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133 国の依頼を引き受けることになりそうだけど、個人的に孤児院に手を付けますよ。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 とりあえずの話を終えて静かに休んだ。

 ちょっと俺が疲れすぎてたから。どうやら成長痛のようなもので、俺の身体が能力や魔力の成長についていかれないらしい。

 ノルがアルムおじいちゃんに聞いてくれたんだけど、魔力が滞りそうだから、いろいろ作ったほうがいいって。

 それなら、明日、大司祭に図面をもらって確認したあと、作ってみればいいって。無理だったら、復元というスキルをクリエイトすればいいって。新品じゃなくて、その時点での元の形に戻るらしい。復元も無理な場合はクリエイトできないんだって。

 すごいことだよね、それ。

 でも、それならいろいろ考えなくても挑戦できそうだ。

 そんなふうに納得して爆睡しちゃいました、あはは。




 朝、侍従が起こしに来てくれた。

 おお、朝だよ。

 今日もいい天気だね。といっても、空間の中だけど。


 サンとフラットを浄化して、最後にソラを浄化し抱き上げる。

 一階に降りて乳母車を出せば、人型のフラットが押してくれるんだよ。ソラの足元にはサンがいるんだ。かなりかわいい。


「おはよう、ナギ」

 おはよう、と食堂に座れば、サンはピョコンと飛び出して自分の椅子に座ったよ。

 俺の隣に乳母車が置かれてノルが座る。

 オニキスは笑顔でソラを見てるね。


 いつものように朝食をガッツリ食べる。

 そしてソラのお弁当とデザート、サンのおやつを受け取り、保冷バッグに一杯のミルクも受け取った。

 

 そのあと、俺たちはデザートを食べておいしい紅茶を飲む。

 うん、おいしいね~

 

 そろそろ時間だね、と言えば、場所を決めてなかったとノルが水晶を取り出して話し始めた。

 どうやら昨日と同じく謁見の間になりそうですね。

 それなら、おじいちゃんの言う、虚数空間を使ってみようかな。

 じゃあ土地の出口にしようか。

 場所は謁見の間でいいよね。そこにこの空間を直接開きたい。

 場所もしっかりイメージしたら、その場所が頭に浮かぶ。


(虚数空間)


 うん、大丈夫だね。

 空間を内側から開くのは俺でもできるんだよね。

 

 みんな驚いてるけど。

 おお、謁見の間だ!

 昨日までは、開いた所から出てたけど、これは便利だね~

「あれ? ここ、謁見の間だよね?」

 そうだよ、俺のスキルらしいと言えば、フラットがすごい~と関心してたね。


「おはようございいます、ナギ様」

 おはよう、と空間から出てみた。

 これって、空間からユリアロウズ国の街にある土地まで繋げられるかな。

 それなら、簡易図面を書いて街に戻って家を作ってみようかな。使用人たちにも聞いてからになるけど、楽しそうだよね。


 

 大司祭は平伏してくれてるけど、俺に平伏してもね。でも、気持ちはわかる。ありがたいよね。

「ナギ様。昨日は失礼いたしました。さっそく、東の辺境教会の設計図面をご確認ください」

 はい、と受け取ってみんなで確認する。

 ええと、平面図はこんな感じか。

 祈りの場は少し狭いよね。土地が狭いの?

 地図で見せてもらうことにしたんだけど、まあ、そこそこあるよね。ああ、そうか。馬車とかも停まるからだね。貴族が教会に行くの?

 あとは司祭とかシスターたちの部屋か。

 まあ、これは大司祭がこれでと判断したならいいかな。

 それとは別に思い立ったことがある。


「ねえ、聞きたいことがあるんだ。東の辺境に孤児院はあるの?」

 フルレットもいたので聞いてみた。

「いえ。国経営の孤児院はございませんが、元々の小さな教会で善意のもと集められら者たちがおります。入りきれない者たちは、奴隷になったり貴族に買われたりしております。なんとかしたいと思っているのですが」

 辛そうだね、フルレット。

 でも、個人的にどうにかなるものじゃないからね。

「ふうん。それは許せないね。子供を買う? 奴隷になるの? 信じられないよ。なぜ、国経営の孤児院がないの? 大司祭、東の教会で働くのは今までいた司祭様なの?」

「はい。その予定でございます。シスターもそのままでと思っておりますが、いかがでしょうか」

 うーん、一度鑑定したいかな。

 ちょっと気になるんだ。

 孤児がどれくらいいるかの把握はできてるの? スラムとかある?

「はい。残念ながらスラムはあります。行き場所のないこどもたちが集められておりまして。こそ泥のように働かせていると聞いています」

 どうなの、それは。

「陛下、そのことは知ってる?」

「は、はい。フルレットから聞いておりますが、どうすればいいものかと……」

 どうすればいいかって? バカなのか!

「本当に王族のやつらは役に立たないな。呆れてものが言えない。国営の孤児院すらないとは。王都にはあるのか? 西の辺境は? 他はどうなんだ?」

 あはは、一気に聞いたね、ノル。


 あ、ここからは宰相が答えるんだね。

「申し訳ございません。王都に孤児院はございます。西の辺境には教会に併設しております。ですが、どちらも収容人数が足りず困っております」

 困っておりますって、何もしないの?

