169 食料調達の後、悪者と戦いになったけど。
こんばんは、こんにちは。
いつもありがとうございます。
今日もよろしくお願いします!
※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
他には? と問えばサンドイッチだった。
野菜だけは抜きにして、ハムを挟んだものを三十個確保した。その場でお金を払えば受け取るのはアニがやってくれる。
肉串はブートが受け取ってくれるって。
じゃあ、次は。
これは? どうやらフライだね。
芋のフライ? いくつか買って食べてみれば、コロッケですよ。これはいくつならいい? と問えば、すぐに揚がるからいくつでも、と言ってくれたので全部はどうかな、と問えば二百個あるらしい。じゃあ、買います。
ブートのおすすめはオークのフライだって。サイズは小さめでひと口サイズだって。これ、小さいけど『とんかつ』じゃない?
揚げたてがあったので買って食べてみる。ノルは旨いと言ってたよ。ソースはないけど、コショウがきいてて美味しい。じゃあ、これもくださいと百個ゲット。お金を払っておくと言えば、ありがたいと言われ、明細を貰ってお金を払った。ここの屋台の人はちゃんとしてるね。それぞれ、明細に入金済みと書いてくれてるもの。
出来上がりは、アニとブートが受け取ってくれるらしい。
じゃあノルと一緒に他の屋台を見に行こう。
その他にも面白い屋台があった。魚介フライと書いた旗がある。 興味深く鑑定してみたが、ちょっと新鮮さに欠けるから止めておこう。他には? これはパンかな。いや、違う。ホットドックだ。これ、前世の人間が作ってないか?
見た目も全く同じだし。鑑定結果もいいんだ。それなら買いでしょ。
問題ない本数を買ってアイテムボックスに入れました。一本ずつ紙に包んであるんだよ。中身はソーセージとハムの二種類だった。
またね、と手を振り通りに出た。
その時、嫌な感じがする。争いごとの気配だ。
ノル!
そう言い、俺は空にあがる。
「ブート、アニ。ちゃんと受け取って。そのままギルドで待ってろよ、絶対に後を追うな、いいな!」
わかりました、と声を聞いて先へと飛翔する。
ノルは一瞬で闇ヒョウ姿になってついてきた。
どうやら、ノルにもわかったみたいだ。これはヤバいかも。自宅組が襲われてるのか?
ここはどこ? 商店の裏側みたいだ。
あ、あそこだ!
「ノル! あの商店の角を右に入って。一番奥だから」
わかった、とノルは一気に飛んでいった。
俺も魔力を増して、ついて行く。
お願い、おじいちゃん。皆を守って! 大切な仲間なんだ!
角を曲がったノルが奥へと到着して、すぐに攻撃を始めたみたいだね。じゃあ、俺は。
地上に降りて駆け出した。
そこには、切られた二人が横たわってる。
後の二人は数人と戦ってるね。あ、あいつ。キャノンだ!
大剣を抜いてるね。
他の奴らは長剣だけど。
おっと、先に治療しようか。
けが人の側にいる悪を拘束したい。
(拘束!)
ドタドタと三人が氷で拘束されて転がった。
悪を結界にいれて端っこへ移動する。
そして二人の様子をみた。
うん、これは良くないね。
(結界)
(エクストラヒール!)
