007話「ネットリンチ・誹謗中傷・私刑・イジメを楽しい・正しい・カッコイイと思っている君達へ」
自分も未だに被害を受け続けているイジメや誹謗中傷を受けていたので、夢希にその気持ちを込めて書いています。
会議室から出てきた夜桜志穂は、考え事をしながら廊下を歩いていた。
またもや「緑奈夢希」を名乗る犯人が起こした殺人が起きた。
2ヶ月ほど前にとある古倉庫でミンチになった人間が発見されたと通報があり、警察は現場に急行した。
被害者の無惨な姿と壊された数台のスマフォに、少なくとも志穂は酷く動揺した。
その後の調査で、死亡推定時刻頃に被害者達は友人達に連絡していたと分かり、その内容は、「10万円貸してくれ。でないと緑奈夢希に殺される」といきなり言っていたそうだ。
しかし、友人達は誰も本気にせず、聞き込みでの証言では…「100%冗談と思うでしょ?アイツの父親は有名な会社の社長で金持ちだから」とか「いきなり助けてくれって言われてもね…何で俺?」やら供述して、殺される事を本当だったのかと言っていたが、それほど驚いていなかった。
聞き込みをしていた志穂は、「冗談か本当なのか声を聞けば分かるはずなのに」と言ったが、全員「そこまで深い付き合いではなかった」と言い張る。
例の如く犯行声明のカードが残されており、内容は…
『自分達を全知全能の神と思い込み、人種差別を繰り返すクズな人類へ
こいつらは学生の頃に私をイジメをし、誰もその事を助けずに見て見ぬふりを繰り返したクズ達だ。こいつらは群れて騒いで繋がっているように見えるけど、そこには何も無く、1人では何も出来ない小心者に過ぎず、誰もこのクズ達を助けずに見捨てられた。結局は友達や親友の形をした吹けば崩れる薄っぺらい関係しか無かった。友達や親友ってのは、私や私の事を思う娘との事を言うのだ。私はその娘を迎え入れ、ペラッペラなクズ達を殺した。次は私を精神的に傷つけたクズ達を殺しに行く。
第10001の国 零帝国の王女 緑奈夢希より』
どうやら被害者達は全員中学のクラスメイト、担任であったらしく、その中で唯一確認が取れてない『愛咲奈々』の所在は不明。しかも彼女の両親は自宅で無惨な姿になっていた。
そして、そのクラスメイトの中に、志穂が気にしている、犯罪を犯し2ヶ月前に自殺したあの女性の名前が…。
当時の資料によると、彼女は同級生や下級生をイジメをし、万引きを強調を繰り返していたと書かれていた。
…しかし、これには一切裏を全く取っておらず、彼女の取調べの証言が捏造されたような書き込みになっている。
そして、最初と前回の事件に残されたカードに付着していた指紋からは、死んだはずのその女性の指紋と一致した。
志穂は驚いたが、今回の3件と彼女の過去…。もしかすると…彼女は生きていて、関係者全員に復讐をしていると推理した。
実際に未だに彼女の親友である愛咲奈々の行方は掴めていない。
何故彼女は生きているのか今の所不明だが、その人物は緑奈夢希と思い、上司に相談した。…しかし…。
「⚫⚫⚫は死んでいる!今回のヤマとは全く関係ない!こんな鑑定は何かの間違いに過ぎない!愛咲奈々は緑奈夢希と共謀して無差別に罪もない人間を殺した殺人鬼だ!」
との一点張りで、しかも行方不明の愛咲奈々まで犯罪者扱いにしている。
まだそうと決まった訳では無いと反論したが、一向に聞き入れない。
被害者達には良くない話もあるとも言ってるのに、そちらも聞く耳もない。
志穂(…これだから世間は「無能警察は税金泥棒」と言われるのよ…。私まで白い目で見られるじゃない…)
この2ヶ月、その後の事件はピタリと止まり、そのせいで一向に捜査が進行せず、志穂を初めとした捜査員はピリピリしていた。
志穂は何度も自分の推理を訴えているが、誰も聞き入れなかった。
志穂(何とか先回りとかしなければ…)
そう言って志穂は廊下を歩いていった。
志穂(そう言えば…⚫⚫⚫の指紋鑑定の報告書に気になるのが書いてあったわね…)
志穂は指紋鑑定とは別にその女性と家族3人の親子鑑定を調べるように頼んでいた。
その結果は…「生物上の血縁関係は全く無し」と。
志穂(あの一家と⚫⚫⚫は血が繋がってない?つまり彼女は養子?…なら彼女に酷い仕打ちをするのなら納得ができる。けど…同級生や教師達はいくら何でもそこまで知っているとは思えない。まさか…彼女が務めていた会社や良く使っていたSNSにも?…いずれにしろ、今は情報が少なすぎる。何とか関連性を集めないと…)
同日の夜の某所のとある部屋
部屋の主である男が、とある有名SNSのネット掲示板である事をコメントを書き込んだ。
そのネット掲示板は「犯罪者・陰キャ・キチガイ・人生の負け組リリィの罵倒の場」で、とある女性に関する事だ。
とは言っても、匿名をいい事にその女性にある事無い事を書き込んで、それを事実として社会的に信用を失墜する、いわゆる「ネット私刑」ってヤツである。
このSNSは、様々なイラストや記事に話題が誰でも投稿できるようになっており、様々なメディアや会社からイラストの依頼を多く来ることが良くあるのである。
しかし、それとは裏腹に、誹謗中傷の書き込みが頻繁に行われており、被害者が何度も改善を問い合わせても、改善する所か被害者達のアカウントを永久停止と追い込んだ。
次々と悪質なユーザーが増えていき、その8割が誹謗中傷目的のユーザーしかいなかった。
この数年前からある女性の事で誹謗中傷が集中的に書き込み始め、実際には事実無根の事を書かれていた。
万引き・動物虐待・放火・線路に石を置く・そして強盗殺人等…。
