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149 人の生きる道はそれぞれで決めるべきだよ。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 それぞれに話しを聞いたよ。

 みんな、普通の仕事をしてたみたい。荷運びとか壁を塗ったり、石を貼ったり。他には商店の荷物の積み下ろしの人足だったって。野菜を作っていた農家の人もいたよ。

 この人たちなら、ゴミ集めでも頑張ってくれそうだね。


 試しに、どんな仕事がしたいのかと聞いてみたんだ。

 そしたら、全員が何でもするって言ってくれた。今までのことを考えれば、働けるだけでありがたいって。

 それに、ゴミを集めるのも、袋に入ったゴミだしね。人数の調整がいるときは、野菜を育てるのを手伝ってもらってもいいよね。


 今、受けている依頼があるけど、それに関連した仕事がいろいろある。極端な話しだけど、俺の関わる施設では、ゴミを決まった袋に入れて、決まった場所に出してもらう。それを荷車で集めて焼却場をつくるからそこまで運んでもらう仕事や、焼却場にゴミの袋を入れて魔道具で火を付ける仕事。もちろん、灰の始末もあるよ。

 あと、それに付随して、ゴミを燃やした熱でお湯を沸かして公衆浴場も作るつもり。そこの掃除やお湯の入れ替えなんかも仕事になるね。他にもいろいろあるから、結局はゴミを燃やしたり、灰の掃除なんかは奴隷になるかもしれない。それでも足りないんだよ、働き手が。だからできたらその辺り、俺の作った施設関連の仕事を請け負ってほしい。おそらく、元冒険者たちはその施設を警備してもらうことになると思うんだ。全員じゃないかもしれないけど。


 どうかな?


「それはありがたいです。ナギ様に雇っていただけるということですか?」


 その方がいいと思う。その代わり、休みの日以外はのんびりできないと思う。でも、間違いなく感謝される仕事になる。国も関わってくるから。俺が雇うなら、孤児院の食堂で朝晩は食事を提供する。それと、あっちに作った集合住宅に住んでもいい。最低限のルールは守ってもらいます。


 ありがたいです、と皆嬉しそうだね。

 でも、ここで釘をさしておきましょか。


 俺はアルム神様の使徒だから、感謝して働けない人や無駄な争いを好む人はダメ。俺が判断して、人のためにならないと感じたら、辞めてもらう。

 街の中でいろいろ言われることもあるかもしれない。でも、それに乗っちゃダメ。あまりにも酷いときは長に連絡する。俺に連絡してくれるからね。そうなったら、俺と眷属たちが出ていって話しをきいて善悪を判断する。

 それでいい?


 ありがたい、と全員が大きく頷いてくれた。

「それで、いつから働くのでしょうか」

 ええとね、仕事があってもなくても、休みの日以外は朝、八時には朝食かな。多少の変更があるかもしれない。朝は孤児たちと一緒に食べることになるかもしれない。

 昼は其々で何かを食べて。夜は夕方時間を相談しておくから。 各部屋にシャワーがあるから、毎日綺麗に保ってください。領民や旅の人と会うことがあるから。

 後は、思いついたら話すよ。俺が国外にいるときは長に連絡するから。

 そう言えば、嬉しそうに頷いていた。


 じゃあ、荷物を持って、あっちのカームアパートに行って。アパートっていう建物だけど、カームは俺が名前をつけたんだ。そうだ、孤児院の名前をつけてないよ。あはは、明日だね。

 そう言えば、皆が笑った。


 とりあえず、明日銀貨一枚ずつ渡すから。

 それは遊んだり酒を飲んだりする金じゃない。仕事を始めれば、昼も食べないとでしょ。それと、仕事によっては着替えも必要になる。


 そう言ったけど……

 もしかしたら、決まった服を作る方がいいかな。でも、依頼が終わらないと決まらないよね。俺の雇う人たちには用意した方がいいかな。自覚も出来るだろうし。うん、そうしようか。ノルに相談してみようかな。


 ノルが戻ってきて、お年寄りは一階で落ち着いたらしい。一階はそれだけで、他の人達は二階から上にしたらしいよ。うん、それでいいよ~

 

 じゃあ、孤児院に行こうか。

 料理長と食事時間のことを話しておきたいから。


 ノルと一緒に迎えば、子どもたちはわいわいと騒いでるみたいだね。

 明日は、本やおもちゃなんかも用意しないとね。あとは、洗濯屋さんと相談して、洗う場所、干す場所などを相談しよう。アイロンも作らないとね。

 

