164 ナギはかなり疲れているようですが、いよいよ森の討伐第二弾が始まります。
こんばんは、こんにちは。
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今日もよろしくお願いします!
※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
「ナギ様。先程の国の保証のことなど、国のあり方について後ほどご享受いただけたらと思いますがいかがでしょうか」
はあ? なんでそうなるのかな。
「別に必要ないでしょ。国がどうするか、尽くしてくれる民にどうやって還元するかを考えればいいでしょ。俺が何を話しても、国がその気にならないと、続かないよ。だから考えてね。最終的な形が問題ありな場合は引導を渡してあげる。どこの国も同じだからね」
宰相はつらそうだね。でも話せば言う通りにするだろうけど、意味がないよ、それじゃ。
「では、国でも話し合ってみましょう。貴族たちも含めてのほうが良いのでしょうが、おそらく良い話にはなりません。国が決めて実行すればよいだけです。確かに貴族たちにも甘すぎるでしょう。それ故、悪が蔓延する、己の利益のみを考える。そうならないようにいたしましょう」
ほう、国王はちょっと考えたのかな。
まあ、話しは聞いてもいいよとだけ伝えておきました。
じゃあ、誰かに冒険者たちを送ってもらおうかな。
そろそろ夕方だし。
あ、そうだ、どうするのかな、依頼は。
そこへ駆け込んできたのは文官長です。どうやら依頼書ができたみたいだね。
それをノルと一緒に確認します。
うん、木材の整理の基本契約が二十万本、魔物討伐の基本契約五千から六千頭と記されている。依頼料は白金貨二十万枚で。
どのみち、基本契約金額なので、どちらも増えた場合には追加で支払うと書いてありました。
あってるか、とノルが聞くので話しをした通りだと答えた。
「では、北の森の魔物討伐、樹木の整理依頼を受けよう。明日から取り掛かる予定だ。それでいいか」
「はい。よろしくお願いします。それでは今回の分を精算いたしましょう」
少し待って、とノルがそれぞれのストレージから魔物を移動している。冒険者たちはアイテムボックスを順番にノルに渡して頼んでいた。オニキスまで終わって、最後にノルの分。
あはは、これはすごいね。
驚くほど、あるんだけど。
じゃあ、とりあえず、アイテムボックスの今日の討伐分だけを印刷しようか。そう、個人ファイルも印刷しておこう。これは俺が必要だからね。
討伐分の印刷をする。驚くことに、魔物は今日だけで四千頭近くあった。そして間引き数は昨日と合わせて二十三万本あったよ!
それも印刷して、コピーしたあと、一部を国に渡したよ。
文官長は、それを合計するために仕事を始めた。
まあ、ざっくり計算しても、今回の依頼より多くなるのは間違いないよね。
こんな様子で、エリアは今日の依頼より狭いとはいえ、大丈夫なのかな。数だけで言えばとんでもない数になると思うよ。
樹木は絶対的に増えるだろう。だって、魔物すら通れなくなってるんだもの。
結果。
今回の依頼料と変わらない金額になりました。
もっと言えば、それ以上になったんですよ。でも、自分たちの意思で決めたんだから仕方がないよね。
魔物は全部で七千九百五十一頭。樹木は二十三万二約八本だったよ。
もう笑うしかない。それを二日でやった俺達は何者?
あはは、予想よりも上回ったね。
追加は、依頼を受けた金額の三倍ほどでした。
まあ、速さに対する対価かな。
それで安全になるんだからね。
お金を受取りサインをした。
その後は、明日からの依頼にもサインしたよ。
これほどの魔物をどう始末するかと考えてるんだけど、肉は孤児院で使えるから、下処理済みの解体をしましょうか。俺のアイテムボックスの中でやるしかないんだけど。
木材はどうするか。
乾燥するのも場所が必要になるんだけど、これはノルと相談だね。大工にアイテムボックスを持たせて、乾燥はノルに頼んでおきましょう。乾燥したものを渡せばいいからね。
どうやって乾燥するのかを聞かないとね。
じゃあ、戻るかな。
とりあえず、フラットの空間に入ります。
冒険者移動用の空間だね。
そこで空間をギルマスの部屋につなぎましょう。
部屋ではギルマスが待ってましたね。
