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128 順調に進んでいたけど、鬼門の階層があったよ。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


『主、見つかったぞ。このあたりで良いと思うが』

『わかった、じゃあみんなで上がるから~』

 うむ、と聞こえて皆を見る。

「さて。俺たちはそろそろ行きます。調査が終わって周りの準備が整ったら、改めて高ランクに依頼を出すよ。現在の状況を調べてもらうから。その時まで待ったほうがいい。一度落ち着けば本来の内部に戻るから。その時はお願いしますね。じゃあフルレット、行ってくるからね。最下層を確認するまで出ないから。緊急事態なら、屋敷の執事に連絡して。ただし、俺は討伐中はでないから、休むときにでも連絡する」

 承知しました、と嬉しそうだね、フルレット。


 じゃあ、と手を振ってソラの鞄に結界を張り、飛翔で上へと向かいましょう。

 フラットはサンをのせたまま、ノルは闇ヒョウの姿でオニキスを追いました。


 

 オニキスが立っているのは岩棚、でいいのかな。

『主。ここなら良いであろう。迷宮は少し下に位置しておるようだが、それも良い。この岩棚を使わぬ手はないぞ』

 そうだね~

 じゃあ、やっちゃって!


 ドドドン!


 あはは、でっかい穴が空いたよね。

 そこで俺は一瞬で凍結魔法を使います。


<魔物凍結!>


 ベキベキパキパキ……


 おお、凍ってるよ。

 じゃあ、中に入ろうか。


 ドロップしたアイテムを自動回収できたので、全員で中に入ります。そして振り返った俺は頑丈な結界を張りました。


 さて。

 行きますか?

「おう!」

 返事をもらって先を見れば、ドロップアイテムも既にない。当然、俺しか見えないおまけのドロップアイテムも一緒にね。

 じゃあ、進もうか。

 それぞれが探索しながらあるき出す。オニキスとフラット、ノルは空を進むようです。

 俺の隣を歩くのはでっかいサンだよ。

 あの音でも起きないソラはある意味大物かな?

 そっと鞄の入り口を開ければ、こっちをむいて座ってた。

「あれ、起きたの、ソラ」

『うん、おちちゃ。しゅごい、のきこえちゃ~』

 ああ、そういうことね。

「お腹すいたでしょ。これ、食べて。料理長がソラのお弁当を作ってくれたから。サン、どうする。中に入って一緒に食べる、おやつ」

 う~ん、と小さくなったサンは地面からぴょーんとジャンプして、鞄の中に入ったよ。すぐに保冷バッグを取り出して、ソラにミルクを渡してたのは面白いね。

 弁当を開けてやったサンは、しっかり食べろと言ってますね。おにいちゃんだね~


 さてさて。

 俺もみんなの後を追うかな。

 飛翔で宙を進もう。

 階段を降りればこの階層は何がいたんだろうね。

 上の入り口もそこそこ広かったけど、階段もそこそこあったよね。それくらい上がれば、おそらく階段は魔物は通れないと思うから、スタンピードの可能性も低くなるね。

 これはいいかもね。

 

 この迷宮は、それなりのようだね。

 最初の二階層だけど、ゴブリンやコボルトなどの雑魚がもりだくさん。それでも強さに段階があって、オーククラスが出てくるのは四階層からだったよ。そこからCランク冒険者が倒せる魔物が続く。

 でも、雰囲気が変わるのが六階層から。

 オーガ、サイクロプス、ミノタウロスクラスが出てくるので、Cランクならパーティ推奨。基本的にはBランク冒険者の方がいいかもね。

 この迷宮は多少のグループでいることもあるけど、大型はオーガ以上は単体でいることが多い。いつも森に討伐に入っている冒険者たちなら緊張感を持って探索しながら進むと思うよ。

