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159 サンとソラのことでアルムおじいちゃんにメールしたよ。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。




 そんな風に考えながら、ソラを毛布でくるんで鞄に入れました。そしてゴミ袋の試作品を手に階段を降ります。


 キッチンに向かい、料理長に使ってもらうことにした。そのうち、これらがピッタリ入るゴミ箱を作るから、と伝えれば、ありがたいと笑顔を返してくれた。


 外に出て、工房にゴミ袋をと思ってれば、ノルから連絡が入った。

 オニキスは既に東の国境に向かってくれたらしい。その後は、西に向かってくれるって。終わったら連絡をくれるらしい。

 ノルたちも、ギルドに入るところだって。

 それなら、俺もギルマスの部屋に空間を繋ぐと伝えておきました。後でね、と伝えて食堂に向かいます。

「今から王都ギルドに行ってきます。順番にみんな戻ると思うけど、お願いね」

 承知しました、と送り出されます。

 小さい方の応接室へ向かい、いつもの結界を張ります。仲間だけが通れる結界ですよ。

 

 王都ギルドのギルマスの部屋に空間をつなぎたい。以前と同じ場所希望。


<虚数空間魔法>


 正面に立ってたのはギルマスですね。

「ナギ様。お疲れ様でございます」

 こんにちは~


「みんなお疲れ。かなり頑張ってたね。どうだった、討伐の感想は」

「とても有意義な時間でした。久しぶりです、あれほど魔物を狩ったのは」

 あはは、ブート、真面目すぎるよ。

「私もです。魔力の有効な使い方を教えていただきました。とても楽しかったです」

 そういったのはアニだね。

 他の四人もうれしそうに話してるよ。


「フラットとサンは大変だったね。どうだった?」

「楽しかったよ、久しぶりに戦った気がした。サンもでしょ」

 う~ん、と短い腕が上に上がったよ。

「ノルもお疲れ様。早かったね、すごく。びっくりしたよ」

「慣れて来たからな。凍結は楽でいい。オニキスも淡々と働いてくれるから助かるぞ」

 そうだよね、ほんと真面目になったよ。


「お前たち、よかったな。いろいろと悩んでいたが、すまん、俺も手のうちようがなかったんだ」

「ギルマスのせいじゃないですよ。依頼がないんだから仕方がないです」

 うん、ブートの言う通りだよ。


 国が依頼を出さないのがダメ。

 今日も、宰相と話しをしてて、あまりに呑気で驚いたくらい。

 それで、冒険者のみんなに聞きたいんだけど。明日も参加してくれる? もしかしたら、森の向こう側も対象になるかもしれないんだ。あっちは俺が森全体に結界を張る。討伐は眷属たちと君たちで十分だと思うから、俺は別のことをするかもしれないけど、森を観てからになるよ。今度は木を整理してからにしようと思う。それなら、君たちもある程度奥まで入れるからね。

 でも、今よりも厳しくなるのは違いない。命がけになる。どうする? この後の道は自分で決めて。

 それによって、俺も行動を起こすから。


 そう伝えてみた。俺は真剣だよ。


「……個人的に返事をしたほうがいいでしょうね。俺はナギ様に付いていきたいです。依頼も受けさせてください。魔物狩りだけでなく、街のことでも何でもやります。経験になりますから」

 ふむ。ブートは真剣だね。ウソのない心は綺麗だよ。

 お父さんは狩人だった。魔物に殺されたか。お母さんは必死でブートを育ててくれた。でも、それがたたって、冒険者になってすぐ亡くなったんだ。辛いね、ブート。

 俺とよく似た経験をしてるんだ。


「私も同じです。師と仰ぐナギ様のお側で学びたい。もっと頑張れると思います。なんとか連れて行ってください!」

 アニも同じか。

 うん、この子はまっすぐでいい子だよ。本当に魔法を使いこなせるようになりたいと思ってる。珍しいよ、今どき。あ、なるほどね。両親が魔法使いだったのか。それも宮廷魔術師会にいた。それなら、なぜアニは冒険者に?

 ははぁ、なるほどね。

 裏切られたか、バカな奴らに。

 それで、両親ともども斬首か。バカな王族だよ、本当に。貴族が自分の利益のためにやったね。

 本当に調べるほど、頭がいたいよ。


「俺は……本当ならナギ様と一緒に行きたいです。どこにでも行って頑張りたい。でも、今は無理です。父親が魔物に殺され、一緒に狩りをしていた爺ちゃんも片足失いました。その面倒を観ているのは母親です。なので、俺が稼がないと。でも、ナギ様が国を出られて、依頼があるのか、不安です」

 なるほどね。そういうことか。

 他の三人も、過程はちがうけど、概ね家のために働かなくちゃならない。

 それなら、俺が力になれるよね。


「わかった。四人は大変だね。でも、依頼はなくなっても、ギルドを通さない仕事ができるようにしたいと思う。今日、君たちの腕前は確認した。そして鑑定でも問題ない。それなら、依頼のある間、しっかりね。その後は仕事ができるようにする。俺の管轄の仕事だから」

 ありがとうございます! 