勿論これらは面白半分で書き込んだユーザー達の嘘八百のデタラメだが、それを知らない(特に人間性が欠けた)他のユーザー達はそれを事実と認知し、さらにデタラメを書き、その女性は自殺した。
その女性はユーザーネーム「リリィ」と同一人物で、自殺をした事を知った悪質ユーザー達は、人一人死んだのに大喜びをしており、更にリリィの事を悪く書き込んでいた。
無名「あのクズリリィが死んでから2ヶ月位経ったよな」
無名「あぁ。あの社会のクズな負け組女か」
無名「中卒の犯罪者のクセにこのサイトを使いやがってな」
無名「俺達の論破をされて自殺して草」
無名「そういえば、あの女は小学生の頃に同級生を階段から突き落としたんだ」
無名「なんだよそれwwガキの頃からクズだなww」
彼女が死んだにも関わらずの、誹謗中傷を山火事のように収まらず、彼女のレッテルが永久に増え続ける…ハズだった。
リリィ「へぇ?そのクズって誰の事?」
無名「誰って、アイツに決まってるじゃないか。荒らしを繰り替えしている、デブでニートで」
途中で文字を打つのを止めた。
その文面を書き込んできたユーザーを見た。
「リリィ」
確かにそう書いてあった。
その直後に後ろから電流が流れ、男は気絶した。
そこには、非殺傷だが超強力のスタンガンを持った夢希が立っていた。
夢希「誰がデブでニートよ。鏡で自分を見たことが無いの?自分の方がデブで仕事無しじゃない」
部屋の外から看守の声がした。
看守1「姫。別の部屋にいたクズの家族を抹殺しました」
夢希「それじゃ例の薬を注入した後にコイツを例の場所に連れて行きなさい。私はこの家の後始末をするから」
看守にそう命じてパソコンの画面に目を移した。
夢希「どうしてクズ達はこういうのが好きなんだろう…。全く理解出来ないし、理解したくも無いわね…」
そう言うと、バッグからUSBメモリーのようなものを取り出して差し込み、パソコンのキーを打ち込んた。
夢希「もし誰かがこの裏掲示板サイトに入り込んだら、即コンピュータウイルスに感染し、個人情報やデータが色々流出。一切操作が出来なくなるからさあ大変。まぁ、顔を見せずに人の悪口を書き込むクズの自業自得なんだけど」
夢希は炎の魔法を放ち、この家ごとパソコンを燃やしたのであった。
数時間後…
夢希に拉致された男が意識を取り戻すと、パソコン等機械が設置されている見慣れない部屋の中にいた。目の前には何故か水着姿の若い女性が十数人いて何かを話していた。周りを見ると、同じく若い女性が多くおり、縛られている上、大声を出させないようにか口にガムテープが貼られている。
何故かその女性達の殆どがぶかぶかの男物の服を着ていた。
看守1「夢希様。第1作戦の準備は終わりました」
部屋の外からまたもや水着を着た若い女性が入ってきた。
夢希「ご苦労」
その女は自分達の方を向いた。
夢希「顔を合わせるのは初めてだけど久しぶりね。私の好きを否定したお前達をおしおきをする日を楽しみにしてたのだから」
男達はその言葉の意味が分からなかった。
夢希「心辺りが無いって顔ね?まぁ当然よね。お前達クズのお得意の無自覚何だから」
看守が持ってきた椅子に座り、足を組んだ。
夢希「まずは自己紹介ね。私は『緑奈夢希』。知っていると思うけど、2ヶ月前のいくつかの事件を起こした女よ」
男達はその名前を知っていた。罪もない人達を次々と虐殺しているテロの犯人だ。
なんでそいつが自分達にこんな事を?
夢希「また心辺り無しの顔ね。どこまで無自覚何だか…。まぁ折角だし、昔話でもしようか…」
昔話だと?
夢希「昔昔…ある所に、1人の若い女性がいました。その女性は周りから酷い仕打ちを受けて精神を病んでいました。その女性の唯一の心の安らぎはフィクションでした。マンガやアニメにゲーム、心も体も傷ついた女性を暖かく受け入れ、夢の世界の住人として嫌な現実を忘れられられるのです。しかし、その夢の世界に悪夢がやって来ました。ネットの誹謗中傷です。そいつらは、女性に言葉の暴力をぶつけ、彼女の描いた絵や二次制作小説にファン記事を侮辱して荒らし、無理矢理見たくないものを見せられ、何処からか手に入れた私の写真を使って合成し、淫乱且つ犯罪者の烙印を押され、挙句になりすましもされました」
…おい、これって…。
夢希「運営に訴えても、取り合って貰えず、最終的にその女性のアカウントは『利用規約違反の為にアカウントを停止』と宣告を受けられ、それに追い込んだクズ達とその共犯者である運営は笑い見下した。それを含めた様々な仕打ちや不幸を抱き抱えた女性は、屋上から飛び降りました。…ですが、神様は彼女を見捨てませんでした。不老不死のスタイル抜群の美少女の体に転生し、最強の力を手に入れ、心強い可愛い子供達に巡り会い、文字通り幸せの絶頂に達しました。そして、その幸せを脅かすクズ達地球の人類を…1人また1人と…丁寧に…殺していくのでした…めでたしめでたし❤」
椅子から立ち上がった夢希の笑みは、まるで小悪魔のようだった。
夢希「改めて…私の名は『緑奈夢希』。あぁ、『リリィ』って言えば分かりやすいかな?お前達に復讐と逆襲という名のおしおきをする為に戻ってきたの」
その言葉で、クズ達はまるで幽霊を見てるような表情になった。
夢希「あれ?『なんで私が生きているの?』って顔をしているわね?お前達にはあの後の苦労には分からないと思うし分かっても全く理解しないと思うから適当に想像した方が良いわよ。どうせもうすぐ死ぬんだから」
看守からナイフを受け取り、それをチラつかせながら近づく。
