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150 魔物討伐の話しと孤児院を映像で確認してもらったよ。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


「そうだ、魔物のことだけどね。かなり密集してるよ。でも、木がたくさんあり過ぎて、降りてこられないみたい。このままだと、何かのきっかけでスタンピードになるかも。森をずーっと門まで飛んだけど、同じだった。このままだと、今作ってる領主の館も森に飲み込まれる気がするよ。どこかの盗賊のアジトみたいに」

 そうなんだ。

 それほど酷いんだね。

 それも聞いてみるから。今から宰相に連絡する。サンとソラはどこで寝てるの?

「寝室のベッド。起きたらサンが連絡くれると思うよ。時々見に行くから」

 頼むね、と水晶板を取り出した。


「宰相、ナギだよ。今、いいかな?」

『ナギ様。お疲れさまです。そろそろお時間が取れますか?』

「そうだね。その前に、話しがある。孤児院の北にある森だけど、そろそろヤバいよ。木が生い茂ってて、魔物がうごめいてる。今日、フラットに調査してもらった。このままだと、辺境はスタンピードに飲み込まれる。領主の館も作ってるけど、完成までいかないかもね。だから、孤児院の裏は森を整えたい。いいかな?」

『ええ?! それは。もちろん、問題ありませんが、それほどですか』

「うん。孤児院を建ててるときに気配があったからフラットに調査してもらったんだ。それくらいヤバいよ。うちは結界を張ったら大丈夫だけど、それでもリスクはない方がいい。だから木々を理に沿って間引くつもり。建物の近くはかなりの広さを開いて、木のない部分を作る。その奥は魔物をある程度狩ってから間引くよ。そうでないと、ここに来る商会とかに迷惑をかけるから」

『それは……ナギ様。この時間に申し訳ないのですが、王宮で話しをさせていただけませんか。辺境全体のこともありますが、先日お話した通り、国境門を作るときにお願いしようと思っていました。そして、残りの設備や工事についてのお話もさせていただきたいです。なんとかお願いできませんでしょうか』

 

 うーん、あまり長時間になると辛いかな。

 食事もゆっくり食べたいし。

 少し待って、とノルに念話した。ちょうど、空間に入ったところらしい。

 じゃあ、すぐに来て。そう頼んでおいた。



 宰相からの呼び出しだけど、と言えば顔を歪める。

「宰相、ノルだ。今から王宮へというのか。国王は同席するか?」

『当然でございます。何卒お願いしたく思います。いかがでしょうか』

「わかった。だが、途中で食事に戻ることは許してもらう。ナギにこれ以上無理をさせたくない。空間の屋敷に戻り食事をするだけだ。その間に国王もお前たちも食事を取ればいいだろう。それでいいなら、移動するが」

『承知しました。どうぞよろしくお願いします。打ち合わせのときに、王弟殿下も水晶板で同席してもよろしいですか?』

 当然だ、とノルが言った。


 はぁ、本当に身勝手だな、王族は。

 そう呟いたのが聞こえた。

 ノルも気になるらしいね。まあ、俺もだけど。

 

 料理長!

 ノルがキッチンに向かう。

 小腹が空いたな、とストレージを見れば蒸しパンがある。それと少しのおにぎりだね。

 とりあえず食べようかな。


 保存容器を取り出せば、フラットがそれを見る。

 食べる? と聞いてみれば、いいの? と返ってくる。

 少ししかないけどね。と差し出したよ。

 ありがと、と二人で間食を始めました。

 

 おにぎりは俺が全部食べちゃった。今は蒸しパンと果実水をフラットと飲んでます。

 おいしいね、と笑顔で食べてれば、ノルが戻ってきたよ。

 

「間食してたのか。結局何も食ってなかったな、アパート建ててから。これ、新しい間食用だ、用意してくれてた。食事のことは伝えたから、今から行けるか?」

 うん、大丈夫だよ。


 オニキスはおやつを終えたころ、影に入れてくれと言ったんだ。たくさんの子供達の相手をして疲れたらしい。何があれば呼んでくれと言ってた。本当に疲れたんだろうね。


 ノルが渡してくれたのは、一枚の紙。

 長が子どもたちの名前、年などを聞き取りしてくれたらしい。もちろん、スラムにいた子たちも入ってる。それで補助金の話しなどをと貰ってくれたらしい。じゃあ、コピーしてノルに戻しておいた。こっちを王宮に渡すからと伝えましたよ。

 

 じゃあ、行こうかな。

 

(虚数空間)


