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136/202

136 良い商人と知り合って、良い冒険者も見つけたんだ。でも、孤児院は……どうなのよ、これは。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 とりあえず、お昼ごはんだよね。

 もう随分過ぎちゃってるじゃん。

 フラットに空間の入り口を開いてもらったよ。

 そこに乳母車を押してノルが入ってゆく。俺も続いた。オニキスが入ってからフラットがしっかりと空間を閉めたね。


「お帰りなさいませ」

 優しい笑顔で迎えられてホッとしてます。

 この執事は、本当に優しく受け入れてくれるんだ。鑑定したからね、俺は。


 浄化して食堂に腰を下ろせば、サンとソラが自分の椅子に座ったよ。ノルたちもね。

 食事を用意してくれている間に、ノルがアルムおじいちゃんの話を伝えてくれる。

「アルム神様に聞いてみたが、教会から切り離せと言われた。そしてブルックスのことも話してみたが、それは国王が許せば本人の成長につながるらしい。それにウソがつけない性格だから、今いる三人と一緒に孤児院長としてやっていけるだろうと言うことだ。

 王族を離れるかどうか、だが。王族は離さない方が得だって。それにブルックスも王子という背景を持っている方が、迷宮のことも話がしやすいし、現状をナギに報告することができるって」

 なるほどね、そういうことか。

 

 それに、王子が辺境の俺の孤児院で管理者をするならば、騎士を数人つけるだろうとおじいちゃんは予想してるんだって。

 それなら、馬も必要だし、もう少し広い土地を探してもいいそうだ。今の孤児院は端っこの方だから迷宮には近い。でも、ブルックス一人なら、迷宮も大変だよね。あ、でも。剣もそこそこになってたけど、ブルックス専用の黒玉があれば大丈夫かな。

 それでも、五階層までだね。できれば、単独なら五階層は止めた方がいいね。

 

 それなら、今の場所あたりで土地を探すかな。

 とりあえず、行ってみようか、東の孤児院へ。

 

 そう言えば、それがいいと皆が賛成してくれたね。


 

 食事もデザートも大満足した俺たちは、一応、宰相に確認を取ることにする。

 ブルックスと王弟殿下はと問えば、急いで戻っていったらしい。野営場のゴミ箱を置く場所を決めたり、東の道とかエリアの地図を移してほしいと言われて、もらっていた写しを渡せば、自分でいろいろと書き入れてたって。

 戻ってさっそく照らし合わせて、広さが足りないとか長さが違うとかを検証するらしい。俺が行くまでに、どんなことでも答えられるようにって言ってたらしいよ。


 あはは、すごい変わりようだね。

 じゃあ俺たちは東の辺境へ向かうよ。フルレットは?

 あ、もう馬車で戻っているらしい。

 じゃあ、国は昨日決まってないことを細かく考えてくださいね。トイレの場所とか宿の場所とか。あと、住民地区の塀をどのあたりに作るか。など検討することはたくさんあるから、と伝えておいたよ。

 それとブルックスのこと。

 本人の希望を聞き入れるのか、王族としてはそのままで王子として孤児院に関わらせるのか。そのあたりをハッキリ決めてね。もし、ブルックスが来ないなら人を探すから。

 それと、あの土地はブルックスが来るなら狭いかもしれないから、別のところに土地を探すかもね、と伝えておきました。


 それなら出発しましょうか。

 使用人たちに送り出されて東の辺境に向かいます。

 ノルに乗った俺は、サンとソラを鞄に入れてます。フラットには人型のオニキスが乗りました。面識があるからね、オニキスは。


 じゃあ、行こうか。

 ノルとフラットはビュンビュン飛びます。

 オニキスほどじゃないけど、十分速いよね。すごいよ、ほんとに。

 途中で街道を走る商人と思われる二台の馬車と護衛だろう冒険者たちが盗賊に襲われてた。

 助けようか、と言えばノルは助けるべきだと言う。

 それならフラットに連絡して地上へ降りてゆく。

「助けはいりますか~」

「頼む!」

「助けて~!」

 あはは、全力で頼まれたよ。

 じゃあ、行きますかね。

 俺は鞄に結界を張って身体に止めた。するとサンとソラが顔をだしたよ。

 ノルから離れて宙に浮いた俺と、オニキスもフラットから降りてきたね。

 オニキス、何で戦う?

