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139 どんどん墓穴を掘り、自分の仕事を増やしているみたいだ。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 じゃあ、一緒に行こうということになった。

「素晴らしいです、ナギ様。人が集まる方ですね。私も辺境ならアダムがいるから、と言っていただけるように頑張りますので、よろしくお願いします!」

 こちらこそ~



 それから外に出て、俺とサン、ソラはノルに乗ります。フラットに椅子をつけてもらって乗ったのはハルトだね。人型のままで空に上ったオニキスは、ドドン! という音と共に、ドラゴンの姿になってホバリング状態です。

 じゃあ、明日! 

 見送ってくれるアダムさんたちに手を振って空に上がり、オニキスの背に乗ったよ、二人とも。

 結界が張られたら、一気に空に上ったね。

 そのまま王都へ向けて飛び始めるオニキスは、かなりのスピードです。



 三十分もしないころ、王宮が見えてきました。

 ゆっくりと降りたのは謁見の間のテラスですね。

 ノルとフラットは結界が解除されたとき、ふわりと浮かんで降り立ったよ。

 俺は飛翔でノルから降りる。身体を少し小さくしてくれたフラットからは、ハルトがズルズルと降りてきた。あはは、おもしろいね。へっぴり腰だよ。


 ノルが執事に連絡してくれるらしい。個室が一つ追加になるからね。メンバーが増えたと話してるね。


「ナギ様。お疲れ様でございます」

「なんとか間に合ったよ。陛下は?」

「そろそろ来られると思います。ナギ様、とりあえず、軽食をご用意いたしましたので、いかがですか?」

 ありがたいね~

「そうだ、紹介しておくよ。東の辺境で知り合った冒険者でハルトだよ、Sランク。で、俺のパーティーメンバーになったから。これからは活躍してもらおうと思ってる。剣も強いよ」

「左様ですが。それはありがたいです。私は宰相職を賜っております、フォレアとお呼びください」

「へえ、宰相ってフォレアっていうの。始めて知ったよ」

 そうですか? と驚いてるね。

「でも、宰相って呼ぶけどね」

 それで結構ですよ、と笑ってるね。


 たくさん並ぶ軽食ですが、もはや軽食とは言えないね。

 それを見たノルが水晶を取り出したよ。多分、今からここで軽食を食べること、戻った時には追加で食べることを伝えてるんだろうね。


 とりあえず頂こうかな。

 そう言えば、頂きますと食べ始めたよ。

 そう、ガツガツ食いまくりです。ハルトも遠慮ないね。同じように食ってるよ。あはは、面白い。


 とりあえず、お腹が膨れた頃、デザートが並びます。

 それを見計らったのは宰相ですね。


 水晶版を取り出して、その向こうにはブルックスが微笑んでました。あはは、王弟殿下もいるんだね。


『ナギ様。お疲れ様でございます。お手数をおかけします』

「そうだね、一度で終わればよかったのに。今回の答えは聞いたの?」

『はい。私は王族のままで、王子として孤児院に関わらせていただきます。不具合がある場合は、私が直接王宮と相談できますので。そしてフルレット辺境伯とも意思の疎通ができます。とてもありがたいです!』

 あはは、感激してるんだね、ブルックス。

「まあ、それはありがたいよ。せいぜい力になってもらおうかな。建物は建て替えるから。孤児院の土地はもっと広かったらしいね。今日きいて驚いた。全部使っていいって敷地図も見せてもらったよ。かなり広いから助かるよ。それでね、ブルックスの個室だけど、どんな風にすればいいのかな。お風呂も必要でしょ。お前がみんなと同じ風呂やトイレにいくと気を使うからね。だから個室内にしてもらうよ。バカでかい部屋が必要かな?」

『いえ。一人ですから。それなりでお願いします。一つの建物で孤児院と職員たちの部屋、騎士たちの部屋など作れますか?』

「それは大丈夫だと思うよ。あとはね、下男とか馬番とか庭師は奴隷でもいいんじゃないかって宰相が。それならそれでいいかとも思ってるんだ。できれば普通の民を雇いたいけど、安全面を考えれば、奴隷のほうがいいよね。魔法で奴隷契約をするから、悪いことはできないし」

