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146 アルムおじいちゃんからのありがたいお返事がきたよ。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 さて。

 お腹もいっぱいになったよ。

 少し昼寝したいくらいだけど、その時間はないね。


「ナギ、お前休まなくて大丈夫か?」

 あはは、ノルにはバレてるね。

「本当ならお昼寝するけど、今日は無理でしょ。だから悪いけど側にいてくれる? サンとソラもお昼寝するだろうし、一人じゃ面倒見られないから。乳母車でいいかなぁ」

「俺が聞いてみるが、鞄の方がいいだろう。それなら俺がかけておける。そのままで待ってろ。間食はあるか?」

 うーん、蒸しパンが二十個くらいあるかな。それ以外はおにぎりがあるよ~

 そう答えれば、わかった、と離れていった。


 はぁ。空腹状態で孤児院建てちゃったのはやり過ぎたかな。でも、魔力が滞った感じはなくなったから、身体は軽いよ。

 お昼からはハルトとオニキス、フラットはスラムの引っ越しかな。 俺は、王宮の依頼の実験として、アパート建てようか。もう、アパートでいいよね。呼びにくいもの、集合住宅って。王宮は知らないけど、うちのはアパートにしよう。名前が必要かな。じゃあ、前世の言葉に頼ろうか。ナギという名前は気に入ってるから、そのまま行くか。だが、ナギだと敵認定されそうだから。

 じゃあ、『凪』はカームだっけか。

 このあたりの人には意味もわからないだろうから、『カームアパート』でいいか。うん、意味は分からなくていいからさ。

 決めたよ、そうする。

 

 ピコン!

 あ、メールかな。

 おじいちゃんからだぁ~


 ++++++++++

 ナギ殿


 楽しんでいるようじゃの。

 お前が生き生きしている姿を見るのは幸せじゃ。

 

 質問じゃな。

 まず、ユリアロウズに関わらず、建物の中から他国の建物の中との虚数空間魔法は使えるのじゃ。じゃがの、孤児院とユリアロウズ国の屋敷とを繋ぐ時など、距離がある場合はスキルでは無理じゃ。そういうときは虚数空間魔法じゃな。

 魔法で繋げば良い。

 ただし、どこか決まった部屋にして、そのためにだけ確保できる場所がよいじゃろう。もしくは、その都度魔法を使うかじゃ。それならば、その時だけ使う場所を決めておけばよい。今日お前がフラットの空間を開いて結界を張ったようにな。

 孤児院の中に、ひと部屋確保できれば良いのじゃが。

 空間を繋いであるところは見せておるじゃろ。それと同じことじゃと思わせればよい。その部屋はお前たちだけ入れる。当然、空間や他の屋敷とつないだ時には強力な結界を張るのじゃ。出入りはお前と眷属のみじゃの。そうじゃ、メンバーができたか。あやつにも他言無用を言い渡せばよい。もし、話せば森の中で塵になるか、見知らぬ国に放り込まれるだけじゃ。その前に、メンバーでもなくなる。それほどの枷はかけよ。

 お前も小さなものなら空間を使えるじゃろうが、もう少し待つのじゃ。なに、それほど長くはない故な。

 フラットほどのレベルがあれば良いが、今、成長中であるお前は、今少し待つことじゃ。おそらくじゃが、トランサル王国の依頼中には可能になる。良いな、儂との約束じゃぞ。虚数空間に巻き込まれたら、お前の命はない。当然、眷属たちも道連れじゃ。お前とは血で繋がっておるからの。

 お前なら大丈夫じゃろう。

 空間が使えるようになれば、その使い方も教える故、便利になる。

 約束じゃぞ、ナギ。


 フラットの空間をユリアロウズの屋敷に繋ぐことはできるの、今までと使い方は同じじゃ。お前の虚数空間との協力ならばできる。王宮から孤児院に向かうなら、フラットの空間から虚数空間のスキルを使えば、孤児院の中につながるのじゃ。ユリアロウズの屋敷と他国からつなげるならば、やはりお前の虚数空間魔法が良いの。

 今回のような場合、ユリアロウズに屋敷があれば、こちらでフラットの空間に入って、あちらの屋敷と虚数空間魔法で繋げばよい。その国内くらいなら、フラットは自由に移動できるのじゃ。

 次々能力は増える故、心配いたすな。

 

 トランサル王国の依頼はかなりの仕事になる。

 じゃが、それ故お前は成長できるのじゃ。眷属らも成長するであろう。何より、人の暮らしを理解できる。その上、話し方、態度などを考える様になるじゃろうの。

 