ブワッと光った結界の中。
うん、何とか治りそうだね。血の流れがしっかりしてきた。じゃあ、俺も出ようか。
結界から出て、ゆっくりと歩く。
ノルは闇ヒョウ姿のままだ。残りの雑魚たちは後ろでどう攻めるかとウロウロしてる。
「キャノン! お前、俺への嫌がらせで仲間を襲ったのか!」
「ああ、そうだな。それに金もそこそこ受け取ってただろ。アイテムボックスまで持ってるとなりゃ、いただくしかないだろうよ」
「本当にバカだね。それでSランクなの? 俺とノルに勝てると思ってるのが間違いだね。絶対に無理だからさ、諦めなよ」
「うるさい! このヒョウは魔物だろ? お前のか」
「そうだよ、俺の眷属だ。魔物の王で魔王の上位だよ。お前なんか一瞬で命がない。けどね、俺を待ってたんだよノルは。だから俺がお前を始末する。この戦いを感じたときからちゃんと記録してるからね、言い訳は聞かないから」
ふん! ウソを言うな、とキャノンは大汗をかきながら言う。
「ノル。後ろのバカども拘束してくれる。三人は隅っこの結界にいれた。魔法で拘束してね」
わかった、と一瞬で人にもどったノルをみて、キャノンがポカンと口を開けたよ。
「ギルマス、ちょっと来てくれるかな。そうでないなら、直接王宮に連れていって騎士団に引き渡すよ。冒険者が人殺しだって、バレるけどいい?」
『えっと、ナギ様。うちの冒険者ですか?』
「そうだよ、キャノン。全部映像があるからどこに出しても有罪だね。どうするの、来るのか!」
『すぐに参ります。場所はどこですか』
ギルドからの道を説明する。そして、商店の名前を伝えた。すぐに行くと水晶が切れたから、そのうちくるでしょうね。
「ギルマスには関係ないだろうよ、冒険者の争いは冒険者同士のものだ。ギルドは関係ない!」
「やっぱり頭悪いね。ギルド内ならってことだよ、それは。ここは天下の往来だ。一般の人も歩くし生活する場所。そこで人殺しをしようとしたお前たちは、ただの犯罪者だよ。奴隷落ちで終わると思うな。俺の仲間を瀕死の状態にした。そしてこの二人も大怪我してる。ただでは済まさないよ。俺はアルム神様の使徒。その仲間を傷つけたお前たちの言い訳は聞かない」
さあ、こい!
ミドルソードを抜けば、ケタケタ笑う。
「そんなチンケな剣で俺をやれると思ってるのか?」
「思ってるよ。俺には魔法もある。凍結すれば死んじゃうから使わないだけ。死ぬ恐怖を味わってほしいからね。だから本気で来たほうがいいよ。ノル、二人の治療をお願い。ちょっと酷いから、結界の中の二人も見て。エクストラヒール掛けたから大丈夫だと思うけど」
「わかった。お前ら、ここに結界を張るからな」
すみません、と二人は頭を下げる。
気にするな、とノルの結界に覆われた。
よかった治療してくれるみたいだ。
「はい。準備は終わりましたよ、いつでもどうぞ~」
クソっと大剣を抜いてかけて来るんだけど、遅いじゃん。
だめだよ、これは。暇過ぎる。
「遅い!」
そう叫んで俊足で近寄り、ミドルソードで腹を切り裂き通り過ぎた。
グガっと声が聞こえて、振り上げた大剣はそのまま地面に突き刺さった。これで終わりだね。
そう言い、止血して氷で拘束した。
結界を解除すれば、みんなはゆっくりと立ち上がる。
「大丈夫かな。不具合はない?」
そう問えば、足踏みしたり腕を動かしたりしてる。
「ありがとうございます。治ってます。あの、ご迷惑かけてすみませんでした」
「ううん、違うんだ」
あのキャノンってやつは俺のことが気に入らなかった。仲間にすれば戦ってやるみたいなこと言ったから断った。あんなやつ、いらないし。だから皆の事を見てたみたい。お金を持ってるとかアイテムボックスを持ってるとか言ってた。
そう話して「本当にごめん、迷惑掛けたね」と謝罪した。
「いえ、こちらこそ。もっと強くならないとダメだと、改めて思いました」
「そう言ってくれてよかった。家はどこ? 送るよ」
「え? えっと、この近くですが、あまり綺麗じゃないので」
気にしないから、と四人を送って行くことにした。
そこから三分くらい歩いたら、家がある。裏の方だから日当たりも良くないね。それにボロいよ。
ただいま~と四人はどうやら長屋が同じらしい。
「ノル。ここって借家、なのかな」
「そうらしいが、酷いな。病人には良くないぞ。日当たりも悪い」
「そうだよね。あの四人には俺たちが国を出てから仕事を頼むでしょ。だから留守の間、これじゃ危険だよ。アパートに入れようかな。その方が良くない?」
「それがいいが、一階の部屋は半分残ってる。他は上になるぞ」
そうだよね、と家族構成を聞いてみようということになった。
どうやら各家の家族が全員でてきたみたいだよ。
「ナギ様。孫がご迷惑を掛けたようで、すみません」