 他には、小さな店舗と鉄と木工の作業場が必要。そのエリアを分けたいから、子供たちの遊び場を作ろうかな。どこかで仕切ったほうがいいと思うんだけど。

 あとは王宮へいって、最終的な話しを聞かないとね。

 仕事がまだ決まってないから、いろいろやってもらおうかな。庭師の手伝いもあるし、花壇も作るらしい。あとは畑を作るからね。うーん、じゃあ、畑は奥がいいかも。手前に子どもたちの遊び場だね。洗濯屋さんは、今の洗濯エリアを利用して作ろうか。

 それもいいかもね。

 縦に伸ばして建物を建ててもいいけど。今のにくっつければいいでしょ。明日外から見てみようか。


 

 孤児院の料理長と使用人たちの朝食と夕食のことを話した。

 子どもたちは、朝食が八刻、夕食は六刻半からなので、大人は時間を変えることにした。

 朝食は七刻から八刻まで。夕食は六刻半から八刻までにした。もし、仕事の都合で遅くなる場合や夕食がいらないときは、事前に申告する。急に変更があった場合には、誰かが報告に戻るか、領主の館で連絡をお願いする。そんな風になりました。

 それでも、突発的なこともあるので、そのときは臨機応変に。


 ありがたいことに、今雇い入れることが決まってる人には、今夜から食事を作ってくれるらしい。どうやら、屋敷の料理長がいろいろと俺の作ったレシピを渡してくれたらしく、今夜はオークカツ丼らしい。ふふふ、すごいね。



 ノルと一緒にアパートへ向かう。

 結局、冒険者のリーダーはどうなったの?

 どうやら、まだ返事を聞いてないらしい。なら、今はどこにいるのかな?


 アパートの前に皆がいた。

 なにか話してるみたいだね。

「なんでだ。ここで雇ってもらえなかったら、スラムを出たからと言って、すぐにはどこも雇ってくれないぞ。それに、しばらく剣も振ってなかったんだし、辞めとけ」

 何の話だろう。


「どうしたんだ。何の話だ」

 おお、ノルが威厳を持って聞いてるよ。

「……俺のことだ。俺もここで、と思ってたが。そのガキに雇われるのは嫌だ。その姿を見て、俺より強いなんで信じられん。まして、様呼びなんてできるか。だから俺は1人でスラムを出る。護衛専門の所ができると聞いたから、そっちに行く。長に世話になったと伝えてほしい」

 なるほどね、そういうことか。

「わかった。自分が決めたことでしょ。それなら別に問題ない。他のみんなはいいのかな。俺みたいなガキに雇われていいの? 今ならまだ間に合うよ。さっき打ち合わせしてきたけど、食事の時間も決まるし、俺の雇った人っていうだけで、身の回りもちゃんとする必要がある。真面目に精一杯仕事をして当然だと思う人だよ、俺。だから、しっかりやれない人には意見も言う。それが気になるならここにはいられない。悪いけどすぐに決めて。そうでないと、これから作るものに関係があれば意味がない。どうする?」

 そう聞いてみた。

 わざとだけど、ここでハッキリしてもらわないと後が困るからね。

「俺はここで雇ってもらいたい。洗濯をさせてもらって、店も開ければ利益が子どもたちのためになる。スラムの子たちにも何かしてやれる。俺達兄弟は、このまま使ってください、ナギ様」

 うん、ありがとう。お願いします。

「俺もお願いします。魔法使いとしても働けるし、洗濯屋の手伝いもできる。この先の人生をしっかり生きていきたいから」

 もちろんだよ、ありがとう。

「俺らも同じだ。鉄の仕事ができる。配管の仕事もできる。精一杯働きたい」

 ありがとうね。助かるよ。

「儂ら年寄りと言われてる人間さえ、木の仕事をもらえる。まだまだ働けるとアルム神様がいってくれたんだ。当然、ナギ様の依頼だけじゃなく、作れと言われるものはちゃんと作る。頼む、仕事をさせてほしい」

 本当に嬉しいよ。お願いね。

「俺達、普通の仕事しかできないけど、力仕事なんかはいろいろやった。それを生かして何でもやる。専用のゴミの袋に入ったゴミを集めることも、国からの依頼だ。それに公衆浴場も忙しそうだ。何でも頑張りますので、仕事をください」

