106 大型三人組が探索に行ってくれたよ。
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※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
ちょっとした時間でトッドの解体を覗いていますが、これはすごいです。とんでもない技術といっていいでしょう。
じっと見ていたら門に立ってる騎士が呼びに来た。客が来たらしい。珍しいね。
フラットとオニキスに客だからいってくる。ちびっ子を頼むね。いきなりザバリと顔を出して二人は一瞬のあとプールを出てきた。
え、ちびっ子たちは? 放っておくの?
とりあえず、急ぎ戻ってびしょ濡れの二人を抱きあげ門へと急ぐ。
あ、中に入ってるじゃん。
イケメンだね、誰だろう。
オニキスもドラゴン姿で話してるし、フラットもフルフル身体を震わせて話してる見たい。誰?
「主殿、客人を屋敷にいれてもいいか」
「オニキス、知り合いなの? いいよ、どうぞ」
移動する三人の後をついて行ってるんだけど。気配がね、以前知ってる気配なんだよね~
屋敷に入って応接室にいっちゃったけど、オニキス、濡れてるじゃん。フラットは玄関ホールで風魔法のボールに入ってる。
サンとソラもいれて、とフラットの背に乗せたら、サンがオニキスの所に行くんだと聞かない。おかしいなぁ。こんなにぐずることなかったのに。執事が持って来てくれたタオルでサンを拭きながら入っていった。オニキスは髪の毛をガシガシ拭いてるけど、客の前でなにやってんの。
「主殿。強い味方が来てくれたぞ!」
強い味方? どういうことかな。
とりあえず、鑑定してみるかな。
<鑑定>
■パンテーラオスクーラ(闇豹)ノル:ナギの眷属
≪ステータス≫
レベル1012
年齢:0(創造神により魔物精製された)
性別:オス 特殊個体 ダークビーストキング
闇の獣王 悪魔の獣王
体長 体高 体重不明
生命力:∞
魔力:∞
攻撃力:∞
防御力:∞
≪スキル≫
全属性魔法(無属性・光・闇・回復など全て)MAX
≪EXスキル≫
鑑定MAX
探索MAX
状態異常無効MAX
≪ユニークスキル≫
変化(獣人にもなれる 小さい黒猫の姿にもなる)
再生
人化
発語
滑空(翼はないが空を飛ぶ フラットと同程度の速度)
[異空間収納]
========
[創造神の加護]隠ぺい
[幸運]隠ぺい
漆黒の豹(ノルの生まれ変わり)
人型になれば漆黒の髪色 細マッチョ
背が高い イケメン 瞳は濃いグレー
うわぁ~すごいね。
オニキスよりレベルは低いんだぁ。でもあとはほとんど一緒で、どれもこれも∞とMAXだよ。
でも、ゼロ歳だよね!
「鑑定終わった?」
え? どうしてわかったの?
「主殿。気づいておらぬか。名前をみて思うところがあるであろう?」
名前? んーっと、ノル……
「ノル! ノルなの!」
「そうだよ。創造神様に作っていただいて闇の豹になったんだ。よい魔物がいないからってね。黒豹でもよかったんだけど、魔物であって獣じゃだめなんだって能力的に。だからいろいろつけてもらった。全てを使ってナギを守るよ。力強い仲間もいるしね。またおいてくれるかな?」
「う゛ぞぉ゛ーーー、よ゛がっだぁ゛ーーーー」
おいおい泣いちゃった。
だって、嬉しかったんだもの。仲間が死んだの初めてだったから。
「づら゛がっだ~」
そうかそうかと頭を撫でてくれる。
オニキスもフラットも、サンもソラも。すごく嬉しそうで、ノルにくっついてるよ、ちびっ子二人組は。
「……ごめ、ん。バカみたいに泣いちゃったよ。あのね、部屋はそのままだよ。ブルックスが俺担当だって、今日荷物持って来たんだけど、ノルの部屋はダメだって言っといたから。だから使って。それと、ノルのアイテムボックスの腰鞄もあるからね。剣はどうする?」
そうだな、と考えてるよ。
俺の様子を見てたんだろう、侍従がお茶を持って来てくれた。
「執事と侍従長、呼んでくれるかな」
はい、と部屋を出ていった。
「よかった、またこれが食べられるよ」
シフォンケーキを見てそう言ったんだけど、違うんだよ。
「あのね、そのシフォンケーキは料理長が焼いたんだよ。レシピ教えてあげたんだ」
「そうか。嬉しいな。いただくよ」
テーブルの上でがっつり食べてるよ、サンとソラは。
「ソラのことは聞いたよ。見てたしね。少し大きくなったね。俺も猫になれるから、遊べるかな。闇豹に戻ったら、人も乗せられるから。もっと役に立てると思うよ」
おお、力強いな。これ、百人力だね。
「お呼びですか」と二人がやってきたので、ノルのことを説明しておくつもり。ドアの向こうにはブルックスもいた。気になってるんだろうね。
ついでにブルックスも一緒に話しをした。
昨日、聞いてたブルックスは、簡単に納得したよ。でも使用人二人はイマイチみたい。
それなら、とブルックスは俺がアルムおじいちゃんの使徒だとバラしやがった!
