011話「アンチ達の最期と世界大戦の開幕」
前回からかなり時間が開きましたが、お待ちかねの(リミッターエディション版での)最新話です!いよいよ地球側に大きな動きがっ!
とある日の地球の夜。
夜空が見える丘で、風に吹かれながら月を見ている夢希。
髪とビキニのフリルがヒラヒラとなびかせている。
看守「姫。改良型である例の装置の準備が出来ました」
夢希「…そう。…では予定通り、全世界に生放送を放送するわ…事実上の性別の消滅を…」
踵を返して、パッドを観ている奈々に近づいた。
夢希「何観てるの?」
奈々「あぁ夢希ちゃん。実は、世界中に飛ばしているカメラで写った人達を観ていたの」
夢希「これから殺すクズ達を観ても…」
奈々「わかってる…。けど、これからやる事の責任を持つ為に…」
夢希「…そうか」
パッドには、何不自由なく普通の暮らしをしている人達が映っていた。もちろん、ほとんどがクズな行為をしているものもいるが。
奈々「これから…この人達を殺すんよね…?私達のように普通に笑って暮らしている人達を…」
夢希「『普通』ねぇ…。あながち間違いじゃないけど。確率は0に近いけど、もし私達のような子がいたらもちろん助けるわ。あくまでもクズ達を殺す事よ。物理的にも精神的にも暴力で自分達の考えを押し通すような連中には全員消えてしまえばいいのよ」
奈々は無言で頷く。
夢希「さて…明日は忙しくなるわ」
その翌日
夜桜志穂は、夢希(勿論前世の情報)に関する資料を読み漁っていた。
先日、彼女の次のターゲットと思われる会社に向かっていたが、何故かたどり着くことができず、着いた時には既に会社はガレキの山にになっていた。
その周辺の一部の人間達も無惨に殺されていたが、ある一定の範囲の人達は無事だった。
…だが、こんな状況になっているにも関わらず、誰1人も気づかなかったらしい。
ガレキのそばには、例の如く犯行声明が…。
『自分達を全知全能の神と思い込み、人種差別を繰り返すクズな人類へ
私をドレイのように扱ったクズ達を全員殺した。私の話をまともに聞かずに一方的に怒鳴りつけ、残業を強要し、無理やり飲めない酒を飲まされ、しかも人1人自殺しようとしているのに、顔色変えずに仕事を続けた。人の心も全くないこんなクズ達は死んで当然よ。…そして私にとって嬉しい誤算が発生した。なんと私に忠誠を誓った共犯者を仲間にした。…つまり、その人物はお前達を裏切り、私に寝返ったって訳。裏切られた彼女がお前達をおしおきするのを楽しみにしているから、恐怖をするがいい。次は世界中で有名なものを滅ぼしに行く
第10001の国 零帝国の王女 緑奈夢希より
追伸
その途中に全世界で面白い現象が起ころう』
世界中で有名なもの?
一体それは何を際している事だろうか…。
それに、追伸に書いてある「面白い現象」とは…?
ともあれ、またもや未然に事件を防げなかった。
上司からは「何で犯行現場の近くに居たのに未然に防げなかったのか!」と怒鳴られた。
勿論、事前にその事を伝えていたが、全く取り合ってくれなかったし、どう行っても現場には全くたどり着けなかったからだ。
だが、上司達は全く聞き入れて貰えず、減給処分を言い渡された。
何でこんな人間が上司何だ…。
…だが、今はテロを起こしているあの女性の事だ。
今度こそ…。
すると、部下の刑事が慌てて来た。
部下「●●!★▼■★▲■!」
志穂「何?今緑奈夢希を名乗る女の事を調べているのよ!後にしなさい」
部下「■、■▼★●▲■●▼、■■★▼●■▲■●●▼▲★▼!」
志穂「何ですって!?」
刑事課に戻り、他の刑事共々動画サイトを観た。
タイトルには、「アンチチューバー達の公開処刑」である。
生配信のようだが何故か配信場所等の特定が出来ないようである。
…何だろうか?これを見た途端に、体がまるでおもちゃの人形のような感じになったような気がする…。
だが、今は重要ではない。
後ろ手に手錠をかけられてイスに座らせられて縛られている数人の男達が映っている。
男達は口にガムテープが貼られており、イスから立とうとしてもヒモがキツくて立てない。
すると、画面外から1人の女性が現れた。
言葉が出ない程の美しい容姿だ。
一体、何者なんだ?
