表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/202

105 アルムお爺ちゃんから嬉しい話をもらいました!

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 ノルに会いに行こう、そう言って立ち上がるけど、教会はどこにあるの?

 王城の敷地内らしい。じゃ、歩いて行こうかな。

 サンとソラは赤い鞄に潜り込む。俺とフラット、オニキスは、ブルックスについて歩いた。


 幻想的な雰囲気の教会が建ってる。

 中に入れば、礼拝堂だね。庶民でも誰でも入って祈ることができるらしい。うん、そうじゃなきゃおかしいよね。

 正面にはアルムおじいちゃんの像がある。 

 その前で跪き、おじいちゃんに報告した。

 くだらない者たちが多くて困るよと伝えておくのは忘れない。

 これからノルに会いに行くことも伝えた。教会の墓地に土地をもらえるらしいので、それも伝えた。この国にくれば、ノルに会えるんだと伝えておいた。


 大司祭に案内されて、礼拝堂の裏にある安置室へと入った。

 そこには、棺に入ったノルが眠ってる。周りをきれいな花で埋め尽くされていた。

「ノル。お花がいっぱいだよ。この教会にノルの家ができるから、また会いに来るよ。なにか言いたかったら、アムルおじいちゃんに話せば伝えてくれるからね。どの国にいっても、教会に行く。そして、戻って来て会いに来るよ」


 ごめんね、俺がいらないことをしたからノルは。本当にごめん。大好きだったよノル。力強い仲間だった。頼りにしてたのに、残念だよ。これからは、ブルックス残念王子が俺担当に決まった。ちゃんと決まったから煩くなるけど、ガンガン文句言ってやるよ。ノルみたいに気の利くやつじゃないけど、しかたないね。

 もし、生まれ変わったり、誰かの中に入れたるすることができるなら、もう一度ノルに会いたい。迷宮に潜りたいよ。いつもノルが罠の解除してくれてたし。これから、誰が罠を解除してくれるの? ねえ、戻ってよ、ノル。お願いだから戻ってきてよ。お兄ちゃんだと思ってたのに、弟より先に逝くなんてダメだよ。お願い、ノル……

 

 涙がまた出始めちゃった。止まらないよ。

 ねえ、アルムおじいちゃん。創造神なんでしょ? ノルを俺たちに返してよ。必要な仲間なんだ。だからお願いだよ。使徒として頑張るから。俺、頑張るよ、だからお願いだよ。

 どうやら声に出ていたようで、皆が心配して近寄ってくれる。

『ナギよ。儂じゃ、アルムじいちゃんじゃ。聞こえるか?』

 え? と全員があたりを探す。大司教はひっくり返りそうになってた。

「聞こえるよ。おじいちゃん。どうして話せるの? メールだけだったのに」

『うむ。この大聖堂は優しさに包まれておるのだ。それにお前がここに来てくれたしの。その上、使徒の役目を果たしてくれると約束してくれたのじゃ。黙ってはおれぬの。ノルをなんとかしようと思うておるのじゃ。じゃがの、人としては無理じゃ。故に、お前の眷属としてある事を考えたのじゃ。もちろん、人型が取れる故、心配するでない。魔物ならば、再生能力を与えることができる故の。お前は既に使徒として、寿命は果てしないものとなってるのじゃ。いずれ出会うるであろう眷属故、其奴らとともに歩むが良いの』

「えっと? 俺、人じゃなくなったの? 寿命が延びた?」

『そういうことじゃ。まあ、能力だけみれば既に人外といってもよい状態じゃったからの。神の使徒とはそういうものじゃ』

 ふん、なんだかすごいことになってる気がする。

「それでノルがなるっていう眷属はどんな魔物なの? 

『うむ。お前の眷属にと考えておれば、希望者が殺到しての。故に困っておるのじゃ。じゃが、早々に決めて会わせる故、今少し待つのじゃ。ノルの魂はここにおる故、心配はいらぬ。じゃがの、大司祭よ。ノルの身体はお前たち教会に任せる故、たのむの。何か心配ごとや報告案件と思うことがあれば祈るがよい。儂が調べる故』

 はっ! と大司祭は臣下の礼をとる。

『フラット、オニキス、サン、ソラ。お前たち眷属には感謝じゃ。これからもナギのことを頼むのじゃ。まだ十歳じゃ。お前たちがおらねば大変な事になるが、なかなか冷静に淡々と判断を下す故、お前たちも驚くことがあろうが、仲良くの。それでは儂はノルの身体を決めるからの』