「いえ。俺の方が迷惑掛けたくらいですよ。元気に頑張ってくれるので助かります。それで、おじいちゃん、脚は痛みますか?」
「ああ、そうじゃな。じゃが、痛みくらいは我慢できる。孫が頑張ってくれておるからのぉ」
そうなんだね。
他に脚の悪い人、階段を上がれない人などを聞けば、小さな子供がいて働けないお母さん、働いてもお金が全く足りないお母さん、その他も同じようなものだった。まあ、あまり小さな子はいないのが救いかな。小学生くらいみたいだね。
「ええと。この家は借家ですか?」
どうやらそうらしい。
引っ越しするのに問題はないかと問えば、あっけにとられてるね。
その説明はノルがしてくれるらしい。俺にはギルマスから連絡が入ったから。
「ごめん、仲間の家に送って来たんだよ。でね、そこに転がってる結界の中にキャノンたちがいる。さすがに瀕死の状態までされたら、放っておけないからね」
『そうですか。では、荷車を持ってきて連れて戻りましょうか。それとも、警備兵を呼びますか?』
「うーん、そろそろ戻るから、そこで見ててよ。そうだ、アニとブートは知らない?」
『同行しています。買い物を収納したあとでギルド内にいたので』
ああ、よかった。
じゃあ、すぐに戻るから、と水晶を切った。
「あの、ナギ様。本当によろしいのですか? 儂らは貧乏じゃ。そんな儂らを……」
「いいですよ、別に。ただ、一階の部屋を改造すれば二つ取れると思うんです。全部ひとり用なので俺が魔法で直しますから。冒険者の子たちは上の階になるかもしれません。とりあえず、部屋割りをしてみてからですね。シャワーとトイレもあります。今でもキッチンがありますが、少し大きめに変更しますから」
「ええと、それほどの部屋の家賃は……」
「安くしますよ、うちの仕事をしてもらうんだし。俺が雇ってる職人や洗濯屋、元冒険者たちもいますが、皆いい者たちです。雇ってる人は家賃は無料ですけど、申し訳ないですが、賃貸の半額くらいは負担していただきます」
もちろんだ、と嬉しそうだ。
「じゃあ、明日の朝。お迎えにきますので、おじいちゃんも見てくださいね。それまでに必要な部屋を話し合ってください。いいですか?」
ありがたや~とおじいちゃんは拝みだしたんだけど。
「明日、君たちも来て。ただ、辺境になるのは話しておいてね。お母さんたちも仕事が必要なら力になるからね。フラットに迎えに来てもらうから、空間で来て」
「あ、ありがとうございます。いいのですか?」
「悪いけど、鑑定させてもらった。皆問題ない人たちだよ。詳しいことは明日ね。朝、九刻くらいにギルドの前でフラットに会って。そのままここに移動すればいいでしょ。話しておいてよ、フラットのこと。びっくりするからね」
わかりました、と笑ってるね。
じゃ、俺たちは戻るから。
そう言い、ノルと通りに向かって歩き出した。
アニが商店の角で待っててくれたよ。
「お疲れ様です。大丈夫でしたか?」
「うん、大丈夫だよ。悪かったね、待たせて」
「いえ、問題ありません。荷車をギルマスが呼びましたから、ギルドから来るそうです」
「ギルマス、ごめんね。ええと、ギルドに牢はある?」
「あります。それで、どういたしましょうか」
「それならバラバラに拘束し直すか。個別で牢に入れた方がいいだろうよ。今日、宰相に話して処分方法を決めればいい」
そうしようかな。
じゃあ、バラバラにしようか。
一つずつ結界を解除して、魔法でバラバラに拘束し直しました。脚も拘束したので動けませんよ。そして猿ぐつわをしたので、話せません。
じゃあ、宰相に連絡してもらうようにノルにお願いして、やってきた荷車に魔法で悪人たちを放り上げる。そして、護衛としてアニとブートに行ってもらった。終わり次第ギルマスの部屋から連絡してもらう。そうすれば、繋ぐからと頼んでおきました。
了解です、とブートも右腕を上げてくれたので、ギルマスに頼んで俺はノルに乗って空に上ったよ。
そのまま王宮に飛んでくれるというので、結界を張ってもらってビュンビュン飛んでます。
ノルも飛ぶのが速くなったよね。とんでもなく速いよ。そういえば、フラットも速く飛べるようになってた。オニキスは言わずもかな、だけど。オニキスは人のように他人を気遣うことを覚えたように見えるんだ。
嬉しいな、眷属たちが成長するの主の喜びだよね。
いろいろ頼めそうだから、少しは楽になるかな。
まあ、その時がくれば考えよう。
読んでいただきありがとうございます。
バカですね、王都のSランクは。
現実を知らないということは恐ろしい……
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