『なるほど。では、奴隷の部屋は?』

「それは別に作るよ。彼らも気を使うだろうし。料理はどこかで料理長を雇いたいんだ。職人たちを斡旋する所はないかな?」

『それですが、ナギ様の試験に合格できれば、料理人が一人と見習いが二人おります。西の辺境で勤めておりましたが、雇い主が商人でして、仕入れの帰りに魔物に襲われて。跡継ぎがいなかったので、店は閉店しました。職員にも引き継ぎたいという者がいませんでしたので皆バラバラになったのですが、料理人は次の仕事がなかなか決まりませんでした。ですので、できればと思っております。私は何度も食事を作ってもらいましたが、なかなか旨いものを作ります。いかがでしょうか』

 いかがでしょうかって。

「わかった。じゃあ、明日、時間取れるかな。フラットに行ってもらうよ。屋敷の料理長に頼んで判断してもらう。それで合格なら雇うよ、鑑定してからだけど」

『承知しました。ではお時間は?』

 明日の朝、連絡するということにしたよ。でないと、料理長も忙しいからね。


 その後は、宰相からもらった詳細を検討して、実際に長さや場所を確認してもらいたいらしい。あとは、迷宮の入り口や魔導具を売る場所などを決めるそうだね。

 それはいいけど。 

 とりあえず、孤児院の建物を作ってからになるよと伝えた。それでいいらしい。明日は、料理人と一緒に向かってもいいかと言うので、許可しておいた。

 後でノルに建物を相談することにしたよ。


 さて。

 ここからは宰相との話だね。

「ナギ様。東西の辺境とも、仕様は同じでお願いします。その方が管理が簡単になりますので。区画分けをするときですが、番号でもつけましょうか」

 うーん、そうだね。

 それなら番号の前に区域のマークをつけるかな。

 例えばね、と紙とペンを借りたよ。

 

 商業エリア。これは商店が並ぶ場所だね。

 『STー5』って感じかな。ST-1は国経営の宿だね。そこはコインシャワーとゴミ置き場も入るから広いよね。その周りには条件のいい場所から数字が変わるだけ。宿もSTエリアでいいでしょ。

 あと、露店エリアはRTー1とかでいいかな。屋台はYTー1とかね。

 商売の内容はそれぞれだよね。店持ちの買い取り屋とか素材を販売する店もSTエリアでいいよね。でも屋台や露店で同じことをすれば、RTとYTエリアになる。基本的には建物で判断するかな。特殊な形があれば、要相談で。

 そうだ、迷宮の入り口まで続く階段脇商売エリアだけど。それは出来上がったときに、商店か露店か、屋台かで決まるとおもうよ。でも階段エリアって、お客は多いのかな。まあ、細かいことはいいかな。ただ、表示はSTKー1とかになるよね。ここは単純に広さで決めようかな。全部露店とかの方がいいかもしれないけど。そうなるなら、RTKー◯って感じだよ。丸のところは数字ね。

 他国から来た行商人は、店舗を持たずに商売することもあるよね。そういう人たちは、階段エリアは使えない。

 行商エリアを作ったほうがいいよ。

 一日しか出さない人もいるだろうしね。

 どこか別のところに作るかな。トイレとか水はなし。ギルドの前にある屋台なんかは毎日あるけど、そうはいかないと思うんだ。だから設備はなしだけど、好き勝手されると汚いから、公衆トイレや水道は使える。ロープで仕切ってもいいからエリアを作ったほうがいいよ。家賃は一律でももらうかな。少しだけ割高にしてもいいよね、無料でトイレとか水を使うからさ。売り上げに対して、とかいってもずるい人は正直に申告しないからさ。でも区画は複数借りられる。これは同じ条件で一日貸しをやろうか。そうだな、Gエリアだね。表示はG-1とかになるよ。どちらかと言うと割高だけど、数日だけの人たちを優遇できないからね。


 必死でメモを取る文官は、全て終われば「ほぅ」と息を吐いたね。あはは、ごめんね、思いつくままに話しちゃったから。


「ナギ様はどれほどの知識をお持ちなのでしょう。素晴らしいです。あの、国経営の宿のところにゴミ箱とありましたが、どういうことでしょうか」

「気がついた? さすが宰相だね。ええとね、国営の宿に関しては、集合住宅だからゴミは放りっぱなしは困るんだ」

 そう話し始めたよ。


 袋はできるだけ安く作るけど、枚数が多いほど安くできるでしょ。だから、入居する人にはゴミ袋を買ってもらう。これは何にでも使える袋にするから便利だよ。そして屋台で買った器とか串とか、あ、串は折って入れてもらわないとダメだけどね。残り物とかも入れてもらうんだ。もちろん、使えなくなったシャツとかもね。それで袋を縛ってゴミ箱に入れてもらう。それは新しく作る仕事の担当者が回収する。国経営の宿には、専用のマークを入れてもいいよ。それなら外からゴミを持ち込んだらダメって言えるでしょ。

