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116 ブルックスのために新型の黒玉を作ってみたよ~

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


「これは。なんでしょうかナギ様」

「これはね、俺がノルに作った投擲弾だよ。敵に触れれば爆発する。ということは、お前が地面に落としても爆発するということ。爆裂と行ってもいい威力だよ。だから扱いには充分気をつけて。サンは今もそうだけど、ソラも迷宮で訓練を始めると思う。だから、お前のミスで子供たちを傷つけたら許さない。いいね、それくらいの威力があるってこと」

「……わ、わかりました。最新の注意をもって扱います。それで、これはどう使うのですか?」

 あの岩に向かって投げて、といえば、理解できないんだろうね、玉を一個取り出して岩の方へ投げた。


 ドドドン!


 岩は迷宮ならではだから壊れることはなかったけど、かなりの爆裂だったよ。

「お、恐ろしい武器ですね。これはナギ様が作ったということですよね。怖いです」

「そうだね。剣でも魔法でも同じだよ。怖いんだ。だから、どれも安易に扱うものじゃない。ちゃんと鍛錬して強くならないとね。時間もあるんだから、屋敷に戻ればノルに教えてもらえばいい。ノルが忙しい時は、基礎訓練を聞いて自主的にやればいい。王宮の騎士みたいに気遣ってはくれないよ。自分の命、仲間の命を守るための訓練だからね」

 はい! と目つきが変わったね。


 じゃあ、ともう一度、クリエイトだね。

 ブルックスが使う、爆裂弾用のパチンコを作りたい。サイズなどはお任せします。


(クリエイト)


 少しだけ光ったそこにはパチンコがある。ふむ、ノルのとは少し違うかな。改良してくれたんだ、クリエイト先生。伸び縮みする部分が太くなってる。ということは威力が増した? 多分そうなんだろう。爆裂弾を扱うのに、かなり力がいだろうけど、強力になったって事だよね。


 それはなんですか? と俺の手のひらをみてるね。うん、気になるよね~

 玉をもらって、パチンコを構えてみるけど、無理だね。じゃあ、剛力スキルかな。

 ぐいっと引いて手を離す。すると、黒い玉は放物線を描いて飛んでいった。角度間違えた!

 

 ドドーン!


 うわっ、と聞こえた。

「な、ナギ様。それはどういうものなのですか!」

「これはね、パチンコって言うんだよ。ここに爆裂弾を入れて持つ。そのまま、これを引っぱって狙いをつけたら離す。伸び縮みする力で飛んで行くんだ。だから、きちんと狙いをつけてないと仲間も傷つく。狭い所では使えないけど、こういう所なら回りが見えるでしょ」

 はい、とパチンコを渡した。

 それを俺が持ってたように構えてみてるんだけど。最初はそのまま引いてみて、といえば構えようとしてたけど、全く動いてないね。

「あの、ナギ様。全く動きません。ナギ様はどうやって引かれたのですか?」

「俺も無理だよ。だから剛力スキルをつかった。だって、大人のブルックスでもダメなんだから、無理でしょうよ」

「これは……今の私には引けません。訓練しないと無理です。それまでは、投擲でやります!」

「それもいいけどね。ゴーレムも、この辺りの個体になると再生するんだ。だから、みて。みんなは、額にトドメを刺してるだろ。あそこに文字があるんだけど、それを壊せばいい。そうでないなら、脚を狙って倒れた所を再生前に、頭をぶち壊す。そういうやり方になる。土や岩ならいいけど、金属になってきたら大変だよ。だから爆裂弾をパチンコで打てるようになる。それしかない。そうでないと、ここから先は役に立たない。鉄の次はおそらくミスリルのゴーレムになる。だから、余計に急所を突かないとダメ」

