130 王宮の目論見、なの?
こんばんは、こんにちは。
いつもありがとうございます。
今日もよろしくお願いします!
※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
迷宮に出て、二十五階層を覗いてみたけど、鶏のフィールドなのは変わらないね。でも、圧倒的に数とレベルが違う。Dランクからいたよ。多分、種類はいろいろいるけど、数が違うから調整されたかな。
その後、二十六階層から三十階層までは同じようにランクと数が調整されてた。これならSSランクがいるSランクパーティならいいところまで行くのかな。最下層まではたどり着けないだろうけど。
三十階層には転移陣があるから、そこに乗って外に出たよ。
あはは、二日で終わったね~
信じられないけどね。
「フルレット、今どこ?」
『はい。旧館におりますが』
そうなんだね、どうしようかな。
『ナギ様はどうされましたか?』
「もう戻ったよ。だからどうするかと思ってさ~」
『ええっ!? もう最下層まで行かれたのですか?』
「うん、そうだよ。その話もあるし、迷宮の周りのこともあるでしょ。それとね、国境のことがあるから、今から王宮へ行こうと思うんだけど、どうする?」
『い、行きます! ええと、どうすればいいでしょうか。館からでかけましょうか。馬車になるので多少時間がかかりますが』
フルレットの魔力を追って移動するとオニキスが言ってくれるので甘えることにした。
「じゃあ、そのまま館にいて。フルレットの魔力を追って移動するから。準備しておいてね~」
承知しました! と聞こえたので水晶をプチンと切りました。
あはは、面白いよね~
お腹すいたなぁ。
それぞれ、おやつを出して食べてるよ。
俺も食べようっと。
ノルが屋敷に連絡してくれてるよ。
できる人だね、本当に。王宮に向かうから昼食はわからないと伝えてますね。
あ、その後は宰相に連絡してる。本当にすごいよ。ノルがいないと全部俺がやることになるんだけど。考えただけでも怖い……
『主、感知した、移動する』
お願いね~
全員でオニキスの背に乗って移動するよ。だって面倒でしょ。
ふわりと降り立ったのは、古い館? だね。
「ナギ様!」
あはは、フルレットか駆けてくるよ。
手を振っておきましょう。
「ナギ、宰相がテラスへと言ってるがどうする?」
「うん、それでいいんじゃないの? 謁見の間がいい?」
「そうだな。人型でなら問題ないだろうから、それで行くか。悪いがオニキスに乗せてもらおう。その方が早いからな」
頼むね、オニキス~
承知した、と振り返る。
みんながオニキスに乗ったよ。
というか、俺は鞄のちびっ子を連れてノルに乗っかる。フラットにはフルレットが乗ったね。それぞれが乗れば結界が張られたよ。
一気に飛び始めたんだけど、ビュンビュンすごく速いんだ~
テラスへと降り立ち、見れば宰相が待ってたね。
「お疲れさまです、皆様」
お疲れ~
謁見の間に用意されてたソファに座ればサンとソラが出てきたよ。その向こうにはノルだね。フラットとオニキスはひとりがけにそれぞれ座る。フルレットは二人がけに腰をおろしたね。
それからは、迷宮のことをざっくり説明したよ。二十五階層のことはしっかり話しておきました。その後の魔族のことは内緒。
最下層まで行って、二十五階層に戻れば鶏のフィールドでたくさんいたから始末した。今朝みたら、ランクも数も落ち着いてたから。そこから最下層までのリポップもランクや数が調整されてたみたいだね。だから心配ないと伝えておきました。
ただ、低層はいいけど、五階層からはきちんとパーティーで入ったほうがいい。
転移陣も十階層と二十五階層からは五階層ことにあるらしい。安全エリアは、階段の降りた所と、各ボス部屋前。他は見てないけど、そのうちできるかもしれないね。十階層まではボス部屋はなし。あとは二十五階層からは全部の階層にボス部屋があった。だけど、やりやすい方だと思うよ。
ランクとしては現状ならBランクかな。俺はそう思うけど。
これから成長してゆくから、ランクは変わることがあるからね。
後は街の作り方と迷宮の入り口とその前、そこまでの道、あとは販売と買取エリアとかかな。
それと重要なことは、人の住むエリアは守るために魔物避けの柵というか塀が必要。それと辺境を囲む塀かな。門はどうするの? 職人さんが作れるなら頼めばいいよ。国境は無理だと思うけどね。
そうでしたか、と宰相は驚いてるよね。
やっぱりお願いしてよかったです、と安堵の表情だよね。
じゃあ、とりあえずフルレット。