「久しぶりに剣で戦おう」

 わかった~

 じゃあ、降りるよと告げて地上に急降下した。

 盗賊、結構多いよね。

 行きますか、と盗賊と護衛たちの間に駆け込む。

 オニキスは大剣を抜いて切りかかった。すごい迫力だね~

 俺はミドルソードで切り込みますよ。

 冒険者たちは怪我をしてる人が多いね。

「冒険者! 怪我してる人は下がって! 馬車と一緒に結界張るから!」

 大怪我というわけじゃなかったけど、下がってもらおう。正直いって邪魔だし。

 一人の冒険者は素晴らしい動きをしてるよ。

 これSSランクかな。


 冒険者たちが下がったので、馬車の周り含めて探索したけど、盗賊はいないね。それなら……


(結界)


 馬車と怪我をしてる冒険者を囲む結界とイメージして分けて結界に入れたよ。

 さて、本気を出そうかな。

 ノルとフラットは宙でとどまって盗賊たちの頭を飛ばしてるね。すごいよ、迫力が。

 オニキスは盗賊の中に駆けこんでバッサバッサと切り倒してる。

 俺も剣で切り裂きながら、冒険者に近づいた。

 肩で大きく息をしてるからね。


(回復)

 

 え? とちらりと俺を見たよ。

「回復したからね。怪我はない?」

「ああ、大丈夫だ。助かったよ、回復してくれて。力が湧き上がる」

 あはは、よかったね。気をつけて、とその場を離れた。

 かなり数が減ったね。 

 ノルとフラットは大活躍だ。オニキスもかなりの数をやっつけてるよ。

 三十人くらいいたと思うけど、そろそろ終わりかな。


 最後はフラットが大きな腕で盗賊の首をはねて終わった。

 すごいね、俺の眷属たちは。

「おつかれ~浄化するから集まって~」

 おつかれ、フラット、ノル、オニキス。

 名前を呼びながら洗浄し浄化して回復してゆく。

 最後に、自分も綺麗にしたよ。血だらけだったから。

 サンとソラは出る幕なかったね。


『アジトに行くか、ナギ』

『うん、行こうかな。お宝ゲットしてアジトを殲滅する』

 よし、とゆっくりこちらへ歩いてくる。

「あ、あの。助かりました。冒険者の方ですか?」

「はい、そうです。たまたま通りがかったので。無事で良かったですね」

 今のうちにオニキスに冒険者たちの治療をお願いしましたよ。


「あの。これからどちらへ行かれますか? 私は、辺境の街の商人でアダムといいます。中央でアダムス商会を兄弟で経営しています」

 へえ、辺境の商人か。

「俺はSランク冒険者のハルトだ。お前は?」

「俺はナギだよ。いちおう、Sランクだよ。最近はギルドを通して依頼を受けることがないから、多分、まだSランクだと思う」

 あはは、と笑えばハルトはキョトンとしてるね。

 

「あの、ナギ様。ご無理をお願いしているのは重々理解しているのですが、辺境までの護衛を受けていただけないでしょうか。そちらの眷属たちも一緒に。それ相応の依頼料はお支払いしますので」

 困ったね、どうしようか。

『ノル、どうしよう』

『盗賊のアジトに行った後ならいいんじゃないか。だが、普通の旅じゃ時間がかかる。だから依頼料は日数分もらってフラットの空間に入れて飛べばいいだろう』

 ああ、そういうことね。

「ええと、依頼ですか? 冒険者ギルドは面倒なので通さないでもらえますか?」

「そ、それで宜しいのですか?」

 はい、と笑顔で頷いたよ、俺。

「では、一日眷属も含めて金貨一枚と銀貨五枚でいかがでしょうか。ここからでしたら、どれくらいかかりますか、ハルトさん」

「そうだな、四日から五日だろう」

「では、五日として金貨七枚と銀貨五枚でお願いします。商品を沢山積んでいるので、なんとか戻らないと……」

「依頼料はいいですけど。少し待っててもらえますか? 盗賊のアジトに行きたいんです。その後ならいいですよ」

 その間は結界を張るからと言えば、二つ返事で了解したね。


 じゃあ、と冒険者と商人たちを結界に閉じ込めてから皆で空に上がる。

 そしてノルが探索してたアジトへと飛んだんだ。


 まあ、変わったものはなかったよね。

 いつもと同じだよ。金、武器、防具、魔導具、マジックアイテムなどなど。食材はベーコンとローストビーフしかダメだった。

 じゃあ、戻るかな。

 


 結界の場所に戻った俺たちは歓迎されたよね~

 じゃあ、とアダムにもう一つ条件を聞いてもらいたいと話をする。「特殊な方法で早く到着しますが、それは俺の都合なので、護衛の冒険者たちの依頼料は本来の金額を払ってもらえますか?」

「早めに到着するのですか? それはありがたいことです、問題ございません。護衛の方々にも残り五日分も含めて払わせていただきましょう」

 ありがたいです!