「おかえりなさいナギ様、みなさん」
ただいま~
そう言えば、すぐに座ってくれと言われます。
冒険者たちも小さな椅子に座ったよ。
じゃあ、依頼完了のサインをします。
それを手に、地元の四人は精算に向います。ブートとアニ、ハルトも終了の手続きをしに向かいました。ランクのことがあるからね。
そして俺は明日の依頼書を書きます。
同じメンバーで同じ内容ですね。ただ、フルレット領とパーミット領の二か所です。
それを処理して冒険者たちは受けてから戻って来ることになってますので、その間は、副ギルマスが用意してくれたケーキを食べます。もちろん、眷属ズも食べてますね。おもしろいね~デカい男がハグハグとケーキを食べてるんだもの。
俺とちびっ子二人はそれぞれ二個ずつ食べてますけど。
フラットは一個しかなかったので、朝、コピーした間食を取り出して食べてます。おはぎですね。
しばらく食べていると、ドヤドヤと戻ってきましたね、冒険者たちが。
じゃあ、ここで渡しておきましょうか。
「四人はよく頑張ってくれたね。これは臨時収入だよ。雇い主がギルドを通さず払うんだから税も引かれない。だから家族に美味しいものでも食べさせてあげて。とても危険な依頼だったし、明日からはもっとヤバいかもしれない。だから頼むね」
それぞれに革袋を渡します。中身は金貨二枚ずつですけど。
確認した四人は、大喜びです。
当然、ハルトたち三人にも渡しました。これはメンバーとしての依頼料じゃないからね、同じく臨時収入だから、と渡せば、たいそう喜んでいました。
今夜、依頼料は払うことにするからと伝えておきました。
だって、眷属たちは給金を受け取らないからね。
だから食べるものくらいは制限なく食べさせたいんだよ。
明日も同じように朝の八刻にギルドでということになりました。
お疲れ様~と四人に手を振れば、深く頭を下げて部屋を出ましたね。
はあ、やっと今日も終わったよ。
屋敷に戻れば、いつも通り執事の出迎えを受ける。
ただいま、と皆をクリーンして食堂に入ります。
今日からは、ブートとアニも一緒に暮らします。アニは女性なので、部屋は別にしました。一番小さな客間になってますが、あとで、個室の一部を改装しようと思ってます。それなら、今やろうかな。
ノルにちびっこたちを預けて、侍従長と一緒に部屋を確認します。
「アニ、お風呂とトイレ、洗面所があればいい? 個室ひとつ分は同じ作りだけどね。あと、鍵はあるから心配しないで」
「ありがとうございます、ナギ様。安全に眠れるのはすごくありがたいです。それにお風呂に入れるなんて。嬉しい」
ふむ。
今まで大変だったろうね。ひとりで生きることって、大変だと思う。俺にはフラットがいてくれたからさみしくなかった。二人で頑張ってきたんだ。だから理解できるよ、アニのことは。
じゃあ、作るからね、とベッドの部屋を侍従長と確認してもらって、シーツなどをかけてもらうことにした。
隣の部屋は空いてるので、この部屋と繋いで、トイレ、洗面所、お風呂が欲しいです。女性のメンバーが住むのでそれなりにしてください。もし、スペースが余れば調整してもらっていいです。大きくあくようなら、廊下から使える物入れか棚にでもしてください。
(クリエイト)
ブワッと光った壁だけど、大きく光ってるね。
じゃあ、少し待つしかないよね。とりあえずは結界で覆っておきましょうか。
うん、さすが女子だね。
きちんとシーツをかけて枕を袋に入れてるよ。あとは、小さなテーブルの上に、取り出したのは、顔の手入れをするものかな。鏡も持ってるんだね。
うん、やっぱり女子だよ。
ヘアブラシなどが並びます。お姉ちゃんができたみたいな気分だよ。
あ、光が収まったね。
結界を解除して中を覗いてみました。
お風呂も小型だけど、いい感じ。トイレには棚もあるし、洗面所もある。これなら大丈夫だね。女性だから、下着くらいは自分で洗うだろうし。
そうだ、洗濯物のことをどうするか、だよね。
侍従がやってきて、トイレの備品を持って来たよ。トイレットペーパーや小さなボックスなどだね。あと、洗濯物のことも話してる。それ、考えてなかったなぁ。
どうしようかな。
「ナギ様! ここ、小さなドアがあるので開けてみたんですけど、洗濯物が干せるようになってます。ありがとうございます、心から感謝します」
そうなの?
