贈り物
「なあ野人これ何か分かるか?」
「うーん、クマ?」
「そう、どうやらパチンコ屋のマスコットらしいんだ。昨日トンキ行った時に偶然見つけちゃってさかわいいから即決てなわけでよ。」
弘文はよくわからないものを何も考えず購入する癖がある。
僕は、彼が変なものを買ってきた日は決まって災難がおこると決まっている。
気持ちのいい朝であったがすぐさま状況が一転した。
あんなに晴れていた空は、どんよりとした雲が一面に広がっていた。
「パチンコは適度に楽しむ遊びです。のめりこみには、十分注意しましょう。」
「そのクマしゃべるのキモ。」
というか、パチンコいく人が適度に遊んでいることなんかあるのかという些細な疑問が浮かび上がったが、周りには高校生がいないから解答は得られない。
「そうそう、しゃべるんよなー。かっけーマジイカしてる。俺ってやっぱセンスあるー。そうだお前も触ってみるか。これAIなんだぜ。自分で思考してしゃべるんだぜ。」
「こんなものにわざわざAIか。日本は大丈夫なのか?」
無理やりその人形を弘文から押し付けられた。
全く興味ないものを触らされている人の気持ちを理解できないのか。
「待ちなさい普通【主人公の苗字】、またあなた校則を破って。学校に何余計なものを持ってきているのよ。ちょっとこっちに来なさい。」
広江さんが勢いよく僕の下にやってきている。
よりにもよってこんな時に。
「広江さん、これは弘文の物で、ちょっと貸してもらっているというか。冤罪でして……」
「言い訳なんていらないわ。さあお説教の始まりよ。」
「野人、わりい」
軽い謝罪を行いさっと逃げていく。
弘文はこういうときに逃げ足が速い。
僕もこのままやすやすと説教を食らうわけにはいかない。
野球部で培ってきた起動力を今使うときが来た。
足が動き出した。
うなりを上げながら教室を出ていく。
「こら、待ちなさい。」
当然のごとく広江さんが追いかけ始める。
はやい、僕はこう見えても運動部だぞ。
なんで風紀委員しかしていない女性といい勝負なんだよ。
「リーチ、リーチ。レバーを引いてください。レバーを引いてください。」
レバーってなんだよ。
本当に空気の読めないAIだな。
「だっ誰か、トイレ掃除をしていたらすっぽんが頭にいい。」
つるっぱげの国語教師の永留先生だ。
なぜこんなことにと考える暇もないので、わき目もふらず走り続ける。
「たっ助け……」
「ぽキューン。」
「困っている人を助けるのが、僕のモットーなんです。ではさよなら。」
「あたり、あたり」
本当にうるさいこいつ。
もう疲れが限界に。
足がもう動かない。
「ようやく追いついた。さあ観念しなさい。」
ここまでなのか。
いやまだだ。俺の命は終わっちゃいねー。
「広江さん、ブラ透けてる。」
「へえ?」
これが僕のオカルト必殺奥義1の型。
恥ずかしめ、これでどんな人でも戦意が喪失するのだ。
さあこの隙に逃げよう。
明るい未来のため僕は、階段をかけ上がる。
必ず逃げ切って伝説となるんだ。
後半へ続きます。
すいません1話で収まりませんでした。
ご愛読ありがとうございます。
評価の程をよろしくお願いいたします。