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132 見積もりをしてたら新しいアイデアが見つかったよ。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


「俺の気持ちを理解してくれないなら、これ以上手を貸さない。だって約束守ってるの? 陛下、その時のことだけで適当に話した?」

 え? キョトンとしてるよ、このバカは。

 

 もうダメ、我慢できないよ!

 そう言い立ちあがった。

 俺がなんで怒っているかもわかってない。ノルやオニキスが話してくれた、俺がアルムおじいちゃんの使徒だということも気にしてないみたいだね。

「フルレット。辺境に教会の建設は? もう手を付けてるの?」

「えっと。いえ、何も聞いておりませんが」

 あははは、ダメだよ。おじいちゃんの心なんか理解してない!


「ノル、もういい。約束を守らない国王がいる国なんかいたくもない。だから帰ろう。ユリアロウズ国に戻れば、国王も宰相も、ギルマスや冒険者たちも、笑顔で受け入れてくれるから。俺、もう疲れた。おいしいことばかり言って利用されるのは嫌だ。すぐに帰りたい!」

 ノルが俺の背中を撫でてくれるんだけどね。

「お前たち、主がアルム神様の使徒であると知っておるのだろう? それで、なぜ約束を破るのだ。それを信じて主は手を貸すつもりであった。今回のことも、アルム神様に聞きながらやってきた。だが、お前らは約束を守らぬ。大司祭を呼ぶのだ! 早くせよ。そうでなければ、我が国を焼き尽くそう」

 オニキス。オーバーだよ、言い方が。でも、ありがとうね。

 すっごく嬉しい。

「あの、ノル殿。ナギ様の約束とは?」

「……国王が言っただろ、契約前に。東の辺境にアルム神様の教会を建てると。覚えてないとは言わせない。それを餌にナギを使ったのか? それほどズルい国か、この国は!」

 ノルも完全に沸騰してるね。

「もういいよ、ノル。大司祭が来るなら俺が話す。自分で建てるよ。その方がいい。おじいちゃんは色々教えてくれたんだよ、ここの手伝いをするということについて。でも、アルム神であるおじいちゃんのことを取引の道具に使う国なんで、俺は認めない。民も増えればいいし、国の収入が増えれば税も安くなるだろうなんて思ってた俺はバカだよ」

 

 ドタドタっと音が聞こえて顔を上げれば、国王が平伏してる。

「ナギ様! 誠に申し訳ございません! 本来ならナギ様に話をしてと思っておりましたが、大司祭協力の下、現在館を建設しておる職人に、その後建設させるようになっておりました。大司祭に聞いてもらって構いません。なんとか、お気を静めてください!」

 内緒にする意味なんかあるの?

 わからないよ、そんなこと。

「大司祭でございます。ナギ様にお声がけいただき、登城いたしました!」

 丁度来たね。


 俺の前に平伏する大司祭に聞いてみることにした。

「ねえ、フルレットの辺境にアルムおじいちゃんの教会を建てることになってたの?」

「はい! やっと設計図が出来上がりました。明日、ナギ様に見ていただければと思っておりましたが、何かございましたか?」

 よかった、大司祭は覚えてくれてたんだね。

「そうなんだね。じゃあ、その設計図見せてほしい。俺が自分で造れそうなら造るから」

 あの、ナギ様がご自身で、ですか?

「うん。だって、出来上がるまで待ってたら、どれくらいかかるかわからないでしょ。だからね」

 なるほど、と首を捻ってるけどね。

「大司祭、明日、何刻にする? 設計図をナギに見せるのだろ?」

「あ、は、はい! では、明日。そうですね、朝の十刻あたりでいかがでしょうか」

 わかった、忙しい所ごめんねと手を振れば、深く頭を下げて下がっていった。


「とりあえず、設計図を見たらいい。それで、どうする? この国の依頼は?」

「うーん、まだわからない。そうだ、職人さんの見積もりは?」


 手招きするノルの前に職人が片膝をつく。そして差し出された一枚の羊皮紙を受け取った。

 国境の石壁の部分と入国門だけの見積もりだ。

 おおよその金額になるが、国境の石壁は一か所で白金貨二万五千枚。国境門は高さが十二メートルで、一か所白金貨二万七千枚だった。

 あはは、全く足りないじゃん。

 さて、どういう反応が見えるかな。


「ナギ様。誠に申し訳ございません。我らの考えが甘かったと言うことです。あまりに失礼な金額を提示してしまった。おそらくですが、全てにおいて額面が低すぎると思います。できましたら、それぞれご希望の金額をお教え願えませんでしょうか」

