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156/202

156 王都ギルドのSランクも討伐に参加します。仲間志望ですけど。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 静かにギルドの前に降り立ったノル。その背中から飛翔で地面に降りた。

 すぐにノルは人型になったよ。


 ギルドに入れば、受付の女性が小さく頭を下げて、上を指し示す。それを受けて手を上げて階段を上がった。


「ナギ様。お久しぶりです」

「うん、久しぶりだね~変わりはないの」

「はい。変わらず護衛依頼が多いですから、Sランク以上は苦悩してます」

 なるほどね、それはどこも一緒か。


 すぐに数人の冒険者が入ってきたんだけど、面構えが怖いよ。

「ナギ様が鑑定に来てくれた。気持ちは変わらないか?」

「もちろんです。このまま王都にいても依頼すらない。だから動きたいんです」

 なるほどね、そういうことか。

 今回の討伐には王都近辺を狩ってもらえるといいかもね。


 鑑定するよ~

 そう言って全員を一斉に鑑定した。

 ふむ。そこそこかな。

 でも、数人はダメだね。

 あ、この魔法使いは使えるよ。かなりの魔力があるし、攻撃魔性が得意。その上、治療回復ができる。これはもったいないよ。


『どうだ?』

 ノルが念話で聞いてきたね。

『数人は無理だよ。あと、魔法使いは使える。魔力も多いし、いうことないね』

『そうか。それなら引導を渡すか』

 あはは、そうだね。


「どうでしたか?」

 少し待って。

 そう言い、全員の鑑定結果を念写する。そのあとコピーした。

 

 それを見たギルマスは驚いてるね。

「ふむ、こいつらは無理ですね」

 そうだね。間違いなく無理だよ。


「じゃあ、結果を言う。全員同じ考えか? すぐにでも戦えるか。辺境所属の冒険者として働けるか?」

 もちろんです! とうるさいよ。

「じゃあ、お前とお前、そして後ろのお前。三人は無理だ」

 なぜですか! と最高にうるさいんだけど。ギルマス共々、うるさい~


「お前たち、心暗いことがあるだろ?」

 これを見ろ、と鑑定結果を見せたね。さて、どうするのかな。

「……こ、これは。どこでこの情報を」

「どこでもないよ。鑑定に出てた。俺の鑑定は普通と違う。背景まで見透かすんだよ。この貴族だけど、元東の辺境伯と付き合いがあるやつ。それにとんでもないよね、冒険者に民を捕まえるように依頼するとか、それを国外に売るとか。そんな手助けをするやつはいらない。貴族たちは国王に話して処分する。いい加減にしてほしいよ、ホント。高位貴族はある程度処分したけど、こんなところにもいたなんてね。だからそいつらの手先はいらない」

 

 全部一気に喋っちゃったよ。

 さて、どうなるのかな。


「ひとつ問題がある。お前らはパーティーで参加希望だったが、他のメンバーはどうする? ブート、アニ、どうするか決めろ」

 そうなんだ、ギルマス、いいこと聞いてくれたよ。

「……俺は。俺は辺境で活躍したいです。ナギ様に使っていただきたい。魔物を狩ったり護衛をするだけが冒険者じゃない。できることは何でもやります。仲間に入れてほしいです!」

 あれ、こういうことになるのかな。

「私も同じです。パーティと言っても、魔法使いには居心地が良くなかった。いつ切られるか、いつ囮にされるかと恐怖してました。もとより、ナギ様は魔法使いだと聞いてます。指導してもらいたい!」

 そう、囮にね。

 焦ってるね、あいつ。

 あ、囮を使ったことがあるんだね。そうか、前の魔法使いは森で囮にされか。

「お前、酷いやつだね。前の魔法使いを囮に使ったでしょ。信じられない。これは拘束すべきでしょうね。どうする、ギルマス」

「そんなことがあったのか。もしかして、以前パーティにいたシューリか!」

 フルフルと震え始めたね。

 他の二人も顔色は真っ青だよ。逃げられないよね、これ。


「とりあえず、拘束して。無理なら俺が魔法で拘束するから」

「ナギ、とりあえず拘束しろ。ギルマスロープを。俺が拘束する」

 すぐに、と副ギルマスが駆け出した。

 

 はぁ、とため息を付いた時、鞄からひょこんと顔を出したのはソラだね。

『あるじ~、おやち~?』

 あはは、食べたいの?

