プロローグ001「さまよえる魔王姫の誕生秘話1巻『緑奈夢希』」
最近ペ○ソナやポケ○ンを買って小説活動が疎かになってしまいました。今回はR-18版とリミッターエディション版共々プロローグである前日談を何回か分けて投稿し、その第1回をします。両方とも同じ内容なのでどちらの方で見ても大丈夫です。
………これは、今の夢希には知らないかなり遠い未来の話である…………。
詳しくは語れないが、魔王姫が前世と今世の人類を絶滅してから約4億の年月が過ぎ、彼女達の存在は伝説になり、表舞台から姿を消していた。
彼女が悪意に満ちた人間の皮を被った化け物を絶滅した事は語り継がれているが、彼女の詳しい容姿と魔王姫になる前にどのような暮らしをしていたか、共に歩んだ愛する人達の詳細やその人数、どのような暮らしをしていたのかは記録に残っておらず、この時代の歴史研究家達はその追求をしていた。
しかし、つい先日とある有名な冒険家兼作家が書いた本が発売されて、魔王姫の誕生秘話が明らかになったらしい。
ここは前世の世界の日本の生まれ変わった東京の中心街「NEWシブヤ」
男という種が無くなり忘れ去られた生まれ変わった前人類が滅ぶ前の姿に近く開発された若者の街に開いているとある本屋。
そこに最近発売された本が入荷され、棚に並べられた。
そこにとある人物が手に取りそれを買った。
その人物は過去よりも、より自然に満ちた近くの公園のベンチに座り、その本を読んだ。
「さまよえる魔王姫の誕生秘話」著作カトリー・サンフラワー
ご存知の通り私は世界を周りそこで見てきた物を執筆し本にしている。
私は魔王姫緑奈夢希様が滅ぼした場所を巡り巡っている。
私は古い文明がどのような物だったのか興味を持っている。
知っている者もいるかもしれないが、旧文明は人種差別主義の生態があり、弱き者をドレイのように扱い甘い蜜を吸っていた。その旧文明には、私達とは容姿がかなり違う石像がいくつか発見された。
胸やら顔やら私達の体の構造とはかなり違っており、同じ人間なのか疑わしいかった。
…しかし、今回執筆するのはその事では無い。
私は、その興味を持ち、現地の遺跡発掘所に向かい、調査と取材をしていたが、どれもこれも私にとって納得ができるような収穫は無かった。
滞在期間の最終日の前日、突然の大雨が降り、近くの大きな大樹に雨宿りをした。
…すると、そこには先客がおり、私は挨拶をした。それが彼女との出会いだった。
そのさすらいの旅人は「緑奈夢希」と名乗った。
私達今の人類の生みの親であり、歴史の表舞台から消えたあの魔王姫様と同じ名前…。まさか本人なのでは?
…確かに夢希様は最強の力を持った不老不死であると語り継がれているがその真偽は不明である。
…しかし、そこにいる緑奈夢希は魔王姫様の容姿と一致している。偶然かそれとも?
…それはともあれ、その人物は、雨があがるまでの間に、退屈しのぎとして、「信じるか否かは貴女次第」と前置きを言った後にその生涯の10分の1程の一部を聞かせてくれた。
これから書く自伝もとい物語は全て彼女の、夢希から聞いたものである。
その魔王姫への長い道は、とある村の民家のベッドから始まった…。
女性「……………ん………イヤ…………イヤッ!!」
自分の声で目を覚ました後に緑奈夢希を名乗る若い女性。
女性「……ここは…?私は確か…屋上から飛び降りて……」
辺りを見渡すと、どこかの部屋で、鏡や本棚、自分が寝ているベッドに窓等がある。
ゆっくりベッドから降り、窓の外を見た。
外の光景はまるで南の島のような光景で海が見える。緑のビキニの水着姿の若い女性達が楽しそうに生活していた。
女性(どこなのここ?東京でも日本でも無いのは確かみたいだけど…?)
今度は鏡に近づき、それに写った自分の姿を見て驚いた。
体型は良く、巨乳で、顔もアニメやマンガのような美少女風で、髪は腰まで長く伸びており、髪色は緑で紫のメッシュ。
…お世辞にも酷い姿の自分では無かった。
どういう事なのか?そう思った時に部屋のドアが開いた。
???「あら。目が覚めたのね」
声をした方を向くと、またもや緑のビキニ姿の茶髪ショートヘアーの女性と彼女と瓜二つの女の子が立っていた。
女性(なのなの?この親子…なの?外見的にも日本人には見えないけど…)
???「まぁまぁそう警戒しないで。私は『サラ』。この村のお医者さんをしているの。…で、こっちは娘の『リア』。この子が村のはずれの森の中で倒れている貴女を見つけてきたのよ」
薬品のような液体が入ったコップを置いた後、女性を見た。
サラ「ボロボロの服だけど、見た感じ近くの国の『オディオ王国』や『ヴィラン王国』の人じゃないみたいね」
何かを詠唱した後そのコップに魔法をかけて、金色に輝きだした。
女性(い、今のは魔法!?まさかここは異世界!?マンガやラノベでよくある話だけど、まさか私、転生したの!?)