 そんな様子で十階層までは行けます。ここからボス部屋があるみたい。そして転移陣もあったね。


 もう一つ特徴として、とにかく階層ごとの広さがヤバい。十階層までは、普通に森もあるし岩場もある、通り道のように開いた部分もあるから、本当に森にいるみたい。川もあって、景色はいいと思うんだ。五階層からは安全エリアがあった。小部屋も出てきたけど、このあたりには罠はないみたい。


 当然、うちの子たちにとっては気になる魔物たちじゃないよ。ただ、数がかなり多かった。長らく開いてなかったからだろうね。それにフィールド自体が広いし。

 それでもお昼前には十階層まで終わり、ボス部屋に入る前にはフラットの空間にある屋敷に戻ったよ。出発が遅かったから仕方がないね。


 当然、浄化して屋敷に入れば、旨々の食事が待ってた~

 いつものようにガツガツと食事をし、デザートにケーキを食べるんだ。そう、ケーキだよ。生クリームをクリエイトしてもらい伝授したんだ。本物の生クリームだよ、かなり嬉しい~

 この世界のクリームは少し違うんだよね。ヤギの乳を卵の白身で作るメレンゲに混ぜて泡立てるらしいけど、かなりの高額だから庶民の口には入らない。まあ、原理はわからないけど、全て人力なので仕方ない。

 でも、うちは違うよ。泡だて器を魔導具で作ったもの。屋敷専用で販売予定はないけどね。

 今日は基本のいちごショートとどらやきみたいに焼いたパンケーキにあんこと生クリームを挟んだものだ。みんな、どっちもよく食べたよね~

 その他に、サンとソラ、俺には小さなカップ蒸しパンが保存容器いっぱい入ってる。子供たちと俺は魔力補給のためらしいね。すっごくありがたいよ!

 自分で作ってるときは、蒸しパンまで手が回らなかったし、シフォンもずっと作ってなかったから。


 贅沢なおやつをもらい、ボス部屋前の安全エリアに出たよ。

 行ってきます、と手を振り空間を出た俺たち。

 さて、ここのボスは何だろう。


 魔力を通して扉を開けば、ひとつ目サイクロプスが山盛りいた。

 なんだこれは。その後ろには、アステリオスだね。牛頭の親玉だよー、大嫌いだ!

 まあ、それはいいんだけど、とにかく数が多い。

 これは未開のダンジョンだったからなのかなぁ。わからないけど、とりあえず、サイクロプスをやっつけよう。

 

 普通なら脅威だろうけど、うちの子たちは楽しんでたね。

 サイクロプスが人形のように飛んでいく。フラット、ノルの脚で蹴飛ばされて、オニキスのブレスで焼かれるんだ。ちょっとかわいそうになってきた。

 最後のアステリオスは俺がやったよ。

 仕返しみたいなものだよね、これ。でも、少しでも気が晴れたらと眷属たちの気持ちが嬉しかったんだ。だからしっかり凍結して終わり。

 ドロップ品はそこそこのものだったけど、まあ、まだ十階層だからね、大したものじゃなかった。でも低級ポーションが山盛りあったのは驚いたよ。これは買ってもらおうかな。国に戻ったら街のギルドに売るかな。


 じゃあ、次に行こう!


 元気に階段を降りて行って後悔した。

 だって、臭いんだもん。

 スケルトンはオニキスの重力魔法でぺちゃんこ。あと、ゾンビやレヴナント、マミーなどは鞄から顔を出したソラにお任せだよ。


<ぴかり~>


 あはは、綺麗さっぱり終わっちゃったよね~

 魔力も大丈夫そうだし、よかった。

 階層全体がそんな感じで、途中からはそこそこのランクもいたね。グリム・リーパー、リッチなんかは俺が浄化したよ。 

 色んな種類がたくさんいた。これは大変だよ、冒険者たち。まあ、実際、どれくらいの数に落ち着くかだけど。フィールドも石作りで通路はかなり広いけど、森はないから。

 知能が低くて好戦的なやつが多かったね。その中には魔族もいろいろいたよ。でも、ノルに対しては態度が変わった。魔族の王でもあるからね、ノルは魔王がいたとしたら、魔王さえ従えるらしい。だからといって狩らないわけじゃない。

