110 迷宮に潜るまでの準備をしました。
こんばんは、こんにちは。
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今日もよろしくお願いします!
※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
じゃあ、明日から潜ります、といっておいた。緊急な連絡以外はしないこと。魔物と戦ってるときとか、気配を消してるときに音がすれば命取りだからね。
ヒュッと息をのんだ宰相が絶対に守るという。じゃあ、定時連絡をすることにした。朝八時に連絡をいれること、とブルックスにいえば了解ですと笑顔で答える。大丈夫かよ、お前。
じゃあね~と王宮を飛び立てば、そろそろ日が暮れそうだ。
三十分もしないで屋敷に到着した。
お帰りなさいませ、と出迎えられて手を振って答える。
明日から屋敷をしばらくあけると伝えれば、依頼でしょうかと聞かれて、そうだよと答えた。間違いないでしょ。
そうだ、アイテムボックスを作っておくかな。
何か袋はないかな。麻袋って訳にはいかないけど。何かあったかな、と確認してみるけど何もないよ。
料理長は忙しそうだけど、聞いて見よう。
「何か鞄とか使ってないのあるかな。アイテムボックスを作ろうと思ってるんだ。魔道冷蔵庫じゃずっとおいておけないから。時間が止まるものを作るよ。それならいろいろ保存できるしね。
そうですねとはいうけど、今はないらしい。
じゃあ、何か作ろうかな。
食事まで少し作業してくるといえば、オニキスたち眷属は、サンルームでのんびりするらしい。それならちびっ子たちを頼んでおいた。
明日の朝は、ギルドに行って新しいギルマスと会ってノルとソラを登録してから迷宮に潜るからね、と伝えておいた。
ブルックスには用事を頼む。
まず、新しいギルマスが来てるかどうか。
それによって朝の行動が決まるからね。それと、迷宮に行く準備をしっかりとすることを言い渡した。特に剣のチェックは怠らないように。折れたんじゃ意味がないから。もし、危なそうなら別のを用意するからといっておいた。
寝室のリビングで、ブルーブルの革とオークの革を取り出す。
作るのは革のネックレスを二種類。できれば太めの丸いパイプのようなものを空間と接続してアイテムボックスにしたい。容量無制限で時間停止するもの希望。ネックレスは紐で縛って止めるタイプ。手で触れば収納されるようにできればいい。屋敷の使用人用なので飾りは不要。
(クリエイト)
ブワッっとひかった、革は、あっという間に丸いパイプ状でチョーカーのような作品になった。そして、より明るく光ったと思ったら、一分くらいで収まった。
おお、思った通りに出来上がってる。革の紐で留めるようになってるよ。
<鑑定>
丸チョーカー型アイテムボックス 容量無制限・時間停止型空間収納 使用人用 ブルーブル革製 オーク革製
できたよ! かなりすっきりしてるけど、かっこいいよね。うん、いいよ!
じゃあ、二人に渡しておこう。
その前に……
「ねえ、獲物はある?」
あと少し、と言われた。それなら、と全部俺のアイテムボックスに移動させてと言えば、ドンドン移動してきた。少しじゃないよ、みんな!
あはは、これ、呆れるほどあるんだけど。
じゃあ、まずはトッドだね。
外に出て片付けをしているトッドに声をかける。
「トッド、明日から少し屋敷をあけるんだけど、解体する魔物はここにいれたからね」
え? とクビをかしげてる。
これつけてと言えば、チョーカーだと理解したんだろう、クビに紐で縛った。
リストと呟いてといえば、目の前に半透明のメニューが出てくる。
そこにはズラズラと魔物の名前が書かれていた。それぞれの頭数も記されている。
「ナギ様。これって、もしかして」
「そう、アイテムボックスだよ。さっき作ったんだけどね。容量無制限で時間停止型だから、いつでもどの魔物でも取り出せるよ。肉は、とりあえず午前中くらいは冷蔵庫に入れておいて、アイテムボックスに入れて料理長に渡して。こっちは料理長に持ってもらうから。すぐ使わなくても大丈夫だからね。解体したら渡しておいて」
すごい、と呟いてる。
「あはは、屋敷内で使うものだからね。えっと出してみる?」
メニューをみて名前を呟けば、ドンとそこに出てくる。すごい! と大騒ぎだ。そして手で触れればシュッと収納された。なるほど、と嬉しそうだね。
「素材は、出来上がったらここに入れておいて。戻ったら引き取る。ちゃんと別に表示されるから問題ないよ」
わかりました! と再び片付けを始めた。
次は料理長のところへ向かう。
そろそろ食事なので、忙しそうだ。
同じように説明すれば、クビに取り付けて、魔道冷蔵庫をひらいてどんどんいれてゆく。そんなにあったの?