夢希「…さて。お前達の人を面白半分で傷つけ侮辱しそれを笑う誰にも裁かれない腐った殺人ゲームはゲームオーバーだから、そろそろコース1に1番最初に出てくるザコキャラに報復されても良いわよね?…あっそうか!口が塞がってちゃ喋れないか♪」
貼られているガムテープを男の口から強く引き剥がした。
夢希「改めて質問するわね。誹謗中傷等をしてきた相手に報復される気分は?複製アカウントを大量に持っているユーザーネーム『金』君?」
金「…なんで生きているのか知らないけど、整形で外見変わったからってキチガイなクズと変わんねえよ!」
夢希「第一声がそれなの?もっと他に言うことがあるじゃないの?」
金「うるせぇ!中卒の10数年間引きこもりニートがっ!俺らは知らねぇと思ってるのか!?通っていた大学の備品を盗み、万引きを繰り返し、務めている会社の金を横領を繰り返し、人殺しの負け組犯罪者がっ!」
夢希「あのね…私の質問に答えないで関係無い話をしないでくれる?それに、最後の方はともかく今言ったこと矛盾してない?何で中卒で何年も引きこもっている無職の人が大学やお店に会社に行ってるの?どうやって部屋から出ないで盗みをしているのか50文字以内に説明してくれな…」
金「うるせえ!こんな時に自分ルールを押し付けるな!情弱(情報弱者)のクズ野郎!みんなネットでお前の悪行が沢山乗っているんだ!餓鬼(子供)を暴行したり洗濯物にペンキを着けたり暴力団の事務所の窓に石を投げ込んだり!あぁ、他にも高齢者に毒を無理矢理飲ま…」
言葉を続ける前に夢希は金の両腕を掴み、持っていたナイフで素早く切り落とした。
金「…え?」
一瞬の出来事で金と共犯者達は何が起こったかはすぐに理解出来なかった。切り落とされた両腕は手首を縛られたまま床に落ちた。このナイフは「溶岩石」と呼ばれた鉱石で出来ており、その名の通り火山付近しか採取出来ない希少な鉱石で、武器として作れば炎属性の力が付属されるのである。切口は高熱で焼かれて出血は無かったが、焼けた肉の匂いが部屋の中で充満した。
両腕の先の感覚を失った金は奇声を上げ、夢希と看守達は、いつも以上に冷たい表情をしながら、転がり回る金を見つめていた。
金「あ〜〜〜〜〜〜〜っっ!!俺の!俺の腕がっ!人類の未来を作って守る腕がっっ!!」
夢希「人類の未来?作る?守る?何を言ってるの?誹謗中傷しか出来ない、未来を奪う人殺しの腕の間違いじゃないの?そんな事よ…」
金「ふざけるな!このブーメラン女!お前はなんて事をしたんだ!お前がやったことは世界の大きな損失なんだぞ!それも分からないんなんてく…グハッ!?」
言葉が終わらない内に夢希は金の腹を蹴って静止した。
共犯者達は金の腕を切られていた所を青ざめたままだった。
夢希「人が話している時に黙ってられないの?世界の損失?お前達の腕の1本や2本無くなった所で痛くも痒くも無いわよ。むしろこれ以上私のような犠牲者が出なくて平和になるわ。まぁ、この世界はもうすぐ消滅するけどね…。改めて…そんな事より、今自分達がどんな状況かわかってないの?部屋は勿論、今切られた自分の腕や他の捕まっている皆を見ても何かおかしいと思わないの?」
それを言われて金は周りを見た。
部屋は、パソコンが無数ある何かの開発室のような所だ。切り落とされた腕は男の腕にしては細すぎる気がするし声も何か違和感がある。拉致されているこの部屋にいる人間は、自分以外全員女性しかいなかった。
…だが、金は何故かあまり気にせずヘラヘラと笑い出した。
金「何訳わかんねぇ事を言っている?この部屋の中に俺以外女しかいないようだけど、特に変わったところなんかないじゃないか!」
金の言葉で、殆どの拉致されている共犯者達は今の発言に疑問をしているような顔をした。まるで、「一体何を言っているんだ?」と。
夢希「全く…。思った以上に注意力と観察力が欠けているのね…」
ため息つきながら呆れていた。
すると、部屋の外から何かを持ってきた誰かが入ってきた。
奈々「夢希ちゃん。持ってきたよ」
夢希「あぁ奈々ちゃん。丁度良かった。このクズ達にそれで現実を見せつけて」
奈々と他の看守達が持ってきた鏡をクズ達に見せた。
そこには、男のはずの姿の自分達の姿が、美少女の姿になっていた。ついでに元々女性である共犯者達も姿を変えた。
金「な、何だこれは⁉」
夢希「勿論お前達の醜い姿と声を見たくも聞きたくも無かったかマシな姿に変えたのよ。勿論その鏡はテレビでも何でもないわ」
夢希は指を鳴らすと、看守達がいくつかの大きなスクリーンを持ち込んできた。
夢希「そしてここは私とお前達が使ってたSNSの運営会社の心臓部でもあるコンピュータルームよ。お前達クズ達におしおきをする相応しい舞台としてね」
看守達は共犯者達の貼られているガムテープを無理やり引き剥がした。
夢希「お前のユーザーネームは確か『L』だったわね。私の大好きな『スマブラシリーズ』を編集や投稿を誹謗中傷や荒らしと差し戻して、挙句に私を荒らしのレッテルを貼り付けて」
L「だ、黙れ!お前が必要性の無…」
言い終える前に先程同様にナイフで両腕を切り落とした。
Lは悲鳴を上げながら転がり回った。
夢希「必要性の無い?ファンイラストや推し系記事を作るのがアンタ達にとって必要の無い事なの?私に『自分ルール』と称して一方的に誹謗中傷のコメントを書き込んで…。それらを投稿している人が犯罪者なら人殺しや自分の『俺様ルール』を押し付けるお前らはマトモな人間なら、世の中犯罪者だらけじゃない。…まぁ、現実はそうだけど…」
ナイフをクルクル回しながら続ける。