 ロード・デスというボス部屋のボスは、ノルに平伏した。魔法が効きにくいSランクの魔物らしい。でも、ノルは許さなかったね。すっぱりと魔法じゃない何かの能力で葬ってた。あはは、怖いよ、ノル。


 はぁ、臭かったし面倒なやつがたくさんだった。

 わりとスムーズに行ってると思いますよ、今は。

 とりあえず、今日は二十一階層までで終わりにしました。結構早く帰れそうな予感がするけど。


 


 そんな話はありませんでした。

 早くなんて終わらないでしょ、これは。でも、普通の冒険者たちで進んでいけるのか気になります。

 二十五層からは、ガラッと雰囲気がかわって、シチュエーション設定がそれぞれハッキリありますね。

 

 二十五層は森です。

 ただの森じゃなくて、危険な森と言っていいでしょう。

 階段を降りた安全エリアで鑑定をすれば、いきなりヤバいやつのお出迎えです。

 

(鑑定)

 =====

 カラミティ・コルジケプス ランクB

 寄生茸。発生初期は魔蟲種など小型の生物に寄生し、その思考を統制して行動する。勢力が増すと、より大型の宿主を求めて行動し、人類にも容赦無く襲い掛かる。最悪なのは、彼らに寄生された生物は死ぬわけではないということ。多くの者が寄生されて一日も保たず発狂するらしい。衝撃を与えると胞子を撒き散らすため逆効果であり、焼却や溺水などが有効であるが、知名度が低く寄生されていることを見抜くのが難しい。

 =====


 なんだよ、これ。

 みんなに言えば、焼き尽くす方がいいだろうということになり、オニキスの出番になる。

 今は胞子は飛んでいないようだから、俺の結界を安全エリアの外側に張り直した。鑑定しても胞子はないね。

 そこに出たオニキスは、結界の内側から大きなブレスを放つ。そう、エリアはだだっ広くはないので、一気に行くようだね。

 

 ゴアーーーーー!

 

 おお、すごいね。

 一瞬でカラミティ・コルジケプスが焼き尽くされてゆくよ。小さくチリチリと火の粉が飛んでるのは胞子だろうね。

 これはすごいよ~ 

 でも、この後はどうなるの? こんな奴らが出てきたら大変だよね、これ。

 ちょっと探索しようかな。 

 この後はトレントだね。普通のトレント、エルダートレント、メタルトレント? 金属のトレントなの? 信じられないよね、これほどトレントに種類があったとは知らなかったよ。


 でっかいウツボカズラみたいなのもいるよ。これは大した脅威ではないけど。マンドラゴラもいるね、ダンシング・カクタスはかわいいけど、冒険者たちにとっては脅威だよね。

 それ以外にもラードーン、ザックームなんかのAランク、樹界ユグドラシル、ラフレシアなどもいる。

 砂漠や火山など、様々変化する環境がある中で、それぞれにどうやって対応するか。知らない魔物も多いし、菌や幻影など、目に見えないものも多い。それならどうするか。

 うーん、凍らせても無理だと思うんだ。火山にとっての氷は脅威じゃないだろうし。

 じゃあ、この階層全体に魔力を広げて消す?