 国王が真剣な目線でそういったよ。

 鑑定しても真実だね。


「じゃあ、ナギ。どうする? こちらの見積もり金額を話すか? それなら東の国境がどれほど迷宮に影響を及ぼすか、調べに行くか?」

「……そうだね。引き受けるかどうか決められないけど、一応見てみようかな。それと、純ミスリルは揃うの? そうでないと森は国境がなくなるし、山頂もない。魔物は入り放題だね」

 どのような数でも揃えると宰相が請け負ったけど、大丈夫かな。

 ノルとオニキスは大きく頷いてくれるんだけど、いいってことかな。

 じゃあ、行こうかと立ち上がるノルとオニキスだけど。

 その時、空間が開いたよ。

『あるじ~』

『あるじ~、しょら、おちちゃ~』

『ナギ、二人が起きたから連れてきたよ~』

「そうか、起きたんだね。丁度よかった、出かけるから。一緒に行く? 国境のことを調べに行くんだよ」

 いく~と三人が手を上げてくれた。

 じゃあ、と鞄を出せばソラはコロンと転がり込んだ。サンはフラットの背に椅子をつけてもらってちょこんと乗っかったよ。すぐに調節されたけどね。当然結界は張ってます、自分で。

 俺はノルの背に乗ってテラスに出ました。

 人型のままで宙に上がったオニキスは、ドドン! という音と共にドラゴンに戻り飛び始めます。

 遅れてはならぬ、とノルとフラットも静かに上がりました。


 景色を見ながら進みます。

 あ、フルレットを忘れてきたよ、どうしよう。

『子供じゃないんだ。馬車でも呼んで戻るだろう、気にしなくていい』

 ノルがそう言ってくれるので、放っておくことにしました。 

                              

 ダンジョン上空で停まってもらい探索します。

 国境の壁を造るために迷宮との距離を測ります。そして深さですね。

 どうやらどちらも問題なさそうです。


 そう伝えれば、屋敷に戻ろうと言われたので、おまかせでお願いしたよ。どうやら他の話はとりあえず、終わってるらしいから。あとは自動販売機のことや黒玉、パチンコのことらしい。それなら屋敷でもできると、一気に屋敷に戻ることにしたんだ。

 どこで中に入るかということになって、元の屋敷近くで空間に入ることにした。


「お帰りなさいませ」

 ただいま~

 いつもの出迎えにホッとする。


 リビングのソファに腰をおろして背を預ける。 

 侍従はお茶の準備をしてくれてるね。嬉しいなぁ~


「ナギ。これがさっきの見積もりだ。それと、その前にもらってた国の見積もり。これほどの差があっては話にならない。どうする? 一応、見積もりをやってみるか?」


 うん、と新しい紙を用意して書き始める。

=========

『王国』

 ・南北辺境門及び入国門の制作(二か所)

   ★高さ十二メートル 一か所白金貨三万三千枚~

  *最上部に通路があり、騎士たちが周辺を確認することができる 階段付き

 ・国境の作成(二か所) 

   ★平地石塀壁部分のみ 一か所白金貨二万五千枚~

 ・国境石壁建設不可能部分ミスリル魔物避け壁制作・設置

   ★白金貨十二万枚~(高さ三メートル以上)

  *実測により金額の変更あり・純ミスリルは王宮負担 

 

『西辺境』

 ・ダンジョン用武器発案・開発・実験(西迷宮用黒玉・パチンコ) 

   ★白金貨一万枚~ 

 ・黒玉制作

   ★大:一千個(二十個銀貨一枚)銀貨五十枚

   ★中:三千個(五十個銀貨一枚)銀貨六十枚

   ★小:三千個(百個銀貨一枚)銀貨三十枚  

   ★パチンコ 普通 100個(一台銀貨一枚)

   ★大10個(一台銀貨二枚)

  *黒玉の追加に関しては、最低注文数を決定する。魔法袋は別見積もり

 ・魔導具開発

   ★自動販売機・制作・実験・指導 白金貨三万枚~

   ★自動販売機取り付けに伴う保管庫、職員駐在所、騎士護衛所などの設計・建設 白金貨四万枚~


『東西辺境共』

 ・周辺設備建設(販売買い取り所・探索者協会・屋台・出店・宿・食堂・野営場他)

