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102/202

102 プール作ったよ~ 

こんばんは、こんにちは。

年末のお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 目覚めたとき、隣を見て驚いた。

 サンは俺の胸に寄り添ってるし、俺の腹にはソラがいた。

 ふっと笑ってしまうほど二人とも可愛い。

 時計を見れば、そろそろ起きないとね。

 そっと二人を残したままベッドから降りる。そして着替えを始めた。


 夕べは、サンとソラとフラット、そして俺の四人で風呂に入った。ソラをきれいに洗ってやりたかったから。

 おもったより汚れてなかったから楽だったよ。フラットと同じくブラッシングが必要だけど。


 帯剣していればサンが目を開ける。そしてソラを撫でているんだよ。にゅっと出てきた手のひらで優しく撫でてるんだ。お兄ちゃんだね~


 起きないソラを、使っていないケットで包んでから赤いバッグにそっといれた。

 サンは隣りに入ったよ。


 おはよう~

 皆に迎えられて朝食タイム。

 ご多分に漏れず、ガツガツ食べてるんだけど、もごもごと赤いバッグが動く。そっと顔を出したソラは、皆を見回して、料理の皿を見た。

 食べたいのかな。

『あるじ、おいししょ。しょらの、は?』

「食べるの?」

「主よ。魔物はな、生まれてすぐに乳を飲む。人に飼われる動物と違うところは、すぐに大きくならなければ死ぬと言うことなのだ。あまり堅いものは無理だが、柔らかいものなら何でも食うぞ。神の子ではあるが、姿を現していると腹も減る。何か食わせてやれ」

 そういうことね。

 何を食べさせようかな。

 えっと……

 侍従長が皿を持って来てくれた。

 柔らかく煮たパン粥だね。あと、フルーツのすりおろし、クリームシチューの肉なしだ。

 すごいね、赤ん坊の食べるものを出してくれてるよ。

「食べるか? 料理長が用意してくれたけど」

 コクコク頷くソラに、スプーンでパン粥を食べさせてみれば、美味しそうだ。もっとほしいと俺の手を叩くので、お代わりしてやった。すぐに食べ終わる。それなら皿ごと食べるかな。

 ペロペロ、もぐもぐ。

 問題なく普通に食べてるよ。ただし、内容は考える必要があるけどね。

 

 結局出されたものは全部たべちゃった。

 おやつはどうだろうね。ミルクはあるけど、焼き菓子は?

 料理長はそっと侍従に差し出してる。なんだろう。

 保存容器の中身は、パン粥、小さい卵、スープだ。おやつはバターとかが入ってるから、これをと用意してくれたらしい。

「ありがとう、料理長。気を使ってくれて助かるよ。とりあえず食べさせてみるね。お昼は戻ってくるけど」

 用意しておきましょうと言ってくれたので安堵した。


 サンの鞄はオニキスがかけている。俺はソラに布を巻いて肩から下げてる。市井のお母さんたちが使うものらしい。簡易でそれを作ったんだよ、執事が。優秀ですね。

 そして二人でフラットの背に乗った。

 いってきます!

 飛び立った俺たちは、昨日の終了場所までとんだ。

 そして、昨日と同じように作業を進める。

 俺とサンは結界の中で根っこを引き抜いてアイテムボックスに回収する作業を続けてる。同じことの繰り返しだけど、途中で二人が魔物を狩る姿が見える。勉強になるんだ、これが。サンも同じ事を考えてるんだろうな。じっと観察してるから。

 

 なんだかんだと頑張って、おやつの時間になる。

 皆でテーブルを囲んで焼き菓子祭りだ。最後にはシフォンケーキなんだけど。

 果実水はたくさん出したよ。

 そろそろ起きるかな、と今赤い鞄に入っているソラを見みれば、巣にいるツバメの子みたいに上を見上げていた。思わず吹き出してしまった。

 テーブルの上に座ってサンが食べてる焼き菓子を見てるけど、ソラはこっちだよ。

 パン粥の入った保存容器を開けてやればもぐもぐ食べ始める。その間に小さなゆで卵とスープの容器を開けてやった。

 嬉しそうに尻尾を振りながら卵を食べ、スープを飲む。パン粥も食べて、ゲップしたんだよ。

 結局全て食べ尽くして、再び赤い鞄の中に入ろうとしてるので、ローブでくるんでいれてやった。

 すぐにスースー寝息が聞こえる。

 そこまで無言だったオニキスが微笑んでいるフラットも笑い、サンは嬉しそうだ。

 じゃあ、最後はシフォンね、とそれぞれにホールごと渡して、俺は一人前を平らげる。果実水で口の中をすっきりさせて片付けだね。

 

