152 洗濯はアルムおじいちゃん作の全自動洗濯機で。
こんばんは、こんにちは。
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※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
んーっと身体を伸ばして目を開く。
身体の両側にサンとソラがくっついてるんだよ。かわいい。この寝姿を見れば、心が落ち着くね。
あっちのフカフカ絨毯の上ではでっかいフラットが横たわってるね。ふふふ、大変だったろうね、フラットお兄ちゃんも。
でも、ありがたいよ。ありがとね、フラット。
心の中で伝えて、ゆっくりと身体を起こす。
着替えの後、ちびっこたちを鞄に入れて食堂に降りて行った。
すでにハルトは朝食をとっていたね。
「おはよう。今日、俺は何をするんだ?」
「おはよう。 そうだね、孤児院の警備をしてほしいけど、どうかな。 明日くらいから魔物討伐をする。そのことも話したかった。食事が終わったら話そうね」
分かった、と再び ハルトは食事に戻った。
俺の前にもたくさんの料理が並ぶ。
白米は当然ながら、味噌汁、だし巻き卵など日本の朝食がたくさんだね。それ以外には、サラダや パリパリチキン、ゴロゴロと野菜の入ったオークグラタンが置かれた。 溢れ出そうなほどのチーズがふるふるとグラタンの上で揺れている。綺麗な焦げ目のそれに容赦なくフォークを入れる俺は、グラタンに一点集中している。
やってきたノルには挨拶もそこそこに、ハフハフ 言いながら食べる。これはうまい。
普通ならチキンを使うところだろうが、ほろりと崩れるオークに目を見張るよ。
ハルトの前にも置かれたそれは、あっという間になくなっていく。 それでも、オニキスのいない今朝はのんびりしたものだろう。
そろそろフラットが降りてくるかな。
そうなれば、別の戦いが始まるだろうね、フラットはグラタンが大好きだから。
ちびっこたちはまだ目を覚まさないが、どうやら料理長は弁当を作ってくれているようだ。毎日ありがたいよ。当然デザートもついてくる。下手をすれば、それぞれが冒険者 2人分以上の料理をペロリとたいらげるちびっこたちだから、大変だろうね。感謝だよ。
そろそろ俺はごちそうさまだね。
ソファに移動して料理長 手作りのパンケーキを食べる。もちろん フルーツのせ。キラキラ光る生クリームが綺麗に盛り付けられている。
んー、うまい!
この甘さが今日の俺に力を 沸き起こしてくれる。
色々と建物を建てる予定があるので、今日こそは間食を取りながらやろう。そうでないと夜になってへばる。ちびっこたちと話すこともなく眠ってしまうから。それはダメでしょ。どうしてもそうなっちゃうんだけど、建物を建てる間は乳母車に乗せておこうかな。起きてれば、だけど。
それなら、周りが見えるからいいと思うし、結界をきっちり張って側にいてもらおう。
でないと、忘れられそうだよ、俺。
ノルはまだ食べてるけど、フラットが降りてきたので賑やかだ。
俺とハルトはソファでデザートを食べながら話しをする。
詳細を話せば、ハルトが首をかしげる。
「それなら地元のSランクとAランクだけでも依頼すればどうだ? 危険なことは承知だが、ある程度の場所に結界を張ってくれるなら、その下は冒険者に任せばいい。俺もその中に入るつもりだ。ただし、住民エリアのすぐ後ろには結界は必要だな」
ふむ。そう言われればそうだね。
それなら住民エリアのすぐ裏に結界を張ろうか。
そこからオークやオーガなどのエリアまでは冒険者に任せるかな。希望者がいればいいけど。迷宮じゃないからどうだろう。別に迷宮が素晴らしくて魔物討伐がレベルが低いわけじゃない。どう感じているかは、今回わかるかな。
「それなら依頼を出すよ。迷宮に入るとき、ギルマスはいたのかな。会ったことないけど」
いなかったそうだ。ギルドには話してないんだって。
でも、冒険者が喋ってれば予想はつくけどね。
「とりあえず、俺がギルドに行ってくる。依頼料は?」
そうだね、どれくらいがいいかな。普通なら銀貨一枚くらいでしょ。でも、緊急討伐になるから二割増しくらいでどう? ハルトは別だよ。後で依頼料は払うからね。そのあたりで話しをしてくれるかな」
