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138 かなり広い土地を貰った上に、新メンバーが増えた!

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


「ごめん、おまたせ。で、土地のことなの?」

 はい、と図面を見せてくれる真面目なフルレットですね。

 ここが教会でここが孤児院。うん、わかるよ。その奥と隣にも同じくらいの大きさの土地があるんだ。ということは大きな四角い土地の一部に孤児院があるってことなの?

「そうです。ですので、全てナギ様のものとなります。既に書類は書き換えるように手はずをしておりますので、明日にはお渡しできるかと思います」

 いいのかな、これほどの土地を。補助金をもらう方で税も産まないよ?

「問題ありません。ナギ様は、魔物も簡単に狩ります。そしてその他にも今計画していることもございますので。国にとって、というか領にとっての利益をもたらしてくれると革確信しておりますので」

 あはは、そういうことなんだね。

 まあ、いいよ。国王にいいように使われてる気がするけど、それもいいかな。ユリアロウズ国も似たようなものだし。孤児院に手を貸してくれるなら受け入れるよ。

 それとスラムのことなんだけど。今、ノルたちが話しに行ってる。結果によっては、また話をさせてね。

 もちろんです! と嬉しそうだね、フルレット。

 

 外で少し子どもたちと話してくると行きましたよ、領主様は。


「あの。ナギ様は領主様とも国王陛下とも話されるのですか?」

「そうだよ。宰相ともね。陛下は何度も凹ましちゃった。でも、全てを王族や貴族の考えでやってもらっても民は喜ばないでしょ。だから、依頼を受けたんだけど、まあいろんなつながりができてね。偉そうに説教しちゃうんだ、俺。俺は平民だから、最初は貴族と大喧嘩したよ。バカだからね、アイツラは」

 グッと言葉に詰まってるね。


 あの、光が収まりました、と聞こえたので見てみましょう。

 おお、これはいいね。

 鑑定してみれば、給水器となってるね。

 冷たい水にも切り替えられるから、暑いときは冷たくすればいいよね。

 三人組を呼んで説明しましょう。

 

 ここの水は良くなかったでしょ。

 だから、水の魔導具を作ったんだ。

 これはね、上に入ってるのは水。そのまま飲んでもいい、上級水だよ。使い方は……

 カップを手に持ち、カップで背面のレバーを押せば水が出てきたよ。飲んでもらえば、おいしい! と感激だね。

 ただし、子どもたちにも伝えて。

 ちゃんと手や顔を洗ってから使うこと。それと、この部分、注ぎ口に直接口をつけたり汚れたものをつけないこと。それで菌が発生したら飲めないし料理にも使えないからね。

 料理に使うなら、水の移動専門のボウルでもケトルでもいいから用意しよう。それで水を汲んで料理用の鍋に入れる。面倒かもしれないけど、おいしい食事もできるから、必ず使うんだよ。

 上のタンクは魔導具だから自動的に水は溜まる。だから補充の必要はない。水を入れる時溢れた水は、ここのタンクに入るから。それは汚れの酷いものを予洗いするとか、花に水をやるとかに使って。一度排水タンクに落ちた水は飲めない。定期的に排水もチェックしてほしいな。


「ありがとうございます、ナギ様。これで子どもたちにおいしい水を飲ませてやれます!」

 あはは、そうだね。 

 そうだ、名前を聞いてなかったけど、教えて。

 長女がリリ、次女がララ、従姉妹はナナだって。覚えやすくて助かるよ。


 じゃあ、夕食の準備をしましょう。

 この後も忙しいからさ。

 面倒なのでテーブルでやりましょうか。

 大きな寸胴鍋をおいて、隣に山盛りの野菜を置く。そしてオーク肉の塊を置きました。


 クリームシチューがほしいです。

 この寸胴いっぱいにほしいです。よろしくお願いします。


(クリエイト)

 

 ブワッと光った寸胴鍋はすぐに収まったね。

 蓋を開けてみれば、湯気が立ち上る。

 アイテムボックスから小さなボウルを取り出して味見ですよ。レードルもつけてくれてたからね。

 少し口に入れれば、とても美味しいですよ!

 あ、ミルク出してなかったね。でも、補充してくれたんだ、よかったよ。

 味見して、と言えばそれぞれが小さなボウルを手にやってきた。そして口に入れた時の顔ったら。かなり面白かったよ。

 リリもララもナナも。

 かなり驚いてたね。


 じゃあ、ここに入れましょう。

 マジックバッグを目一杯開いて見せれば驚きですよ。飛び上がったし、三人とも。

「これはマジックバッグだよ。時間が止まるもの。シチューも温かいまま保存できるからね。あと、これは料理長が焼いたパン。ひと袋に百個入ってるから。今夜でひと袋、明日の朝でひと袋と思って作ったよ。で、こっちの端にあるのは、ローストビーフのスライスとベーコン。ローストビーフは今夜出してもいいし、明日の昼に俺が間に合わない時、食べてもいいから。野菜サラダはこれね。ベーコンは明日の朝用だよ。適当にカットしてフライパンで焼いてね。魔導コンロはおいておくよ。魔力は満タンだからね。シチューも夜食べた後には冷めるだろうから、明日の朝でも昼でもいい、食べるときに温め直して。放っておけば焦げるからね、まめに混ぜてね。あと、ミルクの大瓶は四本あるから。朝食のときでも飲ませてやって。温めてもいいしね」

