映像もあるかな。うん、あるね。後で見せてあげよう。



 映像を確認し、以前の様子も見た国王と宰相は、無言のままです。

 そこへ、タイミングよく? いや、悪く? やってきたのは文官ふたりと近衛二人です。

 そして、綺麗で大きな箱をテーブルにおいて、文官長とともに謁見の間から戻って行きました。  


「それでは、ナギ様。そして、皆様。最初の契約とは全く違う現状に驚きました。正直これほどとは思っておりませんでした。これから後は、各ギルドに依頼を出し、樵にも依頼してできるだけ森を保ちましょう。こちらは、お支払いの明細でございます。先日はおおよそ倍くらいになりましたが、今回は、戦いにくい中、頑張って頂きましたので、特別の謝礼金込の金額でございます」

 そう言い、羊皮紙を一枚渡された。 

 

 ふむ。木材は倍以上だったし、魔物は高ランクが多く、数も予定より随分多かったから、契約金額は倍でした。白金貨二十万枚が四十万枚になってたよ。これ、いいのかな。

 ノルに見せれば、大きく頷いた。

 はぁ、とため息が出る。

 仕方ないので、華美な箱に手を触れて、アイテムボックスに入れました。


 そして、と国王がいう。

「ナギ様、ノル様。本日は、冒険者としてあるまじき言動を確認いたしました。本当にひどい話です。ナギ様はアルム神様の使徒であるというお役目を止めてまで、我が国に力を貸してくださっている。そのようなことを知らぬ輩が、ナギ様を傷つける。貴族だけでなく、貴族位と同等の扱いをするSSランク冒険者まで、あのようなことだとは……この上、ナギ様に見放されたら、私はどうすればよいのでしょう」

 知らないよ、そんなこと。


「国王、お前たち王族が今まで管理を怠った結果だ。ナギに縋るな。縋るならば、前向きな考えを持って話しをせよ」

 あはは、ノルの方が国王みたいだよ。

 その後も、話しは続く。


 心配するな、依頼だけは終わらせる。

 明日から、入国門、国境などに取り掛かる。

 だが、今日のギルドの騒ぎで街の現状の一部を見た。先日より、ナギが雇っている元冒険者に辺境の調査をさせているが、いろいろあるぞ。明日は、自宅から通っている冒険者たちの家族にナギのアパートを見せる。気に入ったなら、安く貸すそうだ。そうでなければ、あれは家ではない。小屋に住んでいるのと同じだ。王都だぞ! 


 そうだよ、王都にいて、あの家はないよね。

 山の中じゃないんだからさ。


「それほどですか。そのようなところが数々あるのでしょうか。ならば、国として考えがあります。後日聞いていただけませんでしょうか。他にも、あるのです、ナギ様。先日のお話も含めて、民が安心して暮らせるようにしたい。貴族は別として、国が動きたいと思っております!」

 

 そう言ったよ、国王が。

 宰相も一緒に頭を下げてますが、いいの、二人で平伏しちゃって。

 ノルが俺に視線をよこすんだけど、どうやって返事するの?

『ナギ。思うようにしていいぞ。この国で、前世のやり方をやってみればいい。無理ならやり方を変える。そのためには貴族ではなく、文官に学んでもらう。そして、一般からも探せばいいんだ』

 まあ、そうだろうね。仕方ないかな。でも、明言するのは避けておこうかな。


「陛下の話しは聞いた。まあ、俺の知識を貸すのはいいけど、貴族共をなんとかしなよ。絶対にあいつらは絡んでくる。それなら俺は滅するからね。特権階級はいらないよ」


 ここぞとばかりにハッキリ言っておこうかな。


 民のおこぼれ貰って偉そうに言うやつが特権階級だなんて、信じられない。どこも同じだ。だから、話しても意味がない国では話さない、勝手にすればいい。まあ、依頼はしばらくかかる。その間に、貴族抜きで話しができる環境を考えることだね。バカな貴族は多い。でも、頭のいい民も多いんだ。なんでわからないの? かなぁ。

 