 それなら野営場を使う人は一応国の事務所に申し出てもらう。そのときにごみ袋だけは買ってもらおう。そして、そこのゴミ箱に入れる。もちろん、露店や屋台、あとは行商の人たちも、袋に入れたらゴミを出してもらえる。商人たちもそうすればいいけどね。それは魔導具でチェックできる方がいいかも。他所の人がいれると、大きな音がなるようにすればいい。慌てて逃げると思うけどね。


 そう言えば、なるほど、と宰相が腕を組んでますね。

「それではナギ様。辺境でそのゴミ関連の人間を雇い入れる方がよいですね。様々仕事がありそうですので、それなりの人数を集めた方がいいかと思います」

 それがいいよ。

 そのゴミは、どこか場所を決めて焼けばいい。できれば、大きな建物の中に焼却炉っていうものを作ったほうがいい。空気の流れを良くして、勢いよく燃え上がればゴミの処理も速いし煙も長時間出ないからね。

 もし、旅人も入れる公衆浴場を作るなら、そのゴミを焼く熱でお湯が湧く。当然、入浴時間は決めるけどね。そうなれば、お湯を沸かす魔導具はいらないよね。あとは、公衆浴場の清掃や入浴する時の管理、集金とかでしょ。それなら民の仕事が増える。そうやって働き口を作れば、若い子たちも冒険者しか道がないわけじゃない。国や領のために働けるんだよ、かっこいいじゃん。


 あはは、ツラツラ喋っちゃったよ、もしかして墓穴ほったかな。

「そ、それはいいですね。民の生活に余裕ができれば、食堂なども賑わいを見せるかもしれない。元々ある商店も潤うでしょう。結果として、農業を営む者たちは望まれて販売できます。多少野菜が高くなったとしても、農家は助かる。結果、奴隷に出ることも減りますので。素晴らしいお考えです、ナギ様!」

 なんか、すごく恥ずかしいんだけど。

 ノルたちも大きく頷いてるね。よかった、前世の知恵が役に立ちそうだよ。

「ならば、ナギ様。その焼却場というものも、湯を沸かせるようにして魔導具などでできますでしょうか」

 ええ? 

 あれ、そっちなの?


 そうだね、考えてもいいけど。

 でも、ごみ焼却場をどこに作るか、公衆浴場をどこに作るかで違ってくるよね。近ければいいけど、距離があるなら、湯を引き込むことになるからね。魔導具の数も違ってくるけどさ。

 

 そうですね、と宰相が地図を取り出す。それなら、このあたりはどうでしょうかと指を刺す。

 ここって、迷宮の入り口の近くだよね。そうだね、野営場の近くがいいかと思ったけど、どうかな。

 野営してる人は基本的には風呂や湯を浴びる場所もない。それならこのあたりで、奥に焼却場を手前に公衆浴場があればいいんじゃないかな。このあたりを削って道を作れば、一般の人も入れるよ。魔物よけを高めに造ってさ。

 あ、まただ。墓穴掘りまくりだよ、俺~


 なるほど、と感心してるね、宰相殿は。

「野営場はかなりの広さがありますし、迷宮で多少努力すれば宿に移る人も出てくるでしょう。ですが、おそらく野営場はかなり使われると思います。入れ替わりで途切れることはないでしょう」

 東西、どちらもそうだと思うって言ってるよね。

 宰相は先見の能力があるのかな。俺と同じ考えだよ、この人。

 

 最初はそれほどゴミも集まらないだろうから、公衆浴場を開くのは数日に一度くらいになるかもしれないね。それでも、迷宮に潜れば毎日戻らないでしょ。十階層までいかないと転移陣もないし。だから、最初は一般の人が使うことが多いかも。それでも風呂は一般的じゃないから、迷宮近くの人は助かると思うよ。


 そう思います、と宰相は完全同意だね。 

 陛下もコクコク頷いてるけど。いいのかな?

 視線を向けてみたけど、笑顔で見ているんだよ、変でしょ。

「ナギ様。その提案はとても良いと思います。ゴミで湯を沸かすなど思いもつきませんでした。ぜひ、お願いしたいのですが」

 うーん、でもねぇ……


読んでいただきありがとうございます。


たくさんの仕事になりそうですね、ナギ。

ほんと、墓穴ほってるよ。アイデアが前世の記憶によるものだから、魔道具でしょ。

すべて終われば、東の辺境は良い街になりそうですね~


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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