 洗濯屋は良いじゃろう。それに、王宮の依頼に関して、年寄りに仕事をさせてやればよい。まだまだ働ける奴らじゃ。木箱と鉄の金具でゴミ箱とやらも作れるじゃろう。その時、本体の内外に防水加工をするのじゃ。クリエイトで問題ない。そうすれば、水にも強いからの。できれば、防炎もつければよいじゃろ。ならば、不当に火をつけられることもない。

 特に屋台などで食事をするものも多くなる。観光地にもなるじゃろう。ゴミ箱は必須じゃ。前からゴミを入れる作りが良いの。ならば雨もたまらぬじゃろう。小さな扉をつけても良いの。ポスト、じゃったか。ああいう形も良いじゃろう。それ以外ならば、前世の高い道路にあった休憩所のゴミ箱も良いの。まあ、いろいろお前が考えて作ればよい。


 それと、森の木を間引く方法じゃったか。

 簡単なことじゃ。スキルをクリエイトすればよい。お前の前世に『間伐』という作業があったであろう? それをスキルにするのじゃ。スキルを使うときに、太陽が降り注ぐように、細かい枝を切って足元を広げるように、など、用途を指定してスキルを発動すればよいじゃろ。森の木に関することは『間伐』じゃの。

 その木を使うならば『製材』スキルじゃろうの。

 木を乾燥するのはノルがやるじゃろ。適任じゃ。お前がスキルを作っても良いが、やれる者がおるなら任せよ。

 そのあと、板にするのはお前の『製材』じゃ。柱も作れる、板も作れるからの。細かいものを切り抜くならば『切り抜き』スキルをクリエイトじゃ。これは板に限らず使えるじゃろ。食材でも鉄でもミスリルでも。もっと言えば、お前が作品を作る時があれば、何か印を作るじゃろう。その場合は、魔導具を作っても良いが、お前ならば『焼印』などという面白いスキルも良いじゃろう。お前がいろいろ遊べるからの。そのように、いろいろ楽しめるように考えての。

 屋敷のことは使用人たちに任せればよい。

 食事のことも気にせずとも良くなった。大食いの食事は大変じゃからの。

 これからは、自分のために能力を使うことも考えよ。 

 身体がつらい時ならば、スキルを作って作品を作るのもよいな。部屋やテラスでできるじゃろ?

 宝石でも木でもミスリルでも。

 楽しいことは山盛りじゃ。

 楽しむのじゃ、ナギ。儂の使徒としての行動は頼むことになるが、着々とホーム、じゃったか? あれができておる。

 気を楽に持って、依頼を受けるのも良し、モノを作るでも良しじゃ。

 迷いがあるときは、いつでもメールをな。

 儂も楽しいのじゃ。お前からのメールが来たらもっと楽しい。儂もお前と共に楽しんでおるぞ。


 長々とすまんかったの。

 ならば、この後も頑張れ。

 ただし、トランサル王国の国王や息子たちには甘い顔はいらぬ。宰相を上手く使えばよい。


 じゃあの、ナギ。

 また話そうぞ。


        アルム爺

 ++++++++++


 うわぁ~

 すっごく詳しく回てくれたんだ。

 でも、虚数空間って、相当怖いんだね。まあ、そうだよね。存在する空間を端折るんだもん。それも、俺の望む場所だけ。

 これはおじいちゃんの言いつけを守ろう。絶対だな。

 それに眷属たちも守らないとだし。

 

 あと、スキルをクリエイトして楽しめばいいんだ。うれしい~

 じゃあ、この後も頑張ろう!


「どうした、メールか」

「あ、ごめん。待ってた? そう、アルムおじいちゃんからのお返事だった。さて、動こうかな」 

 これ、と出してくれたのは保存容器だね。

 これ、おにぎりと蒸しパンだ~

「料理長、ありがと!」

 笑顔で返してくれるんだ。嬉しいなぁ。

「ちびっこたちのは別にあるぞ」

 そうなの、ありがたいね。

 あ、鞄にいたのね。

 あとでおやつの時間にね。

 は~い、と二人は中に引っ込んだよ。絵本と冒険譚を持ってるね。あはは、楽しい。


 

 じゃあ、作業開始だよ。

 長、荷物を持ってくる? あとね、他の人達も連れて来てほしい。鑑定させてもらうよ。

 オニキス、一緒にね。

 フラットはこの裏側の森の様子を見てきてほしい。

 わかった~


「あの! ナギ様」

「ええと、洗濯の人?」

「相談があるんですが……」

 いいよ。少し待ってて。


 じゃあ、それぞれ行動開始だよ。お願いね~


 そうだ、入り口だけ結界を張り直そう。

 悪人以外は通れる結界にしたい。大通りに面した部分だけ結界を張りたいです。


(結界)