 バイバイ、と手を振れば、光が点滅して答えてくれた。

「ナ、ナギ様。アルム神様が、おじいさまが……」

 あはは、大司祭が壊れそうだね。

「じゃあ、ノル。姿は変わってもお前はノルだ。待ってるからね」

 そう言って頬を撫でた。

 大司祭に頼んで、その場をあとにした。アルムおじいちゃんの前で大きく手を振れば、光が点滅した。

 祈ってた人たちは驚いてたよ。



 じゃあ、と王宮に戻れば、既にいろいろ片付いてた。

 俺たちは戻るかなと口にすれば、国王に乞われてソファに腰を下ろす。

「ナギ様。この度は本当に申し訳ございません。我ら王族は何もわかっておらなんだと再認識いたしました。お慈悲により、私は国王としてもう少しがんばってみようと思います。次期国王は第二王子。ブルックスは第一王子として、ナギ様専属としての御役目を賜ります。感謝しかございません。最後になってしまったのですが、我が国からのお詫びとしてこれを。そして、こちらは使徒様へ。寄進でございます」

 なに、これは。

 とんでもない箱が出てきたよ。それに大きいよ? 箱だけでいくらするのかな。中身は想像つくんだけど。

 パカッと開けてみれば、白金貨が満タンだよね、これ。

「これは何? なんで国王とかはすぐにお金で解決しようとするのかな。いくらあるの?」

 白金貨二千枚ですとサラッと言った宰相だけど、困るんだよね、これは。どうするかな、と皆を見れば、大きく頷くんだよ。

「主殿。それで国王の気がすむなら受け取ってやれば良いではないか。我は気に入らぬが、対価に対する次元が違うのであろが仕方がない。気に病むなら、あのことを教えてやれば良いではないか」

 ああ、それがあったか。

「わかった。じゃあ、受け取るよ。で、この寄進ってやつは教会にすれば?」

「いえ、教会へは国から決まった金額を渡しております。使徒様をお迎えできた故、ご神託をいただきました。それ以外にも様々あるのでしょう。それに対する寄進でございます!」

 ああ、めんどくさ!

 わかった、と受け取ったけど。これは戻って数えてみようかな。なんか、疲れたよ。


「じゃあ、俺たちは屋敷に戻るよ。代わりに王子に頑張ってと伝えて。それと王弟殿下に間違えててごめんってね」

 それは素直に受けてくれたんだけど。



 じゃあね~と王宮から飛び立つ。フラットの背にのった俺とサンとソラは落っこちないように風を受けてる。気持ちいいね。でもこれから寒くなるのかな。このあたりはどうなんだろうね。すっごく寒いのかな。戻ったら聞いて見よう。ストーブか魔道具でも置いた方がいいかな。


 ふんふんと鼻歌交じりですぐに屋敷に到着する。

 馬車だと一時間くらいかかるのにね、と感心する。

 お帰りなさいませ!

 おお、皆が迎えに出てくれたよ。多分ノルの事は聞いたんだろうね。明るく接してくれる皆は優しいよね。

 とりあえず、全員をクリーンしてから屋敷に入った。

 そろそろ夕方だよ。サンとソラはバッグの中で寝てる。

 オニキスとフラットはもう一度泳いでくるらしいけど、寒くないの?

 結界を張る、と行っちゃったよ。


 じゃあ、と温かい紅茶をいただく。

 誰も何も聞かない。聞かないようにしてくれてるんだろうね。

 そこに出されたのは、シフォンケーキだ。

 すごい! ふっくらふわふわだ~

 どうやらこの国にはない菓子らしく、教えてもいいかと聞かれたので、問題ないからと返した。いろんなお菓子がのってる本があるんだといえば驚いている。

 ちょっとまてよ。そういえば、日本で見てた菓子ばかりだった。この国にあるオーソドックスな焼き菓子じゃないよな。もしかして、誰かが描いたのかな。前世の記憶を持ってるとか、召喚された人とか?

 うーん、まあ、いいか。

 ふかふかのシフォンを口に入れれば蜂蜜味だ。

 美味し~と思わず頬を押さえた。

 これ、ほんとに美味しいよ。皆喜ぶだろうな。


 一人で満足いくまでシフォンを食べた俺は、眠気に襲われる。リビングのソファの上で満足げなサンとソラが眠っている。

 隣りに座る俺も寝ちゃいそうだ。でも寝室に行けば起きられそうにない。

 仕方なく、背もたれにもたれてまぶたを閉じた。



 気がつけばオニキスとフラットが戻っていた。

 フラットはふわふわだ~


 そろそろ御食事を、といわれて時計を見れば、午後七時を過ぎてるじゃないの。

 並べられる食事はとても美味しそうだ。

 いただきます、と合唱したあと、それぞれが食べ始める。

 ノルが戻って来てくれると聞いて、かなり元気になった気がする。でも、やっぱり気持ち的にはかなりきついよ。

 それでも無理矢理ご飯を食べる。

 大好きな白米を大口で食べる。

 あ、と思い出す。

 そう言えば、迷宮のことを話してなかったね。それ以外にも何かあるなら調査するかな。明日、とんでもらおうか。フラットとオニキスは万能だからね。

 お願いしてみるかな。

 本来なら俺も行きたいけど、今は休んだ方がいい気がする。なんかいろいろありすぎたしね。

 でも、新しい眷属で人型も取れるってどんな魔物かな。高位の魔物じゃないと話せないって聞いてた。フラットはいずれ話せるとオニキスはいった。人型をとるって、それ以上の存在って事かな。うーん、ドラゴンとかしか思いつかないんだけど。