えええええええ!!!!!
ひれ伏す二人に、何やってんのと立たせた。
「俺は、今、普通のナギだよ。使徒の仕事をしてるわけじゃない。でも、眷属たちと一緒にその仕事をになってくれるメンバーが、もう一人増えただけ」
そう伝えて真実を話す。
ノルは一度死んだけど、アルムおじいちゃんは魂を引き寄せてくれてた。初めて仲間を失って、そのことがあれほど辛いとは思ってなかった。本当に辛かった。
ノルは優秀な斥候だったし、気が利くし優しい。眷属たちにも気に入られてる。それほどの人だった。頭がいいから、先を見ていろいろと段取りしてくれてた。失って、もっと価値がわかった。
それを見かねたおじいちゃんが、わざわざ新しい魔物を作ってノルをここに戻してくれたんだと説明した。
そうだったんですね、と二人は理解してくれた。
「このことは、俺たちだけの秘密。使用人たちには徹底してね。特にブルックス、お前は口が軽い。騎士たちにも話して。裏切りは許さないからね。創造神を馬鹿にする気なら別にいいけど」
しっかり脅しておいた。まあ、大丈夫だと思うよ。
「ナギ、すごい威力だな、その力」
力? 何のこと。
「気づいてないのか?」
「主は全く気づいておらぬぞ。恐ろしいことだ」
ちょっと待ってよ、何言ってんの?
ははは、と誤魔化された。
「で、あの水の入った箱はなに?」
プールっていって、皆が泳ぐところだよと説明したら、ノルも泳ぎたいらしいよ。
「でも、今日はダメ。午後から調べて欲しいことがある。迷宮の場所とか規模。それと鉱脈なんかがあればそれもね」
あ、ブルックスがいたっけ。
何の話しですか、とキョトンとしてるよ。まあ、後で話してあげるからと濁しておいた。
「それなら食事だぞ、主。しっかり飯を食って、我ら大型三人で探索してこよう」
うん、と立ち上がる。既に侍従はいなくなってる。早いよね、段取りが。
サンはジャンプしながら、ソラは小走りで駆けている。
あれ? ソラが駆けてるよ!
「主は過保護だな。もう駆ける頃だろう」
え? 早すぎるでしょ?
「そんなもんだぞ」
ノルもオニキスに同意するの?
まあ、実際駆けてるからいいんだろうね。四足だけど。
ぴょんとテーブルにのっかったサンの上に乗って一緒に跳び上がったソラに驚かされる。
とっても力強くなったね。ちょっと嬉しくなってしまうよ、ナギさんは。それに食事の量も増えたよ。今はガンガン肉も食べるんだ。たった数日で? と思ったけど、フラットはもっと早かったよね。うん、そう考えれば大丈夫だね。
午後からは大型組が外で大きくなる。
俺の興味はノルの姿だね。
フラットが本来の大きさになって、オニキスは見上げるほどの大きさになる。そしてノル。
ググンと姿を変えたノルは、フラットと同じくらいの大きさで漆黒の豹だ。黒ではなくて、漆黒という言い方がぴったりの深い黒だった。長い尾が優雅に揺れてる。興味津々でソラが見ているね。
「では主。国内を探索してこよう。三人ならば数時間ほどでできる。何か異常があれば、念話する」
うん、気をつけてね、オニキス。
『ナギ、行ってくるよ~』
くれぐれも気をつけるんだよ、フラット。
「じゃあ、行ってくるから。いい結果を持って帰るよ」
頼むね~ノル。
バサリと翼を羽ばたかせたオニキスが空に上がる。そのあと、フラットとノルは静かに上がった。
翼がないのになんで飛べるんだろうね。ま、深く考えない方がいいね。
『あるじぃ、これからなにするの~』
何がしたい?
『しょらは、およぎちゃいしゅう~』
『サンも~』
じゃ、泳ごうか。俺も一緒に水に入るかな。
「ブルックスも泳ぐ?」
良いのですか!
いいよ~
では、とそこで服を脱ぎ始める。
「パンツで泳ぐんだよ。クリーンしてからね。ちょっと待って」
そう言って、俺は肌寒いのは嫌なので、パンツの上にシャツを着たまま階段を上がった。
自分とブルックスをクリーンして、脚をつけてみれば、冷たいじゃん!
これはヤバイかも。
じゃあ、火魔法使うかな。少しだけ小さい方を温めてみた。
『あ、あったかくなったよ~』
『なっちゃ~』
ふふ、そうでしょうよ。
ブルックスは、大きい方に飛び込んだ。
大丈夫かよ、溺れても知らないよ。
でも達者だね。ドンドン泳いでるよ。
のんびりとチビちゃんたちと遊ぶ。放りっぱなしだったから、ずっと遊んでるんだよ。何か浮かべるおもちゃがあればいいかな。
(クリエイト)
目の前には、黄色いアヒルさんが浮かんでる。コピーして二個を浅い方のプールに放り込んだ。
『これ、な~に~』
それはね、お風呂で遊ぶおもちゃだよ。可愛いでしょ。泳いでみて、逃げてくから。
キャッキャいいながらアヒルを追いかけてるけど、小さいのでなかなか捕まえられないみたい。
これで俺はのんびりできるね。
バシャバシャと泳いでるブルックスは、本当にパワーあるな。疲れないのか?