 あ、王宮に着いたよ。

 フラットに空間を開いてもらった。定番の謁見の間だね。

 フラットはサンとソラが起きるまで部屋にいるらしい。来たいと言えば連れて来るし、お腹すいたと言えば食事をさせてくれるって。悪いね、と頼んでおきました。


 「いってらっしゃいませ」と執事に見送られてノルと一緒に謁見の間に降り立つ。

 ナギ様! と聞こえたけど、ちょっと待ってもらう。

 三分の二ほど閉めた空間の入口の前に俺達だけが通れる結界を張る。そう、謁見の間の壁に空間が開いてるからね。


「お疲れの所申し訳ございません」


 いいよ、別に今日建てるものが明日になっくらい。俺も話しをちゃんと詰めたかったから。


 さて、最初に何を話すんだろう。

 どうやら魔物討伐と木材の整理の話しになるみたいだ。

「ナギ様。国境門を作る時、などと呑気なことを話しておりましたが、森全体をお願いできませんか?」

 国の森全部?

「はい。国として依頼いたします。そして森の整理もお願いしたいのです。冒険者たちだけではリスクが大きいです。後の管理はきちんと冒険者に依頼をしますが、今回はいないほうがいいですか?」


 うーん、どうかな。

 東の迷宮に入る時、Sランクが数人集まって同行させてくれといってたけど、迷宮の中は無理だよ。それに、俺達が見た状態なら、討伐する場所の街に近いところに結界を張ってからやる。そうでないと、スタンピードになりかねない。

 俺は凍結魔法を使うから広範囲に探れる。サンとソラも氷と光で攻撃する。フラットは水刃できるから、ある程度森を整理してからのほうがいい。違うか。フラットとオニキス、ノルは手足で狩る?


「そうだな。俺とオニキスも凍結できる。フラットは確認したほうがいいな。おそらく既に氷魔法も使えると思うぞ」

 そうなんだね。

 じゃあ、ステイタス見てみるよ。サンもできるかもしれないし。

 とりあえず、結界を張って討伐することになる。ある程度の距離から下は冒険者に頼んでもいいよ。でも、命を守るのは自己責任。それと討伐部位を取ればランクアップにもつながる。

 それは自由にしてね。うちにもSランクがひとりいるけど、俺達の討伐にはついてこられない。それは仕方がないよね。だから、孤児院のことか他のことをやってもらおうと思う。

 孤児院の敷地に、俺が雇う人たちのアパートも作ったし、その話しもあったんだ。

 

「魔物の討伐や木の整理などの依頼料はどうする? 魔物と木々はこちらでいいのか?」

 おっと、肝心なことをノルが聞いてくれた。

「どれほどの数がいるのでしょうか。国全体だと理解できません。ですので、終わった後、魔物の数、整理した木材の数などをみて判断いたしましょう。判断基準がありませんので、ご希望はありますでしょうか」

「希望? それは王宮が依頼するなら、と考えればいい。それを聞いて判断するのはこちらだ。普通の冒険者では無理なのは間違いない。どれくらいにする?」

 そうですね……あ、宰相が国王を見たよ。


「ナギ様。でしたら、魔物が三千頭、木々を間引くのが十万本として考えます。それで積算すれば、白金貨三万枚でいかがでしょうか。それ以上の数ならば、数により上乗せいたしましょう」

 ふむ、とノルが腕を組んで考えてる。

「なるほど。大門の建築費とほぼ同じだとの判断か。それで国中の魔物を狩れと? そして理にしたがって木を間引けというのだな?」

「……確かに、そうですね。短期間で国全体の森を整理してもらうこと自体、人を使って護衛をつければ、どれほどの日数がかかるかわかりません。その上、魔物を狩る。それも山頂までの間をと考えれば恐ろしく情けない考えでございました。では、白金貨十万枚を基準といたします。それで魔物の数、木の本数などがそれ以上となれば、上乗せいたしましょう。いかがでしょうか」

「なるほどな。全てにおいて言えることだが、本当に浅はかだな。それほど簡単ではない。簡単に判断するならば、各地の騎士団にでも指示をすればよい。それでも構わぬが、どうだ?」

「申し訳ございません。騎士団などはあてになりません。ぜひ、お願いいたします」

「ナギ、それくらいならどうだ。おそらく魔物は倍以上いると思うが、それは上乗せすると言うんだ、気にしなくていい。ストレージのリストを見せてやればいい。最終的に、ひっくり返ることになるだろうからな」

 カラカラ笑うノルは珍しいね。でも、おそらく増額になるだろうね。


 討伐に入るのは、数日中になると伝えておいたよ。

 ここからは迷宮の話し。


 孤児院の敷地を貰ったから、子どもたちの遊び場を作ることにした。それとは別に、人を雇い入れる。それは俺が雇う人。

 確かに孤児院の子どもたちを面倒見る人も増やさないとだけど、それは別に人を探すから。

 孤児院の職員は俺が給金を払うならば、国からも補助金という形ではなく、孤児院に国の子どもたちを入れてほしいと希望をだしてもらう。当然、それには費用もかかるよ。俺個人の持ち物である建物を使って人も提供する。

