118 オニキスはアルムおじいちゃんに怒られました。
こんばんは、こんにちは。
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※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
おじいちゃん、俺、皆の成長を望んでるんだけど、大型組は難しいよ。いつまでたっても子供みたい。
ブルックスは現実をみたんだろう、頑張ってるよ。サンとソラも毎日活躍の場が少ないからつまらないだろうけど、それでも打ち漏らしは、ほぼ二人が狩ってくれる。俺はドロップアイテムの回収係だね。そろそろこのダンジョンも終わりそうだけど、もうひとつのダンジョンに入る前に、屋敷の周りの魔物を整理しようと思ってる。それは大型組の仕事。
俺は少し休んで、ドロップ品の整理をするよ。
今のダンジョンもあのままじゃ冒険者は無理だと思う。今日も考えてたけど、ああいうのはダメかな。そこまでする必要もないかなと思うんだけど、頑張るブルックスをみたら放っておけないよ。
でもね、なんだかイライラすることが多いんだ。
サンとソラと三人で旅に出るのは難しいのかな。人がいないから無理かな。
皆のご飯を作るのは問題ないんだ。
でも、迷宮に入ると俺のやることはない。飯炊きとドロップ品の回収だけ。これでいいのかな、俺。何をやってるのかわからなくなる。でも、ダンジョンに入ると、オマケのドロップ品があるから、いかないとダメでしょ?
ブルックスがいるから、殲滅にも時間がかかるんだ。まあ、彼は、西のダンジョン、ゴーレムダンジョンの担当だから、ここを出たらその辺りを話してみようかな。建物も必要だろうしね。商人はすぐには集まらないだろうから、ドロップ品の買取は国の仕事になるだろうし、そのあたりの設備の話しも必要でしょ。宿もないから、国営の宿でも作らないとね。あとは、ギルドとの話し合いかな。やることはいろいろあるから、その間に、皆は魔物討伐だね。サンとソラもいきたいなら行かせた方がいいかな。
うーん、いろいろ考えすぎて訳がわからなくなってきた。
外にでたら、具体的に見える気がするから、まだ相談に乗ってね。
あ、ちびっ子たちが洗うっていうから洗いましょう。
お風呂から出て、ちびっ子たちはベッドに直行ですよ。 二人には優しい風を送って、身体を乾かしてもらいましょう。その間に、俺はお洗濯だよ~
洗濯籠を手に、干し場に向かいます。
皆はデザートだね。ブルックスは既に夢の中。明日も大変だからその方がいいよね。
じゃあ、物干しの階段をずらして、反対側に干しましょう。これ、タイヤがついてますからね。もちろん、ロックもあります。
階段を上ってると、誰かが後ろに立った予感。
振り向けば、ノルでした。
「これ、引っかければいいのか?」
「うん。少し間を開けてね。それで浄化するの」
わかった、と籠の中かから大判のタオルを持って引っかけてくれます。俺も手前側からパン! と広げてかけましょう。それをみたノルは、引き返してパン! とタオルを伸ばしてかけてくれました。
手伝ってもらうと、かなり早い。楽ですね。
「ありがと。助かったよ」
「ごめんな。全く気づいてなかった。毎日やってくれてたんだよな。小さい身体で無理させた。申し訳ない。多分、明日で終わるだろうから、少し休んで買い物とか付き合うよ。いろいろ買わないと、俺たちが食い尽くしたからね。多分、オニキスたちは森に行くだろうから、それ以外は俺が手伝う。サンとソラも森にいくと言うかもしれないな。それはフラットに鞄を預けて頼めばいい。俺も馬があるから移動もできる。ブルックスも、ここのことやらないとだしな。どう、俺もいっていいか?」
「ふふふ、ありがとう。同じ事考えてた。でもノルも森に行くと思ってたから。いいの、行かなくて」
「ああ、いい。このなかで嫌というほど戦ったし。だからやるべき事をやるよ。俺は創造神様にそうお願いしたんだ、ナギのことを手伝いたい、助けたいって」
そうなんだ、なんだか嬉しいな。
「わかった。じゃあ、お願いしようかな。一人でやらないとって思ってたんだ。でも安心した。じゃあ、もう寝るね」