 じゃあ、フラット。これだけの人数が乗れる広さでいいから、新しい空間開いてくれるかな。

 いいよ~

 は~癒やされるね、この声。


 シャッと切り裂いたあとにできた空間の入り口。

 その中に魔法で灯りを灯せば、広めのいい感じだね。

「ここに馬車も一緒に入ってください。数十分だと思うので待っててくださいね」

 そう言い、馬には樽を取り出し水を満たす。

 アダムとハルトには、人数分の水と果実水を渡しておいた。


 じゃあ、後でね~

 キョトンとしてるみんなを残して空間を閉めたよ。

 

 その間にうちの子たちも、サンドイッチを食べ果実水を飲んだみたいだね。

 じゃあ、空に上がろう。お願いね~


 

 再度飛び始めた空は気持ちがいいね。

 俺は料理長にもらってた蒸しパンを食べながら果実水を飲んでるよ。旨々ですね、カップケーキは。



 その後、二十分ほどで領地の門を通り過ぎました。

 アダムス商会を探して近くの空き地に降り立ったよ。

「お疲れ様~出てくださいな」

 恐る恐る出てくるみんなは、へっぴり腰だよ。

「ここ、アダムさんの店の裏側だな」

 そうだよ。

「ナギ様。これはどういうことでしょうか。素晴らしいですね!」

 そうですか? にっこり笑って見せたんだけど、理解不能の顔してるね、みんな。


 この場で失礼ですが、と金貨七枚と銀貨五枚を革袋に入れてくれたよ。

「大変お世話になりました。この後、ナギ様は?」

「孤児院に向かいます。そうだ、アダムさんのお店は何を売る店ですか?」

 どうやら何でも販売するらしい。配達もしますよ、と笑顔です。

 これはいいかもしれないね。

「後でお話をしたいんですが、どうですか?」

「問題ございませんが、私はどういたしましょう」

 そう聞かれたので、後で店に行くと伝えました。

 ハルトが孤児院に行くなら連れて行ってくれるらしい。

 じゃあ、とノルとフラットが人型になったよ。

 わぁー! と冒険者たちがビビってる、あはは情けないよ。

「眷属たちは人型になれるからね、慣れてくださいね」

 じゃあ、荷物を渡してから、アダムさんも馬車で冒険者ギルドに依頼料の支払いをしにいくらしい。日程が決まってなかったからだって。

 それなら先に孤児院に行こうかな。ハルトは? と問えば、アダムさんが手続きをしてくれたら、後で受け取れるんだって。

 なるほどね、と頷いておくんだけど。そんなふうなんだね、知らなかった。


 後で、と手を振りアダムス商会の前で別れました。

 そこそこ大きな店で驚きました。


「で、何しに行くんだ、孤児院には」

 確認に行くんだよ~

 確認? と不思議そうにしてるね、ハルト。

「ハルトはいいの、俺たちについてきて」

「いいんだ。俺のランクだと、護衛依頼もあまりないからな。雇えるやつがいないのが現状だ。森の討伐に参加するのも考えものだしな」

 そう言えば、迷宮探索の時、色々いたね。でも、ハルトはいなかった。どうしてだろうか、ちょっと疑問だね。


 とりあえず、話を聞きながら歩いていたら、到着しました孤児院?

 これ、バラックだよね。家じゃないでしょうよ!


「失礼する。我が主を連れてきたのだが」

「オニキス様。よくおいでくださいました。あの、司祭様が騎士団に連れて行かれたのですが……」

 そのことについても話がある。


 子供たちは興味津津だね。

 みんな、鑑定してもきれいな心を持った子どもたちだ。あれ? スラムのことは聞いてないな。

 じゃあ、とアイテムボックスを確認すれば、クッキーが百個くらいあるね。


「ナギです。司祭様が拘束されたのは、悪いことをしてたからだね。みんないい子たちだね。これ、クッキーですけどおやつにどうぞ」

 差し出せば、三人の女性たちは驚いて涙を流した。

「ありがとうございます。さっそく食べさせてやってもいいですか?」 

 どうぞ、と言えば二人が子どもたちと一緒にバラック小屋に入っていったよ。


「それで、孤児院は俺が経営しようと思ってますが、今まで通り努めてくれますか? 少しですが給金も払おうと思ってます。建物も直しますので、一緒に住んでくれてもいいですから」

 え? とポカンと口を開いたまま固まったよ。

 三人を鑑定したけど、全く問題なかった。子供を持てないから、せめて孤児たちを何とかしたいと思っているらしい。これはありがたいね。


読んでいただきありがとうございます。


次から次へと、いろいろありますよね~

孤児院のことはナギの人生でもかなりの大きなウエイトを占めると思います。この国だけに限らずです。ナギはいろいろ行きますからね~


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。


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