 そうでないなら、孤児院の院長、料理長、料理人、面倒を見る人、洗濯をする人、庭師、下男などは国に雇い入れてもらう。当然、子どもたちの服、働く者たちの服、などすべてを賄ってもらう。俺は建物を貸すだけ。それでもいいけど、と言えば、慌てたのは宰相だね。


「ナギ様。それは国としては無理だと思います。文官や侍従が出ていって、何かをなせるわけではございません。その上、そうなればおそらく貴族が関わりを持とうとするでしょう。私も陛下も確認に出向くことができないので、すぐに孤児院自体が立ち行かなくなります。どうか、ナギ様にすべてをお願いしたいのです。それも含めて、補助金とは別に依頼料をお支払いします。どれほどの設備かわかりませんが、おそらく、国では用意できないほどのものでしょう。一度見てみたいものですが」

 そうなの?

 ええと、見られないかなぁ。

 

 どうすればいいんだろうか。そうだ、空中にカメラみたいなものができないかな。魔法でできれば、誰にも見られずに映像が取れるよね。

 投影とかいうスキルはできないかな。

 そのままイメージしてみようかな。


 指定した場所の映像をストレージの中に保存できる。ストレージからモニターに映像を映すことが可能。同時接続可能にしてほしい。例えば、孤児院の外観を投影したり内部を投影したり。アパートの空室部分を投影したり。保存されたそれを、王宮のモニターに映し出すスキルが欲しい。

 モニターは別に作ったほうが良ければ、もう一度お願いしたいです。その要件が満たされるならば、多少の不具合は調整してください。


(クリエイト)


 ブワッと光ったのは、ソファテーブルの上と俺の身体です。

 テーブルの上にはどうやら大型のモニターができてるみたい。もう半分は出来上がったので、理解した。

 ストレージの中はどうなのかな。

 リストを見てみれば『投影』というファイルができてるよ。これ、日付とか場所はでるんだろうか。後で確認しないとね。


 それから数分でできたみたい。

 じゃあ、早速使ってみようかな。

 

(投影)


 おっと、ファイルの中に孤児院のファイルができたよ。

 これはすごいね。

 でも、外部は見えないかな。もう暗いだろうし。

 モニターはどうやって使うのかな。ええと、ここに魔力をいれるのか。じゃあ、充填しましょう。

 すぐにピピッと緑のランプがついたね。

 どうやって使うんだろうね。

 ええと、投影ファイルをひらけば、今日の日付と再生マークがある。これ、ネットの映像サービスと同じだね。


 じゃあ、モニターのスイッチをいれて、この三角を押してみようかな。


 あ! ちゃんと映し出されてるよ。あはは、すごいね、面白いよ。

 モニターをテーブルの端の、見えるであろう場所においてみた。

 そして再生ボタンをタップ。

 おお、出てきたね。

「これは。ナギ、これ孤児院だろ?」

 そうだよ。宰相、陛下、確認してね。

 あはは、無言で頷くだけだね。

「これは……素晴らしですね。孤児院とは思えません」

 そうだよね。どこかの館みたいでしょ。


 映像は続いてる。

 外観は明るく映し出されてるね。何かあるんだろうけど。

 そのあとは、玄関を入ってホールが映る。

 そして中に入れば、子どもたちがワイワイと楽しそうだ。リリたちの姿もあるね。

 調理場では料理長たちが忙しそうに動いてる。魔道具なども確認できるね、これなら。

 そして、院長室です。

 中では長が何かを書いている。

 日記かな。それとも報告書?

 うん、真面目に役目を果たしてるよ。そのまま応接を通って寝室から風呂に向かったよ。そして対面にある打ち合わせ部屋。そして応接エリア。フリーエリアも広く、ベランダも見えるね。

 次はなんだろう。

 おっと、使用人たちの部屋を通って洗濯室に向かったね。

 洗濯の魔道具や手洗いシンク、作業台なども綺麗に映ってるよ。

 そして洗濯物を干すところ。ここは本当に良いエリアになりそうだね。そして外には庇があってデッキがある。

 次に映ったのは奥の畑だね。もう仕切ってるんだ、すごいね。

 そのあとは、街道沿いにある花壇のエリアだよ。端に空いてるのは果実木を植える所かな。


読んでいただきありがとうございます。


久しぶりの魔物討伐の依頼になりそうですね。

迷宮ではなく、森の中には何がいるんでしょうか。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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