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これをハーレムとは認めねぇ!  作者: 未練マシマシ
一章・さぁ、ハーレムを作ろう
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第十三夜

まずは落ち着け、俺ぇ…

あっちはまだ俺の事に気付いてない、よな?


ショコラ達が俺に乗って隠してくれたが気付いてないだろうか?

今のままじゃあっちの状況も分からないな。

頼んだ俺が言うのもなんだが、身動きが取れない程みっちりくっつく必要は有ったのか?

俺が思ってたのは精々人垣だったんだが。

何も見えないし聞こえない、物理的に重くて息苦しいぞ。

それに子供体温のせいかとても蒸し暑い。

今も汗がじわじわと身染み出ていく。

隠せとは言ったが、ここまでするか?


確か…近くに魔物に壊された家が有ったよな。

そこなら帝国兵から隠れて様子を伺えないか?


「なぁ、近くの廃屋まで移動できるか?」


「可能」


「よし、じゃあ俺を隠しながら廃屋まで移動してくれ」


「了解」


一人のショコラと奇跡的に話せた。

みんな俺に乗っかって聞こえないかと思った。


「ぎゃっ!?」


俺の上から一斉にショコラ達が退いて涼しいと思ったら数人に両手をがっちり掴まれた。

重機並みの怪力を持つショコラ達が手加減なしで。

あまりの激痛で思わず声が出てしまった。

そこからずりずりと廃屋まで引き摺られていった。

確かにこれならショコラ達が人垣になって俺を帝国兵から隠しながら移動してるけど、もうちょっとやり方が無かったのか?


両手にはまるでホラーでよく見るような小さな子供の手形の青痣が複数もくっきり残っていた。

手を離してもらったのにまだ痛む。

骨にヒビでも入ってないだろうな?


廃屋の魔物に壊された壁の隙間から外の様子を伺う。

一面真っ黒…いやショコラ達に埋め尽くされていた。

うわ群体が苦手な人は見ない方が良いレベルだな。

入り口の方は状況は変わった様子はない。


あの男はヴィーマ相手に何か怒鳴っているようだがここからは聞き取れない。

あの男を見ているとやはり警察にお世話になった時を思い出す。

それも暴力を振るう警察を。


責任感が強い正義漢、しかし理由さえ有れば暴力を厭わない暴虐性。

正義を理由に手を出すような奴と雰囲気が似ている。

あの手の男は俺が村に居ると知れば強引に探してくるはず。

それこそ周囲の迷惑など顧みずに己の正義を押しつける。


あの場にじっと待つような事はしないだろう。

自分よりも年下であろうヴィーマ相手に怒鳴っている時点で何か彼にとっての正当な理由があるんだろうな。

そんなのに見つかったら面倒だな。

俺の事を殺しに来そうだ。

まぁ、俺は死なずに失神モードで暴れてしまうのだが。

それは向こうも分かっているだろう。

なにせ、失神モードを初めて見たのは彼だからな。

だが、何もしないとも考えにくい。

彼の身内のお嬢さんに夜這いをかけたって思われてるだろうし。

あれは邪神様のせいであって不可抗力だった。

俺は悪くない、うん。

だが客観的に見れば悪いし。

見つかったら村から連行されるのは確実だろうな。


だが、俺を探しに来たわけじゃないとすれば…魔物の襲撃についてだろうか。

災害支援に来たって割には荷物は少なそうだし、村の子供をなんで集めたりするんだろうか?


せめて会話だけでも聞けたら分かるかもしれないが…

正直近付きたくない。


ショコラ達に盗み聞きしてもらうか。


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