 お昼までそんな風に仕事をして、屋敷に戻って木材をとりだし、切り株を取り出して俺はトッドの元へ向かう。

「戻ったよ。どうかな、解体は」

「はい。今のところ残り一頭です。肉は調理場へ渡しました。これが素材です!」

 うん、ありがとうね。元気で頼もしいよ。

 それなら、と調理場へ向かって魔道冷蔵庫をコピーさせてもらう。もちろん、アイテムボックスの中にね。

 それをどこに置くかな、とトッドに問うてみたんだけど、驚いてた。 

 それなら、この奥に、と一番奥に置いて欲しいという。うん、いいよ。でもなんでそこ? あ、わかった。天井が高いと熱い空気が上に上がるからだね。夏は大変な事になるだろうし。

 じゃあ、と言われた場所に置いて、起動する。これも魔石でも水晶でも使えるので、とりあえず魔石をセットして使うようにした。

 中身は出してきたから、と思いながらチェックしてみれば、大喜びだった。

 追加の魔物を取り出して解体を頼む。ブルーブルくらいなら、一日八から十頭くらい解体できるみたいだね。これほど解体がすすむなら、料理長にアイテムボックスを渡した方がいいかな。夜にでも作ってみようかな。


 お昼は美味しくいただきました。もちろん、ソラもね。朝よりも少し固形が多いメニューだった。野菜も柔らかく煮てあるし、肉はほどけるほど柔らかいよ、鳥肉だけど。

 おやつの用意もしてもらって、再び森に向かった。


 

 そんな風に数日過ごして、やっと森の整理が終わった。これで冒険者たちも討伐に入れるだろうね。ついでに、とオニキスが屋敷までの通路脇もきれいにしてくれたから、助かったよ。

 

 ノルが出発してから何日すぎたっけ?

 えっと、一週間と少しだね。無事でやってるんだろうか。最近俺たちがいないからブルックスも来てない。だからわからないんだよね。


 ブルックス! 

 水晶で連絡してみた。

『ナギ様! 森の整理は終わりましたか?』

「うん、やっと終わったよ。ねえ、この前使ってた水晶の板でできた通信アイテムっていくらするの? できれば欲しいんだけど。どこにいけば売ってる?」

『あれは普通のものには売りません。王宮で全て買い上げますので、在庫があればお持ちしましょう』

「よかった、お願いするよ。それとね、ノルがこの前の国の領地部分を視察に行く貴族の護衛で向かってるんだけど、どうなってるか知らない? 連絡が取れないんだけど」

『ええと、その件ですが、こちらに昨日報告が上がっておりますので、今から通信板を持って伺います。よろしいですか?』

 待ってるよ、と通信を切った。


 オニキスとフラットに俺の部屋の風呂に入っていいよと言う。ゆっくり入れるからね~

 ちょうどいいから、とプールのことを話して見た。

「それは良いではないか、主! 我も入れる深さがあるのだろう? どこに作るのだ、どこだ!」

 あはは、興奮しすぎだよオニキス。じゃあ、表の庭は無理だから、屋敷の奥で騎士たちの宿舎の前にするかな。それとも西側なら開いてるけど。その方が長く距離が取れるよね。屋敷と塀の間でも数十メートルあるから。端っこに解体場はあるけど、問題ないでしょ。

『ナギ、今日作るの? 今から作る?』

 あれ、フラットも泳ぎたいんだね。


 じゃあ、と裏には何もないかと執事に聞けば、図面を見せてくれた。うん、排水とかもないね。それなら多少掘ってもいいかな。塀に寄せて作って、塀をその部分だけ高くしよう!


 さっそく西側に回れば、執事と侍従長が付いてくる。庭師も見に来たよ。

 棒で線を引いてみるんだけど、かなりの広さだね。屋敷の奥行き全部だから長いよ。深さはどれくらいがいい? そうは言っても、あまり大きくなりすぎれば動けなくなるから、とオニキスが水が漏れないような深さで、泳げる方が良いと言う。じゃあ、竜化してもらって、大きさを測ることにした。長さは問題ないね。とりあえず、オニキスがこれくらいの大きさで泳ぎたいサイズになってもらえば、フラットの元々のサイズと同じくらいだった。じゃあ、それで行こうか。

 

 最初に土魔法で三メートル掘り下げる。全体の長さから三メートル引いた長さでね。

 それから上に壁を作りたい。穴の中は固めたい。全体の深さは六メートル。長さは印をつけた長さにしてほしい。そこから差し引いてほしいのは三メートル。内訳は長さ二メートルを深さ一メートル、残り一メートルを深さ五十センチにしてほしい。これはサンとソラと俺のエリアだ。

