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166 この先の俺の立ち位置は? どうすればいいんだろう。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 どれくらいここにいるんだろう。

 もう、涙も出なくなった。感情も流れ出ちゃった気分だよ。

 顔を浄化してから森の様子を見に行こうか。

 

 依頼がなければ……

 うちの皆なら任せておけるから、俺はいなくてもいいかな。

 なんだか複雑な気持ちなんだけど、頭がぐるぐる回ってるんだ。

 みんなと離れたくない。

 だけど俺がいると、みんなもバケモノの仲間だと思われるかもしれない。それはあまりにも酷いでしょ。バケモノは俺なんだから。

 じゃあ、俺のストレージにあるお金をノルに送ろうか。

 それならば、冒険者メンバーの命がある間くらいは問題ない。それに、ノルがいれば眷属たちと生活できるように稼いでくれるだろう。

 俺がいなくなれば、みんなは普通に暮らせる。

 孤児院のこともノルに頼んでおこう。

 そうでないと、子どもたちがかわいそうだし、工房や洗濯屋などの使用人たちも守りたい。この後の依頼を終わらせることができなくなるかな。それはダメだね。

 うーん、どうしようか。

 この国の依頼だけ終わらせる?

 うん、それがいい。

 一番辛いのはアルムおじいちゃんの使徒としてのお仕事ができなくなること。それはノルにでも引き継いでもらいたい。

 

 心を鬼にして、と思ったこともあったけど、今は俺自身が鬼なのかもね。

 はぁ~

 とりあえず、戻ろうかな。

 いろいろと段取りをしておかないとダメだよね。

 サンとソラのことも気になる。もちろん、フラットのこともね。

 あとは、みんな大人だから、なんとかなるだろう。

 使用人たちはノルに頼んでおこう。 

 どこかに屋敷を持ってもいいよね。そこに皆が戻る方がいいと思う。そうすればいいいかな。うん、それがいい。


 

 顔を浄化して、果実水を飲み、蒸しパンを頬張りながら地上に降りてゆく。

 間伐はどうだろう。おっと、もう終わってるのかな?

 それと高ランクの討伐は?

 整地も終わってるみたいだね。

 じゃあ、冒険者たちは?


 えーっと。

 おっと、みんな実力を十二分に発揮してるよ。すごいよね、これほどとは思わなかった。でも、危なっかしいときもあるね。そういうときにフォローしてるのはアニだ。弾丸で確実に仕留めているじゃん。うん、いい魔法使いになるね、アルムおじいちゃんの言う通りだ。これからも成長してくれるだろうね。


「ノル。そろそろ終わりそう?」

『ああ、冒険者は一度引き上げさせる。お前、どこまでやってくれた?』

「一応、中腹の下側からてっぺんまでは、そろそろ終わると思うよ。これから確認に行く。樹木も同時進行してるから問題ないよ」

『わかった。じゃあ、確認頼むな』

 了解~


 そう言い、国境とは反対側に飛翔する。

 うん、綺麗に森が出来上がってるね。間伐した木はどれくらいの数あるのかな。

 ファイルを開いてみれば、信じられない本数があるよ。針葉樹、広葉樹が同じくらいあるんだけど、使えるかな。乾燥してもらえば、いいものだけを確保して、あとは薪にでもすればいいね。安く売ればいいよ。


 それと、魔物は……

 ええと、これは俺の討伐数だよね。

 うん、間違いない。中腹から上だけだけど、これ、本当に危なかったね。そこそこ高ランクがいたんだね。雷鳥なんかがいるような森じゃないはずだけど、討伐されてないから居心地がよかったのかな。

 数だけで見ても、やっぱり国の試算の倍くらいにはなるかな。みんなの獲物を確認してないけど、どうなるんだろうね。面白いことになりそうだね。

 

 じゃあ、そろそろ皆のところに行こうかな。



「ノル。終わってたけど、そっちはどう?」

『もう少しだな。そうだ、下層の方を確認しながら戻ってくれるか。俺たちは、最後のやつらを狩ったらフラットの空間に入って結界の外に出る。頼めるか?』

「うん、いいよ。じゃあ行くね~」


 さて、もう一度確認だね。

『あるじ~、おちちゃ~』

 起きたの。お腹すいたでしょ。ご飯食べる?

『ちゃびる~』

 おっけ。じゃあ、テーブルはどうかな? 移動しようか?

 どうやら自分でできるらしいよ。 

 毛布とケットを引っ張って、テーブルが移動してるね。魔法で動かしてるのか。すごいね、ソラ。

 

 えらいね、できたじゃない。

 じゃあ、これ、お弁当だよ。それと飲み物は保冷バッグだからね。ミルクと果実水で良かった?