夢希「次に『高 闇妃』!私の大好きなアニメ『キュアプリ』のいかがわしいアンチ記事を作って私を不快な気分をさせ、それから『lhisomia』!私が何度も白紙化させても何度も差し戻し、挙句に私に誹謗中傷をしながら荒らしのレッテルを押し付けてくる…。続いて『大円遊』!スマブラのキャラの記事のゲーム解説を『分かりにくい』の一点張りで消して荒らし、更に『走受虫複.net』!私が間違って入力した記事名を白紙化しているのに『勝手に』と遠回し中傷的な内容を戻し続ける。これを誰が見ても被害者と加害者が誰か分かるのに、その他の連中は見て見ぬふりをし続けている…。何よその『そんな事をしていない』と言っているような目は?お前達は無自覚なのか頭の中お花畑なのかは知らないけど私はお前達が私にしてきた事を私流にアレンジして再現しているだけよ?本当にスマブラやキュアプリとかが好きならこんな事をしないと子供でも分かることをどうして分からないの?…まぁ無理もないね。お前達は人間じゃないのだから…。お前達の殺人行為がどれだけの事になってしまったのか、これを機に勉強して次からはしないようにしなさい。…まぁ、お前達クズに次は無いけど…」
夢希は運営者数人の前に立った。
夢希「お前達共犯者はそれを知りながら、私の訴えである通報を無視して、挙句に私のアカウントを凍結した。私の唯一の心の癒しである二次制作を否定したのよ」
運営者1「わ、我々は公平に調査しての判断だ!」
運営者2「それに共犯って…我々は何も…」
夢希「そう!何もして無い!私の訴えを全く聞いて貰えず、このクズ達のアカウントを停止する所か改善すらしない。被害者である私のアカウントを停止したお前達運営者を共犯以外に何呼べばいいの?それに、私が何も知らないとでも?」
夢希は看守から受け取った札束を見せつけた。
夢希「このお金。会社が稼いたお金じゃ無い事はとっくに調べてあるのよ」
運営者達は青ざめているのに対し、金達悪質ユーザー達はなんの事かと思っていた。
夢希「このお金。ある人物から渡された者でしょ?何らかの理由をつけて私のアカウントを停止させて自殺に追い込もうと?まぁこのクズ達が何も知らずに私を誹謗中傷してきたから丁度良かったみたいだけど」
夢希は指先から火を着け、札束に引火した。看守達が集めた会社のを含めた札の束に向けて投げ、それらも燃えた。
運営者3「な、何をするんだ!?これでは会社の運営が…!?」
夢希「どうせもう無くなっちゃうんだから必要無いでしょ?こんな汚いお金とクズ達を庇う会社があった方が世の為人も為でしょ?次行くわよ皆」
奈々と看守達はPCを立ち上げた。
それに続き、夢希もスマホを使い始めた。
スクリーンに連動して何かが映し出された。
金「こ、これ…俺のテイッターのアカウントじゃないか!?」
L「お、俺のも!?」
夢希「そう。お前達のアカウント全員分今私達の手にあるのよ…どうするのかと言うと…」
夢希達は一斉に操作をし始めた。
スクリーンには、他のテイッターに対して誹謗中傷が書き込んでいた。
金「な、何をするんだ?!」
L「お、おい!なりすましをやめろ!」
夢希「私になりすましや中傷をしてやめろ?私もやめて欲しいって言ったのにやめなかったのはお前達でしょ?」
その返信で…「いきなりなんて事を言うんだ!?」とか「そんな事を言ってくるなんて酷い!」「俺が何をしたというのだ!」やら返してきた。
それを無視して更に誹謗中傷を書き込んでいく。
金「おい!やめろ!やめてくれ!」
夢希「そんなにやめて欲しいなら…条件があるわ」
操作をやめて、指を鳴らすと、看守が夢希のゲーム機を持ってきて、テレビに接続し、ゲームを起動した。
夢希「金!私の大好きなスマブラで私に勝てばやめてあげるわ。私にスマブラに対して嫌がらせをしたんだから、勿論プレイした事あるわよね?」
金は声を出さなかった。
腕を切り落とされて操作出来ないことは勿論だが、もう1つ理由もあり、夢希はそれを知っている。
金を連れ出す時、火を放つ前に部屋の中を見渡していた。
部屋はゴミだらけで足の踏む場所は全く無かったのだが、それ以外にはPCしか無かった。
テレビ等の家電用品は全くなく、ゲーム機らしき物は1機も無かった。
スマブラは20年近く最新作が発売られるのだが…、少なくとも最新作である「スマブラSP」をした事が無かった。
こいつには夢希をスマブラを初めとしたゲームを「エアプ(そのゲームの内容を知ってるがやった事がない事)」と罵られてたが、こいつの方が全くやった事が無かった。
例え腕を切られてなくても、当然ながら、夢希と対戦する所か、まともな操作をした事は全くできない。
夢希はそれを理解して勝負を求めた。どの道このクズが勝てない事をわかっていながら。
夢希「言っとくけど、やった事ないと腕が切られているから操作できないと、聞き分けは無しよ。操作出来ないなら足を使えば良いじゃない」
金「うるせぇ!さっきから自分ルールを押し付けて!さっさと誹謗中傷をやめろと…」
すると、奈々は言葉の途中の金を殴りつけた。
夢希「…グレート…」
奈々「さっきから言い訳して…。夢希ちゃんの言う事を聞けないの?こんな簡単な事が出来ないなんて…」
冷たい目で見下ろしていた。
金「お、おい!お前もこいつに言ってくれ!お前らはこいつに弱みか何かを握られて不本意でやらされているんだろ!だったら…」
奈々「不本意?私達は自分の意思でここに居て自分の意思でやっているのよ。貴方達は夢希ちゃんに酷いことをしておきながら無実を訴えるなんて。こんな人達を庇っていた私は本当にどうかしていたわ…」