「それでも迷宮には金を出すんだね。呆れるよ、ほんと。ええとね、これは俺がしたいことだけど。各教会や孤児院の職員を鑑定する。ダメなら公募して鑑定する。そして孤児院の運営を良い形にしたい。そんな子どもたちをまっすぐ育てて、将来は冒険者、憲兵、商人、文官などになって欲しい。人を愛することができる大人にしたい」

 そう強く主張した。

 

 これはこの国だからじゃない。

 他国でも孤児院に寄付してるよ。そこは孤児院はあるけど、予算不足で着るものも少ない。だから洋服を寄付したりしてる。何年もね。

 子供は世界中どこでも同じだよ。

 生まれたなら価値ある人生を送って欲しい。そのために個人的にやること。だから勝手にやるよ。でもね、職員やシスターなど、現場で働く人の給金は国が出してほしい。補助金っていうのかな、それをきちんと出して。

 どうかな。それを受け入れてくれる?

 

「それでいいのでしょうか。補助金は人数によって増額いたしましょう。その上で、ご指導をお願いしたいのです」

 ふん。国王も少しは利口になったかな。

「わかった。じゃあ、鑑定しようかな。そうだな、オニキス。フルレットと一緒に、東の古い教会に向かって。そして司祭様、シスター、手伝いの人などを鑑定して。そして子どもたちのことも見てほしい。そうだね、スラムにも行ってもらおうかな。それならフラットも一緒にいい? サンはどうする?」

『サンはソラがねてるから、こっちにのこるよ~』

 わかった、じゃあお願いね。

 

 早速、とフラットにフルレットが乗り、新しい空間を開いてもらって、馬車や御者、文官、侍従たちを入れてもらって出発した。


 さて。これは俺の仕事だからね、これで判断しよう。

 スラムのことは国に始末をしてもらいたいね。

 あと、東の辺境教会は、予定通り国に造ってもらうことにしたよ。大司祭は大喜びだったんだ。なんでだろうね。



「さて。では昨夜作った見積もりを見てもらおう。それ以外にも、ナギから有益な提案がある」

 そう言い、ノルが紙を一枚取り出した。

 もちろん、コピーしてあるけどね。


 見積もりを確認した国王と宰相は一瞬驚いたようだが、大きく頷いている。

 入国門の監視台はいい考えだと言う。

 そして、土地強化などまで頼めるのかと驚いていた。そして民の住む住宅エリアの魔物よけの壁。そして国境も山間部を地図上で確認すれば、気の遠くなるほどの長さだった。でも、こうやって金額を出してくれるならば、ありがたいと言ってたね。

 それに伴って、頼みがあるという。

 国境を新設するにあたって、森の中の魔物討伐を頼みたいらしい。できれば木々もどのようにすれば整理できるのか、知恵を貸してほしいといったよ。

 どういうこと? これは誰かの入れ知恵かな。

 まあ、討伐も必要だね。このままじゃ、いずれ身動きが取れなくなる。まあ、それは考えてみるとしか言えないね。


「今回、宿の話が出たんだが。国営の安い宿を用意すればいいとナギは言う。それは、ひとり用の部屋で、小さな部屋を箱と見立てて積み上げるというものだ。こんな建物はどうかと思うが」

 昨日描いた紙を渡したノル。

 それを見た国王と宰相は驚いている。

 詳しいことを教えてくれと食いついたよね。

 

 それなら、と話すことにした。

 上に伸ばすのも伸ばさないのも同じだけど、各部屋にはベッドと小さな机、窓やドアはある。そしてベランダという、物干し場も小さいが付いている。一応最低限の設定だからトイレは共同になる。各階にいくつか作るようになるだろう。風呂はないが、別の建物で共同シャワーを作る。

 これは安いコイン製で、その時間内はシャワーをつかえる。その後は、コインを追加するか湯が止まるか。

 当然魔導具になるが、トイレも同じ魔導具。だからそれも含めて、ひと月いくらで貸す。冒険者や探索者だけじゃなく、迷宮に関わる者たち、ポーターや個人で仲間募集などをする人も対象になる。

 その次の段階があるなら、同じような建物で各部屋にトイレとミニキッチンがあるくらいかな。

 もっと上のグレードなら、それにシャワーがつく。

 そんな風にいろいろなグレードを設けてもいい。

 ただし、ひと月貸しで、普通の宿よりは安く設定する。ベランダには自分の洗濯物を干していい。洗濯代行をする店を作ってもいい。

 建物は石造り。高いものも低くて幅の広いものも同じ。

 これは、俺個人のアイディアだし俺しか建設できないと思う。本来なら地面をかなり掘って高い建物でも倒れにくいように作るから、コストが合わない。


 そんな感じかな。

 他国にも提案しようと思ってるんだ。迷宮のある街だけじゃなくて、王都みたいに、ギュッと家が詰まっているような場所に便利だから。

 なるほど、と国王は腕を組んで考えている。

 宰相も同じだが、建築費はどれくらいかと聞かれたよ。

 わかるわけないじゃん、今。

 高さや広さも決まってないんだしね。でも、普通の宿なんかに比べればはるかに安いと思う。普通の宿がどれくらいするのか知らないけどね。

 俺もその方がいいんだよ、作るのも簡単だし、同じものの繰り返しだから、楽ちんだと思ってる。


 それはありがたい、と宰相が満面の笑みだね。

 じゃあ、国営の宿も作りたいそうだ。

 もちろん、一般の宿も誘致するんだって。まあ、それは税収も必要だからいいんじゃないかな。

 