 当然だよ。給金は街のことを調べるからね。恥ずかしくない仕事をしてくれれば対価は払うから。もったいないよ、しっかり働けるのに、みんなで頑張ってほしい。


「そうらしいぞリーダー。皆の決心を聞いてもお前はナギに雇われるのは嫌か?」

「……そ、そうだな。俺は無理だ。考え方が違いすぎる。せっかく言ってくれたが、別の生活をするつもりだ。みんな、今まで世話になった。俺は剣士に戻る。街で会うこともあるだろう、そのときは話そう。悪いが、長に話しておいてほしい」

 そう言い残し、リーダーは出ていった。


 そう言いえば、荷物も持ってなかったね。

 最初からそのつもりだったのか。

「ナギ様。悪いな、こんな事になって」

 長……悲しそうだね、すごく。

「あいつが自分で決めたんだ。それに対して俺は何もいうことはない。だが、他の者達は世間を知った。スラムにいると言うだけで世間の扱いは変わった。人のズルさも見た。以前はズルい部類のやつもいたが、人一倍辛かったんだろう、人として変わった。だから、ここにいる奴らは頑張ると思う。俺も含めて、よろしく頼む!」

 あはは、長に気を使わせたな。


 リーダーは今夜、スラムに戻るんだろうね。

 それは自由だからいいんだよ、別に。今日決めてくれて良かったよ。


 さて。

 今から新しい生活が始まります。今夜から食事は食堂で食べられるよ。あとね、木の加工場と鉄の加工場だけど。広さとか道具とか、部屋割りとか教えて欲しい。何が必要?


「作ってくれるのか?」

 当然だよ。仕事する場所がないと作ってもらえないでしょ。

 明日、王宮に行って最終的な話しを詰めてくるから。道具も必要なものは言って。あと、森の木が密集してるから、それは切ろうと思うんだ。乾燥はノルがしてくれる。板や柱に引くのは俺がやるよ。今決まってる仕事はある程度、決まってくるからね、材料はたくさん作っておこうと思うんだ。

 

 それなら明日の朝、書面にしてくれることになった。

 じゃあ、スケッチブックとペンの新しいものを渡しておきましょう。鉄の部材はどうするのかと聞かれたので、やりやすいようにと話しておいた。ただ、子供たちがいるから、鉄の平板なんかだと、作ることはできないだろうし、仕入れることになるかもしれない。必要な部材を仕入れるようになればいいと思ってる。

 

 わかった、と言ってくれたが、できれば作るものがわかったほうがいいらしい。まあ、そうだよね。

 それなら先に話してくるかな。

 

 朝食と夕食のことはノルが話してくれるって。

 あとは、明日からの費用。銀貨を人数分ノルにあずけたよ。街に出れば安いものはたくさん売ってるから、なんとかするでしょう。


 俺は宰相と話すために屋敷に戻ります。

 小さい応接間に空間を開いてくれてるからね。俺達と屋敷の人間しか通れない結界だから、あとでノルは来るらしい。

 どうやら、リネン類はアダムス商会から届けられたらしい。

 食事の時と仕事中は酒は禁止だとも話してくれるって。朝食までに必ず食堂に集合する。それは毎日の決まり事。

 その辺りはノルに任せておきましょう。

 

 

「お帰りなさいませ」

 ただいま~

 安定の出迎えにホッとするよ。


「ナギ、おかえり~」

 ただいま。サンとソラは?

「お昼寝中だよ。もう夕方が近いけどね」

 そうだね。

 

 はぁ、少し疲れたよ。

 何かあったのかと聞かれたので、元冒険者のリーダーが出ていったことを話した。

「ふうん。バカだね。人はそれほど甘くないと思うよ。僕だって、人型でいれば人間だと思うだろうけど、シルバーウルフの姿になれば魔物扱いになる。今はナギの眷属だから大丈夫だけどね。それほど変わるんだから。スラムを出たから仕事ができる、なんて無理だとおもうけど」

 すごい、フラットが大人だよ。

 かっこいいね、ちゃんと世間が見えてるじゃないか。アルムおじいちゃんから聞いた通りだね。頼りになる弟だよ、本当に。


 フラットは理解してくれるんだ、といえば当然でしょっと笑う。人型になっても、フラットだよ。この子は優しい子だ。


読んでいただきありがとうございます。


リーダーは大丈夫でしょうか。

本当に、それぞれが決めて生きるから結果は自ずと出るでしょう。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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