金「おい!このアバズレ女はイカれてるぞ!そもそも、このキャラ選択画面、何か変だぞ!?何で未発表のキャラが全員明らかになってないのに追加されてるんだ!?」
夢希が自殺した当時は、まだDLCキャラの詳細が全員明らかになっておらず、転生した後のセーブデータ内は未発表のキャラが全員入っていた。最初に前世の世界に戻った時に、小型の飛行カメラでゲームの開発会社に潜入した所、なんと夢希と同じスマブラSPに入っていたキャラと同じ未発表のキャラが開発されていた。何の因果なのか、何故未発表のキャラが夢希のセーブデータに入っていたかは定かでは無いが、夢希のデータに入っていた追加キャラは、正真正銘の追加キャラである事は確かであった。
夢希「アンタ達に言っても理解はできなさそうだから適当に想像したら?それよりどんどんなりすましの誹謗中傷をし続けるわ」
他の看守達は手を止めず、誹謗中傷を繰り返し、夢希も再開した。
夢希「さぁ。もう一度言うわ。やめて欲しかったら、私と戦って勝ちなさい。立ち上がって勝利の手を掴みなさい」
それでも金は動かず、やがてスクリーンには、金達に対する誹謗中傷をしてきた。
それらは見るのも耐えない罵倒の荒らしで、少し前までに親しかったフォロワー達が手のひらを返すように中傷を初め、顔や住所の特定や気味の悪いコラ画像、更にはありもしない悪行まで書かれてしまう。そして、次々とフォローを解除され、フォロワーの数字がどんどん減ってブロックされていく。
金「おい!やめてくれ!こいつはなりすましだ!」
L「そうだ!俺達は悪くない!悪いのはリリィ何だ!こいつがなりすましてるんだ!」
ユーザー1「だからやめてくれ!これじゃイジメじゃないか!リンチじゃないか!」
夢希「お前達も私に同じ事をしてきたじゃないか。もう一度言うわ。立ち上がりなさい」
操作してない看守達も冷たい目をし、クスクス笑いながら指をさして笑っていた。
奈々「夢希ちゃんを待たせないで。立って」
ヒナタ「何で立たないの?立ってよ」
リン「立てよ」
看守1「立ってください」
看守2「何で簡単な事が出来ないの?立ってくれない?」
看守3「聞こえないの?早く立ってくれない?」
立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立て立てたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてたてタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテタテ…………
金「やめろーーーーーーーっっっ!!!やめてくれって言ったらやめてくれ!!!」
錯乱した金は夢希に目掛けて突進してきたが、腹に蹴りこんで返り討ちにした。
夢希「誰が私にダイレクトアタックをしろって言ったの?私は『立って』って言ってるのよ」
そしてスクリーンの各画面のフォロワーの数が0になり、そして…
『このアカウントは現在使用できません』
夢希「残念だったわね…。勝負は私の不戦勝。誹謗中傷ゲームはゲームオーバーよ」
その画面を見ていたクズ達の顔は、夢希にとってまさに言葉にできないほど最高の表情だった。
夢希「さてと…敗者であるクズ達には罰ゲームね。…眠らせて」
魔法が使える看守達は、眠りの魔法を使って、クズ達を眠り眠らせた。
夢希「…さて。そろそろ誹謗中傷しか言えないクズ達のとその共犯者のおしおきの最終章に突入よ」
夢希は運営のパソコンを操作して「勝手ながら、本サービスは只今を持ちまして全て終了しました。長い間ありがとうございました。引き続き人類最後の日まで残りの人生をお楽しみください」とバーナーを作って、このSNSに終焉をさせたのであった。
そして、この部屋を広くするためにパソコンとそれを乗せているテーブルを蹴り飛ばした。
看守4「夢希様。さっきからここの電話が鳴りっぱなしでうるさいのですが…」
夢希「全部破壊して。どうせクレームやら何やらしか言ってこないんだから…」
看守4「分かりました!この『ワッシュ』、片っ端から黙らせて来ます!」
ワッシュと名乗った看守は、ハンマーを取り出して電話を壊し始めた。
彼女の名である「ワッシュ」は、アマテラスの言葉で「破壊」と言う意味で、その名の通り破壊活動が得意で、自身の科学力で作った自家製のハンマーは、小さい見た目に対し、彼女しか扱えない超重量で、それを片手に楽々とぶん回す事ができるのである。仲間の看守達からは「破壊神ワッシュ」と異名で呼んでいるらしい。ちなみに、あのクズ家族で使った棍棒も彼女がわざわざ作ってくれた物だ。
何人かの看守は、水槽のような物を作り、それに繋げる装置も作った。別の看守は、大きな鉄の箱を作り、その一面には中に入れられるような穴が空いており、その中の空洞は、クズ達全員を十分に入れられる。
看守5「姫様。こやつらを入れてから例の水を入れるのに20分程かかると思います」
夢希「わかったわ『リティ』。その間に私は例の石で録音するからしばらく席を外すわ。録音中に誰も近づかないで」
リティ「かしこまりました」
「時空転送マシン」を作り上げた所長(及び夢希)の娘で、自身の魔法で特殊な魔法水を作るのが得意な「リティ(アマテラスでの意味は『水圧』)」はお辞儀をした。
リティ「あっ!それと」
隣に行く夢希を引き止めた。
リティ「あと1時間程ですな…姫様のお誕生日は…」
夢希「そう言えば明日だったわね…私の1015歳の誕生日…」
丁度明日が夢希が転生した後に生まれた新たな誕生日だった。