 今、金額が明らかになっているものはお願いしたいって。すぐに契約書を作るらしいよ。

 その後は、別見積もりの話になる。

 

 そこで俺はハッキリ言うことにした。

 商売人が使う場所は、借地にしたほうがいい。

 屋台は屋台エリアを作って、ギルドの前にあるような屋台を置く場所を貸す。

 宿などは、国営のみ国が作る。それ以外は借地にする。広さによって違うから、ある程度線引して金額を提示してもいい。その方がいいかもしれないね、街が綺麗に見えるし。

 当然、冒険者ギルド、探索者協会、商業ギルドも借地として貸し出す。広いエリアが必要なら、二つでも三つでも借りてもらえばいい。

 買い取り所や冒険者グッズなどを売る店、薬や保存食を売る店など、あまり広い場所が必要ない店はそれなりのエリアを用意する。その分、通路なども必要になるけど、二軒を縦に配置すればどちらからでも出入りできる。

 そんな店でも宿でも食堂でも。

 建物は依頼がない場合は、それぞれに建築してもらう。

 分けたエリアごとに、給排水はつなげるように設備をしておく。まあ、それは普通だけど。

 ただし、建築する場合には、ちゃんとした建物だと精査する必要がある。そして契約書に建物に関すること。それ以外でも、賃借人に責任が発生するということを書き入れる。


 そんな風に話せば、そういたします! と宰相が受け入れたね。書類の最終確認は頼まれたけど。あはは、自信がないんだね。

 

 それ以外だけど、公衆トイレはあったほうがいい。そして少しの水場だね。

 広場で野営する冒険者や探索者などが使えるものだよ。

 当然、そういう場所や集合住宅まわりのコインシャワーなどは清掃と点検が発生する。それは別に人を雇えばいい。一般の人を雇い入れれば、日常で掃除をしているから問題ない。

 

 そうなれば、国民の中からも雇用が増える。集合住宅の階段や廊下など、共有部分にも掃除は必要。それは一般の人で問題ない。他には、野営場所にゴミを入れる場所を用意する。

 それを回収して燃やす人も必要だし場所も欲しい。

 野営場は公営にしたほうがいい。最初は無料で使ってもらう。期限付きでもいい。あくまでも野営だから。ゴミは、指定の袋を販売してもいい。それに入れて出してもらう。その方が集めやすい。国の名前の入ったゴミ袋を作ってもいいね。それも収入になるから、経費に充当できるでしょ。麻袋だとかになれば焼くのも問題だしね。

 それなら、燃やしても変な煙や身体に悪いものが出ないゴミ袋を開発するかな。大量に作ればコストも安い。本当なら全ての家庭にゴミ袋を買ってもらって集めてもいいくらいだよ。でも、それぞれが自宅で焼くだろうし、そこまでは必要ないかな。

 ただし野営場では必要だよ。それと不法投棄する人の見回りだね。

 この際、一般の人や元冒険者、引退した冒険者などを迷宮関係の憲兵として雇ってもいいよね。力自慢の人も多いと思うんだ。その人達を見回るのは国の騎士なのか、憲兵団なのかな? そのあたりはわからないけどね。

 そんな風にすればどう?


 素晴らしい、と宰相は目をキラキラさせているんだけど。面白いよね、この人。

「ならば、ナギ様。その燃やしても害のないゴミの袋ですが、開発していただけますか? 魔導具などで作るのでしょうか」

 うーん、これは一種の魔法なんだけどね、俺だけの特殊なスキルなんだ。だから国で作ることはできないんだよ。アルムおじいちゃんが小さいときに俺のためにくれたスキル。魔力も少なくて大丈夫だけど、材料が必要なんだ。揃わない場合は俺の魔力を使って作るの。だから建物を作るときは、俺の魔力で作るんだよ。


 そう教えてあげました。

 ありがたいです、とアルム神様に感謝しなければって国王が大きく頷いたね。あはは、忘れてたくせに~


読んでいただきありがとうございます。


孤児院のこと、思い出してよかったね。

ナギとしては許せない話しだし。ノルが孤児院出身だし、みんな頑張ってるのに、大人に適当に使われてる事が多い。これは解決しなとダメでしょうよ。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] こんちわ~。 今日の気になった点は、『探索者協会』の協会が『教会』になっちゃっていた所ですかねぇ~。 [一言] ナギ君、魔力が一杯なのかな~? 沢山使えば大丈夫みたいだから、頑張っ…
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