はい。と辛そうだった。干し肉もかなり作ったらしくて困ってたんだと聞いた。それなら、少しもらっていこうかな。
鳥系を半分くらいとブルーブルを十頭分くらい。そして干し肉はスープのダシにいいから半分ほどもらったよ。
時間停止型だし、容量無制限で問題ないからと言えば大喜びだった。肉だけじゃなくて、作った料理も別のものとして保存してくれるから、熱いものは熱々で、冷たいものは冷たいままで保存されるよといったら、かなり喜ばれた。鍋に残ったものは腐らないように皆に食べてもらっていたらしい。
じゃあ保存しておいて、次に同じ物を作る時に足して使えばいいよと教えてあげた。俺のつくる旅飯はそうだと聞いて、安心したみたい。出し入れの仕方も既に問題ない。風呂に入るときは革だから外した方がいい、と伝えておいた。
野菜でもなんでもいろいろ使ってねと、手を振って食堂を出た。そろそろ食事ですから、と背中で声が聞こえる。嬉しいのはこっちだよ、と右手を挙げておいた。
ふぅ、とティルームに戻れば、風呂に入りたいから俺の風呂に入らせろというんだけど、問題ないといえば、全員が駆けていった。
ソファに身体を預けて身体を伸ばす。
今日もいろいろあったね。とんでもなく疲れた気がする。
自分がいろいろするならいいんだけど、国王とか宰相とかフルレットとか。偉い人を使うのは気を使う。一応、気を使ってるんだよ。飴と鞭を使い分けるのは大変だ。
明日からの迷宮はどうなんどうね。本当にゴーレムだったら笑うけど。いろんなのが出てくるんだろうね。でも上手いこと倒せるかどうかは、オニキスが知ってる気がする。少し時間がかかるかもしれない。殲滅という訳にはいかないだろうな。
その方が楽しいかもしれないけど、どうだろうね。
そうだ、ノルに聞いて見よう。あの腰鞄をブルックスに貸してもらいたい。ドロップ品を回収するのに皆が持ってた方が便利だから。
ソラもとりあえず持ってたよね、確か小だったけど。
これでとりあえずは問題ないかな。
料理もある程度あるから大丈夫だろうね。
そういえば、最近薬を作ってないな。サンにポーションを頼んでおこう。
御食事の準備が整いました、と執事が呼びに来た。
明日からいないから、残金をきいたけどまだまだあるらしいので、大丈夫かな。
同じように結界を張ってゆくからと伝えておく。馬は必要ないから世話を頼んでおいた。馬場は小さいから、庭で駆けさせていいからねと言っておく。
後は何かあるかな。まあ、皆にも聞いて見よう。
朝日に起こされた。
今日も気持ちがいいね~
んーっと身体を伸ばして、隣りに寝るサンとソラを見た。
気持ち良さそうに寝てるね。かなり可愛い。
隣のベッドではフラットがそこそこの大きさで大股開きで寝てるよ。クククと思わず笑っちゃった~
さて。
今日からは新しい『岩だらけの迷宮』に調査に入りますよ。
その前にギルドにいかないと。
ゆっくり起き上がり、身支度を整える。
帯剣してるけど、今日はノーライフキングの杖を持ってますよ。俺は魔法三昧になりそうな気がする。というか、ドロップ品回収係かな。
サンは俺の気配を感じたんだろう、目を覚ましたのでクリーンしてやれば、ソラを優しく起こしてますね。
フラットも起き上がったので、当然クリーン。口の中まで綺麗にしたよ。
「フラット、ご飯食べたらギルドに行くからね。ノルとソラを登録してから迷宮に行くよ」
は~い、と大きな身体をブルブル震わせる。
やっと起きたソラもクリーンしてやれば、サンと一緒にフラットの背に乗った。
ゆっくりと食堂に降りれば、オニキス、ノルが待っていた。そして送れてブルックスが入ってくる。
「おはようございます!」
おはよう、おはよ……
皆も律儀に帰してるけど、まあ、当然だね。それにしてもうるさいよ、ブルックス!
