160 おじいちゃんに気を使わせちゃったみたい。
こんばんは、こんにちは。
いつもありがとうございます。
今日もよろしくお願いします!
※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
「ナギ~」
「あるじ~、おしごと、おわったの~」
「あるじ、およぐ~」
うん、お仕事終わったよ。
俺もみんなと一緒に入りたかったからね。
お湯をかけて湯船にはいります。
はぁ~~~気持ちいい。
身体から疲れが溶けていくみたいだ。
フラットは大型犬くらいで泳いでる。その尻尾に捕まってるのはソラだね。サンはひとりでスイスイ進んでるよ。
楽しいね~
しばらく、ゆらゆらとまどろんでいたけど、洗ってしまおう。
お湯から上がり、洗うよ、と言えば、みんな終わったって。あはは、すごいね。魔法で洗えるし、フラットも人型になれるから問題ないらしい。まあ、そうだよね。
そうじゃないと、俺がいない時に風呂に入れないよね。もう、俺がいなくてもちゃんとお風呂に入ってるんだもん。
今は匂いの良い石鹸をコピーしてるから、大喜びなんだよ。いい匂いだって、クンクンしてくれるんだ。
全身を洗って、髪の毛をタオルを包み、もう一度お風呂に入る。
それにしても、みんな元気だよね。
あ、ソラが泳いでる! あれ、沈んじゃった。あはは、お湯の中からフラットが浮き上がって、背中にのせてるね。面白いよ、みんな。
眷属のみんながいるから俺は頑張れる。だって、この世界の家族だから。前世では一つの道に向かって進む家族がいた。心から信頼し合っていたんだ。
今は眷属たちが家族。
もちろん、使用人たちもなくてはならない仲間たち。
冒険者たちはいずれ離れていくだろうと思っている。できれば成長して出て行ってほしいものだ。
そんなこをと考えていれば、そろそろ出たほうがいいと思う。湯当たりしそうだ。
「もう出るけど、みんなは?」
『もう少し泳ぐぅ。後で出るからね~』
うん、と手を振り風呂場を出た。
温風を吹かせながら長い髪を乾かす。
生まれてから切ったことがない髪の毛だけど、サラサラなんだ。でも、かなり長くなったよね。
そろそろ縛った方がいいかな。ポニーテールだっけ、あれでもやってみようか。子供だし、その方がいいかな。
髪の毛がやっと乾いた、とみれば、サンは当然終わってる。
ソラもふわふわだよ。フラットのブラッシングをサンがしてたのには笑った。
身体にブラシを半分取り込んで、器用にかけてくれるんだ。ソラの毛はふわふわなので、もう終わってるんだろうね。
「サン、ありがとう。代わるよ」
は~い、とブラシを渡してくれた。
「いつもブラッシングできなくてごめんね、フラット。サンにはお世話になりっぱなしだよ」
『いいんだよ、ナギ。僕ら三人は兄弟なんだから、当たり前だよ。でも、嬉しい。久しぶりにナギにやってもらえる~』
あはは、そう?
「サンがいつも請け負ってくれるから、助かってる。みんなにもさみしい思いをさせてるね。申し訳ないよ」
『そんなことないよ、あるじ~』
『らいじょび~』
『気にしないでナギ。僕らにはできないことをナギはやってるんだ。すごいと思うよ。だから頑張って依頼を終わらせよう~』
うん、頑張るよ。
ありがたいよ、なんか涙出そう。
その後は、当然のように豪華な夕食です。
その間に、ノルが明日から二人冒険者が仲間に入るから、と執事や侍従たち、料理長に伝えてる。
それは良かったですね、と受け入れてくれた。
明日からの昼食はどうしましょう、というので、できるだけ戻るからと伝えておきます。
今日、思いついだんだ。
前の屋敷の敷地で食べられるって。
強固な結界もあるので、冒険者たちも安心だ。
弁当とか作れば、あまりに差がある。それもかわいそうでしょ。
「ナギ様。それならば、弁当を作りましょうか。冒険者はあと何人ですか?」
「仲間になるのが二人、家庭の事情で依頼として請け負う人たちが四人だよ」
「なるほど。でしたら冒険者の皆さんの分も作りましょうか。いかがですか?」
「それはありがたいけど。仲間と同じ扱いになってしまう」