「わ、わかりました。では、少し時間をください。これを引く練習をします」

「うん、いいよ。じゃあ、パチンコだけ持って空間に入る? それとも、ダンジョンでやる?」

「ダンジョンがいいです。回りをみながらやりたいです」

 わかった、とそろそろリポップするから行くよ、と告げて走り出す。サンは周囲の警戒をしてるね。

 肉体強化をかけたブルックスも、俺の後をついてきた。

 そろそろ終わりそうだね、三人は。途中、一体逃げてきたやつは、サンが雷の弾丸を額に撃ち込み終わった。


「お疲れー」

 おう、とこっちを向いてくれるんだけど、まだブルックスは数メートル先だね。

 やっと到達したけど、はぁはぁと息が上がってる。

「どうだった、何発が打ってただろ」

「うん、一個は投擲。で、次のは俺がパチンコで射って見せたんだ。今回のパチンコは強くてね、引けないんだよブルックスは」

 はあ? と皆が呆れてる。

 人型に戻ったノルは、パチンコを手に取って引いてみてるね。

「うん、少し強いな。だけど、利き手で引くなら問題ないだろ?」

 あははは……ブルックスは落ち込みました。


 じゃあ、しばらくは投擲だな。そう呟いたノルは、俺たちにぶつけるなよと笑ってるけど、危ないよね。



 次の階層は、手前に普通の鉄ゴーレムだね。奥はヤバイやつがいる。

「じゃあ、俺たちはここで雑魚をやるよ。三人は少し向こうからお願い」

 おう、と三人は獣化して空に上がった。

 さて。最初は無理だよね。

「じゃあ、サン、ソラ。俺で少し間引こうか。フィールドに降りないとだからね。ブルックスは合図するまで安全地帯にいて。すぐに空白を作るから」

 はい! と聞こえたので、ちびっ子二人の入った鞄をかけた俺は空に上がった。

 

 そこで、手前から殲滅が始まる。

 サンは雷で真っ直ぐに額を撃ち抜く。ソラは光で。俺は氷のライフル弾で確実に倒してすすんだ。

 そろそろ二十メートルくらい空いたかな、と振り返ってブルックスに合図する。同時に俺たちは後ろに下がった。そうでないと危険だからね。

 ブルックスの少し後ろに陣取って、前に押し出す。

 ここから数メートル進んで、ブルックスは黒い玉を投げた。

 一発目はゴーレムの前におちちゃった。すると、少し力を入れたようで、真っ直ぐ飛んでいったけど、敵の肩に当たった。それでも、爆裂を起こし、鉄のゴ-レムの肩は吹っ飛んだよ。

 何回かそれを繰り返したブルックスは、少し考えたようだね。

 足下を狙うのは大変だからと思ったんだろう、大きな放物線を描いて黒い玉が飛んでいった。それは、見事に一体のゴーレムの頭に命中して吹っ飛ばす。

 やった! と聞こえて、次々と放物線を描き出す。少し位置をずらしているようだ。だけど、上手くいなかない。どうするのかとみていれば、少し前に出て一歩移動した。そのまま投擲する。見事に命中したのを見て、もう一歩横にずれた。今度も命中したね。

 こいつ、距離を計る何かがあるのかな。無意識だと思うけど、いい感じだね。

 サンも何とかなる? と聞いてくる。そうかもしれないね、と答えておいた。

 そのままやらせてみれば、前後の位置が違うけど、かなりの数を倒したね。それを抜けてきたやつはサンが倒してゆく。右はソラだね。

 それをみて、腕を大きく掲げたブルックスは、少しずつ前に進みながら中央部分を幅広く殲滅してゆく。もしかして、投擲スキルでももらったかな。

 

 鑑定して見れば、その通り。

 投擲スキルは既にレベル2になってました。うん、これはいいかも。あと、距離を計るということかな、計測のスキル? これはいろいろ役に立ちそうだ。戦い以外でも使えるね。

 じゃあ、そのままサンはバッグを飛び出した。

「ブルックス、サンが後ろに出たから、後ろは任せて、気にせず進んで! でもゴーレムの形が変わったら、注意して。どんなやつか観察してね!」

 わかりました! と後ろを振り向いて、サンに手を上げたね。サンも腕を振ってますよ。

 俺は変わらずドロップ品とオマケのドロップ品の回収係だよ。

 しばらくは大丈夫だろうけど、このままではミスリルゴーレムには対応できないよね。やっぱりパチンコで直接狙えるようにならないとダメ。ノルはすぐにできたけど、力がないブルックスは無理かもしれない。だけど、利き腕の力が増せば剣を使うのにも役に立つ。訓練はやっぱり必要。どうやればいいんだろう。前世なら、握力をつけるグリップとかあったけど、握力だけじゃダメだと思う。それなら、腕と手の力を鍛えるものがあればいいかな。

 深夜ショッピングでみたことのあるトレーニング機器が頭に浮かぶ。

 グリップが両方にあって、その間に、ぶゴツイバネが巻いてあった。それを腕を開いたままグリップを握って曲げる。確かそんなやつだっけ? これ、二の腕から全部鍛えられるかも。背中も鍛えられると思うんだけど、どうだろう。使い方次第だよね。

 クリエイト先生。あまりにざっくりしたイメージですが、二の腕から背中、握力まで鍛えられるものがほしいです。頭に浮かぶ器具を参考にしてもらっていいですので、作ってください。


(クリエイト)


 ぶわっと光った目の前には、既視感のある器具がある。でも、かなり太いよね。

 重いのかな。

 うん、重そうだ。このままストレージの中に入れよう。

 クリエイト先生。ありがとう。感謝します!


