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これをハーレムとは認めねぇ!  作者: 未練マシマシ
一章・さぁ、ハーレムを作ろう
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第七夜 再会して、苛まれて、疑った

体が下に沈んでいるのか上へ浮かんでいるのか分からない。

この感覚は…

ヘトヘトになるまで歩き回ってようやく泊まれる所を見つけてベッドに横になった時の至福の感覚だ。

疲れと眠気で体の輪郭がぼんやりと消えていくような…


眠気!?

待って待った待て!


俺って寝なくても生きていける体じゃなかったか!?

というか意識がなくなったら黒い刃の化物になるじゃんかよ!?

たった今、ラーニャちゃんに誤解されて怒られてたよな俺?

ベラにイタズラしたと思われてまだよく分からない言葉で罵倒されてたよな!?

化物ってバレたら村から追い出されちまうぞ!

いやその前に…俺ってラーニャちゃんを刺してないよな?

刺してたら半透明の鎖で俺と繋がるじゃん?

俺のハーレム候補じゃん!

ラーニャちゃんはまだ子供だぞ?

嫁に迎えるには…いけなくもないが!

ラーニャちゃんは可愛いし、俺を愛してくれるなら歳は関係ないと思っているけど。

なんなら俺も若返っているから歳もそんなに…


「五月蝿いぞ、下僕」


その声は邪神!

邪神じゃないか!

俺にハーレムを作れると唆して騙して人を化物に変えて異世界に送った邪神じゃないか!


「…下僕よ、それが神に対する態度か?

ん?

誰にも愛されないように呪って…」


邪神様のお陰で新たな人生を歩めております!

感謝しております!

本当に感謝しております!

一生ついて行きます!

邪神様、万歳!

邪神様、最高!


「クケケ、まぁ良いか。

まずは初任務、達成じゃぞ!

この妾が直々に労ってやろう。

嬉しかろう?」


初任務だ…ですか?

邪神様、俺は特に邪神の下僕っぽい事は何もやってないですよ?

せいぜい、黒い刃の怪物になって小人を刺してベラに変えたぐらいしか思い当たらないんですが?


「現地の者に遭遇したじゃろ?

妾がなるべく人の近くに現れるように送ったからの」


それは…あの少女は邪神様が選ばれた俺のハーレム候補だったの…ですか?

あの娘、凄い可愛い声してたし、カーテン越しのシルエットだけでもスタイルが良かったし、厳重に守られていたって事は相当な金持ちとか権力者の縁者だと思われ…

そんな高嶺の花が俺を溺愛してくれた可能性があっただなんて!

くっ…せめて顔だけでも拝んでおくべきだったか!


「いや、それは違うのじゃ。

そんな可能性は皆無じゃぞ?

妾は下僕が現地民に認識されるだけで良かったからのう」


認識されるだけ?

…神様としてのルールでもあるんですか?


「大体そんなところかの。

まず前提として妾はな、その世界の神ではないのじゃ」


…地球産の邪神?


「ブランド野菜みたいに言うでないわ!

妾は世界の外で誕生した神じゃ。

それ故、世界の外側でしか本領を発揮できぬ。

世界の内側にはその世界の神が管理しておるからのう。

妾も容易く干渉などできぬ。

しかし、現地民が妾を認識すれば話は別じゃ」


…ん?

いや、今回は俺が認識されたって話でしたよね?

邪神様が認識された訳じゃないのでは?


「下僕には妾の一部を混ぜておる。

今の下僕は邪神である妾でもあるのじゃ。

ほれ、さっき下僕も言ってたじゃろう。

黒い刃とな。

あれが妾の一部じゃ。

そして妾の一部が現地民に認識されたならば…世界自体に妾がその世界の神だと誤認させて干渉が可能になるのじゃ!

下僕の行動は既に認識した者達が他の者に周知しておるようでな。

こうして早く下僕と交信する事も可能になったのじゃ!」


周知してるって…俺が夜這いをかけた事を!?

そ、そうだよな…犯罪だもんな、注意喚起はされてるよな。


それにしても、あの黒い刃は邪神様の一部だったんですか?

それじゃ、あの黒い刃で貫いた小人がベラに、女性に変化したのは…


「妾の権能と下僕の願いが混ざり合った結果じゃな。

妾の権能は魂の加工。

下僕の願いと混ざり、妾の一部に触れた相手を繁殖可能な存在に形を変えて眷属にする能力になったようじゃの」


なったようだって…

邪神様が俺をそう魂を加工したのではないのですか?


「言ったであろう。

混ざり合った結果じゃと。

人の願いは簡単なようで複雑じゃ。

どんな能力に変化するかは妾も分からぬ」


それじゃベラの性格や巻き込みも俺の願いで?


「ベラとは下僕の眷属の事か。

前にも言ったが下僕の魂の価値では精神操作は無理じゃ。

元々がそういう性格なのじゃろう。

気に入らんのなら好きに調教すれば良いではないか。

縛り上げて犯すなり暴力を振るうなりすれば心も折れるじゃろう」


いや、ベラとはいえ女性に無体を働くのはちょっと…

俺は愛したいけどそれは方向性が違うと言いますか。

言いなりじゃなく自分の意思で愛してくれると嬉しいし。

それに俺の事を好きになってくれた人も居るし…


「それと半透明の鎖、あれは別じゃ」


あ、俺の恋愛観はスルーされた。

鎖は別なんですか?


「あれは妾が叶えてやった下僕の願いじゃ」


願いって、あれでどうやってハーレムを作れって言うんだ…ですか?


「そんな事を言われてものう。

そもそも下僕の魂の価値が粗悪じゃからあんな独占欲の表れのような能力になったのじゃ。

安心せよ、魂の価値を上げれば能力も向上する。

せいぜい善行を積むのじゃな!」


善行、ですか。

分かりました!

俺、頑張って人に感謝されたり尊敬されたりする人を目指します。


「うむ、その意気じゃ!

ちなみに今の下僕の魂の価値は眷属に対して向けられた感情も含まれるからな」


…はい、頑張って躾けます。


「それと一つ、忠告じゃ」


はい、なんでしょうか邪神様。


「魔を司る神に下僕の事がバレてしまったようじゃ。

下僕が滞在しておる所に大量の魔物が押し寄せて来ておる」


…は?

【邪神】

魔物を眷属にしたからのう。

妾についてはバレておらんようじゃが…

あの程度ならば下僕も消えんし良いか。

クケケ、魂を何個得られるか楽しみじゃ!


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