 

 これほどまでのことを個人でしてくださるなんて、と泣いてるよ。

 明日、できるだけ早く来るけど、土地の確認とかあるから、建物が全部できるかどうか分からないんだ。だから明日か明後日引っ越しだと思っておいてね。

 よろしくお願いします、と笑顔でいってくれたよ。良かった~


「ナギ様。子どもたちに話を……それはなんですか?」

 これ? と給水器を指さしてみた。

 コクリと頷くフルレットにカップを取り出して水を入れて見せた。 どうぞ、と言えば素直にごくごく飲んでるよ。

「これは旨い水ですね。素晴らしい。もしや、魔導具ですか?」

「そう。さっき作ってみた。そうだ、フルレット、商業ギルドはあるの?」

「ございます。登録されますか?」

「うん。で、どこに行けばいいのかな?」

 それなら、明日、同行してくれるって。うれしいね、それは。

 今日作ったのは自分が確認してあるから、俺の新作だと証言してくれるって。まあ、他にはないでしょうけど、と笑ったよ。

 じゃあ、とりあえず、今夜は結界を張るから。あ、でも帰れないよね。

「いえ。司祭様が連れて行かれたので、わたしたちが泊まります。部屋はなんとかありますので」

 悪いね、と言えばとんでもない、と笑うんだ。

 じゃあ、出入りはできないから、と伝えておきます。その代わり盗賊も魔物も来ないからと言えば安堵してたよ。最後に連絡が必要な時は、領主の館で、ナギにと連絡をと言ってもらうことにした。フルレットはしっかり引き受けてくれたからね。


「ノル。そっちはどう? 俺たちはとりあえず、アダムス商会へ向かうけど」

『そうか。こっちはまだ話してるんだが。どうやら働きたくないんじゃなくて、スラムにいる人間は雇って貰えないらしい。もし、孤児院が広くなるから、子どもたちを引き取って普通の人間として育ててほしいっていう。どうする?』

「それなら、職歴とかスキルとか得意なことを聞いておいて。雇用が増えるからね、その時何でもやるっていうなら、雇うよ。それと料理や洗濯とかもできる人がいればありがたいよ。鑑定はするけど、孤児院でも子供が増えるなら人は欲しいから」

 それはそうだ、と話をしてくれるって。

 こっちもフルレットが来て土地のことも話ができたと伝えたよ。あとは、戻ってから相談しよう。明日の王宮の動きでもこっちに来る時間が変わるからと言っておいたよ。


 じゃあ、明日来るからと告げて俺たちはでかけるかな。

 フラットはシルバーウフルの少し小さめになって椅子をつけてくれたよ。サンとソラは浄化のあと、鞄に入ったので、フルレットに挨拶しましょう。

「今日はありがとうね。助かったよ。明日、来る時間はわからないけど、連絡するからね」

 お願いします、と頭を下げてくれたんだ。こっちこそだよ。



 フラットに乗ってのっしのっしと進みます。

 アダムス商会を目指してるんだけど、通行人は驚いて引いた後、眷属のネックレスを見て安堵したように動き出す。

 久しぶりだね、この感覚は。

『フラット。みんな始めて見るフラットに驚いてるね』

『そうみたいだよ。でもね、眷属のネックレスを見てホッとしてるね。そのうち慣れてくれるかなぁ~』

『大丈夫だよ。フラットは優しいもの。それに人に対して危害は加えないから問題ない!』

 あはは、そうだよね、とフラットは楽しそうに歩いてるんだ。


 冒険者ギルドの前を通り過ぎる時、冒険者たちが固まってたよ。ギルドの中は大騒ぎだった。まるっと無視して通り過ぎたけどね。


 それからは五分ほどでアダムス商会に到着しました。

 フラットから降りたあと、すぐに乳母車を出したよ。結界は当然張ったけど。それを押してくれるのは人型のフラットだね。


「こんにちは~アダムさんはおられますか? ナギですが」

「ナギ様! 先程はお世話になりました。おかげさまで仕入れた商品は全て店頭に出せました」

 よかったですね~と返事をしました。


 応接室へと通されて、いろいろ話しをしました。

 俺が孤児院を経営すること。建物も建て替えること。孤児の人数が増えそうなので、料理人を探したいことなど、いろいろですね。

 建物ができ次第引っ越しをすること、ベッドなどは魔法で作れると思うけど、子どもたちの洋服や靴、下着などをどうしようかと相談してみたんだ。

「商業ギルドに行くこともできますが、基本的にひとつの物を多く買うことになります。色も柄も同じものがたくさんあっても仕方がないでしょう?」

 そういうことか。そういえば基本的には卸だと聞いたね。

「明日、魔導具の登録に行くからと思ってたけど、買い物は無理そうですね。じゃあ、どうしようか……」

「ナギ様は商人でもあるのですか?」

「はい。一応金ランクですよ。最近行ってないので、どうなのかわかりませんけど」

「それは素晴らしいですね。ですが、孤児院のことだと困りますね。よろしければ、私共とのお取引をお願いできませんか? それでしたら、職員を派遣して、必要なサイズなどを調べ、ご提案させていただけますので」