 そろそろ終わりそうだね、三人も。

 おっと、戻って来たよ。

 じゃあ、行こうかな。

 サンに声をかければ、飛ぶように戻ってきてバッグに入ったよ。直前にクリーンしたのは面白い。

 途中で待っててくれるっていうことは、あそこが次のエリアとの境目だね。


「ブルックス、走るよ」

 そう伝えて、地面に降りて駆ける。当然、肉体強化を駆けたんだろう、ブルックスも駆けてきた。うん、随分力強くなったよね。



 そこで安全エリアから空間に入った。

 皆、互いにクリーンして入って行った。俺はブルックスをクリーンして中に入れば、すぐに空間は閉じていった。


「はあ、疲れるね」

「だが、なにやら工夫していたようである」

「うん、投擲だけだろ? まあ、今の力じゃ無理だろうな、パチンコを引くのは」

「そーだねー。でも、頑張ってたよね、ブルックス」

 それは皆頷いてるね。


「ええと、飲み物は何? 何か食べる?」

 果実水と水を大量に取り出す。

 そしてちびっ子たちにはミルクだね。

 目の前に、サンドイッチをいろいろ取り出した。

 普通のサンドイッチ。これは野菜と卵、野菜とハムです。あとは、ジャムを塗っただけのサンドイッチ。それも大量にね。とりあえず、これだけ出してみた。

 ちびっ子たちには深皿に両方入れてあげたら大喜びだよ。


 大人組はジャムのサンドをみて、訝しげに口に入れた。そう、訝しげにね。

「これ、すごく美味しい。甘くて、僕は大好き~」

 あはは、フラットは気に入ったんだね。

「ねえ、ナギ。これは何? 甘いのがかなり旨いよ。それにあっさりしてて食べやすいんだけど」

「うむ。これは食べやすいぞ、主。なんと言うものだ?」

「おいしいでしょ。これはジャムサンドだよ。ただ、パンにフルーツのジャムを挟んだもの。ジャムっていうのは果物なんかを煮詰めたもので、水は入ってない。だから日持ちもするし美味しい。でもね、冷蔵庫とかアイテムボックスにいれておかないとダメになる。カビが生えて食べられなくなるんだ」

 ジャム、と皆がみてる。でも、モグモグは止まってないね。


 当然、俺も食べてますよ、ジャムサンド。いろいろジャムを作っておけばいいね。今は果物が買えないから、出てからになるよね。簡単で皆が喜んでくれると、俺の負担も少なくていいよね~


 普通のサンドイッチも問題なく食べてくれました。

 途中で、皆もミルクと果実水になってたのは面白かった。

 だから思い切り食べてくれたんだけど、途中で内緒でコピーしたよ。ストレージの中にね。

 

 満足した皆は、果実水を飲んでる。

 そこにストレージからドスンと思い器具を取り出した。

「これは何?」

 興味を持ったのはフラットだね。

「これはね、ブルックスの訓練用の器具だよ。今はパチンコが引けない。力が足りないんだよ。ノルみたいに、剣を振って何年も鍛えた訳じゃないから。だからそれを補うための器具を作ってみた。俺には重過ぎでもてないけどね。ブルックス、持ってみて」

 はい、と地面から持ち上げたけど。重そうだね。

 

 使い方を説明したんだけど、すぐには無理そうだ。

 これで背中、腕、手首などを一度に鍛えられると思う。両方のグリップを持って持ち上げる。下、中、頭上などへ移動するだけでもかなりの重さがあるから訓練になる。

 本来は、グリップを持って水平なままでバネを曲げるんだと説明してみた。

 ノルはやってみると手に取ったね。そして足下から腰、胸、頭上と持ち上げる。そのあと、腕を伸ばしてバネを曲げた。

「これ、かなり鍛えられるぞ。ブルックス、最初は脚、腰、胸、肩、頭上で止めるだけでいい。だが、できるだけ身体から離して止める、移動する。その方が付加がかかるからいい」

 うん、すごいね、ノル! 正解だよ~

 

 フラット、オニキスも挑戦していたけど、まあ、問題ないよね。それでもかなり効くぞと嬉しそうだった。

 ブルックスは、それを手に持って腰の前で持ち上げるけど、ぷるぷるしてるね。

 でも、毎日続けることで楽に扱えるようになる。自分の身体を最短で鍛えるためのものだから、と言っておく。走るのはフィールドを走るから自ずと鍛えられるからね。


 フルフルと辛そうなブルックスをみながら鑑定してみた。

 うん、しっかりレベルが上がってる、攻撃力も上がったね。魔力も上がってる。驚くことに、投擲スキルと計測スキルが両方ともレベル3になってた。ちゃんと鍛えれば、そのうち別のスキルももらえそうな気がする。やっぱり迷宮では、俺の仲間はレベルアップの場所なんだ。おじいちゃんの言ってたとおりだね!


読んでいただきありがとうございます。


ブルックスの新しい攻撃方法を作ったナギだけど、努力してくれるといいなぁ。ダメダメ王子、ブルックス! 頑張れよ~


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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