リティ「その前夜祭として、『マンモスカウ』のリブステーキを調理します。こいつらの末路と共に奈々様とお召し上がりください」
夢希「ありがたくいただくわ。ちゃんとした誕生日パーティは城に戻ってからしましょ」
クズ達は、きがつくと、何かの中に閉じ込められており、中は薄暗かった。全員手足は解放されている。
金「ど、どこだここ?」
運営者1「ドアや窓が無い!何処かに閉じ込められたんだ!」
運営者3「おい!出してくれ!」
すると、どこからか夢希の声が響いてきた。
夢希『そろそろお目覚めの頃と思うわ』
金「こ、この声は、り、リリィ!?」
夢希『初めに言っとくけど、返事は出来ないわ。お前達を入れる前にこの声は録音した物だから、どんなに文句を言っても答えは返って来ないから黙って聞いてね。…まぁ、聞いても聞かなくてもお前達はもう終わりって事は変わらないけど』
クズ達は気づいていないが、床に2個の石が落ちていて、その内の1個がそこから声が出ている。
この石は「音の石」と言い、早く言えばボイスレコーダーのようなもの。それと違うのはバッテリーの必要は全く無く、音声が雑音等がしないクリアな音で流れるので、燃費等は良い。夢希が開発した魔法石で、零帝国の城下町で売られているほど簡単に制作できる。
もう片方の石はこれまた同じく魔法石である「音拾いの石」で、この石に音を聞かせることで対となる「音聞きの石」からその音を伝わって聞くことができる。簡単に例えるならマイクとスピーカーのような物。
マイクやスピーカーと違うのは、どんなに離れても、厚い壁に遮られても、ノイズが発声すること無く聞き取れるのである。音拾いの石が壊れてしまえば聞けなくなるのだが…。
夢希『お前達が今いる所は、「絶対鉱石」と言う鉱石でできた鋼鉄の箱の中よ。特殊な加工用魔法と道具が無ければ開けることも切り取ることも出来ないわ』
夢希達は、このクズ達を入れて密閉する時に、同じ素材の蓋で閉めた後に、その隙間を特殊な魔法や道具で造られる炎で溶融をし、音や空気等が一切漏れないのである。
内部の音は先の石経由で、外にいる夢希達に伝わっている。
L「何訳わかんない事を言うんだ!今すぐ出せ!」
夢希『多分怒って「すぐに出せ!」と言ってると思うわ。残念だけどお前達の死刑をするのに逃がさなきゃいけないの?』
運営者3「な、何だと!?」
夢希『死刑方法だけど、その鉄の箱をとある特殊な水が入った水槽に入れ、水圧を上げます♪』
その特殊な水は、「水圧重水」と言い、その名の通り水量を変えることなく水の重さを変えられる魔法水である。水圧を変えるには、連動用の装置で操作する必要がある。
看守達は、奈々と共にステーキを食べている夢希の指示が来るまで、いつでも操作をできる姿勢をとっていた。
夢希『絶対鉱石は、どんなに叩いたり、押し潰したり、高い所から落としたりしても、傷1つ付いたり変形したりしないのよ。唯一の弱点である“水圧“を除いて』
イタズラっぽい笑いで言葉を続ける。
夢希『この後流れるお前達の人生のエンディング曲であり、スマブラSPのメインテーマでもある「命の灯火」が始まった瞬間に水圧の負荷がかかり初め、曲が進むに連れて鋼鉄の箱がどんどん圧迫していき…最後に曲が終わると同時に…………………ぺちゃんこに潰れます♥』
可愛い声をする夢希とは裏腹に、クズ達は顔を青ざめた。
運営者4「う、ウソだろ?そんな事をしたら、俺達…死んでしまうんじゃないか…?」
夢希『多分「そんな事をしたら死ぬんじゃない?」と思っているでしょ?死んじゃいますね?』
金「ふ、ふざけるな!今すぐ俺達を出せ!」
L「そうだ!俺達にも人生や家族がいるんだぞ!せめて裁判させろ!そうすれば俺達は無罪になる!」
運営者1「そ、そうだ!我々を待つ家族がいるんです!だから帰してくれ!望み通りの改善をするから!」
ユーザー2「だけらとっとと出してすぐに死ね!クソ荒らしのリリィ!」
返事が出来ない事を忘れたのか、クズ達は猛獣のように吠えてくる。
夢希『…多分文句を言ってくると思うけど、いくら吠えても無駄よ。アンタ達、平気で相手を「死ね」と軽い気持ちで言いまくってるけど、それを受け取った相手にとって、とても重くて傷つくのよ。死んだことも無いアンタ達には分からないと思うけど、死んだらもう何も出来ないのよ。ご飯も食べれないしゲームも出来ない。アニメも観ることもできないしマンガやラノベを読む事も出来ない。…その先にあるのは何も無い無に等しい地獄だけよ。死にたくなかったらそもそも戦わないでおけば良いでしょ?そもそも初めに仕掛けてきたのはお前達の方じゃない。どんなに姿形が変わっても、狩りをするハンターと狩られて食べられる側の獲物を追う追われる弱肉強食をしていたのよ。そのリスクである自身も狩られる側になるかもしれない可能性を全く知らないでね?そもそもお前達やその親しい達がどんな人かなんて、教えられても知らないし興味も無いわ。お前達ならした事ある?誹謗中傷して殺した相手の人生の事とかを聞くことを?…無いでしょ?』
しかし、話を全く聞こえてないのか、まだ騒いでいるクズ達。
夢希『人生の最期にさっきした荒らしやなりすましに誹謗中傷を、転生する前の私と同じ気持ちを味わえて良かったでしょ?あんだけ苦しんだらお前達も嫌と言うほど深く傷つくでしょ?私達もイジメる側の気持ちを知れて大変勉強になったわ。………………………………………………………………………………気持ち悪い位に胸クソ悪かったけどね』
突然の冷たい声色に変わった夢希の言葉にクズ達は声を止めた。
…は?胸クソ悪い?