でも、王宮で見せた剣さばきはすごかった。バカ貴族の服だけを切ったり、ベルトを切ったり。迷宮がみつかったら連れていってもいいかもしれないね。
三十分から一時間ほど経っただろうか。
俺は今すぐベッドに潜りこみたい。温い風呂みたいで眠気がやって来た。
チビ二人組はどうするかな?
『あるじぃ、疲れた。ちょっとお昼寝していい?』
『しょらも、ちかりた~ねむい~』
はいはい、と籠に入ったタオルで拭いてやる。ソラはバスタオルでくるんで赤い鞄に入れた。隣りに潜り込んだのはサン。
「ブルックス、まだ泳ぐの?」
「え? 上がりますか?」
うん、上がるよ。
了解、と上がってきたブルックスにタオルを投げた。
サッと身体を拭いた俺は風魔法を纏って屋敷に駆け込み、寝室へと走る。ブルックスは放っておこう。
サンをもう一度乾いたタオルで拭き上げて、風魔法で乾かす。次はソラ。
同じように乾いたタオルでガシガシ拭いて風魔法を纏わせた。俺も風呂に行ってシャワーで流して身体を拭い、乾いた服を着た。
ベッドの上をみれば、そのまま寝ちゃってるよ。ソラのタオルを外して触ってみたら、ふわっと乾いてる。それなら、二人を並べて上掛けを掛けた。
ふぅ、と息を吐く。このまま寝ちゃったら連絡があれば困るな。
コンコンとドアがなって、侍従が顔を出す。
お茶を持って来てくれたみたいだね。
テーブルの上に置かれた焼き菓子と紅茶をいただいてほっとする。やっぱり拠点はありがたいね。迷宮がみつかればいいけど。
サンはもちろんだけど、ソラも連れて行こう。レベル上げには最適だから。
ブルックスも休んでるのかな。そうだ、あの水晶板の使い方を教えてもらわねば。眷属とは念話で話せるからいいけど、遠距離で使えるなら屋敷にもひとつおいておきたい。
それに、魔物をたくさんいれたアイテムボックスを用意しておかないとね。トッドが泣くでしょ。それと、魔馬を用意してもらわないとね。ノルの馬がないから。まあ、迷宮に馬はいらないけど。この国に迷宮があったら国王は喜ぶかな。冒険者も集まるし、いいことだろう。
どこにあるのかな、迷宮は。金鉱脈は今のところどうでもいいけど。必要ならば、こっそり見つけて掘っちゃえばいいだけだしね。少し残してあげてもいいけど。って、俺、盗賊みたいなこといってるよ。
『主、やっと見つけたぞ。迷宮があった。二カ所あるのだが、端と端だな。金鉱脈とアダマンタイトがゴロゴロしている場所がある。人は行かれない森の山頂だ。でかい洞穴の中にあるらしい。他には面白そうなものはないぞ』
「そうなんだね。全部確認したの?」
『うむ。残りはあと少しだが、おそらく何もなかろう。終わり次第戻ればいいか』
「お願いね。じゃ、あと少し頑張って」
承知! と念話が終わった。
ふむ。アダマンタイトか。あれ、とっても堅いらしいから剣でも作ってみたらいいかもね。迷宮攻略が終わったら取りに行こう。
案の定、ブルックスが慌ててやってきた。別に来なくていいのに。
「申し訳ございません。眠っておりました」
いいよ~
淡々と水晶板を取り出したら、ブルックスが思い出したみたい。
「これの使い方はですね……」
俺と自分で一個ずつ持って教えてもらう。
ここに魔力を流して相手を思い浮かべるか名前を呼ぶんだときく。ふむ、これは面白いね。よく見たラノベとかだと、丸い水晶で連絡を取ってたけど。実際丸い水晶はあるんだけど、このタブレットは良い考えだね。
そして驚くべき機能がついていた。
指でサインを書いて送れるのだ。当然、短い文章を書き入れてサインして送ることもできるらしい。王族なんかは、サインが必要なこともあるみたいだから便利だよね。
屋敷には置くけど、ユリアロウズ国にも渡してあげようかな。それなら連絡が取れるよ。ブーゲリア、喜ぶかなぁ。
あ、それと街のギルドにも進呈するかな。
うん、それでも三個だね。俺が一個持つとして後一個残る。ユリアロウズ国の王宮は持ってるよね、たぶん。でも、これはコピーすべきでしょう。後でやっておこう。ブルックスには内緒だけど。
そんな悪いことをひとり企んでいたら、大型三人組が戻ってきたようだ。
読んでいただきありがとうございます。
漆黒のヒョウ姿のノルは、想像しただけでかっこいいでしょう。
フラットもきれいだけど、ノルもきれいだと思います。相変わらず優しいしね。
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