 

 本当に嬉しそうだね。

「じゃあ、とりあえず、明日は東から向かうかな。どうしようか、寝泊まりがあるよね。宿はどこなの?」

 どうやら、四人は自宅から来るらしい。

 じゃあ、ギルドの前に八刻前後だね、と伝えておいた。


『ノル、ブートとアニはどうかな。仲間に入れてもいいと思う?』

『ああ、俺はいいと思うぞ。二人とも親兄弟もいない。今まで必死でランクを上げてきた。ハルトほどおちゃらけてないしな』

『ふふふ、そうだね。じゃあ、仲間に入れようかな』

 小さくコクリと頷いてくれたよ。


 ブートとアニに、明日、宿を引き払って来るように伝えた。仲間として寝るところを用意するから、といえば大喜びだった。

 ただし、明日は冒険者としての依頼料になる。仲間になるということは、依頼としては出さない。一つ依頼が終われば全てを見て、俺が依頼料を払うことになる。ギルドがまともなら、ここみたいに指名依頼として出してもいい。でも、支払いは別になる。それでいい?


 お願いします!

 そう頭を下げたから、大丈夫でしょう。

 じゃあ、他の人たちにも聞いて、今日の分を精算することにした。

 その方が助かるだろうしね。聞いてみれば嬉しいと言う。

 なのでギルマスに伝えて、先払いとして処理してもらいました。残りの依頼も増えるかもしれないと伝えておいたよ。


 じゃあ、戻ろうかと話していれば、オニキスが戻ってくるらしい。それなら、とここに来てもらうことにした。

 じゃあ、と冒険者たちは戻って行ったけど、明日も大変だから休むように言っておいた。


 オニキスは元気に部屋に入って来たんだ。うん、元気そうだね。

 サンがおやつがないと言うんだけど、貰ってたよね?

 どうやら、お昼のあと、デザートを食べたけど、お腹がすいて、ここに来るまでに食べてたみたいだよ。

 俺が話している間に、完食したんだって。

 思わず笑っちゃった。

 それなら、とミルクの小瓶を取り出し、保存容器を出しました。当然のようにフラットがお皿を出してくれる。俺の前にもあったけど。

 オニキスもと言うんだけど、それほどたくさんはないよ、と言えば戻ってからにするらしい。


 じゃあ、とサンとフラットに取り分けて、俺も皿におはぎを二個、入れました。

 さっさと食べますよ~

 当然のように二人も食べてるんだけど、次に俺が食べる分はありませんでした。あはは……

「お前たち。それはナギの魔力補給のために料理長が用意してくれたんだぞ。お前らもちゃんと貰ってるはずだ!」

 あ、ノルが怒った。

「ごめん、ナギ。僕、ナギがいいよって言ってくれるから甘えてた。もうしないから」

『あるじ~ごめんなさい。サンも悪い子だった。もうしないよ~』

「いいんだよ。子供はお腹がすくんだ。俺もまだ子供だしね。明日からは料理長に貰った保存容器を見せて。コピーしてあげる。料理長も忙しいから、これ以上無理はさせられないでしょ。だからね、俺がやるよ」

「ほんと? ありがとう。嬉しい、本当にうれしい~」

『サンも、うれしいよ。ありがとう、あるじ~』

 あはは、かわいいね。

 

 はぁ~と呆れたため息をついたのはノルだった。オニキスは他所を向いてたよ。


「ギルマス、ごめんね。忙しい時間なのに。じゃあ、俺たちは戻るよ。ここから戻るから」

「はい。ナギ様も大変ですね。ですが、冒険者たちに対してお気遣いいただき、ありがたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします」

「うん。今のところ、辺境ギルドに依頼を出すことはないからね。西の辺境でもいろいろあるからさ。その間の寝泊まりは向こうにも宿はあるだろうから何とかするよ」

 申し訳ありません、と頭を下げたギルマスに手を振って魔法を行使した。


<虚数空間魔法>


 おっと、小さい方の応接室ですね。

 ドヤドヤと皆が結界を出ます。全員を呼び止めてクリーンしておきました。

 