夢希『…ようやく目を覚ましたね』
男達は夢希を見るなり、怒りを現した。
夢希『その様子だと、「早くヒモを解け」って言いたいみたいわね?これから死ぬお前達を逃がす理由なんてあると思う?』
やはり殺人を…。とするとこの女性は…。しかし、あの死んだ女性と特徴が一致しない…。
どちらにしろ早く止めなければ…。
だが、体を動かそうとしても、何故か動かない。口も首も動かない。
それどころか、瞬きすらもできない。
夢希『さて、そんな醜い姿はもう一生見たくないから、そろそろ効果が現れるはずね』
すると、縛られた男達の様子が変だ。みるみる姿を変えて女性になった。
志穂(な、何なのよこれ!?)
すると、隣にいた部下が突然苦しみ出した。
何故か首が動き、部下の方を見ると、男のはずの部下が、女性に変わっていた。
いや部下だけではなかった。他の男の警官達もどんどん女になっていく。皆戸惑っている。
志穂(一体どうなっているの!?)
すると、当然首が勝手に動画の方に向き、また瞬きできずに見てしまう。
夢希『あの女になる魔法薬の超改良型の威力はすごいわね。世界中の男共は皆可愛い美少女に変わっちゃうのよ。これで地球上の男は事実上の絶滅♡今後の人類の子孫を残すのはどうなのかしら?…今はそれが重要じゃないけどね』
子供のような無邪気な笑いから冷酷な女王のような顔になった。
夢希『さて、ここからがお前達に対する本題。勿論お前達が上げている動画の事よ』
夢希は看守から渡されたタブレット端末の画面を見せ、同時に動画の隅にもそれが表示された。
夢希『この気持ち悪いゲイ動画とそれをアニメやゲームとかに無理やり一緒に登場するコラ動画。次に生首がゲームやマンガとかをくだらない批判解説や実況をする動画。それに、私を含めた犯罪者達を面白おかしくデマを含めた過去とかを紹介する動画とか…。こんなのを作って何が楽しいの?それに、所々にセリフの語尾に『w』を付けてウザイんだけど。一人称が『ワイ』って、何かのアピール?こんなのをばっかり広めるから私のような人が狭くて嫌な思いをしているのよ』
端末を看守に渡し、指を鳴らした。
夢希『そんなに有名になりたいなら、有名にさせようじゃない』
看守達がとある細さのドリルを人数分持ってきた。
クズ達と志穂は理解した。これからそれで何をする気かを。
夢希『嫌で嫌でたまらなかったわ。見たくも聞きたくもないそれを無理やり押してつけて…。ネットでも他のクズ達も面白おかしく広まって…。本当にうんざりだったわ…。けど…それももうお終いね』
クズの1人が何かに気づいて怯えていた。
夢希『何か言いたいことあるの?あぁ!!ガムテ張ってあるから喋れないんだったわね!』
そう言うと、力強くテープを剥がした。
元男『ま、まさかお前は●●●なのか…?』
夢希『えぇそうよ。かつてその名前で呼ばれていた私よ!まぁ…今は「緑奈夢希」って名前だけど』
元男『そ、その名前は…!』
夢希『当然知っているよねその名前。なら、理由は勿論わかるよね?わからなくてもお前達は死ぬけど』
看守がドリルの内1本を起動し、別のクズのお尻に向けた。
夢希『誰がが言ったんだよね…「他人を平気で酷いことをするのは、他人の痛みを知らないから」って…。だから教えてあげるわ。他人の心の傷の痛さを』
「命の灯火」を流し始めた(一応著作権ありなので、ここにいる人たちしか聞こえないように、マイクに魔法の細工をしてある)後、その男を他の看守達が抑えている。