迷宮の作りを決めて欲しい。あと、住宅エリアのこと。他にもあると思うけど、街の作り方は宰相に話してあるからね、相談して決めて。必要ならいろいろ引き受けてもいいから。
「ナギ様。国境と辺境門にとりあえずお力をおかしください。お願い致します」
あ、陛下が頭を下げたよ。
どうしようか。みんな、どうするかな。
「そうだな。お前じゃないとできないことだ。だが、国王。平地は問題なく石で作れると思うが、森の奥になれば無理だが」
「はい。それは考えておりました。フルレットの管理する辺境は、入国門を入ればすぐに辺境の地になります。それほど辺境の地が広くなりました。迷宮が国境と隣接しておりますのでそうなったのです」
あれ? そうだったっけ。ああ、なんかそんなこと言った気がするなぁ。
「ナギ、それなら国境門と石の塀を作ることはできるか? 平地が終わる場所からミスリルにしてもいいが」
うーん、どうするかなぁ。
「実際に行ってみて迷宮との接地場所の確認が必要だよ。かなり深く石の国境は埋め込まれると思うからね。平らな場所は石でいいと思うけど、ミスリルで作るとなると、森の領地と同じにはいかないよ。もっとゴツいやつにしないとダメだね。軽く見られるし」
なるほどな、とノルが納得してるよ。まあ、どうやって作るかは俺しか分からないよね。
「お手数ですが確認に行って頂きたいのです。もちろん、ゴーレム迷宮の国境も同じこと。地理的に石の国境や門など、可能がどうかを判断していただきたいです。その後ミスリルがどれほど必要か試算をさせますので」
宰相も必死だね。まあ、別にいいけどさ。
当然依頼でお願いしたいって。
じゃあ、何を依頼とする? ノルが聞いたね。
アルムお爺ちゃんの言う通りになるのかな。どうだろうか。
国王が宰相に目配せする。
宰相からは一枚の羊皮紙が差し出された。
・南北辺境門及び入国門の制作
・国境の作成
・南北ダンジョンの設備協力・アドバイス・制作
・ダンジョン用武器制作(西迷宮用黒玉・パチンコ)
・周辺設備(販売買い取り所・探索者協会・屋台・出店・宿・食堂・野営場他)
・魔導具:自動販売機開発(それに伴う設備・使用指導)
・他、必要だと思われる魔導具等開発(それに伴う設備・使用指導)
・その他、必要と思われること
箇条書きでこんなふうだったよ。
あはは、これはどうなんだよ!
いったいどれくらいの時間がかかって、どれくらいの金がかかるか理解できてるのか?
本当に……
いい加減にしてほしいんだけど。
ノルも羊皮紙をじっくり見てるね。
「国王、宰相。これほどのことを我らにさせようというのか。一体どれくらいナギの時間を拘束し、工事費、開発など全てのことにどれくらいの金が必要かわかってるのか?」
あ、ノルのご機嫌が一気に悪くなったよ。
「は、はい。もちろんでございます。ナギ様のご負担はかなりのものかと思いますが、宰相と相談の結果、ナギ様にお縋りしたほうが良いということになったのです」
なったのですって、どうよ。まあ、全く知らないんだから仕方がないけど。どうしようかな、引き受けた方がいいの。
「それで、お前たちはどれくらいの金で仕事を依頼する気だ。細かいことは最終的に精算することが必要となるだろうが、どれくらいの金を払うんだ?」
あはは、ノルがおもいきり嫌味ったらしく言ったね。面白いよ、ノル。
あ、ソラが隣で寝ちゃったね。
『あるじ~、あそべないし、おかしたべたし。たのしくないよ~たのしいことないのぉ?』
「そうだね、ごめんね。楽しくないよね。どうするかな。お家に入る? 料理長にお菓子出してもらえばいいよ」
う~ん!
嬉しそうに返事をしたサンを見て、フラットが立ち上がる。
『僕も入っていい? プールで泳ぎたい』
「いいけど。サンとソラは入れないよ、プールには。それでもいいのかな?」
『サンはいいよ~、ソラはおひるね~』
まあ、そうだね。
「じゃあ、ソラが起きてプールに行くと言ったら連絡してね」
は~い、と乳母車を出してくれという。
それなら、と乳母車を取り出してそっとソラを寝かせた。毛布をかけるのは忘れないよ。
早速開いた空間に、ノルが乳母車を押して行きました。
はぁ、疲れたよ、ほんと。
お腹すいたな。
おやつ食べようか。
「オニキス、何か食べる? 俺、疲れちゃった」
「うむ。いただこう」
「な、ナギ様! すぐに追加いたしましょう」
そう、じゃあ頼むよ。
でも、とりあえず、間に合わないから。
シフォンを取り出しオニキスに渡します。人型なのでフォークでカットしてるよ。
俺も食べかけのシフォンを取り出してホールの半分あったけど、フォークをぶっ刺したんだ、んー、んまい!