 魔物のことももっと勉強しなくちゃね。魔法のこともね。でも時間が取れないんだよね、これが。

 

 明日もプールっていいそうだけど、午後からでもいってもらうかなぁ。確か迷宮と金鉱脈とかいってたよね。金もたくさんあっても仕方がないし。放っておくかな。どれくらいの量、あるかにもよるけど。

 うーん、どうすりゃいいのさ。

 明日になって考えるかな。

 ブルックスのことも考えなくちゃね。この国を離れるときはどうするんだろうね。長距離移動はオニキスに頼むとして、街を歩くときはフラットに乗るし。あと、大人になったソラは四足になれるならサンくらは乗せられるかな。それなら魔物大行進だよね。それはちょっと楽しみかも。

 

 一番の懸念事項はブルックスだね。

 このままだと住まわせろ、といって押しかけてきそうだし。そういえば、今日はいないね。それすら気づいてなかったよ、俺。

 そうだ、俺って散々言っちゃったから、もう俺でいいよね。うん、いいことにしよう。



 予想通り朝からプールの二人。それにつられるようにサンとソラも泳ぐと言い始めちゃったよ。だからダメだっていったでしょ!

 朝はちょっと肌寒いんだけど、サンは魔物だしソラは幻獣だから風邪は引かないとオニキスにいわれて、あ。気づいちゃったよ~

 そう、人間は俺だけ。って、人間じゃなくなったんだっけ。


 しかたない、とちびっ子二人組もプールにドボンしました。俺は、そこで見守ってます厚着してね。

 これはいつまで続くの?

 ついでのようにトッドに魔物を取り出したんだけど、いつもブルーブルじゃ飽きるからね、鳥系を出してみました。鶏のでっかいのがたくさんいたからね。なぜだか、森の魔物を間引いた後は、全部俺のアイテムボックスに獲物が移動してくるんだよ。俺のアイテムボックスはどうなってるの?

 あと、蛇がいたねやっぱり。このあたりは多いのかなあサーペント。黒やら赤やら、珍しい所では白もいた。見たことがないらしいよ、トッドも。当然皮は確保だね。

 何作るんだろうね、俺は。

 ま、とりあえず、かっこいいでしょ。

 

 そうこうしていれば、ブルックスがやって来ました。えらく大荷物持って来たけど、どうして?

 おはようございます! と馬からでっかい荷物を下ろしてるんだけど。

 まあ、後でいいかな。

 おはよう、と返して俺はプールを確認してますよ。

「お願いがあります、ナギ様!」

 ん? なに?

「あの、ナギ様担当として、こちらの屋敷で寝泊まりさせていただけないかと思いまして」

 思いましてって、そのつもりで荷物持って来たんだろ?

「はぁ。荷物は許可をとってからもってこいよな。最初からここに住むつもりで来てるくせに」 

 あ、ははは。ダメですか?

「しょうがないでしょ、荷物もって来ちゃったんだから。部屋は決めてね。あ、でもノルの部屋はダメだよ。それぞれの部屋は執事にでも聞いて。それと、ここでは王子扱いはしない。俺担当の人間ならわかるよね。俺、別に良い子してたわけじゃないんだけど、礼儀として大人と話すときには今までみたいに話してた。でも、ここでは普通だし、気を使う事もないから」

 もちろんです! と嬉しそうだ。

「で、俺担当って何するの?」

「何でもやります。王宮との連絡係でもありますし、冒険者としての活動も一緒にやりたいです。雑用も言いつけてください」

 わかったよ。よかった雑用やってくれる人ができて。


 じゃ、部屋に荷物持ってけ、と追っ払った。かりにも王子なのになぁ。まあ、いいけど。

 お、ちびっ子二人組を見てないとダメだろ、ナギ。はい、ごめんなさい。

 あはは、元気に泳いでるよ。上手だなソラの泳ぎは。サンは泳ぐというより滑る? って感じかな。

 そろそろおやつになりそうだけど、放っておくかな。

読んでいただきありがとうございます。


ノルのことで驚くような話を聞いたナギは、少し元気になれました。

ブルックスが勝手に引っ越してきたけどね。笑

さて、これからどうなるんでしょうか。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