 こくりと頷いてくれたので、そのままそっと置きました。

 すぐに、弁当箱を開けてフォークを手にしたよ。ふふふ、かわいいね。

 おかわりは言ってもらうように頼んで、俺は移動を始めます。


 どうかな、森は。

 あ、やっぱり残ってるね。俺が狩った部分と、下層のつなぎ目のところだけだ。

 じゃあ、凍結しましょうか。


 結界内の下層から山頂までに残る魔物だけを凍結する。冒険者、眷属たちは除く。魔物のみに限定。


(魔力多め・魔物凍結)


 ボキ。


 あれ? 終わった?

 アイテムボックスの明細をみれば数が増えてるね、どんどん増えるんだけど。あ、終わったかな。それでも百頭くらいはいたのか。


「ノル、終わったよ~」

『おう、見た。眼の前の魔物が一瞬で凍って消えた。すごいな、いつ見ても』

「あはは、そうかな。だからバケモノなんだろうね」

 なに? とノルが聞き直すんだけど、スルーだ。余計なこと言っちゃったよ。


 フラットの魔力を探して移動したよ。

 そこには皆がいた。

『ナギ、終わったの~?』

「うん、終わったよ。お腹へったね。そろそろお昼ご飯かな?」

「お疲れ様です、ナギ様。無事に終わったようで安堵しました。お昼の時間ですが、どうしますか?」

 そうだねぇ、どうしようか。


「ナギ!」

 あ、ノルだ~

「おかえり、お疲れ様」

「おう、ただいま。腹が減ったな、どこかでメシ食うか。そうだな、パーミットギルドに行ってみたいが、どうだ?」

「うーん、別にいいけど。美味しいかどうかわからないよ」

「聞いてみればいいだろ。とりあえず、移動するか。フラット、皆を空間に。メシに行くぞ」

 わかった~

 あはは、いつもの癒やしの声だね。落ち着くよ。

 

 のせてくれ、と俺とノルはフラットの背に乗った。

 そこで俺は道案内。

 ノルは水晶を取り出す。

「パーミット、ノルだ。討伐は終わったが、そこのギルド、メシは旨いか?」

『ノル殿。お疲れ様でございます。そうですね、外からも食事に気ますので、そこそこかと思います。私とフルレット辺境伯もお邪魔してよろしいでしょうか』

「ああ、いいぞ。一緒か?」

『はい。朝、ギルドでナギ様とお会いしてから共におります。では、どれくらいで?』

「そろそろ到着するんじゃないか。まあ、飯食ってるから来てくれ」

 承知しました、と水晶は切れた。

 ちょっとヤバいね、これ。

 さっき余計なことを口にしたのが良くなかった。でも、俺は相手にするつもりはない。言いたい奴らは言えばいいんだよ。それでいい。


『ナギ、あそこ~?』

 そうだよ、降りられる?

『うん、大丈夫みたいだよ。前に降りるね~』

 お願いね。

 

 さて、どうやれば皆が嫌な思いをしなくていいか、それを考えないとね。これ以上、迷惑をかけたくないし、心配させたくない。


「なんでも注文していいよ。好きなもの頼んでね。制限無しだからさ」

 ありがとうございます! とそれぞれがメニューを見始める。

 サンとソラは嬉しそうにテーブルに座って見てるよ。フラットとオニキスは、一緒に見てるね。

 ここの食堂は広いから助かるよね。

 冒険者たちは、おっそろしい数頼んでるけと、テーブルに置けるの? そう問えば、確かに、とハルトが言う。

 じゃあ、半分ずつにするか、それともテーブルを分けるかと話してるね。


「テーブルを分けてくれるか。辺境伯と領主が来るらしいぞ。だから俺とナギ、サンとソラは一緒に貴族たちと食う。フラット、オニキス含めた冒険者たちは、そっちの角にテーブル寄せて広くしてもらえ。いいか、ウエイトレス」

 もちろんです、と笑顔で言ってくれたよ。

 よかった、これでみんな気を使わなくていいね。


 じゃあ、と俺たちは窓際に移動することにした。四人がけのテーブルを二つくっつけたよ、ノルが。サンとソラは窓から外が見えるので大喜びだね。テーブル上だと綺麗に見えるんだよ、街並みが。 

 料理が来始めて、奥のテーブルでは戦い再びだよ。誰も取らないからと、追加もするように言っておきました。

 お金はこっちで払うことにしているので問題ないんだけどね。

 サンとソラもドロドロになって食べてます。こんなときにクリームパスタって、どうなのよ。まあ、俺も食ってるけど。

 大口をあけて、くるくるまいたパスタを口に押し込む。うん、美味しい! ここは正解だね。

「ギルドの食堂にしては旨いな。ここの冒険者たちは幸せだぞ」

 そうらね、と口に押し込んだパスタを咀嚼しながら答えます。

 