「わかった。じゃあ、時間は九刻からでいいか? あと、昼は各自周りを確認して取ってもらう。討伐部位は取れるかどうかわからないから、どうするか」
そのあたりは話し合ってほしい。
おそらく、オークやオーガくらいまでは出るかもしれないよ。それ以上のやつが溢れてたら水晶で連絡して。俺が対応する。
そう話しておいた。
通信用の水晶を手に、ハルトは屋敷を出た。
ノルとフラットはもう少し掛かりそうだね。
それなら、先に出て打ち合わせをするかな。
屋敷を出て、空間の入口に仲間だけが通れる結界を張る。最初に話しをしてたエリアの小部屋にね。
アパートに向かえば、住人たちが待ってたよ。張り切ってるね~
朝の挨拶をもらい、数枚の紙をもらう。
そこには、建物とその仕様。そして鉄を溶かす炉が書いてある。
ちょっと待って。炉をつくのはいいんだけど、炉まで必要かな。
その辺りを聞けば、炉は作るものの大きさにも関係すると聞いた。
それなら聞いてみよう、とアダムさんに連絡する。
ちょうど、こちらに向かっているらしい。それなら、少しまとうか。そうだ、その間にゴミ箱の話しをしますかね。
階段の下に移動して、ここに大きな箱を作りたいと言った。
絵は、テーブルと椅子を作り、座って聞くことにします。
洗濯屋兄弟と魔法使いは早速孤児院に向かい、洗濯物の量や干す場所を聞くらしい。後でいくから、と見送っておいたよ。
先日の図面を取り出してみて、ここにこれくらいの、と実際に測ってみた。思ったよりも大きなものができそうだけど、それほどはいらないかな。それなら半分から後ろは倉庫にしようか。
みんなで腰をおろして、まずは形だね。
骨組みはどうするか。地面は石みたいなもので固めるけど、鉄で土台を作るかな。
形は前面の上の方から袋をいれるか。いや、やりにくいね。
じゃあ、この上に蓋があって、そこにゴミの袋をいれる。それか、こんなので……
外国の道路脇で見たことのある形を書いてみる。大きな蓋を上げてゴミ袋をいれる。そのまま持ち上げることはできないので、前の下側三分の二あたりまで、パタリと前面に開く。または、両側に横に開く。そう、両開きだね。
「両開きの方がいいぞ。手前に一枚で開けば思いし、ゴミ袋を出すのに扉を避ける必要がある」
ふん、なるほどね。
確かにそれはそうだ。じゃあ、骨組みはどうする?
「鉄の長い部材があるなら、それを組んでもいいな。鉄を熱してくっつけるんだ。それ以外なら、杭みたいなもので組み上げるか」
それはどっちでもいいよ、と大きめのドリルとドライバーを作ってみることにした。そして、ボルトとナットだね。
サイズは数種類あったほうがいいかな。
とりあえず、ドリルだね。
鉄に親指くらいの穴を開けるドリルがほしい。魔道具でお願いします。かなり力が必要ですが、魔力だと持たなくなるのが早そうなので、できれば、空気を作るエアコンプレッサーというものを作って、そこから細い空気の枝を出して、空気の圧でドリルとか他の物を動かしてもいい。枝は空気の圧で破れないようにしてほしい。
本来なら、魔道具で身軽な方がいい。そのあたりはお任せします。それに使う、穴を開けるビットというものがサイズ違いで欲しい。
細かい部分はお任せします。
(クリエイト)
ブワッと光が湧き上がる。
うん、あまり大きくなさそうだね。そろそろ終わりそうだよ。
えーっと。
これ、コードレスだね。じゃあ、魔道具になるのかな。それで、これは何? あ、魔力を貯める箱か。ここに差し込んで魔力を補充するのかな。
これは、バッテリーだ!
数個あるけど、これに魔力を貯めて使えば減る。動かなくなったら別のに入れ替える。そして外したものは、ここに繋ぐのか。あはは、これはすごいものができたよ。
「これはなんだ、ナギ様」
ええとね、と魔力を貯める箱を目一杯貯めて、おいておく。そしてドリルを手に持って見るんだけど、重い……
サイズ違いの先端があるけど、二つある?
これは鉄工用だよね。それと細いのは木工用だ! ということは?
あ、こっちに小さいドリルがある。
鑑定してみれば、ドリルとインパクトドリルだよ!
すごいすごい! 考えていたことが形になってる!
えっと、これは何かな。
箱に入ってるんだけど、これはネジクギとボルト・ナットだ!
あはは、本当にすごいよ、アルムおじいちゃん! クリエイト先生、感謝します!