 

 おお、一瞬でできたよ。

 これで大丈夫だね。

 とりあえず、安心だ。

 

「ナギ様!」

 あ、アダムさんだ。


 そうだ、洗濯の人は残ってるんだね。あ、違うか。他にもいるんだけど。じゃあ、応接室に行きますかね。


 ノルに告げて移動します。

 アダムさんの職員さんは荷馬車と一緒に入ってきたよ。そうだ、荷馬車が入ることも考えないとね。

「アダムさん。商品ですか? すみません、職員に話しますので引き渡してください。俺たち、応接室に行きますので、アダムさんも時間が空いたらお願いします」

 わかりました、と頷いてくれたね。

 話してくる、とノルが駆け出してくれた。

 俺はゆっくり行くよ。だって、急いだって仕方がないでしょ。


 はぁ、とソファに座れば対面にみんなが立ってるけど。

「座って。話しがあるんでしょ」

 はい、と恐る恐る座ってる。なんでなの、面白すぎでしょ。


 それで、何かな?

「お願いがあります」

 はい、なんでしょうか。


 どうやらこれからのことらしい。

 洗濯の二人は洗濯で雇ってもらえないかと言う。

 まあ、洗濯物もたくさんあるだろうからね。

 庭師の人は、庭はどうするのかと。できれば木を植えたり、花壇を作って花を育てたり、畑を作っていいなら野菜も作るって。

 それはありがたいね。

 後は、鉄の職人さんだけど、仕事はないかと聞かれる。作業場はないけどって寂しそうだね。

 うん、全部大丈夫だよ~


「わかった。じゃあ、全てに答えるよ」

 まず、洗濯の二人だけど。

 ぜひ、洗濯で来てほしい。それともう一つ重要なことはね、洗濯屋をやろうかと思ってるんだ。外の人から洗濯を請け負うの。アイロンは使える?

 どうやら使えるらしい。

 じゃあ、大丈夫だね。

 最初は少ないだろうけど、冒険者が増えると思う。みんな浄化ができるわけじゃないからね。たとえ使えても、俺はシャツとかは洗いたい派。数はたくさん望んでないんだ。孤児院の子どもたちや使用人たち、長たちの洗濯が優先だよ。子供の服でも、アイロンがかかってたら綺麗だものね。

 あ、アイロンは魔導具を作るからね。熱じゃなくて蒸気をつかう。蒸気の熱でアイロンするんだよ。でも、蒸気はかなり熱い。だから火傷に気をつけて使ってほしい。その方が服も長持ちする。鉄を焼いた熱でアイロンすると、生地もダメージが大きいんだ。

 外の人の洗濯を引き受けることもやるってことだから、手順は教えるよ。他人の洋服が混ざらないようにする方法とかね。

 そして、アイロン後の洗濯物の粗熱を取って畳んで袋に入れる。アイロンがいらないって言う人もいるかも知れない。冒険者とかね。そういう時の干し方も教えるよ。

 うーん、それなら、建物の中のエリアだけで足りるかな。手洗い洗濯になる服も出てくるからね。ただ、出来上がりを引き渡す小さな店舗は造るかな。それでいい? ええとね、孤児院ではあるけど、今度造る集合住宅に入ってもらう。使用人扱いでいいかな? それでいいなら、家賃もいらないし食事は孤児院で使用人たちと一緒にどうぞ。

「そ、それはありがたいです! では、ナギ様に雇ってもらえると言うことですか?」

「そういうことだよ~」

 最初はないだろうけど、洗濯の仕事が動き出したら、預かる商品とか洗い方、混み具合で納期や金額が変わる。だけど、その利益は子どもたちの孤児院で使われるんだ。おやつが増えたり、絵本が買えたり。

「ならば、仕事をさせてもらって、孤児たちを助けられるということでしょうか」

 そうだよ。ここでやる商売は全て子どもたちのために使うから。スラムの子たちも王宮に話して、数を認識してもらう。少しだけ補助金が出るからね。それに、現状を知らせないと、王族や貴族はのんきすぎるからさ。

 すごい……

 あ、みんな、固まったよ。あはは、素がでちゃった。


「それでは私達二人はお願いしたいです! あの魔導具の使い方も教えて下さい!」

 わかったよ~

「じゃあ、次は俺ですけど。庭師として雇ってほしいです。下男としても働きますので、ぜひ、お願いします!」

 うん、それはありがたいかな。


読んでいただきありがとうございます。


心強いですね、アルムおじいちゃんは。

お陰で迷わず進んでいけるナギです。でも、いつか、何かが起こるんじゃないかと少し心配です。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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