 あい! と腕をあげたよ。

 鞄の入口を開いてやれば両腕を上げて抱っこをねだるんだ。

 脇に手をいれて引き上げてやれば、お菓子を沢山くっつけて出てきた。

 ぷっと吹き出してクリーンした。

 そしてテーブルの上に座るソラにテーブルを出してやる。その上には、ソラの保存容器……は、空っぽだった。

「ソラ、もう全部食べたのか?」

『あい! おいちかっちゃ~』

 あはは、そうなんだね。

 じゃあ、とアイテムボックスから俺の保存容器を取り出して皿の上に三つおいてやる。保冷鞄を出してみれば、ミルクはありました。果実水のほうが減ってたよ。

 ミルクの小瓶を開ければ、ごくごく飲みます。空になったら保冷鞄に戻して、次の一本だね。それを魔法でパカンと開けて、テーブルにおいた。

 じゃあ、ついでに俺も。

 蒸しパンをパクパク食べる。

 とてもおいしいよね。魔力をそこそこ使ったから、どれだけでも入るよね。

 視線に気づいてみれば、アニがソラを見てニコニコ笑ってる。

「アニは動物が好き?」

「はい、大好きです。それに子供も好きですよ。大人みたいに裏切らないので」

「うん、それは俺も同じ。大人は平気で裏切るから限られた人しか信用しない。使用人は優秀な人だし、職人もね。ソラ、アニがソラのこと、好きだよって」

『ほんちょ? しゃんは?』

 おんなじだと思うよ。

 うれち~と大喜びだね。


 じゃあ、この二人と他の四人は参加してもらおうかな。

 とりあえず、今日、北の住宅地の裏に結界を張ったんだ、西の辺境まで。そのあと、雑魚はノルが凍結した。後ろを追いかけて来てるのは、辺境ギルド所属の冒険者が数人と、うちのメンバーのハルトだよ。そこそこ進んだらしい。といってもオークとかオーガ程度だけどね。


 そう言えば驚いてたよ。

 いったいどれほどのランクを狩るのかと聞かれる。

「それほどでもないよ。襲ってきたらどんなやつでもも狩る。ドラゴンなんかは数を確認してからになるよ。数がすくないからね」

 ど、どらごん? あはは、どうしたの、みんな。


 話している間に警備隊がやってきたよ。

 ギルマスは事情を話して書類にサインをした。そしてノルに拘束されたみんなはそのまま連れて行かれた。


 仲間にしてもらえますか! と詰め寄られたんだけど、今回の討伐を見て考えるから、と答えておいた。それでいいよね。

 明日は昼食は用意しておくように。そして依頼料は一日銀貨二枚はかわらない。

 朝からこのあたりの木を処分する。結界から三メートルだけ。その後はノルが雑魚を凍らせる。その後に結界の中に入ってもらうよ。オーガくらいまでは何とか狩ってね。

 その時に、俺の眷属のでっかいシルバーウルフと希少種のスライムが同行する。基本的に冒険者に狩ってもらうけど、オーガより上のランクが出てきたら、眷属たちに任せて。スライムは氷の弾丸で確実に仕留めるし、シルバーウルフは、魔法と手足で狩るから、割り込まないように気をつけて。命は自分で守ってね。

 みんなSランクだから、オーガくらいまでなら個別で狩れるでしょ。ええと、アニ、だっけか。時間があれば攻撃方法を教えるから。火魔法は禁止。だけど、俺の使う魔法なら対応できるからね。 

 注意事項としてはそれくらいかな。


 じゃあ、明日の朝、八刻前後にお願いしますね。

 そう伝えて、俺たちは戻ります。

 ノルが確認したら、オニキスも戻ってて、みんなで食事中らしい。

 じゃあ、俺達は戻るから。ここを少し貸してね、ギルマス。


 ええと、フラットの空間にある屋敷の小さい方の応接間に繋ぐ。


<虚数空間魔法>


 ふっと開いた先には執事がまっていた。

「お帰りなさいませ、ナギ様、ノル様」

 ただいま、と振り返って、ポカンとしている皆に手を振って魔法を解除した。

 オッケ。しっかり痕跡は消えたね。



 食堂に入れば、楽しそうに食事をしてる。

 俺たちも浄化して加わった。

 ソラはさっきも食べてたのに、とみれば、保存容器を鞄から取り出した。そして保冷鞄もね。

 もちろん、保存容器は空っぽ。保冷鞄も空き瓶だけだった。

 爆笑したのは、俺だけじゃなかったよ。



 俺の大好物の海鮮クリームパスタは二人前あった。当然完食です。その上に、ステーキ、とんかつ、だし巻き卵、そして山盛りのマカロニサラダと生野菜のサラダを食べました。

 デザートは朝、剥いてもらった果物がそのまま残ってたので、それを食べました。

 

