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120 ノルに相談したよ。俺って、眷属たちにかなり愛されてるみたい。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 優しい光に包まれたあと、到着したのは石造りの小部屋。フラットが魔力を通せば、ゆっくりと開いていった。

 ここはどこ? 

 あ、入り口とは違う場所だね。人の心臓のあたりです。

 目の前には騎士たちが並んでいますけど?


「よくぞご無事で! ナギ様、皆様!」

 あー、王弟殿下だ~

 お疲れ様でした、と頭を下げてくれるんだけど、抱かれている俺を見て心配そうだ。

「すみません、ちょっと体力的に無理しちゃったので」

「魔力切れですか?」

「いえ。魔力は全然大丈夫なんですけど、緊張が切れちゃって。休めば治りますので」

 なるほど、と安堵してますね。


「では、俺たちは屋敷に戻る。いろいろあるが、数日ナギを休ませたい。いいな」

「もちろんでございます。あの、それで黒竜様は?」

「オニキスは召喚獣なんだ。だから今はナギの影の中にいる」

 そういうことですか、と納得してくれた。 

 じゃあ、陛下には連絡してくれるそうだ。後日、話しを聞きたいので、同席させてくれと言われましたよ。

 

 フラットはその間に屋敷に連絡を入れてくれてるよ。そういえば、お腹すいたかも。


 少し立てるか、と聞かれたから、うん、と頑張ってみました。

 獣化したノルはすぐに椅子をつけてくれる。そこにはフラットが乗せてくれた。そして、いつものバッグにはいったサンとソラを首から下げた鞄と一緒に椅子の前に置く。

 すぐに獣化したフラットは、自分も椅子をつけて、身体をかがめてブルックスを乗せてくれた。


 ノルとフラットは結界を張った後、俺たちを連れて空に上がった。



 見えてきた屋敷は、変わらずのようだ。

 ゆっくりと降りてゆく俺たちは、庭に静かに降り立った。

「お帰りなさいませ!」

 おお、執事や侍従長、侍従、料理人、庭師、馬番など、屋敷の使用人たち全員が駆けて来た。

「ただいま。遅くなってごめんね」

「とんでもございません! 思ったより随分お早いお帰りで驚いております」

 あはは、そうですか? 

 

 身体を低くしてくれたノルの背から降りるとき、フラットが隣りに立ってくれる。肩を持って支えてくれるんだ。

 使用人たちは驚いてますよ。

「フラット様なのですか?」

「そうだよ、僕。ナギのお手伝いをするから、創造神様にお願いしたの。いろいろ忙しかったんだよ、ナギは」

「左様でございますか。黒竜様は?」

「ナギの影にいるよ。オニキスは召喚獣だからね、お休み中」

 なるほど、と納得してくれたらしい。


 俺を抱きあげたノルは、屋敷に向かって歩き出す。

 使用人たちが慌ててかけだしたよ。

 御食事をされますか? と聞かれて、頼むとノルは言ったんだ。みんなお腹すいてたんだね。

 

 ソファに下ろしてもらうと、サンが浄化してくれる。皆を浄化してくれました。 

 

 それからの俺たちは、ガツガツ食いまくります。

 何もしないで食事ができるのが嬉しい~

 それもソファでね。

 背中にクッションを入れてもらって、のんびりと食べてます。とりあえず、一気に食べたら、力が抜けたんだよね。でも、いろいろと食べますよ。満腹な訳じゃないので。

 誰かに作ってもらった料理をその場で食べるって、すごく幸せだね。みんなそんな風に俺の作ったご飯を食べてたのかな。そう思えば頑張って作らないと、と思っちゃったよ。息抜きの仕方を覚えないとね、必死になりすぎるからダメなんだよ。だから皆に手伝ってもらおう。それがいいよね。

 ふふふと微笑みながらお腹いっぱい食べました。

 当然、皆はまだ食べてます。

 

 水を飲み干し、ごちそうさまと手を合わせる。 

 すると、当たり前のようにデザートが出て来ました。フルーツとケーキです。飲み物はミルクと果実水です。

 果物を口に入れて、幸せを感じます。

 迷宮では、やることが多すぎて、ゆっくりデザートを食べる時間はあまりなかった。だから余計に嬉しいよ。

 むふふとケーキも食べます。

 これ、美味しいね。新作かなぁ。どこに売ってるのかきいてみよう。

 あ、そうだ。

 あとで空間のバスタオルやシーツなどを洗濯屋さんにだしたいな。中も綺麗にしたいんだけど、掃除は浄化でいつもやってるからいいけど、シーツとタオルだけは洗濯したいよね。