 それからすぐ、貴族二人がやってきた。

「お疲れ様です、皆様」

 おつかれ~っす、と聞こえるんだけど、すぐに食事に戻りますよ、呆れますね。

「ナギ様。大丈夫ですか? あのようなことがあったのに、ご気分は?」

「えっと……問題ないよ。それはもう終わり。終わったことだからね、早く注文して。うちの子たちは終わっちゃうよ」

 は、はい、とフルレットの気遣いを無視して言っちゃった。


「何があった?」

 フルフルと首を振り、食べることに集中する。だって、サンとソラがいるんだもん、大人の汚い部分は見せられないよ。

「まあ、いい」

 それだけ言ったノルは、食事に戻ったね。

 貴族たちもいろいろ注文して、依頼を見に行ったよ。そうだよ、依頼を出すのに、辺境はどうなるの?

 

 フルレットに聞いてみたが、執事が出すらしいが、実際に引き受けたと報告が入ったことがないらしい。

 やっぱりダメだね、あのギルマスじゃ。

 そういえば、あいつはほったらかしだったよね。どうするかな。

 王都のギルマスに聞いてみようか。それとも、ユリアロウズ国の王都ギルドのギルマスに聞くか?


 ノルは少し不機嫌そうに食べてます。

 ちびっこたちは、ドロドロのままで鶏肉の骨付きモモ肉を食べてるよ。とりあえず、クリーンしたけど、大丈夫かな。

「それ、骨は食べられないよ、ソラ。サンは大丈夫?」

『ソラの、サンが食べるよ~』

 そうなの、じゃあお願いね。

 は~い、とかわいいお手々が上がりました。


 クリームパスタを完食した俺は、やっぱり屋敷の料理長の方が旨いと思っちゃったのは内緒。

 でも、唐揚げみたいな鶏肉は切り方が大きいけど美味かった。うん、白米があれば最高だったよ。さすがに白米はなかったけど、焼き立てパンは美味しかったから問題ないね。あと、ポテトサラダとマカロニサラダがかなり旨い。これはレシピをゲットしたいね。

 あ、料理スキルが久しぶりにレシピを作って保存してくれたよ。昔はこうやってスキルに頼って料理をしながら旅をしたよね。懐かしいな。


 ここが終わったらユリアロウズ国にもどって屋敷を建てよう。そこを拠点に、皆と討伐に向かいたい。他国でも、いつでも戻れるから、料理長たちはそこにいてもらえばいいよ。俺たちが移動する。それがいいと思うんだ。

 だから、分かれて依頼も受けられる。冒険者たちはランクのこともあるから、自由にさせてあげたい。御使いとしての仕事は俺とサン、ソラだけでもなんとかなる。ダメな時にはフラットとノルに来てもらう方がいいね。オニキスは影に入れば一緒だし。

 まあ、どうなるかわからないけど、今は、さっきみたいな気持ちはそれほどないように思う。それに、もしかしたらノルにはもっと大変な仕事があるのかもしれないし。

 うちの眷属たちなら、ノル、フラット、オニキスで国を治めることもできそうだ。あちらこちらで関わりができたら、王族や貴族を滅するときもあるだろう。そのときは、ノルにお願いしよう。さみしいけど、俺も強くならないとね。

 ノルも俺とは違う素晴らしい力を持ってるから。フラットはもしかしたら、俺たちと一緒に行くかもしれない。そうなったら、ノルの側には、オニキスと冒険者たちがいてくれるだろうし。

 いつでも会えるし、いつでも連絡できるから、もっと活動範囲を広げようか。うん、それがいいかもしれないね。

 時間のある時、アルムおじいちゃんに聞いてみよう。その方がいいよね。


 

 ふう、と満腹になったお腹をなでていれば、妊婦みたいだなとノルが笑う。なんでよ、と返せばサンとソラも笑ってた。

 でも、デザートは外せないよね。

 メニューを貰って確認したけど、パウンドケーキくらいしかなかった。それなら、パウンドケーキとミルクだね。

 はぁ、どれだけ食うんだよ、俺。

 

 フルレットとパーミットも、少し気持ちが楽になったんだろうね、話しをしながら食事をしてるよ。

 

 ノルは無言のまま食べてるんだけど、すごいよね。それにオニキスたちのテーブルは、まだ食べてます。追加もしてるよね。アニも負けじと食べてるんだけど、信じられないよ。

 あ、でも、俺はまだ子供だし、大人になればあれくらい食うのか? ああ、怖いことだよ。


読んでいただきありがとうございます。


ナギの心が不安定になってます。少し不安ですが、なんとか落ち着いてくれるといいのですが……


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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