 食堂の前では、執事が出迎えてくれる。

「みんな、時間があるからお風呂に入ってきて。その方がいいよ~」

 了解、と全員が階段を上がる。


「主。我もよいだろうか」


 いいよ、きれいな方がいい。別に自分の部屋で寝泊ししてもいいんだよ。今は依頼中だし、ゆっくり寝られるでしょ。


「良いのか?」


 いいよ。アルムおじいちゃんが言ったのは、横柄な態度を取ったり、自分の立場を認識していないように見えたからだ。それさえ理解していれば問題ない。今までは俺がしんどい思いをしただけだった。でも、使用人たちにいらぬ仕事を増やさないなら別にいいんだ。


「承知した。依頼中は世話になりたい。どのみち食事は世話になっておるのだ。気をつけるゆえ、主もなにかあれば指摘してほしい」


 わかったよ、と伝えれば、うれしそうに階段を上がったよ。 

 珍しい顔を見た気がする。

 あれなら大丈夫だろうね。


「ナギ様もお風呂にお入りください。少しゆっくりなされた方が良いでしょう」

 

 そうだね、そうしたいけど。

 外に出てくるよ。

 工房のみんなにゴミ袋を渡して、サイズにあうゴミ箱を作ってもらいたいから。蓋もないと使いにくいでしょ。


 さようでございますか、と執事はつらそうだね。

 早めに戻るから、と内側から空間を開いて外に出て、結界を張っておきました。サンはフラットとお風呂にいったから大丈夫。ソラはまだ寝てるしね。


「お疲れ様~」

「ナギ様。忙しそうだな」

「うん、いろいろね。まだ依頼はあるし、みんな頑張ってくれてる。それでね、ゴミ袋を作ってみた。これがすっぽり入るゴミ箱が欲しいんだよ」

 そう言って、紙に書いた箱のイメージを渡した。

 なるほど、と大工たちは見てるね。

 ここは鉄でやってほしいけど、色は塗れないのかと聞けば、聞いてみてくれるって。

 調理場で使うのに、ゴミ箱は開けっ放しではダメ。それでね、と上から蓋をするときに凹凸をつけて、臭いが出にくいようにする。それを自動化するために、脚で踏んで蓋を持ち上げるとか、片手で持ち上がる鉄の取っ手をつけるとか、いくつかのアイディアを出しておいた。

 これは面白い、と嬉しそうだね、大工も鉄の親方も。

 

 それを見ていた元冒険者たちにもお願いをする。

 街の様子を確認して報告してほしい。

 どのあたりに店が多いか。

 悪意を感じるやつらが集まっている場所、使いにくそうな路地や建物など、全般的に知りたい。もし、作り直したり構造を変更したほうがいい場所があれば、辺境伯と話して改善したいから。

 トラブルになりそうなことが起きたら、誰かが知らせに戻る。もしくは俺に連絡してもらいたい。

 

 喜んで引き受けてくれた。 

 当然、魔法袋と水晶をひとつ貸し出しました。必ず全員で移動する。ひとりにはならないことを約束してもらって頼んでおいた。

 食事代も必要だから、とそれぞれに銀貨一枚ずつ渡しておく。この金で酒はダメ。給金をもらい始めればなくなるからね、ときつく言っておきました。

 まあ、鑑定では問題なかったから大丈夫だと思うけどね。


 じゃあ、と空間に入って、入口を閉めた。結界は張ったままです。


 迎えに出てくれた執事にお風呂に入るからと伝えて階段を上がります。

 

 部屋に入るとキャイキャイと楽しそうだね。

 そうだ、サンとソラはいつごろ話せるようになるんだろう。話せたら、みんなとももっと理解し合えると思うんだけど。

 アルムおじいちゃんにメールをしようかな。


 ++++++++++

 アルムおじいちゃん。


 ナギです。

 毎日忙しくさせて貰ってます。

 

 今日、二人の冒険者が仲間になることになったよ。同じ依頼を受けている人たちで離れられない人には、迷宮周辺の警備を頼もうと思ってる。今の元冒険者の使用人たちと一緒にね。交代で館とか工房の護衛もしてもらおうと思ってる。二人は旅に出る時には一緒にいくつもり。

 よかったかな。

 また、別の方法があれば教えてください。


 それと、サンとソラは人のと会話はできない? 眷属たちは念話するけど、使用人たちやハルトも含めた冒険者たちには話しが伝わりにくい。無理なのかな。それとも、あと何年かで話せる?

 そのあたりを教えてください。

 ごめんね、こっちの都合でいろいろ聞いて。

 じゃあ、僕はお風呂に入ってきます~

 

       ナギ

 ++++++++++


読んでいただきありがとうございます。


王都の冒険者たちもいろいろあって今があるんですね。

何とかみんなで元気に頑張ってくれればいいけど……


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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