「それはありがたいです。俺たちはこちらに住むわけじゃないんですが、管理するものがおりますので、指示して動かそうと思っています。当然、建物を建てたり、引っ越したりなどは来ますけど。それ以外にも当地の依頼がありますので来ますよ。西の辺境にも行くんですけど、先にこちらをと思ってます」

 そうですか! 

 あはは、アダムさんは嬉しそうだね。俺もありがたいよ、人の出会いって、多分、おじいちゃんが関係してくれてるんだろうけど、うれしいな。


『ナギ。やっと終わった。まだアダムス商会か?』

『うん。そろそろ終わるけど』

『近くまで来てるんだけど、この後はどうする?』

『ええと、どうするかなぁ。そろそろ王宮に向かったほうがいい?』

『それがいいだろう。行くか?』

『うん。じゃあ、店に来てくれるかな』

 了解、と聞こえて念話を終えた。


「明日は時間が決まり次第連絡させてもらってもいですか?」

「はい。よろしくお願いします。職員は多めに向かわせますので。時間によっては私は同行できないかもしれません。申し訳ございません」

「問題ないですよ。アダムさんのお店の職員さんなら悪人はいないでしょうし。失礼なことですが、鑑定だけはさせてもらいますが」

 当然です、と頷いてくれたね。

 ドアが鳴って、顔を出したのはノルだね。オニキスもいる。あれ? ハルトもいるの?

「皆さんでしたか。ええと、ハルトさんと、もうひとりは?」

 スルッとノルが闇ヒョウに姿を変えたら、アダムスさんは感激したね。大騒ぎだよ。

「素晴らしいです。そちらの方も眷属だとお聞きしましたが、変化されるのですか?」

「はい。でも、ここでは無理ですね。大きいので。黒鉄竜クロガネリュウというドラゴンなんです」

 は、えええ!? あはは、腰が抜けたかな?

「す、素晴らしいです。他には?」

「この乳母車にいるのがサンです希少種のスライムですね。この子はソラ。一応、見た感じは妖精種のケットシーですが、この子の父親は異世界の神様なので、この子は幻獣として生まれました。将来の姿は変わるかもしれませんね。ですが、二人とも、凄腕の魔法使いですよ」

 素晴らしい……

 あ、アダムさんが恍惚の表情をしてるよ。ヤバいね、これは。


「では、行こうか」

 ノルが声をかけてくれたんだけど、ハルトはどうするの?

「そうだ、それを話しておくか。ナギ、ハルトに指名依頼を出してくれ。スラムの長との話もこいつがいたからスムーズに進んている。それに、孤児院の引っ越しやなにやら、動けるものがいたほうがいい。こいつの腕前は知ってるだろ。だからどうだ?」

「うーん、いいけど。いろいろ話したの屋敷のこととか。国との関係とか」

「話したぞ。屋敷に部屋を貸してやるか? 宿代も必要だからな。だから、ハルトもメンバーとして依頼を受けてくれ。それならいいだろ?」

「いいけど。それでいいの、ハルトは。一応、俺の名前でパーティーはあるけど、人は俺だけだよ。『静かなる波』って名前。とりあえず、そこに入る? それとも個別で受ける? それなら指名依頼を出すけど、部屋は提供できない。あそこは俺のホームだからね」

 なるほど、と考えてるよね、ハルト。

 でも、思いの外返事は早かった。


「俺、バカ正直なだけが取り柄なんだけど、よかったらメンバーに入れてほしい。大飯食いだけど、できるだけ加減するから」

 ……ぶっ、ははは~

 思わず笑っちゃったよ。面白いね。

 鑑定しても全く問題ないね。それどころか裏切られた経験から、単独で動いてた。裏切りは許せないと思ってるんだ。

「大食いは別にいいよ。うちも大食いばかりだしね。わかった。じゃあ、嫌だけど一度ギルドに行こう。メンバーとして登録してもらうよ」

 ありがとう! と腰を深く折って頭を下げたよ。


読んでいただきありがとうございます。


王宮の思惑を理解しながら孤児院の経営をすると決めたナギは、流石ですね。

これからいろいろと周りに人が集まりますよ。ちょっと別の展開もあったりします。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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