そのお菓子は何でしょうか?
あはは、宰相がキョトンと見てるね。
「これは俺が料理長に伝授したお菓子だよ。シフォンっていうの。ふわふわで美味しいんだ」
そうですか、と見てるけど。
ノルが空間から出てきたけど、執事が一緒だね。
ワゴンを押してるけど?
あ、空間の上を少し開いてるんだね。
「お疲れさまです、ナギ様。国王陛下、宰相様。お邪魔おいたします。主のお世話のために参りましたので、お許しください」
うむ、問題ないと言ってくれましたね、陛下。
すぐに温かい紅茶を置いてくれるよ、俺たちに。
その後は、ノルの前にホールのシフォンだね。オニキスがおかわりはあるかと聞いてるよ。もちろんです、とアイテムボックスから取り出したね。
盗賊のアジトで見つけたアイテムボックスがあったのを思い出したので、執事と侍従長には渡しました。料理長とトッドは今のままでいいというので、そのままです。
オニキスの前にもワンホール置かれたシフォン。
そして俺の前には蒸しパンが三個あった。当然、追加は持ってるんだろうけどね。
「ソラは?」
「眠ってる。サンがソファで本を読んでいるし、侍従が引き受けてくれた」
よかった、と安堵する。
その後は、気が済むまで甘いものを食べます。
当然、王宮の料理長の焼き菓子も置かれました。もちろん食べますよ。その間に、マジックポットで湯を沸かし、紅茶を入れてくれる執事には感謝だね。
ひとしきり食べたあと、話しに戻ります。
それを察したのだろう、執事はノルに屋敷に戻ると伝えます。すぐにノルが空間を開いて礼をいい、見送った。すぐに空間を閉めたけどね。
「では、お話を再開させていただきます」
・南北辺境門及び入国門の制作 一か所白金貨五千枚~
・国境の作成 白金貨三万枚~
・南北ダンジョンの設備協力・アドバイス・制作 白金貨五千枚~
・ダンジョン用武器発案・制作(西迷宮用黒玉・パチンコ) 白金貨一千枚~
・周辺設備(販売買い取り所・探索者協会・屋台・出店・宿・食堂・野営場他)白金貨一万枚~
・魔導具:自動販売機開発(それに伴う設備・使用指導) 白金貨三千枚~
・他、必要だと思われる魔導具等開発(それに伴う設備・使用指導) 随時決定
・その他、必要と思われること 随時決定
言われるままにメモしたけど。
これって高いの、安いの?
「なるほどな。この国の気持ちは理解した。これは検討の余地ありだな。では、後日返事をする。それでいいな?」
え、あの……
あはは、宰相が戸惑ってるね。
アルムおじいちゃんはどう言うかなぁ。
ちょっと聞いてみようか。
でも、俺は問題ないと思うんだけど、ノルは何にこだわってるんだろうか。
『ノル、何にこだわってるの? 金額的には問題ないと思うよ。何か気になる?』
『ああ。これならお前が忙しすぎる。それにかなりの時間がかかるし。絶対に図に乗るぞ、王族は』
『そういうこと? まあ、それはあるかもしれないけどさ。でも、ノルが守ってくれるでしょ?』
『うっ、そ、それは当然だ。抗議するぞ、抗議する!』
あははは~
まずい、大声で笑っちゃった。どうしようかな。
「主、ノルの言う通りだと思うが。王族らは温い。故に主が必死になるほどつけこむのだ。様々書類の書き方もズルさが見える。黒玉にしても然り。個数さえ記入しておらぬではないか。在庫がなくなればどうするか、なども記されておらぬ。その時に頼めばなんとかしてくれると思うておる。故に、黒玉やパチンコ、自動販売機などは開発費用は別に請求したほうが良い。この国はユリアロウズ国のように主の価値を正しく判断しておらぬ。アルム神様の使徒である主が関わることに感謝もしておらぬということではないか」
ありゃ、オニキスが言っちゃったよ全部。
まあ、ユリアロウズ国は俺にそのまま籍をおいてほしいと言ってたよね。だから、フォランドール領を作るために一年分の国家予算に値すると判断した。驚いたけど、それ以外のこともオニキスの手伝いもダンジョンのことも。全て言う通りにして、その上、ミスリル鉱石を全てもらったしね。その上、破格の依頼料ももらったし。
読んでいただきありがとうございます。
王宮の目論見なのか、それとも王族って、そういう生き物なのか。
微妙ですね。笑
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