お休み、と階段を降りて部屋に戻った。
サンと上をむいて自由に寝ているソラは大股開きですよ。おもしろいね。
じゃあ、とそっと側に横たわって目を閉じた。
早朝から楽しそうに朝ご飯を食べるサンとソラ。隣りにはノルがいる。少し離れてブルックスだね。
今朝は、白米と味噌汁、ブラウントラウトの塩焼き、茶碗蒸しにしました。
おいしいとちびっこ二人は白米をお代わりですよ。当然、味噌汁もね。大きなボウルに盛った白米をバクバク食べるのはノルとブルックスです。
「この魚、旨いな。この前ブルックスが食べてたのとは違う?」
「焼き方が違うだけだよ。これは塩焼き。この前のはバター焼きだから」
「これほど味が違うんですね。朝には、塩焼きの方が好きです。あっさりしているのに味があるっていうか」
なるほどな、とノルは納得したようです。
それにしても、オニキスとフラットは何をやってるんだろうね。
そろそろ朝食はおしまいだね、とデザートの準備をしていれば、わー! とフラットの叫び声が聞こえる。
ドドドドとかけてきたけど、素っ裸だよ。
「フラット、洋服は?」
ノルの言葉に、自分の下半身をみてトイレに駆け込んだね。
出て来た時にはちゃんと洋服を着てました。というか、幻影で処理してましたね。
オニキスは? と問えば知らないという。
本当に自由だね、オニキスは。本当なら、召喚獣だから食事はいらないはずだけど、どうなのよ。まあ、起きるまで放っておこうかな。
とりあえず、顔を洗いにいったフラットの食事を出します。山盛りのご飯とデカいボウルの味噌汁。そしてブラウントラウトの塩焼きは半身です。同じ量を食べ尽くしたノルは、ブルックスとフルーツを食べてますよ。ちびっ子たちも同じ。だけど、量が違うよね。
いただきます! とたべ始めたフラットは、美味しいよと嬉しそうだね。
さて。
俺たちはそろそろ外にでるかな。
「ナギ様。黒玉をお願いします」
「わかった。最後に実験したいことがあるから付き合ってね」
はい! と元気ですよ。
じゃあ、と魔法袋いっぱいになるまで黒玉を入れました。 右手にはパチンコを持ってるね。やってみるつもりだろうね。
「フラット開けてくれる? 先に出るから」
「ん、ごめんね。すぐに行くよ。じゃあ、あけるから」
無音で開いた空間からノルとブルックスが外にでた。ちびっ子たちの入ったバッグをかけた俺も外にでました。手を振れば、すぐに空間は閉まりました。
ここは何がいるんだろうね。
「混成チームだな。だが、ミスリルとか何かの合金か? 人型ばかりだからデカいな」
「うん。そうだね。でも、どうしようかな。前ばかりじゃだめだよね。サンに出てもらおうか。でも、高さが足りないよね。ブルックスにバッグを持たせるのも危ないし」
「じゃあ、ナギはノーライフキングの杖をつかうんだろ。それなら、そのバッグをリュックにしたら後ろ向きになるからいいんじゃないか?」
「あ、そうだね。ええと、これは。こうだ、こうすればリュックになるよ」
「後ろ向いて。少し下げた方がいい」
サンとソラがひょこりを顔を出す。
「サン、ソラ。一番後ろからブルックスがくるから、打ち漏らしを狩ってくれ。多分、パチンコの練習するだろうから、みててくれるか。危ない時には連絡して。俺とナギは前を向いて攻撃するからな」
「うん、わかった~、ちゃんとみてるよ~。とぶのはまかせて~」
あはは、頼むぞ、と笑うノルと一緒に空に上がる。
「ブルックス。少し待ってね。合図したらフィールドに出て。打ち漏らしはサンとソラも狩ってくれるから。的確に倒すことを考えて!」
はい! と聞こえたので、空に上がる。ノルは右、俺は左だ。
じゃあ、行くか。
ノルはさっそく魔法攻撃です。
炎の弾丸が飛んでいきますね。俺も負けじとやりましょう。ノーライフキングの杖を右手に、凍結します。
おっと、すり抜けたやつがいるね。
当然、サンとソラが仕留めました。あ、空にはワイバーン型かな。
「ブルックス! 出て! 空はサンとソラに任せていいよ。とりあえず、使ってみて、パチンコ」
はい! とフィールドに降りたったブルックス。
俺は手前まで逃げたゴーレムを氷の弾丸で撃ち抜きます。横を向いて撃ち抜いていれば、空は終わったみたいなので、前を向きましょう。