   ★建物 建築図面により見積もり

   ★上下水設備・つなぎ込み 現場での打ち合わせ後、別見積もり

   ★土地整地・強化(建築部分、中央通り) 建設部分、通り部分により別見積もり

 ・辺境住宅部分魔物避け塀建設 

   ★それぞれ白金貨六万枚~ ミスリルの場合材料は国提供

 ・迷宮部分の塀は別途見積もり

『追加』

 ・他、必要だと思われる魔導具等開発(それに伴う設備・使用指導) 随時決定

 ・その他、必要と思われること(公営トイレ、水場など) 随時決定 


 *全てに於いて、随時決定が必要な場合は話し合いの上、見積もり決定する  

 =========


 あはは、こんなことになっちゃったよ。 

 もう計算するのも嫌だね。でもしなくちゃならない。

「どう? おかしいかな。販売エリアの建物もあるから、実際にはもっと上がるよね。宿は国営のものって思ってるんだけど」

「まあ、今わかってるだけなら妥当だと言ってもいいか。もっと高くてもいいと思うが。まあ、上下水設備には、皆が使えるトイレや水場なども入るだろうし、軽く白金貨百五十万枚以上だと思った方がいいぞ」

 そんなに? と驚くんだけど、オニキスは何もないところに街を二つ造るんだから、もっと掛かるはずだと淡々と言ったね。おそろしいよね、街造るって。

 でも、迷宮に特化してるからそれでできるんだって。民の家は一切入ってないから。そうだ、普通に人が住む家のことは考えてない。ということは、当然のことなの?

 王宮が集合住宅でも造ればいいのにね。

 それなら、別見積もりにはなるけど、国主体の集合住宅を作ったらどうかな。例えば、三階建とか五階建てとかのひとり用住宅の集合体。小さな箱の部屋を積み重ねていくイメージだよ。


 そう言い、紙に小さなアパートとかマンションの絵を書いてみた。風呂はないけど、それなら国営のシャワー個室を別に造る。洗濯はそれぞれになるか、洗濯代行をするか、だね。集合住宅だから多少の音漏れもある安めの作りけど、迷宮に潜れば毎日戻って来るわけじゃない。それ以外にも通常依頼を受ける冒険者とか荷物を運ぶポーターとかも住まわせればいいよ。ひと月いくらで安く貸す。そのかわり、風は抜けるしベランダもあるけど、高級じゃない。その分は安いってこと。

 できればグレードがあればいいけどね。一番安い部屋から中堅、高級とかさ。まあ、それは別にしても、一攫千金を狙って来るなら、安い宿はあったほうがいいでしょ。どうせ、肉ぐしとかサンドイッチの屋台もできるから、食事も可能。それに安くシャワーも使えるなら水浴びをしなくても冬は温かい湯が浴びられる。時間制限はあるけどね。

 どうかな。


 それはいい考えだぞ。

 ダンジョンのある街ならどこでも使えるな。

 材質はなんで造る? 

 ノルは乗り気だね。

 敷地が広くないなら上に伸ばす石建築。広くてもそこそこの高さを持つなら当然石建築だよ。

 それはいいな、とノルもオニキスも賛成してくれた。

 ただ、俺の能力で作れるかどうか、だけど。

 それは大丈夫だろうと妙な自信を持つ二人だけど、どこからの自信?


 その案は、フォランドール領とか街に戻っても提案できるとノルはいう。ユリアロウズ国王都でもいいと大喜びだけど、ノルさんや。

 日本に住んでた時の経験や記憶が役に立ちそうだね。アルムおじいちゃんの言う通りだよ。それなら、俺の屋敷も三階建くらいにすればいいかな。うん、それでやってみようか。

 残ってる倉庫はどうするか、だけど。確認して作り直した方がいいなら、その建物の一階を倉庫や厩舎にするかな。あとはプールも作ろうか。外風呂兼用でいいかもね。

 最上階は広いベランダにする。そして、一部に小さな住宅部分を作って、ちびっ子たちがプール代わりにつかえる場所が欲しい。フラットもノルもオニキスも、小さくなれるから、一緒に入ってもらえば危険もないでしょ。

 外は日向ぼっこやちびっ子たちが遊ぶ事もできる。 

 うん、それがいい。面白いよね、絶対に。でも、上がり下りが大変だよね、侍従たちの。でも、住宅部分は一階はないし、二階と三階だけだからそうでもないかな。

 四階のちびっ子ルームはサンに浄化を頼めばいいよね。うん、それなら外にプールも作れるかも。

 

 俺の魔力と能力で作れるのかな。

 クリエイト先生にお願いするしかないんだけど。

 


読んでいただきありがとうございます。


ナギが現代日本の建築を異世界に持ち込みますよ~

かなり便利なことでしょうね。画期的といってもいいかも!


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] こんちわ~。 今日の気になる点は2点です。 ①純ミスリルの所で、1ヶ所だけ『ミ』が抜けてます。 ②ナギ君の笑い声で、『あはは』になる筈が『ああは』になっちゃってましたよ〜。 [一言]…
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