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141/202

141 孤児院のことが動き出すよ! ついでに辺境のこともちょこっとね。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 とりあえず、最初の疑問。これはブルックスが侍従を連れてくるかどうか、だね。孤児院に侍従は雇わない。それならば世話人を増やす方がいい。住み込みになってもいいように、二人部屋をふたつくらいは作っておきたい。

 給金は西の孤児院と王都に聞いて決める。

 スラムの子どもたちは、もちろん鑑定はするけど、基本的には子供だから国から要請してもらう。

 それに伴って、補助金などは子供たちの人数で計算してもらいたいと話すつもりだ。当然、子供たちの増減によって補助金も変わる。一人くらいなら問題ないけどね。


 それ以外に、俺が絶対許可しないこと。

 それは、子供を売ること。

 人がほしいから子供を買いたいという貴族がいるらしいけど、絶対にさせない。人間は売り買いするものじゃない。だから奴隷を買うのも好まないけど、奴隷落ちしている人にもよる。犯罪奴隷は問題外。だけど、親の借金や口減らしなどで奴隷になった人で、特技とかスキルを持っているなら買ってもいいと思う。

 だけど、孤児院の子供には絶対に許可しない。

 例え相手が王族でも貴族でも。それは国にもハッキリいう。貴族に通達するようにって。


 なるほど、と皆が頷いてくれた。

 賛成だといってくれるのはありがたいね。


 じゃあ、明日も忙しいけど、お願いします。

 ノルは俺の側にいるといってくれた。大きな魔法を使うから、いつ体調が悪くなるかわからない。だからだって。

 フラットは、子どもたちのことを頼む。別にエリアを確保するから、そこでサンたちと見ていてくれていい。子供が興味を持って出てこないように、結界も張るからと頼めば、楽しいからいいよ~と返事がきたね。


 

 

 いいお天気でよかったよ。

 今日は孤児院の再出発の日。

 邪魔が入らないといいけどね。

 

 ソラ以外は全員が早起きしたね。

 食事をとり、ひと足先にデザートに移行した俺は、水晶板でブルックスに連絡します。

「おはよう、ブルックス」

『おはようございます、ナギ様。本日はよろしくお願いします』

「こちらこそ。それでね、今日は少し段取りが代わるよ。フラットじゃなくてオニキスに迎えに行ってもらうから。ちゃんと結界を張るからね。距離があるから一番はやく飛べるオニキスに頼んだんだ。俺は忙しいから。こっちで料理長に判断してもらうから」

『了解いたしました。お時間は?』

 どう、オニキス?

 三十分くらいで出かけるらしい。

「半刻くらい先に出発するって。どこに降りられるのかな?」

『領主の館の庭にお願いします』

 了解~


 探索して行ってくれるって。オニキスだから、だよね。 

 あの、不遜な態度がいいかもね。初対面の人たちだからビビってもらうかな。


 あとはアダムス商会に連絡ですね。 

 そろそろ孤児院に到着するらしいから、そのときに紙を受け取るって。

 大変じゃん、それ!

 慌ててソラの弁当やおやつ、自分のおやつも受け取りアイテムボッスに入れたサンは、眠ってるソラがいる乳母車に乗り込んだ。

「時間がないから、門を孤児院につなぐから」

 すごいね、ナギ~

 何いってんの、フラットの空間があるからだよ。

 そう告げて、東の辺境の孤児院の庭につなぎたい。


(虚数空間)


 ブワッと光った眼の前には、イメージで飛び込んできた孤児院の庭がありました。

 やった、成功!

 ドヤドヤと空間から出た俺たち。しっかりと入り口を閉めたよ。


「おはようございます、皆様」

 おはよう。朝ごはんは食べた?

 どうやら、みんな食べてるらしいね。


「ナギ様!」

 誰? あ、アダムさんだ~

 結界を入り口の分だけ開けました。

 おお、と驚いて入ってきたよ。

「おはようございます、本日はお世話になります」

「こちらこそです。子どもたちが今食事中ですので、とりあえず注文を。これは俺の屋敷の分なので」

 すぐにご用意いたします、と職員が駆け戻っていったよ。

 あ、荷馬車がいるんだね。

 

 それで、どちらに建物を? と聞かれるので、どうするかと思ってるんだと伝える。

「おはようございます、ナギ様」

 ええと、フルレットだね~

「おはよう。早くからごめんね」

「いえ、領内に孤児院をと言ってくださるのです、飛んできました」

 あはは、そうなのね。

 結界を解除すればいいとノルに言われたので、そうだね、と解除した。

 ハルトはスラムに行くと駆けていったよ。元気だね、本当に。


「今日は何から手を付けますか?」

 そうだなぁ。

「とりあえず、引っ越し荷物を作りましょう。まあ、個々のものだけですけど。そうだ、ノル、食事が終わり次第、給水器を運びだしてくれるかな。子供の遊ぶエリアを作りたいから、そこにテーブルごとおいてほしい」