サラ「これを飲みなさい。この村に伝わる秘伝の薬です。傷は無いようですけど疲れは一気にとれますから」
コップに手を取り、それを一気飲みした。
思ったより甘く飲みやすかった。
体がかなり軽くなった気がする。
手をグーパーしたが、少しだけ思ったように動かない。まだ転生した新しい体に慣れていないからだろうか。
リア「お姉ちゃん、お名前は?」
女性「名前?私の名前は…」
口を噤んだ。前世の事を思い出した。虐待にイジメ。誹謗中傷にパワハラに冤罪等々。前世のあまり良いとは言えない幸せとは無縁の人生…。けど、もしこれが転生なら、あんな生活より、ここでの暮らしなら、自由に生きていけそう。理想のスローライフが!…だったら、前世の自分を決別しよう。名前を捨てて新しいなまえで。
どう名乗ろうか本棚を見ると、本のタイトルに目が入った。
「緑豊かな高原物語」「朝比奈夢物語」「希望の雪」
そのタイトルを見て新しい名前を決めた。
???「…私は夢希。『緑奈夢希』よ」
その日の夜。夢希は近くの空き家を紹介され、そこに住み始めた。
家具は殆どあり、最低限の生活をするには十分だが、何故か冷蔵庫やら照明等近代的な物もあった。ただの魔法の世界ではないのか?
考えても仕方ない。とりあえずベッドに乗り横になった。
肉体的も精神的も暴力を振るわれ、誰も助けてくれなかった前世…。けど、ここでなら平穏的に生活できそうだ。……自分の生みの親が最終的に会えなかったのは心残りだが、それはもうどうでも良かった。あんなクズな世界などいずれ衰退するに違いない。
………そういえば、異世界ものではよくあるステータス表示とかがあるのだが、ここでもあるのだろうか。
冗談半分でステータスを表示と念じたが、特に何も起きなかった。
流石に全部が全部とはいかないと思った。
すると、左目が妙な感じがする。
何だと思い念じてみた。
すると、何と自分のステータスが表示された!
見ると…
「緑奈夢希」レベル1
職業なし
状態普通
MP5
総戦闘力1
攻撃力5
防御力5
魔法攻撃力5
魔法防御力5
回復魔法力5
素早さ5
科学錬金技術レベル1
取得魔法
無し
作成可能錬金
無し
スキル
スカウターレベル1
スキルシーフ
スキルリンクスイッチ
■■■
■■■
■■■
■■■
固有アビリティ
不老不死
…と書かれていた。
1度目はステータスを表示させることはできなかったのに何で?
左目が妙な感覚になった事と関係があるのか?
ともあれ異世界ではよくあるレベル等々…。やはり魔法はある。回復魔法力や総戦闘力はともかく、科学錬金技術ってのは何だ?転生後の世界にもある冷蔵庫とかと関係あるのだろうか?
それは後々調べるとして、スカウターに…不老不死!?
確か飛び降り自殺する時に「次に生まれ変わる時は、不老不死のスローライフをおくりたい」と願ったが、まさか本当に不老不死になるとは…。神様すごい。
けどスキルシーフにスキルリンクスイッチ?後文字が黒塗りに潰されているのもある。気になる…。
それで、スカウターのスキル…。
ドラゴ○ボールを読んだり観たことある人なら知らない者は居ないと言われているあのスカウターの事だろうか。
…けど、あれは戦闘力のみを測る機械なのだが…。
ステータスのスカウターの項目をダメ元で触れると、詳細が表示された。
「左目に眠る解析の力を使うことで、自分又は相手のステータスを見ることができる。スカウターレベルが高いほど見れる項目が増える」
左目の違和感は、スカウターのスキルを発動したからなのか。
レベルが高いほど見られる項目が増えるって書いてあるけど、あの黒塗りはまだレベルが低いせいなのか?
どの道スローライフを送るのに必要は無さそうだ。
スカウターは暇つぶしに使うとしよう。
すると、玄関のドアの外からノックがした。
開けると、リアがいた。
夢希「君は、確かリアって言ってたわね?」
リア「ごめんなさい。お姉ちゃんに返し忘れた物が」
返し忘れ?
彼女が渡したのは、何とゲーム機に数本のゲームソフトだ。どれも死ぬ直前に夢希が最後に持っていた物だ。
リア「森で倒れている所に一緒に落ちていたから早く返してあげたく」
ペコっとお辞儀をして立ち去った。
これも神様が私の為に…。
スマブラSPを起動すると、問題なくプレイ出来たが、驚いたのはキャラ選択画面だった。
夢希「え!?まだ未発表のキャラが収録されている!?」
これもこれも!
どこまで優しすぎるんだ神様は!
早速徹夜追加キャラの操作を…したかったが流石に眠くなってきた。
やる事は明日からにしよう。時間は無限にあるのだから。
…これが、転生した緑奈夢希のプロローグである。
To Be Continued…