なるほどね、ここなら下着を見えないところに干せるね。
侍従長が、洋服やシーツ、マットなど、洗濯をしても良いものはこの籠にお願いします、と言ってくれてるよ。本当にありがたいね。
じゃあ、そろそろ食事だから片付けたら降りてきてね、と伝えて手を振り外に出ました。
個室エリアの端っこなので、気にせず生活できるでしょう。
トントンと階段を降ります。
気分もいいですよ、クリエイト先生が女性のことを思って部屋を作ってくれたのがとても嬉しいです。
「終わったか」
「うん。終わったよ。細かいところまで気を使ってもらった部屋ができた。よかったよ」
そうか、とノルも安心したようだね。
食事までノルに聞いてみることにした。
木材の乾燥について。アルムおじいちゃんがノルに聞けって言ったからね。
どうやら、乾燥は木材を結界で覆って水分を操作するらしい。だいたい、どれくらいの水分量がいいのかを聞いてやるんだって。建築用と造作用で代わるらしい。もちろん、許容範囲はあるけど。
どこでやるかと言う話になったんだけど、やるのは結界の中。それを保存しておく場所があればいいって。雨に濡れないようにらしい。造作用の木材は板にするとき、厚めにして作るものによって削るんだろうっていってたから、その辺りは任せた方がいいって。
ただ、その建物は作らないとダメだって。まあ、それはいいけど。 ひとつの倉庫でいいのかと問えば、ひとつの大きな倉庫にして、割合を決めて中で分ければいいって。入口も分けて於けばいいだろうって聞いた。
それなら、容量制限のあるアイテムボックスを貸し出そうと思うと伝える。それぞれが重いから、移動するときに入れて運べるでしょと言えば、それはいいと賛成してくれたよ。年寄りだから、若い頃のようには身体が動かないだろうから、危険は少ないほうがいいって。まあ、そうだよね。
じゃあ、次の討伐が終わった後、倉庫を作ることにした。ということは、やっぱり最初に作ったエリアはなくすことになるだろうね。それなら、どこに空間の出口を作るか。
孤児院の中に作ると、出入りする度に子どもたちに遊んでくれと言われるだろうし、使用人たちも気を使う。それに比べて、工房のみんなは楽だ。
そのうち、街の報告書も上がって来るだろうから、いろいろ仕事が増えそうだよね。
朝になって、執事長の声に目を覚ます。
自分では起きられなくなったんだよ、最近。
疲れたという感覚はないんだけど、なんでだろうね。
魔力もそこそこ使ってるし、大丈夫だと思うんだけど。でも、気をつけたほうがいいかもね。身体の成長と能力の成長がアンバランスなんだって、アルムおじいちゃんが言ってた。だから気にしておこう。
サンとソラをクリーンして、フラットを見る。
床のふわふわマットにいつものように大股開きだよ。ほんと、面白い。
「フラット、朝だよ、起きて」
そう声をかけてお腹をナデナデしてやれば、グーンと身体を伸ばしたよ。うん、この大きさでもデカいよね。
『おはよ、ナギ。きょうは向こうの森に行くの?』
「そう、行くよ。だからフラットに頼まないとだめなんだ。おねがいね」
任せて、と起き上がって身体をフルフル揺らしてる。全身をクリーンしました。
いつもの鞄にサンとソラを入れて、毛布とケットを入れておきます。柄違いなんだよ。
極旨の朝食を食べ、おやつをたくさんもらいます。
あ、サンとソラの分は朝食もね。
フラットはパンケーキとおはぎらしいので、それぞれコピーしました。アニはそのままでいいらしいよ。俺はパンケーキとおはぎと蒸しパン。うん、スペシャルだね。
サンとソラもパンケーキとおはぎでした。当然、一応コピーしたけどね。
じゃあ、とみんなに送られて、王都ギルドのギルマスの部屋と空間をつなぎます。
手を振って空間を出れば、ギルマスに迎えられました。今日からの依頼はどこかと問われて、北側の森だと伝えました。辺境料とパーミット領になると言えば、大変ですね、と言ってたね。まあ、今日は結界を張りに行くんだけどね。
じゃあ、と四人の自宅組冒険者といっしょにフラットの空間に入って空に上がります。
その間に、相談しましょうか。
オニキスには討伐後の山頂を少し下がったところに結界を張ってもらいます。辺境領とパーミット領の間だけ。当然、東の国境にも結界だね。
ノルには森の向こう側を気配を探りながら結界を張ってもらいましょう。森の終わりあたりからも結界を張ってもらいます。
要するに、魔物のいる森を結界で囲むってこと。
その中を俺が間伐してゆくんだけど、とりあえず、中腹から下だね。その後は、フラットに三メートルくらい木を切りながら進んでもらう。サンは一緒にいて、魔物が出たら凍結で対応してもらうけど。
俺はその間、パーミット領の冒険者ギルドに向かう。
ギルマスと話して、SSランク冒険者を確保したい。
王都ギルマスに頼んで連絡を入れてもらってるんだ。もし、依頼に出てたら連絡をもらうことにしてたけど、連絡がないということはギルドか宿にいるだろうと思ってるんだ。
他にもいい人が入ればありがたいけどね。
でも、うちのメンバーは強いから心配ないとは思うけど、今回は少し厄介でしょ。だからひとりでも優秀な人間がいれば雇いたいよ。
メンバーになってほしいんじゃなくて、今回の討伐に対する補強だね。なぜだかそう思ってしまうんだ。いらぬトラブルでも予感してるんだろうか。まあ、それは会ってみてからだね。
読んでいただきありがとうございます。
二人の仲間も増えて、これからかなり活動が広がりそうです。
でも、ナギの疲労が少し心配ですね。
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