 わかった、とノルは中に入っていった。

 

 とりあえず、俺も中に入ろうか。

「ナギ、食事は終わりそうだ」

 わかった、とどこにするかな、と考える。この後ろ側にある塀はいらないよね。

 塀は壊していいと聞いたので、やってみましょう。

 建物の裏にある塀を消したいです。


(削除)

 

 ふっと塀が消えたよ。

 あはは、すごい、楽しいね~

 じゃあ、大通り沿いがいいかな。大通り沿いを奥の方までへいで囲むか。とりあえず建物ごと移動してもいいけど、いらないよね。

 木の枝を拾って、線を引こう。

 このあたりからここまでだね。

 線の部分に土魔法で高さ一メートルの塀がほしい。入り口はひとり通れる分だけ。


(クリエイト)


 ブワッと光った地面は一瞬で塀ができた。

 ここなら安全だね。入り口は枠をつけようか。それなら結界を張る時便利だし。

 入り口部分に枠をつける。床は一段上げて土魔法で床を作りたい。

(クリエイト)


 シュン! と一瞬だけ光ったら、できてました。

 

「ノル! こっちに場所を作ったから。移動してもらって。リリたちも一緒にね」

 了解だ! そう聞こえて、その手前に小さめのエリアを作ろう。

 同じやりかたで床はいらない。大きさは幅は同じで奥行きは三メートルくらい。

 

(クリエイト)


 ホワッと光っただけだったよ?


 おっとできてるね。

 それなら、奥の場所は床を綺麗に浄化して、床材くらいに固めに掃除がし易いようにしてほしい。


(クリエイト)


 あはは、光る間もなかったよ。


「アダムさん、フルレット。手前の部屋にテーブルだすから。リリ! 子どもたちは奥の部屋ね。あ、シートがあればよかったかな。アダムさん、あのままでいいですか? 服のサイズを図るんでしょ?」

「大丈夫ですよ。子供服は、おおよそのサイズが決まっています。なので身長と胸幅で判断します。多少は調節しますが」

 そうなの? 知らなかった。俺はいつもドールーハに作ってもらってたから。


 子どもたちがフラットと一緒にやってきた。

 ノルと一緒に給水器の移動だね。テーブルを先に持っていったのはフラット。そして、さすがだよね、ノルが給水器を担いで行っちゃった。

 あはは、力持ち~

 子どもたちは楽しそうだね。

 

 野営のときに使うテーブルと椅子を出して座ります。

 乳母車は隣だよ。

 サンも行ってもいいかと言うので、許可しました。フラットにも念話したから大丈夫でしょう。どうやら子どもたちと同じくらいのサイズになるみたいだね。


「これ見てくれるかな。一応、簡易の図面。まだブルックスは来てないけど、そろそろスラムの人も来ると思うんだ。みんな仕事がしたいけど、スラムに住んでると言うだけで雇ってもらえないんだって。どういうことか理解できないけどね。元、料理人が来るらしいから、西の辺境から来た人と同じで鑑定して、問題なければ料理長の料理チェックだよ。安くて美味しいものを作って欲しいから。子供の身体を考えて作らないと、大きくなれないでしょ」

「なるほど。そこまで考えておられるのですか。素晴らしいです」

「別に、当然のことだよ。ただね、王宮からくる騎士たちとかはしっかり食べて力仕事もしてもらうよ。そうでないと、必要なくなるからね。侍従は連れてくるのかな?」

「さて、聞いておりませんが。おそらく連れてくると思います。でも、困りますね。孤児院のことに関わらなくてもおきますか?」

 フルレットが懸念事項をいってくれる。

「それ。俺もそう思うんだ。ブルックスのために、侍従の面倒まで見られない。金を出しますといっても、料理をつくったり風呂も入るだろう。金じゃなくて、手間だよ。孤児院の中のことをやらない人間は追い出すよ。騎士も同じ。それは仕方ないでしょ。ここの建物は俺のもの。働かざるもの食うべからず、だよ。当然の話だからね。それなら、腕っぷしの強い冒険者とか奴隷でも買ったほうがいいくらい。ブルックスも同じ。代わりは見つけるから」

 あははは~とフルレットが大笑いだよ。珍しいね。

「当然のことですよ、ナギ様。私もこちらに来て驚きました。無駄が多すぎます。なので数人は辞めてもらいました。しっかりとチェックしましたので。ただ、人となりはのちの判断になります。それが不安ですね。新しい館に務める者たちの鑑定をお願いしたいのですが」