一応、ケジメはつけたいんだ。例えば、スープだけ用意してもらうとか、デザートを出すとか。柔らかいパンをそれぞれいくつかずつつけるとかね。果実水は俺が持ってるから出しておくよ。それくらいでないとね。俺たちは戻って食事をするから。
そう伝えれば、理解してくれたみたいだね。
ブートとアニはちゃんと区別してやらないとね。まあ、依頼料も金額が違うしさ。その分、時間も拘束するし、どんな仕事でも嫌ということはできなくなる。その分は、俺が賄わないと。
ひとしきり食いまくった俺だけど、まだみんな食ってるよ。
すごいね、感心するよ。
ソファに腰を下ろして、料理長が用意してくれたフルーツやロールケーキを食べてます。毎日のことですが。
そんな時、ピコン! と音がする。
誰にも聞こえてないけどね。違う、フラットには聞こえるんだよ。
アルムおじいちゃんからのお返事だ。
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ナギ殿
楽しんでおるようじゃ。
毎日頑張っておるの。
さて、問い合わせのことじゃが、サンとソラの発語については、現実をいえば 、まだまだ先の話しじゃ。
最低でも後数年は先になるじゃろう。
どうしても発語できたほうが良いのか? 発語するスライムや赤子のケットシーとなると、この世界にはおらぬ。故に狙われるのは間違いない。フラットのように駆体が大きければ、奪おうとは思わぬが、サンとソラは身体も小さく、バカな貴族や王族の愛玩用として話すスライム、話しをする赤子のケットシーならば危険は数十倍となる。
念話ができるし、お前や眷属たちなら、魔力も探索もできる。問題はないであろうが……じゃが、儂は勧めぬの。
わかってくれぬか、ナギ。
サンなれば、筆談もできよう。ソラはお前たちが守るしかない。鞄の中であっても、側から離さぬこと。それしかないの。
多少、成長を早くすることはできようが、見かけだけのこと。中身は子供、赤子なのじゃ。余計に目立つ故、身体も現状がよい。 納得して欲しい。
二人を守るためなのじゃ。
そして、新しい二人の冒険者であるが、良いものを引き寄せたの。ブートというものは、お前とよく似た経験をしてきた。故に、強くなりたい、誰かの助けになりたいと願っておる。
そしてアニという魔法使いは、両親の能力を受け継いでおる。お前ほどの魔法使いになれるものはこの世界におらぬ。サンやソラほどの魔力にも届かぬであろうが、人としては素晴らしい魔法使いとなろう。
ハルト同様、頑張ってくれるであろう。
どちらかと言えば、ハルトの方が危なっかしい。じゃが、考えておるのじゃ、彼奴なりにいろいろとな。その証拠によく働く。それぞれにお前の役に立ちたいと思っておる。
ありがたく動かすのじゃ。お前の負担は増えるやもしれぬが、ノルにもっと頼るがよい。彼奴も、最近はお前の思いが読めるようになってきたが、思うたことは相談するのじゃ。ひとりで考えるよりも二人のほうが良い知恵も浮かぶ故な。
そういうことじゃ。
あの、投影というスキル、ゴミ袋は良い考えじゃの。
既に建物も建てられるお前ゆえ、思いついたことは何でもやってみるのじゃ。楽しいぞ。
良い話ばかりではなかったが、理解してほしい。
ならば、明日も頑張るのじゃ。
楽しい時間を過ごすのじゃぞ、ナギ。
またメールを送ってくれることを楽しみに待つとしよう。
それではの、またじゃ。
アルム爺
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あはは、おじいちゃんが気を使ってくれたね。
理解できたよ、おじいちゃん。
サンとソラが狙われる可能性が増えるなら、発語しなくていいよ。大きくなるまで待つから。
絶対に、俺が守るよ、二人のことは。
他の眷属はみんなすごい能力がある。それでも絶対はない。俺も同じこと。
だからみんなで協力して進むよ。
二人の冒険者も頑張ってくれると思う。
だから見ててね、おじいちゃん!
あ、そうだ、返事を……
あはは、やっぱり同じだ。
思った内容がメールになってる。面白いね、ほんと。
じゃあ、このまま返信しよう。
ポチッと。
オッケー
さて、そろそろ終わったかな?