 その方が早くないかな。いらぬ危険が増すよりはいい。そのあと、この階層がどう変化するか。そのまま再現するのかそれとも別の形になるのか。それすら分からない。

 

 それなら、生えている木も火山も砂漠も……

 全てを一度消滅すれば変わるかもしれない。そうでないと、この迷宮はこの階層で終わるよ。

 それはどうなんだろう。後の話になるだろうけど、転移陣を使ってもう一度来る方がいいかも。階層からは転移陣があった。おそらく五階層ごとにあるんだろうね。

 注意事項はかなりある。それを普通の冒険者がちゃんと扱えるかな? 嫌、無理だろうね。

 


「ねえ。この後だけど、とんでもなく面倒なやつがいるよ。ちょっと対応するのは大変。見えないところで影響が出るからね。だからさ、階層全体に魔力を広げて、削除とか殲滅とか。全てを消そうと思うんだけど、どうかな」

「……それほどか。だが、そうしても変わらないかもしれない。もし、変わらないならこの階層で終わりだろう。成功したら何かに変わるだろう。それならそれにかけるほうがいいかもしれないな。だが、大丈夫か魔力は」

 ノルも賛成してくれた。それならやってみようかな。

「大丈夫だと思うよ。とりあえずやってみるかな」

 そうだな、と探索しているようだね。

 この迷宮は何階層まであるんだろう。探索してなかったよ。

 ええと、迷宮全体の階層はどれくらいかな?

 ……あれ? 

 三十階層で終わりみたいだ。なのに、なんでこんなに面倒な階層になった? 何かあるのかな。


(階層全体探索)


 おお?

 ここ、魔族がいるんだね。まあ、魔族って魔物にもいるけど、そうじゃなさそう。この迷宮を支配したいのかな。そうらしいね。

 それなら綺麗さっぱり消す方がいいね。削除かな。


 ノルに伝えれば、調べてくれてる。

 魔王より上の存在のノルならわかるかもね。

「ナギ、やはり魔族が巣食ってるな。こいつは少し面倒なやつだ。これ以上放置できない。この魔族は単独で魔王の国を出奔したらしい。魔王になりたかったんだ。だが、国では認められなかった。だから魔王のいないこの世界に来たんだろう」

 それってヤバくない?


 じゃあ、やってみるよ。

 

<階層内魔力開放>


 ブワッと何かが湧き上がる。 

 これが俺の魔力なんだね。少し気持ちいいな。身体の中で滞っていたものがドンドン出ていく気がする。身体が喜んでるよ。

 少しは楽になるのかな、身体が。それだといいな。


 五分経たないくらいで、ノルがオニキスを引き戻す。

 そして安全エリアに戻った。

 そろそろいいかな。

 うん、隅っこまで魔力で満たされてる。火山の内部も綺麗だよ、魔力が巡ってるから。じゃあ、俺も安全エリアに戻ろうかな。安全エリア以外を消そう。


<階層内削除>


 ドドドドっと音が聞こえて一瞬で階層内部の見えるものはなくなった。うそ、ほんとにできちゃったよ!

「おつかれ様、ナギ。少し待てよ、探索するから」

 うん、と俺も探索してみる。

 一応、何もないけどね。

 火山もなかったことになってるんだけど、どういうこと?

 まあ、地上と繋がってるわけじゃないから消えたんだろうね。

 ドロップ品が山程出てきたけど。何だかすごいものもあるよね。これは魔族のドロップかな。

 大きな魔石だけど、清々しくて綺麗だね~

 悪いものじゃないよね。


 最後に、でっかい魔石が残ったけど、どうして?

「終わったみたいだ。ご苦労さん、ナギ」

 うん。でも、あれはどうして残ったの?

 ああそうか、とノルがあるき始める。フラットとオニキスも一緒に歩くよ。俺の鞄からはちびっ子二人が顔を出してるね。結界張ってるけど。


「これは魔族が魔物と融合してた証拠だな。だが、鑑定しても魔物のことしか出ない。だが、魔族の力も持ってるから回収されなかったんだろう。どうする、これは」

 持ってていいのかな。

 どうすればいい?

「そうだな。俺も始めての経験だ。アルム神様に聞いてみるか?」

 あ、そうだ。そうしよう。


読んでいただきありがとうございます。


ゴーレム迷宮といい、ここの鬼門階層と言い。とんでもないことが起きますね。

とりあえず今回もなんとか対処できました。不穏な空気が感じられますが……


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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