 とりあえず思いは話した後、立ち上がる。ノルも二人も立ち上がったよ。

 明日から国境関係に手を付けるから、フルレットに孤児院に九刻に来るように伝えて、と言って歩き出した。

「失礼します、ナギ様」

 なに? 侍従長じゃん。

「こちらは、料理長が本日のケーキとその他のお菓子を、ナギ様とお子様方にと作ったそうです。ひと時の休憩にと申しておりました」

「ありがとう! うれしいよ。料理長の作るものは絶品だからね。ちゃんとお礼を伝えてね」

 承知いたしました、と綺麗なお辞儀をしてくれた。


 結界の向こうは屋敷の玄関です。

「おかえりなさいませ」

 執事が笑顔で迎えてくれました。

 

 ただいま。

 どうやら、フラット、オニキス、ハルトはちびっ子たちと食事をし、お風呂に入っているらしい。

 お食事をと言われて、皆をクリーンして食堂に入りました。


 山盛りの食事を頂きながら、アニとブートから話しを聞きます。

「ナギ様。私は文官としての仕事は経験がありませんが、そのあたりのことを学ばせてください。ナギ様のお仕事の中で、連絡や書類作成などをさせて頂きたいのです」

「それはありがたいね。アニは魔法も使えるし、今度いろいろ教えるから。書類作成には必要な魔法があるんだよ」

 うれしいです! と笑顔だね。

「俺はアニと同じことは無理ですが、ノル様の手伝いをさせてください。冒険者の動きや鍛錬方法などをノル様に学び、頼むぞと言っていただけるように頑張りたいです。そうすれば、ナギ様もノル様も動きやすいかと思います。ハルトもおりますが、何より、フラットとオニキスがいてくれるので、動きも速く、実力は人とは比べ物にならない。そのような世界で、学べるものは全て学んで、できることをさせてください!」

「ふうん。まあ、それはありがたいが。冒険者と元冒険者もいる。ランクはお前たちの方が上だが、自宅組は、俺達が他国に行った時、ナギが雇い入れることになるだろう。お前たちは残るも同行するも自分で選んでいい。当然、俺たち眷属はナギとともにいく。お前たちの決心で決めることは多い。詳しいことは皆がいるときに話そうと思っている。それぞれの心を決めておけ」

 はい! と嬉しそうにガツガツ食事を再開した。


 はぁ、と四十分くらい食べまくった俺は、ソファに移動する。

 当然のようにデザートが運ばれました。

 料理長の今日のおすすめは、フルーツです。このフルーツは見たことがないね。

 聞いてみれば、アダムス商会で新しく仕入れを始めたものらしく、サンプルとして貰ったらしい。味見しても問題なかったので、俺が気に入ったら仕入れるそうだよ。

 ふうん、食べてみようかな。

 甘いね。これ、どこかで食べた事があるんだけど、なんだろう。

 二種類のフルーツがあるけど、これって……

 ビワ? こっちは、少し粒が小さいけど、ぶどうみたいに見えるね。

 元の形を見せてもらえば、ブドウだよ! これ、小さいけど間違いない。味もブドウだ。もっと大きいものがあれば、ワインができるかな。どうだろう、クリエイトで作ればできそうな気がする。でも、お酒だから俺には用がないけど。

 それと、ビワだ。

 見た目は少し大きいけど、種も大きいし、間違いない。これでジャムとか作ればいいよね。


 料理長は俺の呟きをメモしてるみたいだね。

 ブドウはどうなんだろう。ジャムとかになるかな。できるなら欲しいけど。ビワはこのまま食べてもいいけど、ジャムが食べたい。

 苗はないんだろうか。この種を植えれば出てくるのかな。


「ナギ様。こちらのビワというものでしょうか、これは苗も含めて聞いてみましょう。仕入れてよろしいでしょうか。ある程度まとまった数を仕入れてみましょう。実の部分が小さいのですが、ジャムに仕立ててみます。そして、ブドウでしたか。こちらも種類があるのかと聞いてみましょう。苗があるかも聞いてみます。ジャムができるようであれば、作ってみましょう」

「それは嬉しいね。ブドウはね、いろんな種類があるんだよ。これは小さいと思うんだ。酸っぱいブドウは潰して熟成すればワインというお酒になる。うちはお酒はいらないけど、俺の経験上、かなり上質なものもあったよ。でも、お酒には手を出さない。街に売り出せば貴族が群がりそうだから。どちらも実はそのまま食べられる。ケーキのトッピングにも使えるよね。でもね、ジャムだよ、ジャム~お願いします!」

 承知しました、と料理長は戻っていった。


読んでいただきありがとうございます。


文官長のコケるところ、見てみたいなぁ。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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