「これ、作ってみたんだけどね。こっちは鉄に穴を開けるもの。それはこのギザギザだよ。鉄鋼用のドリルとビットっていうんだ。これで薄板に穴を開ける。そして、この箱は魔力を貯める箱。この下側が外れて、魔力が空になったら、ここにあるのと入れ替えて、こうやって刺しておく。このランプがオレンジからグリーンに変われば充填完了だよ。そして、同じ用途で、こっちは木工用。木工用には、穴を開けるだけじゃなく、ここにあるネジをねじ込む事もできる。ただ、先のビットは付け替える必要があるけど」
みんな、ポカンと見てるだけだよ。
あ、ここの麻袋にあるのは、ボルトとナットだよ、と説明しておいた。
とりあえず、薄い鉄板と木材、平板を出しておいた。
使ってみてもらうためです。
鉄はどうやって切るのかと聞いてみたら、サンダー案件だね。大きなものはいらないかな。鉄鋼用の刃とサンダーの本体をクリエイトすることにしました。あまり大きな建物を作るわけじゃないので、サンダーでいいでしょう。手工具になるから安全第一だよ。
一応使って見せました。
剛力スキルを使いましたよ。刃やビットの取り替えも手ほどきしました。うん、これはいいよ。
しばらくいろいろ使ってもらうことにしました。
その間に、俺は洗濯の方へ行きます。
「ナギ、遅くなった。チビたちは?」
「鞄の中だよ。乳母車出そうかな」
それがいい、と嬉しそうに笑う。どうしたのかと問えば、フラットと魔物討伐のことを話していたらしい。
ハルトがギルドに向かったけど、まだ連絡がないと言えば、聞いてみてくれるって。
鞄を除けば、サンは起きたみたい。ソラはゴロゴロしてるね。
「じゃあ、二人を出して。僕が押すから」
いいの? と問えば、もちろん! と返事が聞こえた。
乳母車を取り出して中を浄化しましょう。
そして中のクッションや毛布、マットなども取り出してパタパタします。
サンを持ち上げればフラットが受け取ってくれる。ソラも外に出て目が覚めたみたいだね。
そっと乳母車におろして、鞄の中の毛布を出します。
二人の間にテーブルをおいたら、向かい合って座ったよ。
そこに朝食を取り出します。とりあえず、それぞれひとつずつ。そして、朝作ったんだけど、冷たい飲み物をいれる保冷鞄。温かい料理も入る保温鞄です。冷たい方は明るい水色。温かい方はオレンジ色にしました。
それを説明すれば、温かい方を覗いてます。当然、空間を拡張してあるし、それぞれの容器をいれる箱を作って積み重ねられるようにしたので、大喜びですね。
冷たい鞄からは、ミルクを二本出したよ。ちゃんと、どちらも鞄を閉めてます。これでアツアツグラタンやスープが食べられるよね。夏でも冷たいミルクや果実水が飲める。その上、デザートも入るから問題ない。
フラットはかなり驚いてたよ。
「クリエイトしたの?」
そうだよ~
確かに、と関心してたよ。
じゃあ、と皆に手を振って洗濯場に向かいます。
「お疲れ様です」
はいよ~
そう言って中に入れば、洗濯物が山盛りになってるよ。大きな籠が必要だね。じゃあ、作りましょうか。
この世界の素材で洗濯物を入れる籠がいくつかほしい。空のときは積み重ねられる方がいい。
(クリエイト)
ポンポンポン……
あはは、でっかい籠が五個出てきたよ。これ、本当にデカい。小さな子ならゆったり入れるね。
これは洗濯物をいれる籠だよ~
孤児院にもおいておく? その方が楽でしょ。
そうですね、と今ある洗濯物を二つに分ければちょうどよかったよ。
じゃあ、二つは孤児院で使うらしい。残りは三個だけど。洗って干すまでのものを分けていれるらしい。うん、それがいいでしょう。
次にやったのは、洗濯機のようなものの鑑定です。
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(鑑定)
全自動洗濯機 異世界のもの 創造神の作成物 内容量は二十キロ 乾燥ありなしの設定可 個別機能だけも使用可
生地によっての使い分け可能 取り扱い説明書で使い方や生地のことを学ぶこともできる 生地の鑑定をしたほうがいい
専用の洗剤あり
洗剤、柔軟剤、衣類漂白剤などは異世界のものと同様のもの
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すごいね、これ。だから斜めドラムなんだね。
読んでいただきありがとうございます。
いろいろ出てきます、日本のものが。便利になりますが、ナギの屋敷や孤児院限定ですね。廃棄処分のことがありますから。
でも、あったら便利でしょうね、ナギの世界に。
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明日もどうぞよろしくお願いします。