「それはいいんじゃないの? 宰相に話せばいいよ。そうでないと、無駄が増える。知らぬ間に使用人に良いように使われるからね」

 ありがたいです、と笑顔だね。まあ、フルレットのことはこっちにも利益になることだから、できるだけやりましょう。


 それで、アダムさん。

 これからのことですけど。

 ここで使うもの、食材や孤児院の子供たちの服やシーツなどのリネン類。そしてトイレットペーパーなどの消耗品。台所の鍋とかは俺の持ってるものを出すけど、足りなければよろしくね。あとは、スパイスとか全く無いんだよ。油、卵、ミルクとか、何でも必要だと思う。それは料理人が決まったら聞いてみるよ。今日中に大きな建物は造るつもりだけど。魔力が持てばね。

「とてもありがたいです、ナギ様。喜んでお引き受けいたします。それでお支払いですが、いかが致しましょうか」

 そうだね、それがあるか。

 それなら、一応、中心になるリリという先生がいる。その人に明細は渡して欲しい。金額の連絡は口頭でいいよ。商業ギルドの口座から払いたいけど、どうすればいいのかな。

「それならば、私どもの請求明細の金額を商業ギルドに出しますと、自動支払い手続きをしていただければ、自動で振込されます。今日、給水器の登録に行かれますか?」

 ああ、そうだね、行くと思う。

「ではそのときに同行いたしましょう。手続きをお願いします」


 うん、そうするよ。大きなものが必要な時、俺に連絡してから注文するようにするけど、先にそちらに話がいったら、連絡ください。こちらで確認しますので。注文は、さきほどのリリが担当します。院長の注文でも同じこと。院長は今のところ、王子になる予定だから、仕事以外は王宮で用意すると思うんだ。孤児院で使うものはこっちで用意するからね。


「ええと、あの。王子様ですか?」

「うん。前王太子のブルックスだよ。とりあえず自分が頑張るって言うから受け入れたけど、役に立たなければ放り出すから」

 ほ、放り出す?

 そうだよ~と笑っておきましたよ。フルレットは呆れてたけど。

 

 

 それからすぐにスラムの人たちが来た。

「ナギ、遅くなった」

 うん、待ってたよ~

「こっちの三人が料理をするやつだ。そして、この人が長。いろいろ聞きたいらしい」

「そう。長、この度はいろいろとありがとうございます。ナギです」

「俺はブルトだ。こちらこそ頼む。で、ハルトのパーティリーダーがナギか?」

 そうだよ。まだ子供だけどね。


「長! 昨日はありがとう。来てくれたんだな」

「おう。ノルか。来てみたんだが、お前の主はナギか?」

「そうだぞ。オニキスも他の眷属も、皆、ナギに命をかけてる。ナギは凄腕の魔法使いだし、剣もかなりの高ランクだ。おそらくナギ以上の魔法使いはいないだろう。その上、アルム神様の使徒だから」

「なに? アルム神様の使徒なのか?」


 まあ、一応ね。アルムおじいちゃんはそういってくれるよ。だから世界中でお仕事もあるんだ。


「なるほどな、それでか。それなら理解した。他所から来た人間でスラムのことなんか気にしくれるやつはいなかった。だから嬉しい。俺たちも働きたいんだがな。国からのおこぼれほどの補助金と無料で土地は借りてる。だが、建物は自前だ。だからボロやしかない。雇ってくれない店に聞いたことがあるんだよ。なぜ、スラムの人間はダメなのかと。そしたらな、前領主が、スラムの人間は信用ならない。悪いことしかしない。それを承知で雇うなら、国は無視するって言われたんだと。なんで国が俺たちのことを無視するんだ?」

 これ、どういうことかな。


「ねえ、フルレット、どういうことなの? 前領主の言い草は何? 信じられないよ、俺。国の意向? それとも貴族の悪巧み?」

「いえ。ナギ様。私も始めてききました。執事や侍従にも聞いておりませんし、引き継ぎの書類にもありませんでした。もし存在したら、そのままほうっておくことはできません」

 まあ、そうだろうね、フルレットは。


「お、おお? こちらは新しい領主様なのか?」

「うん。そうだよ。俺が指名したんだ。正直でいい人だよ、フルレット個人は」

 なるほどな、と苦笑する長だね。

「ちょっとまっててよ、長。宰相に聞くから。改めて話そう」

 おお、わかった、と頷いてくれたよ。


読んでいただきありがとうございます。


いろいろ大変なナギです。

でも、少し楽しそうにも見えますね。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] こんにちわ~。 今回の気になる点は2点程。 ①ナギ君が慌ててアイテムボックスに、おやつ等を仕舞ってますが、ボックスの『ク』が中抜け。 ②ナギ君が色々と説明しているセリフで、2ヶ所だけ…
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