 前世であったプールをつくりたい、それぞれに排水と給水を。排水は太めで、給水は補助的に使うだけ。できれば、水を循環浄化して使いたいけど、無理なら仕方がない。プールに上がるための階段が欲しい。できればプールの上段に通路も取りたい。

 大きい方のプールの長さ分、深さも考慮して塀の高さを上げたい。水がかなり入るのと、大型二人が泳ぐから、頑丈に作って欲しい。水漏れ不可。

 お願いします、クリエイト先生! 


(クリエイト)


 あたりが一面ぶわわわわーーー! と光った。見たことのない光だけど、どうなるんだろうね。


 光が続くこと約二十分。

 やっと光が収まってきた。

 デデン! とそこに現れたのはデカい壁? いや、プールでしょうよ。

『これが、ぷうる、というものか。これに水を入れれば良いのだな、主』

 そーだよ~

 バシャン!

 一瞬でプールが満タンになっちゃた。でもこれじゃ多すぎだよ。

「これ、水が多すぎるよ。このまま入ったら溢れる。隣の小さいプールに移してみて」

 面倒だな、と隣の俺たち用プールに水が移動してゆく。するすると川の流れのように移動してるのは面白いしきれいだね。


 水を移動してもらったけど、まだまだ水が多すぎる。これもったいなから何かにいれようか。

 大きな木の箱がいいかな。

「トッド、水使うでしょ? ひしゃくで汲んで使うことある?」

「そりゃ、ありゃ便利ですが」

 わかった。じゃあ、余ったプールの水を解体場の脇に木の箱を作って貯める。蓋があればなおいい。木箱でも水漏れしないように。プールの水は六から七割入ってればいい。


(クリエイト)


 ピカッと光って、一瞬で木箱が出来上がる。そこには、プールの水が移動してるんだよ、すごいね!

 

「これくらいで良いのか。では入ろう」

 クリーンかけてね。

 承知した。

 短い会話の後、ドボンと飛び込んだオニキスは、ぷかりと浮き上がってきた。

『これは素晴らしいものだな。我でもこの大きさなれば泳げる。フラット、潜れるぞ、早く来い』

『ナギ、僕もいっていい?』

 いいよ、とクリーンしてやれば、本来の姿で飛び込んだ。

『きもちいいね~』

 そうでしょうよ。存分に楽しんでね。

『あるじぃ~サンとソラはぁ?』

 ん? 入ってみるの?

 うん、と二人は期待してるみたいだね。


 じゃあ、とサンをクリーンして水に浮かべた。ソラもクリーンしてから、浅い方へそっと下ろす。

 本能なのか、バシャバシャしてたけど、上手に犬かきし始めた、いや猫かきか。サンは、問題なくスイスイ泳いでるね。

『あるじもはいるの~?』

 そうだね、と服を脱ごうとしていれば、ブルックスがやってきたみたい。執事が呼びに来てくれた。

 でも、サンとソラは出そうにないよね。

 じゃあ、と庭師の若い子をかりて、二人にもしものことがないように見ててもらうことにした。嬉しそうな庭師見習いさんですけど?


「ナギ様! あれはなんでしょうか?」

 プールを指さして不思議そうだ。

「あれはね、プールといって、皆が泳ぐ場所なんだよ」

 教えてあげれば、自分も入りたい、とか呟いてる。

 そこへ、オニキスとフラットが顔を上げた。

『主、これはおもしろい! とても気持ちが良いぞ。湖と違って、魔物も魚もおらん故、のんびりできる!』

『これ、すごいね~毎日泳げるよ! ナギもおいでよ~』

 あはは、そうしたいんだけどね。

「ごめん、ブルックスが来たから、ちょっと話してくるよ。サン、ソラ。疲れたらそこにいるお兄ちゃんに出してもらってね。ずっと水にいると身体が冷えるから。一度出て、周りの床に寝そべってごらんよ、温かくて気持ちいいから」

 わかった~と聞こえたので、ブルックスと屋敷に入った。


 応接間で話しをと執事の後をついてゆく。

「あれはナギ様の魔法ですか?」

「うん、まあ、そうだね」

 すばらしい! と大喜びだね、ブルックス。

 後で自分も入らせてくれというので、一応、了解はしておいたよ。


読んでいただきありがとうございます。


自宅にプールって。まるで海外のお金持ちですね。

夢のまた夢ですよ~


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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