005.5話「間章:150年前の流れ星」
修正部分が無いので内容はR-18版とは変わっていませんので予めご了承ください
時間は150年前に遡る…
満月がよく見える真夜中。夢希は、とある王国を滅ぼしている時、その近くの林の中を駆けていく。
長い髪と大きな胸を揺らし、ひたすら走っていく。
すると、後ろから無数の火の玉が迫り、夢希はそれらを避けていく。
着地すると、足元に「カチッ」と音がし、途端に大爆発した。
爆風が消えた後、2人の女が現れた。
王女1「ずいぶん手こずったが、やっと私達の国を侵攻してきた女を殺すことができたな…」
王女2「えぇ。体を木っ端微塵になってしまったのは残念だけど、これでまた、汚れた血と劣等種の虐殺が再びできるのが嬉しいわ」
2人は大きく笑いだした。…が。
声「…BAY…」
後ろから声が聞こえた途端に2発の銃声がし、2人の王女の意識が途絶えた。
夢希「…全く。最近の王女達は1人殺すのにどれだけの火薬や魔力を使いまくるのよ!エコロジーのエの字も知らないのかしら!」
頭を撃ち抜かれて倒れている血を流した王女2人を背にスティックキャンディーを舐めながら怒っていた。
夢希「私だったら、低燃費で高威力の方法を思いつくのに…。どれだけ頭が悪いのかしら、この世界のクズ達は…。おかげで地元の住人まで巻き込んじゃったし…」
視線の先に、黒焦げになった牛のモンスターが黒焦げになって倒れていた。
夢希「本当に悪い事をしたわね…牛さん…」
悲しそうな無表情でそうつぶやく。
夢希「供養…になるかは分からないけど、助けた要救助の住人達にその肉を与えるわ」
牛のモンスターを片手で抱え、来た方を戻っていく。
夢希「結局…さっき殺したあの2人の王女のスキル等はろくなのがなかったわね。魔力の消費が大きい癖にその威力は大したことが無く、爆発物を作る時の素材量や威力も同様…。奪う価値も連れて帰る価値も全くなかったわ」
大きくため息をつき、夜空を見た。
夢希「今日は夜空綺麗ね。雲が全くない」
こんな綺麗な夜の星空を見るのはいつ以来だろうか。
無数の星が輝いている。
夢希「いつかフロールや奈々ちゃんと一緒に3人だけで見れる日が来るかな…」
『夢はいつか叶うって誰かが歌っていた』とお気に入りの音楽の歌詞を思い出した。
夢希「クズ達が絶滅するまで挫けるなって決意と約束したんだ!気合いを入れ直さないと…」
両方の頬を叩き、気合いを入れ直す。
再び夜空を見ると…。
夢希「…?流れ星?」
それも1つだけじゃない。3つ…いや4つが流れている。
とてもおおきな流れ星だ。
夢希(何だろう…。あの4つの流れ星、いつか巡り会うような気が…)
この時の夢希はそれ以上気にしなかったが、約150年後の未来で、その事が現実になるとは、知る由もなかった。