あはは、ソラはお風呂に入ったのにドロドロだよ。
プフっと吹き出してしまった。
どうしたの? とソラがこっちを見るんだけど、サンも含めて全員が笑い始めた。
担当の侍従が慌てて濡れタオルを手にやってきた。あはは、一所懸命拭いてくれてるね。次はサンだけど。
ノルもデザートにやってきたので、ゴミ袋を見せて、こんなの作ったと見せた。調理場にあるけど、といえば早速見に行ったよ。(大)をおいてあるんだけど、ゴミ箱は明日になるから、と伝えておきました。
あっという間に朝になってた。
何とか起き上がったよ、時間通りに。
ていうか、執事が声をかけてくれたから起きられた。ヤバかったよ、今朝は。
さて。
軽く身体を動かそう。
うん、何とか動くね。剣や体術を使うことがないから、なまってるのかな。でも、俺が先頭切って討伐に参加すると他のことが進まない。そのためにみんなにお願いすることにした。
ノルもいつも心配してくれるけど、少しでも安心してくれると思うんだ。
よっこいしょ、と起き上がりベッドとさよならする。
全身を浄化して着替えをしましょう。
サンとソラを鞄に入れて柔らかいケットで覆います。
ドアを開ければ、いつものように朝の挨拶をもらいます。ありがたいよ、本当に。心から感謝します。
みんなで旨々の朝食を食べて、サンとソラにお弁当と追加の保存容器、デザートなどを受け取って、俺にも保存容器三つの間食をもらった。もちろん、フラットにもサンにも別に間食用として貰っていた。
もちろん、約束通り二人の間食はコピーしましたよ、二個ずつ。
王都ギルドのギルマスの部屋と空間を繋いで、みんなでドヤドヤと出ていきます。
俺は、新たな依頼を出すために、その場に留まっています。
ノルたちは、ギルドの前で打ち合わせ中。
既に、みんなのサインは貰っていますので、問題ない。今回から、ハルトと新メンバー二人は依頼を受けて支払いは別にします。
他の冒険者たちの依頼料は渡しておいたよ、だって終わる時間に俺がどこにいるか決まってないからね。
じゃあ、と今日は二手に分かれることにした。
北と南の麓を狩って移動だね。
フラットとサンは南を王都から西へ。オニキスは北を冒険者のやり残しから狩って進むことになる。
ハルトと自宅組二人、そしてブートとアニ、自宅組二人に分かれるんだけど、
どちらの組も、ノルが様子をみて手を貸すことになってる。
俺は南の中腹から山頂までを凍結しながら移動します。もちろん、ソラを連れてね。
サンは最近、大変だったからまだ寝てるんだ。それでいいとフラットが言ってくれるから、その辺りはノルが力を貸してくれるって。
じゃあ、オニキスにハルト組をお願いして出かけてもらうことにした。当然、アニは間食を貰ってたよ。だから安心。
みんなを背に乗せたオニキスはギルドの裏の馬場から飛び立ちました。
ノルとフラットはハルトと自宅組二人を背に乗せて飛び立ちました。
俺は手続きが終わり次第、自分で移動します南の森の東の国境から西へと向かいましょう。
手続きが終わり、ギルドを出る。
ソラの鞄を結界で身体に止めつけ、飛翔で飛び立った。
ギルマスたちが見送ってくれたよ、嬉しいね。
さて。
国境に向けて飛んでいますが、オニキスとノルから連絡が入ります。昨日張った結界のままで討伐するらしいね。その方がいいけど、くれぐれも気をつけるように冒険者たちに伝えて貰った。
ふう。国境に来たけど、これは国境の意味がないよね。
まあ、仕方がないけど。
このままいきましょうか。
そうだ、フルレットに連絡をしておかないと。
「フルレット、おはよう。最近はどうなの?」
『ナギ様。おはようございます。毎日変わりなく過ごしております。そちらは魔物討伐と聞きましたが、いかがですか?』
「まあ、いろいろ大変だけど、とりあえず、国全体の北と南の森を殲滅していってる。すぐに元に戻るかもしれないけどね。木材も整理しながらは大変だよ。それでね、そろそろ門を作り直そうかと思ってるんだけど。それと国境。あまりにボロすぎるから」
『なるほど。では、本格的に工事に入るということですか』
「そうなるね。予定は大丈夫かな」
『もちろんでございます。辺境のことをお願いするのです、何をおいても参りますので』
「ありがと。じゃあ、夕方連絡くれるかな。いろいろあって、忘れてると大変だし」
『承知しました。では、連絡いたします!』
よろしくね~
とりあえず、間伐をしながら行こうか。
じゃあ、南の森を間伐したい。動きが取りやすいように間引きしたいのでよろしく。
(魔力多め・間伐)
ブワッと光が湧き上がる。
うん、これなら大丈夫かな。
かなりの速さで木が引っこ抜かれて行くんだけど。人の力じゃ無理だよね、絶対。
この後は整地だね。
木を引き抜いたあとの穴を塞ぎたい。踏み硬めは必要だけど、多少のアップダウンはいいです。よろしく~
(魔力多め・整地)
おお、ザザザっと音がしてすぐに、ドンドンドンと音が聞こえ始めたよ。これなら大丈夫だね。
あ、魔物たちが戸惑ってる。ウロウロして逃げ回ってるね。
じゃあ、いきましょうか。
中腹から山頂までの魔物を凍結したい。希少種やドラゴンなど、数に限りがある魔物は、最低限残してください。
(魔力多め・魔物のみ凍結)
音もなく魔力が広がっていきますね。すごい、綺麗だし速いね~
魔物を狩る音も聞こえないけど?
あ、そうか。魔力多めだからね。
読んでいただきありがとうございます。
良い人間を迎えたと、アルムおじいちゃんも喜んでくれましたね。
これからは、ナギも仲間に頼ることを学ぶでしょう。
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