 食事中に、ハルトとフラットから討伐の様子を聞いたよ。そして明日、王都ギルドから数人が参加すると伝えておいた。

 明日の朝は、とりあえず、王都ギルドの辺りの森を片付ける。段取りは同じ。オニキスは、今日、冒険者たちが狩ったあとを凍結してほしい。

 木を切ってからのほうがいい? と問えば、その方がいいらしい。 じゃあ、間伐というスキルを発動するから、理に沿って木が間引かれると思う。そのあと、動き出した魔物を凍結してもらう。でも、希少種、たとえば、ドラゴンなどは数が少ないからおいといて。希少種以外と指定して凍結してくれればいいよ、といえば大きく頷いてくれた。

 

 その後、オニキスは紅茶を持って影に戻りました。

 フラットには、今日と同じように俺が整地したあと、結界の側から狩ってもらう。東の辺境に向かって進んでもらいたい。サンも一緒にね。

 南の方は迷宮もあるから気を付けて。

 冒険者たちだけど、ダメなヤツは拘束して警備隊に渡したから大丈夫だと思う。

 早めに整地が進むようにするからね、と伝えてソラを連れてお風呂に向かった。サンはフラットが連れて来てくれるって。

 

 そうだ、魔物はどうしたの?

 冒険者たちの分はギルドに出したって。数を書いた明細を貰ったよ。

 じゃあ、明日の朝、王都ギルドで依頼を受けてもらうから。

 了解、と頷いてくれた。


 


 んっと。

 もう朝? そうだ、朝だよ。

 起きないと、と身体を起こせば、ドアがなる。

「ナギ様、おはようございます。お食事の準備が整いました」

「ありがとう。着替えして降りるから」

 承知しました、と聞こえたので、慌てて浄化します。

 サンとソラも浄化して、二人の鞄の中をひっくり返して、すべてを浄化した。床に落ちたお菓子のカスも綺麗にしたよ。

 とんでもなく汚れてたから。


 

 サンを鞄に入れてソラも別の鞄にいれる。二つの鞄を両肩からかけて降りてゆくよ。


 その姿を見たノルとフラットが受け取ってくれた。

 

 美味しい朝食を食べている時、ソラの朝食用の弁当が置かれる。おやつとデザートも受け取った。サンはおやつがたくさん入った保存容器を受け取ってごきげんだよ。

 もちろん、俺とフラットのおやつも用意してくれてるよ。俺は昨日のおはぎも食べてないので、蒸しパンです。フラットは両方だね。

 呆れて見てるのは大人の男性陣。

 だって、みんな子供だよ。

 

 朝のデザートはしっかり食べたので、俺は一足先に移動することにした。

 残りは、フラットとノルは自分で飛ぶし、ハルトと冒険者たちはオニキスの背中で結界の中だね。

 

 じゃあ、俺は先に出るよ。

「ギルマス、ナギだよ。おはよう」

『おはようございます。早いですね』

「そう? ところでお願いがあるんだけど。昨日と同じように、ギルマスの部屋に屋敷をつなげてもいいかな。俺だけだし。他のみんなは飛んでくるから。あと、こっちの冒険者も同行するから昨日からの依頼を受ける手続きをお願いします。そっちの冒険者もね」

『わかりました。では、お待ちしております』

 う~ん、と通信を切って、振り返る。

 早めに行くから、頼むよ。

 そう伝えて手を振った。

 小さい方の応接室に入って、魔法を行使します。

 

 この国の王都ギルドのギルマスの部屋。昨日こちらに戻ったときと同じ場所につなぎたい。


<虚数空間魔法>                                                     ふっと光ったら、ギルマスの部屋でしたね。

 再び成功!

 おじゃましま~す、と中に入れば、ギルマスがやっぱりポカンとしてた。どうしたんだ、ギルマスは。


「おはよ。じゃあ、俺は行くから。後のこと頼むね。辺境ギルドには依頼してないからね、ここで全て受けてほしい。期間は、討伐終了まで。辺境からくる人は昨日からね。全員指名依頼でいいよ。危険な依頼だけど、やみくもに入る必要はないからまだまし。でも、なれないことだろうし、多少の上乗せは問題ないから。うちのメンバーが一人いるけど、依頼は受けないよ。直接払うからね」

「承知しました。では、不明なことはノル殿に聞きましょう」

 了解、と頷いてギルドを出た。

 

 ギルドの前で直接空に上る。

 ええと、どこからいこうか。このまままっすぐに行くかな。屋敷の周りもついでにやっちゃおう。


 最速で飛翔すれば、すぐに到着したよ。

 きれいな結界があるよね。オニキスの結界だ。

 それなら中に入ろうかな。

 

読んでいただきありがとうございます。


何だかナギの元に冒険者のパーティができそうな勢いですね。

まあ、今回の依頼には人は多いほうがいいけどね。どうするんだろうね、仲間志望者は。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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