ノルに遅れをとっているので、頑張りますよ。
ドドン! と聞こえたので、おそらくブルックスでしょう。
『あるじぃ、ブルックス、パチンコやったよ! たおした、ゴーレム~』
『そうなの? よかった。でも、まだまだだから気にしておいてね、サン』
りょうか~い、と癒やしの声が聞こえます。
後ろを振り向いてみれば、全てのドロップ品も回収されてるね。
じゃあ、俺も頑張ろう。
一度に何発が打てないかな。散弾だと狙いがつけられないね。
ゴーレムの額の文字を狙って複数攻撃したい。
<氷の爆裂弾>
ドシュドシュドシュッと三発飛んで行きました。全て命中ですね。ドドドーンとデカいのが倒れました。
楽しいな、やっぱり。
「ナギ!」
あ、フラットだ。
「遅くなってごめん。オニキスは創造神様に怒られて、ナギの影に入ってるんだって。呼ばれるまで出ないようにって言われたって」
「そうなの?」
あはははは~とノルが爆笑してるよ。
「じゃあ、ここ、頼めるかなフラット。ブルックスがパチンコ使い始めたから、行ってくるね」
う~ん、と俺の代わりに参戦してくれました。
サンに声をかけて、少し攻撃を待ってもらう。そして前向きにリュックをかけました。
これがいい、って大喜びだよ。でも、もう少し下げようか。魔法を使うとき危険だし。
あ、でもいいのかな? 俺が後ろにいくんなら、フラットかノルが連れてくれれば、もっとやれるよね。
そう言ってみれば、フラットが前向きにバッグをかけてくれるらしい。
じゃあ、お願いね、と肩掛けを戻してフラットの首にかけた。
これで俺は気にせずブルックスのことをみていられるね。
空を移動して、ブルックスの少し後ろに降り立つ。
「ナギ様。やっと打てるようになりました。でも、まだ少し硬いです」
「よかったね。でも、その硬さを克服しないと狙ったとことに打ち込めないから、頑張れ!」
「はい!」
おお、元気だよ~
でも、中々いい感じで討ち取ってます。
どうしても無理な距離は膝を撃ち抜いて転ばせてから、頭の文字を吹き飛ばしてるね。よしよし、いい感じだよね。
毎日走っているからだろうか、体力もついたみたいだね。息も乱さず狙って倒して、駆けてるよ。
この短期間で随分頑張ったね。
でも、やっぱり二人にはかなわないよね。
そろそろ奥まで行っちゃいそう。こっちも終わりそうだけど。
一応の打ち漏らしを狩ったブルックスは、パチンコを右手に持ったまま、腰袋を左手で押さえて走ってます。うん、いけそうだね。
途中、小部屋もあったけど、それ程のお宝じゃないから無視しました。
ボス部屋に到着した時には、ノルたちが待ってくれてた。
この階層は少し前から階層ごとにボス部屋があります。でも、うちは全く問題ありません。
フラットの前にあるバッグには結界がありますので、ノルと一緒に空に上がって様子を見てくれてるよ。ブルックスは強固な結界に入れてます。腕を組んでじっと見ていれば、膝をフラットとノルに吹っ飛ばされたミスリルのゴーレムはごろんと転がった。でも、関節だけしか壊せませんでしたね。その後は、サンとソラが一緒に額を撃ち抜きました。
はい、おしまいです。
スーッと消えたミスリルゴーレムのあとにはドロップ品があります。そしてオマケのドロップ品もね。
とりあえず、全てを回収して、ひと休みです。
飲み物を取り出して、サンドイッチを出しました。
オニキスの事をブルックスに伝えれば、とても驚いてました。でも、納得もしたみたい。
ちびっ子たちは、テーブルの上でサンドイッチを食べながらミルクを飲んでます。ふふふ、かわいいね。二人はオニキスのことに対して反応しませんでした。とてもお利口さんですよ。
ひとしきりおやつタイムを味わった俺たちは、奥にあるドアを出てゆきます。転移陣に乗れば外にでますけどね。
読んでいただきありがとうございます。
ナギではなく、アルム神様に枷をかせられたオニキス。
魔物討伐には出てくるだろうけど、どうだろうね。ちゃんと召喚獣として自立してくれたらいいけど。この上、ナギにキレられたら凹みそうだし笑
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