1/3
1-告白
私の胸は今、非常に高鳴っている。
目の前にいる想いを馳せる人に愛の告白をする。そんな瞬間は何時になっても慣れない。
「先生…好きです!付き合って下さい!」
先生は眼鏡越しに瞳を大きく見開かせ、唖然としている。
まぁ、致し方ない。生徒との禁断の恋に踏み入れるのには、確かに勇気がいる。
「箱庭さん…」
顔を火照らす先生は私をじっと見つめる。
嗚呼、胸がはち切れそうだわ。
そんな思いとは裏腹な言葉が先生の口から出てくる。
「君は…彼氏いたよね…?」
「えぇ、います」
淡々と告げる私に先生はおもむろに溜め息をつき、手を頭に添える。
「浮気は駄目だよ…」
「何を言ってるんですか。好きな人を好きと言って、付き合いたいと思うことの何が駄目なんですか」
これが禁断の愛の始まりだった。