 あとで、ノルに頼んでおこうか。空間から出すのも大変だろうしね。フラットに頼めばぐっちゃぐちゃになりそうな気がするんだ。屋敷に取りに来てくれるんだろうか、洗濯物。使用人たちも出してるだろうし、一緒に頼むかな。



 そんなことを考えている間に、眠っちゃったらしい。

 声をかけられたのは夕方だった。隣ではサンとソラが心配そうにみていた。

『あ、おきた。あるじぃ~だいじょぶ?』

『あるじ、おちちゃ~、らいじょび~?』

 あはは、かわいいね。

「起きたよ、ずっといてくれたの?」

 う~ん、とおもちゃを片付け始めたよ。偉いね、お利口さんだよ。 

 全てを籠に入れて、サンがアイテムボックスに入れました。

「ナギ。身体はどうだ?」

 ノルもいてくれたんだね。

「うん。大丈夫。ごめん、寝ちゃってた?」

「ああ。フラットが運んでくれた。メシ、食うか?」

 うん、とゆっくり身体を起こします。

 そっと背中に手を添えてくれたよ。

 んーっと背伸びをしてみれば、どうやら身体も大丈夫みたいだね。

 ゆっくりベッドから降りれば、みんなが心配そうにみてくれる。

 フラットは? と問えば、空間に侍従たちと入って、タオルとかシーツとかを剥がしてくれてるらしい。屋敷に取りに来てくれるから出すと言ってたぞって。なんで知ってるの?

 どうやら、もうろうとした俺が呟いたらしいね。あはは、面白いよね、俺。



 夕食を皆で食べる。

 料理長の作ってくれるものは、温かく元気が出るんだ。僕のことを考えて好物だけを作ってくれてるんだけど。クリームパスタやハンバーグ、サラダ、炊きたてご飯、味噌汁、トラウトの塩焼きとバター焼き、とんかつ、焼肉、だし巻き、カルパッチョ、チーズたくさんのピザなどなど。たくさんあるんだ。食べ終われば別の料理が出てくるしね。

 よかった、日本料理のレシピを渡しておいて。

 今はアイテムボックスを持ってるから、時間があるときに作り置きをしてくれてるらしい。ステーキやトンテキも、焼いたものが入ってるんだって。あとね、おひたしや焼き飯もあるって言ったよ。そして手に持って食べられるようにとカップケーキやおにぎりも山程あるらしい。次の迷宮に入るための料理もたくさん出来上がっているそうだ。本当に嬉しいよ。


 でも、俺たちがここを出たらこの人たちはどうなるんだろう。国で雇い入れてるらしいけど、主がいない屋敷を守り続けるのか? トッドは魔物の解体をするけど、俺たちの屋敷で仕事をする。俺たちがいなくなったら、魔物を狩るやつがいなくなる。魔物だけを送る事もできるけど、それは違う気がするんだ。


 どうせ陛下と話をするんだろうし、そのときにでも聞いてみようかな。もったいないよ、これほどの人材を放っておくのは。できれば一緒に行きたいくらいだよ、各地へ。でも、それは無理かなぁ。空間の家も中途半端だし。

 とりあえずブルックスに聞いてからアルムおじいちゃんに相談しようかな。



 旨々の食事を終えて俺だけデザートに突入してる。

 今日はパンケーキにはクリームが乗っかって、果物が置かれてるんだ。

 パンケーキの作り方は料理長に伝授済だ。分厚く焼く方法を教えてます。眼の前にあるのはふわふわのパンケーキ二枚重ねだね。果物は桃みたいな甘いやつとみかんのような柑橘系だね。これ、俺の大好きなやつだ~


 ありがたいよ、本当に。

 迷宮を一気に攻略するのって結構疲労が溜まりやすいんだよね。魔物を狩る時には動くし魔法を使う。その後は食事やお風呂、浄化などの家事をやって。翌日の朝食のことを考えながら眠りにつく感じだよね。

 だから一晩で疲れが取れたって感じはない。

 多分だけど、その疲れが元で屋敷に入ると力が抜けるんだろうか。起きることができないほど寝てしまう。異様なくらいの疲れで、意識さえなくなってしまうほどなんだ。ちょっと変だとは思うんだけど、どうなんだろう。

 今夜、アルムおじいちゃんにメールしてみよう。

 俺の身体のことと屋敷の使用人たちのこと。

 グズグズ考えているよりもハッキリしたほうがいい。そうでないと。いろいろ疲れそうな気がする。次の迷宮に入るまでには解決したいことだね。後はオニキスのことも聞いてみよう。しばらく影の中だって言われそうだけどね。