すみません、と縮んだよね。
うまうまの朝食をたらふく食べた俺たち。
ノルがブルックスに腰鞄を渡して説明してるよ、貸してやるって。あはは、わざとだろうけど面白い。まあ、それくらいでいいよね。
その後で、執事と侍従長に通信用の水晶板を屋敷に置くと話した。ひっくり返りそうになってたけど。
もう魔力は充填してあるからと、軽く使い方を説明した。
二人とも、知識だけは持っていたらしいので、問題なく終わったよ。何かあったら連絡ね、と頼んでおいた。
門の騎士さんたちとも少し話す。
いつものように全体に結界を張るけど、門の所だけは試作段階だけど、悪者進入不可の結界を張ってみる。もし、機能しなかったら執事に話して連絡ください、と頼んでおいた。
さて、結界だね。
屋敷を守る強力な結界・門の部分だけ悪者進入不可の結界がほしい。
<守護結界!>
ブワリと薄いピンクの結界が屋敷を覆った。入り口だけはほんのり緑色っぽく見えるんだけど。
鑑定すれば、ちゃんと出てました。
外部の結界は眷属以外のドラゴンでも破壊不能だって。入り口は悪意あるものは拒むと出てるから大丈夫そうだね。
夜もゆっくり眠れそうだよと言えば、満面の笑みで感謝された。
入り口の門は既に作り直したからね。もちろん、騎士さんたちが交代で休めるボックスも製作済。門扉はおしゃれな感じで高さがあるから大丈夫。そして、夜には木の大きな扉を内側から閉めるんだよ。かんぬきかけて。
まあ、これで大丈夫だと思うよ、と皆で門をくぐった。
ギルドまでは、オニキスはドラゴンの姿で。フラットはブルックスを乗せて。俺はサンとカールの入った鞄をかけてノルの背に乗ってすすんだ。
まあ、すぐに到着するんだけどね。
ギルドの手前でサイズ調整したオニキスはスムーズに正面に人型で降り立つ。フラットも、ノルも同じだね。
「おはようございます~」
「ナギ様。ようこそいらっしゃいました」
「あのね、眷属が増えたんだけど、登録してもらえるかな」
承知しました、と受付嬢は奥に入ったよ。
登録用紙をもらって、詳細を書きます。
ソラとノルですね。
ええと、幻獣とパンテーラ・オスクーラだね。眷属っと。
「失礼します。ナギ様でいらっしゃいますか?」
え? 誰、この人。
「私、当ギルドに新しく就任いたしましたギルドマスターのジェイクと申します。どうぞよろしくお願いします」
「ご丁寧に、ありがとうございます。ナギです。いろいろとお騒がせして申し訳なく思っております」
「とんでもございません。ご功績は聞いておりますので。それで、従魔登録ですか?」
「はい。眷属が増えたので」
「なるほど。あの、見かけない姿なのですが、少しお話を伺ってもよろしいですか?」
うーん、どうしようかなぁ。時間もあるし……
「主、この際だから、説明すればよいであろう。旨い菓子が出るかもしれぬしな」
もちろんでございます、とギルマスのジェイクは満面の笑みだけど。まあ、いいかな。
「わかりました。あまり時間はありませんが、それでもよければ」
ありがとうございます、とさっきの受付嬢に美味しいお菓子と飲み物を告げて従魔登録用紙を手に、階段を上がる。
「どうぞ、おかけください」
どうも~と腰を下ろす。
フラットは大型犬サイズなので、問題なく座ってるよ。いつものようにオニキスは二人掛けにドカリと座った。サンはバッグからひょこりと顔をだしてテーブルの上にぴょんと乗った。ソラも顔をだしたので、ソファに下ろしてあげました。ノルは所在なくヒョウの姿でお座りしてる。
「手続きをしておりますので、少しお待ちください」
そう言い、ジェイクはソラをみる。
「この子はみたことのない幻獣ですね」
仕方ないから、説明しましたよ。
母がケットシー、父は異世界の大口真神という神だと。託されたし、本人も一緒にいたいと言ってくれたので、と正直に話したよ。
「なるほど。それでそのような姿なのですね。では、大きくなれば二足歩行になるのでしょうか?」
たぶんね~
「すばらしいですね。それと、そちらのパンテーラ・オスクーラという種類は初めて見ます」
これも説明しないとね。
ノルは創造神さまが俺の為に作ってくれた。
他言無用の約束ができるかと問えば、必ず、と言う。じゃあ、とギルマス交代になった経緯などを話し、ノルのことを話した。その魂をこの子に入れてもらったんだと話したよ。
ダークビーストキングと呼ばれる闇の獣王で、悪魔の獣王ですよ。人型で話しもするからね。黒と言うより漆黒でしょ。小さな猫の大きさにもなるんだよ。空も飛べるしね。
だから名前も同じ、ノルだよ。
そういえば、ジェイクはひっくり返りそうになった。
「そ、そのようなことができるのですね」
「普通は無理だよ。おじいちゃんが僕の落ち込みが酷かったから気を使ってくれたんだ。ノルは人の時から様々分析してくれる重要な人だった。国の宰相と同等の考えで判断をしてくれた。その上、強かったよ。だけどね、あのバカ貴族が……まあ、そんな所だよ」
なるほど、と感心してたよ、ジェイクは。
読んでいただきありがとうございます。
やっと準備が整いました。
岩の迷宮は果たしてどんなところなんでしょうね。
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