夢希『…キミ達はイジメやネットリンチに私刑は正しい上にカッコよくて楽しいと思っているでしょ?…その感覚は理解出来ても…、共感はできなかったって事よ。………………やっぱり、キミ達の感覚は異常すぎると思うよ』
…は?俺達が異常?一体何を言ってるんだ?
夢希『そもそもキミ達は何で自分で疑わないの?ネットリンチ・誹謗中傷・私刑・イジメを楽しい・正しい・カッコイイと思う自分達が、何でオカシイと思わないの?…………いい加減気づいたらどうなの?
ネットリンチ・誹謗中傷・私刑・イジメを楽しい・正しい・カッコイイと感じるのは……………………、自分達の人生がそれだけつまんないって証拠でしょ?…まぁ、これはあるマンガの受け売りだけどね』
それを聞いていたクズ達は、「そ…そんなんじゃ…」とビクビクしながら心の中で指摘された事を否定している。
夢希『そうだ。それからもう1つの受け売りでこの際だから言わせておくよ。面白いと思って使っているかもしれないけど…。SNSでよく見る、面白いを表現する「W」と「草」、仕事をしてない人を「ニート」や「ヒキニート」、面白くない事を言う「寒い」、終わりを意味をする「乙」、子供の事を「餓鬼」や「〇〇キッズ」って呼ぶ、親を選べない事を「親ガチャ」って言うこと、特定の人を「チー牛」と呼ぶこと、………そして…ビデオ「……の…淫夢」の「……先輩」に「こ↑こ↓」に「あ…(察し)」等等……これら全部ぜーんぶ…………へっ(鼻で笑う)
反吐が出るぐらい、つまらなし滑っているよ』
金「!?ち…ちがっ……!それは…!」
夢希『特に1番後者の奴。裸の男同士が抱き合ったり、私の好きなアニメやゲームにそのキャラに無理やり混合させて何でもかんでも風評被害を押し付ける意味が全く分からないわ。私の一番大好きなスマブラが特にね!……そう言う自分の不満等を世間のせいにして、ストレスのガス抜き目的として他人をイジメて、自己満足をする事が、自分達の人生をつまんなくしているでしょ…?…………………とにかく、自分が楽しい事や好きな事が好きっと言うなら、まずは仕事を探したりやったりしながら自分の人生を振り返って見つめ返したらどう?所詮お前達と私のやる事と好きな事を比べると、例えるなら小さな国の小さな村の子供のアリ潰し……、それに対しラスベガスの大イリュージョンマジックショーよ!その痛い生きづらをしたお前達クズのせいで生まれた魔王姫である私に処刑された挙句、地球上の全人類の社会も文明も歴史も滅ぼされると言う、人類史上の自業自得にして最高の究極の狩りと見世物なのよ!!!!!!!……さて、そろそろお別れね?お前達クズの最低な人生の最高なエンディングテーマ「命の灯火」を、3分50秒間水圧で潰さてれ苦しみながら楽しんでね♪そして……来世に転生せずに地獄に落ちろ!』
メッセージが終わると同時に外にいる夢希は指を鳴らし、水圧を上げる装置を起動し、起動と同時に「命の灯火」が流れ始めた。
絶対鉱石で出来た鋼鉄の壁は穴が開きこそしないが、水圧によって内側にへこんでいき、音楽が流れる度に少しずつへこんでいく。
内部の様子は定かでは無いが、音聞きの石から出てくる声がよく聞こえてくる。
デザートのチョコアイスを口にしながら、クズ達の断末魔を聞く。
夢希を「おい!私刑を今すぐやめろ!クズ女!」と罵倒しながら静止を要求する者や、「一体俺が何をしたんだ?!」と無自覚なヤツがいたが、時間が進むに連れ罵倒が痛みの声に変わる。
声『痛っ!目に指が入って見えなくなった!』
声『痛い!離れろ!』
声『お前こそ離れろ!』
時に互いを罵り合う声もしたが、曲が終わりに近づくと、1人また1人と声をしなくなり、そして曲が終わると…………一気に潰され、鋼鉄の箱が500円玉のような形と薄さの硬貨になった。そこから数十個の魂が出てきて、看守達は魂の監獄で魂を回収した。
食後のドリンクであるコーラを飲みきり、夢希は呟いた。
夢希「…………『事実は小説より奇なり』………フィクション…つまり夢の世界はもう1つの現実…………それを忘れた時点で……お前達にフィクションを語る資格は無いわ………」
SNSの会社に火を放ち、またひとつ、クズを生産する工場が地図上から消えた。
ヒナタ「しっかし、魂を回収した後にこれを加工して銀貨のようにしたけど、この中に潰された人達が居るんだね?切り取ったら肉片や血がポンプのように噴射したりして?」
リティ「なら、試してみる?」
ヒナタ「…イヤ…遠慮しとく…。考えただけでもゾッとする…」
そう言いながら表面を見る。百合の花が刻まれている。
ヒナタ「中にクズ達さえいなければ、こんなの綺麗なコインしか見えないね。名を付けるなら、『断罪のコイン』って所かな?」
リン「断罪…か。連中の末路にしては相応しい名だな」
ヒナタ「本当に夢希様の部下で良かった。何人のクズ達を殺してきたけど、あんな惨い死に方だけはイヤだったわね」
看守「まぁ確かに」
それを聞いていた夢希は。
夢希「……いや。これでも足りない位だよ…。前世の私の失った物に比べれば…」
悲しそうな顔で呟いていた。
奈々「夢希ちゃん…」