 みんなが食事を終えた時、ノルに相談してみた。

 もちろん、俺の部屋でね。

 フラットは明日森に入るからと早々に自室で寝ちゃったよ。

 サンとソラもお風呂から出たら、身体を乾かしてすぐに寝ちゃった。


「はぁ。風呂はいいな。気持ちがいいよ。それで、何が心配なんだ?」

「あはは、わかってた? いろいろあるんだけど。まずは屋敷の使用人たちのことなんだ」

 そう言い、懸念事項を話した。

「ふむ、なるほどな。それならブルックスに聞いてからになると思うけど、アルム神様がどう言われるか、だよな。じゃあ、先に聞いたほうがいい。それによって具体的に話したほうがいいだろう。他には?」

「ええとね、俺の身体のこと。迷宮に入ると、出てきてからの消耗が激しいでしょ。それが気になってる。どうしてそうなるんだろうかってね」

「なるほど。確かに屋敷に戻れば崩れるように体調を崩して眠ってしまうよな。まあ、それは俺たちのせいでもあるんだ。今までずっとナギに頼りっぱなしで甘えてた。挙げ句、図に乗ってわがままを言ったからだと思う。本当に悪かった。それで、明日の魔物狩りだけど、フラットにアルム神様に聞いてもらった。そうしたら、オニキスを通常と同じように使えと言われたんだ」

 どういうこと?

「必要なときに召喚獣として呼び出して、終われば影に戻す。まあ、通常の召喚獣としての扱いだ。オニキスの恨みはナギのお陰ではれたから、これからは召喚獣としていればいいんだって。だから明日はフラットと一緒に魔物狩りだな」

 それでいいのかな。まあ、通常の場合には問題なく回ってゆくよね。

 明日、サンとソラも魔物刈りに行くって言ってた。絶対に鞄から出ないと約束してくれたから一応許可したけど。すごく心配なんだ。


「ナギ。サンもソラも普通ではない力を持ってる。そしてフラットは既にしっかりとシルバーウルフの王としてやれるくらいになってる。まあ、既にフラットのお母さんの跡継ぎはできてるからね。フラットがナギのところにいるのは問題ないんだ。それは俺のところに報告が来てるから間違いないよ」

 そうなの? すごいね、フラットは。でも、本来ならフラットが後を継ぐはずだったのに……

「それは違うよ、ナギ」

 そう言い、ノルはフラットのお母さんの気持を話してくれた。

 魔物の王としてこの世に戻った時、お母さんと話をしたらしい。フラットにはわざと伝えてないんだって。フラットのことはナギに頼んだ。弟だと言ってくれたからナギに任せるんだって。とてもいい子に育っているって笑顔で言ってくれたらしい。

 そう聞いてとても嬉しくなった。

 お母さんはちゃんと見てくれてるんだな、と空に向かって両手を合わせた。


 それと同じで、大口真神も同じ思いだって言ってたらしい。アルム神様に頼んでよかった、ナギに頼んでよかったと喜んでくれていたって。

 サンは迷宮で生まれたから、親はいないけど。それでもナギと一緒に生きてゆくって決めているらしい。あの時、気づいてもらえなければ生きていなかっただろうって自覚してるんだって。だからナギを守るため、同胞を守るために力を尽くすって。

 もう、涙が出そうだよ。俺って結構幸せなのかな。


「俺だってそうだぞ。ナギは初対面の時から気にかけてくれて。家もなくしてしまったのに、優しく許してくれて受け入れてくれた。そして今回の依頼失敗のあと、アルム神様に頼んでくれた。だからここにいられる。俺はナギの全てを受け入れるからね。命をかけて守るよ。人であるときには、いじめとかあったから自分の心を閉ざしてたからな。でも、俺もナギのことは好きだったよ。一所懸命なナギを守りたいと思ってた。でも、ナギはすごい実力の持ち主だったから、いつか必ず頼りにしてもらえるようになるんだと望んだんだ。まあ、悲しい思いをさせたけど、結果よしだったよ」

 あはは、嬉しいこと言ってくれるよね、ノル。

「俺もノルのことは好きだよ。頼りになるし、優しい。俺って結構殺伐とした世界で生きてると思うんだけど、ノルがいてくれると助かるよ。フラットはまだ子供だし、俺も子供だしね」

「あはは、それはないだろ。ナギは元の世界では大人だった。だから、ちゃんと怒りも持つし怒る事もできる。そして喜び悲しみ、仲間のために涙を流すこともできる大人だよ。だから大人同士、何でも相談してくれ。この後も、もうひとつの迷宮にも入るし、他国にも行くだろうから、その時は相談しながらやっていこう」

 うん! ありがとう、ノル!


 ふふふ、嬉しいよ。

 ノルがいてくれれば百人力だね。

 じゃあ、お休みと俺もベッドに入った。



読んでいただきありがとうございます。


ナギの身体は少し心配ですが、眷属たちはナギのことを愛してますね。

一所懸命ナギもお世話してるし。微笑ましい~


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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