前世の夢希は、スマブラを初めとしたイラストや二次制作小説を作って、このSNSに投稿してきた。自分がいつも頑張っている気持ちで。
…しかし、連中のような誹謗中傷する者達が現れ初め、それを含めたSNSアカウント全て停止されてしまった。
夢希(………生まれてきたことを後悔する程もっと痛めつけたかったけど、早くアイツらが消えて欲しかった…けどやっぱり…………。いいや、もう私には関係ないよね。これで、私が描いた二次制作の皆の無念ははらせたかな…)
夢希は、犯行声明のカードを火の中に投げ入れ、その場を立ち去った。
その日の夜…夢希は夢を見た。
それはまたあの夢だった。
殴り蹴り、火を押し付けたり、怒涛の暴言を吐きまくり、自分をイジメてくる、あの前世の夢を。
夢希「…イヤ…やめて…」
夢の中では無力に過ぎず、何の抵抗も出来ない夢希は早くこの悪夢から覚めて欲しい…。再びそう思った時だった。
目の前に居るクズ達は次々と倒れていき、煙のように消えた。
夢希「…え?」
そこには、赤い炎の剣を持った少女が居た。
夢希「もしかして…フレアちゃん?」
振り返ってきたのは、スマブラSPでも登場している炎の女剣士の「フレア」であった。
そして彼女の背後に、他のスマブラキャラ…そして夢希が描いた二次制作キャラに、夢希の好きなゲームやアニメにマンガのキャラ達が多く居た。
フレア「…こうして対面して会話をするのは初めてですね、夢希」
目を擦って改めて見る。確かに大好きで憧れであったあの英雄達が目の前にいた。
ペカチュウ「キミの気持ち、僕達には届いたよ」
蛇「よく今まで頑張ってきたな」
夢希「えっと…その…」
何て言えばいいのか分からなかった。
夢とはいえ、彼らが自分の目の前に現れて、しかも悪夢を消滅してくれて…。けど…私はクズばっかりとはいえ今まで人を…。
フレア「…大丈夫です。私達は理解してますから…。今までの思いをぶつけてきてください」
その言葉を聞いた途端、夢希の目から涙が流れた。
フロールを死なせてから、絶対に泣かないと決意していたのに…、何故か涙は止められなかった。
夢希「…う……あぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
夢希はフレアの胸元に泣き崩れ、これまでの思いをぶつけた。
前世で産まれてきてから差別や虐待をされ、学校でイジメを受け、会社ではパワハラにサービス残業に残業代が支払われず、ネットではネットリンチを受け、それなのに誰にも助けて貰えず、そして自殺した後の事を全てぶちまけた。
普段は冷酷かつ基本的に表情を表さない夢希だったが、この時は子供のように泣き叫んだ。
今までの自分自身の弱い部分を一切見せなかったが、気が緩んだせいか、子供の頃に戻ったような感じをしてきた。
英雄達は、黙ってそれを聞き入れてくれた。
こんなほろ苦いけど温かい気分は初めてのような久しぶりのような感じがした。
しばらくして、いっぱい思いも涙も出し切り、落ち着いた夢希。
夢希「…ありがとう。もう落ち着いたから」
フレア「…そう」
乾いた涙を拭い、両頬を叩いた。
夢希「………そうか。私の事を思って、私のデータに未発表を含めたDLCを…」
フレア「えぇ。あまりにも貴女が無念すぎて…、それに、今日は貴女の誕生日でもありますからこうして…」
夢希「…………そうかそうか。やっぱり貴女達は私の思った通りのキャラね…」
しばらくみんなを見つめた後、夢希は背を向けた。
フレア「…もう行くんですね…」
夢希「十分甘えてもらったから…。それに私にはやる事があるから…。クズな人間達を絶滅し、理想の楽園世界を作る夢があるから…」
フレア「…なら…私達からお願いを聞いてくれます?」
夢希「お願い?」
フレアが口を開き、その発した事は………。
夢希は、目が覚めると、簡易の基地のベッドに眠っていた。
夢希「…やっぱり夢か…」
窓からは、日の光が差し込んでいる。
夢希は、ふと魂の監獄の方を見ると、昨日殺した連中の魂が無くなっていた。
驚いて中を確認するが、やはり空っぽだ。
まさか…誰かが盗んだんじゃ…いや。1つ心当たりがあった。
夢希は手に力を込めて念じると、赤い炎の剣が現れ、それを握りしめていた。
夢希「やっぱり…夢だったけど…夢じゃなかったんだ!」
夢希は夢の最後の方を思い出していた。
フレア『貴女に私達の力を貸してあげる。その代わり、昨夜貴女が手に入れた魂を全て私達にくれませんか?』
夢希『魂が欲しいって…一体何に…』
途中で言葉を止め、フレア達の目を見た。
その目は、今の夢希と同じ目をしていた。憎しみに満ちた色をした…。
それを思い出した途端、夢希は笑いだした。
夢希「そうかそうか!フレアちゃん達も許せなかったのか!」
そう彼女達もあの連中に復讐をしたかったのだ。
夢希が異世界に転生した影響なのか、それとも彼女ら二次制作の意思なのか…。
どちらにしろ、夢希は理解した。
以前誰かが言った。
「作品には罪は無い」…と。
確かに作品には罪が犯せない。…けど、復讐したい気持ちはあった。
彼女らが自分の気持ちを共感してくれた夢希は、彼女達からもらった新たなる力を手に入れたと同時に、復讐をする共犯を得た事を笑ったのであった。