そして…。
声にならない悲鳴が響き渡り、ガムテを剥がされたクズは嘔吐をし、これを観ていた志穂は顔を真っ青になる。
夢希『どお?気持ちいい?気持ちいいの?気持ちいいのか聞いているのよ?』
狂ったような笑いをしながら質問をする。
当然ながら男は耳に入らず、喚き声しか出来なかった。
やがて男は静かになり、動かなくなった。
夢希『…焼却』
指を鳴らしながら冷たい指示を出す。
看守達はその男を遠くに投げ、ほかの看守達が炎の魔法と火炎放射器で焼き払い、炭になったそれを箒と塵取りでかき集めた。
夢希『次はお前の番よ。今度はちゃんと答えられると良いね』
青ざめる他のクズを先程と同じような体勢をした。
ガムテを剥がした直後に何やら喚く。
男『た…助けてくれ!本当は俺やりたくなかったんだ!けどやらないと俺まで酷い目にあわされるから…!』
夢希『他の皆もそう言って死んで行ったわ。生理的に気持ち悪いことをしたり低評価や貶す事しか出来ないのに口だけは一丁前ね。…やれ』
看守達は指示通りをし、先程と同じ光景が写り、そして同じ末路になった。
次のクズを準備した。
男『待ってくれ!本当はこんなのが気持ちよくないって事はわかってたんだ!皆がやってるから俺もイイネを…』
夢希『自己満足の為に自らクズになったと?だったら、私が評価するわ。お前の人生のアカウントは永遠に凍結すると』
そして再び…。
次のクズをおしおきをする準備をする。
男『ゲームやマンガを悪評な事を言う動画を載せた事は謝る!お前も好きなら俺が…』
何か喚くが指を鳴らし、すぐにクズにおしおきをした。
次のクズのガムテを剥がすなり…。
男『お、おい!話の途中で殺るなんてお前は…』
すぐに指を鳴らし、その口を止めた。
夢希『アンタ達、私達を教会で聖歌を歌っている聖女様か何かと思っているの?私は魔王姫よ。魔王がどんな手段を使うかわからない事を理解出来ないの?…次』
クズ達は殆ど死亡し、残るのは最初にガムテを剥がした男のみである。
元男『た…頼む…。お前を犯罪者のような事を言ったことは謝る…だから…』
夢希『何も知らない癖に人の人生をわかったように語るなんて…1番知らない事は自分自身の悪意と非道さよ。…それに、頼まれてやった事はわかっているのよ。そうでしょ?誰かさん?』
その言葉に、夢希と看守以外はその言葉の意味が分からなかったが、男は青ざめいた。
夢希『来世に転生せずに地獄に落ちろ!』
最後の言葉の合図で看守は差し込んだ。
そして男は雄叫びを上げた。
夢希『この光景にピッタリの言葉があるわよね!「弱い犬ほどよく吠える」って!』
最後の1人が燃やされる所で、志穂の思考が再び動いた。
志穂(こ、こんな惨い公開殺人を観てるだけだなんて…)
すると、夢希がこちらに向いた。
夢希『初めましてクズな人類の皆さん。改めて、私は魔王姫「緑奈夢希」。お察しの通り、私はお前達に殺された悲劇なヒロインよ。何で生きているのかは、言っても分からないと思うから適当に想像するといいわ』
志穂は自分達の体が動く事に気づくと、すぐにサーバーを特定するように指示。しかし、何故か調べようとすると「このサーバーは実在しません」と表示される。
志穂はパソコンに手を伸ばし、録画をしようとするが、何故か出来ない。コメント投稿も同様だ。ならスマフォで画面越しに…。しかし、動画の画面は何故か砂嵐の画面になっている。
志穂(ど、どうなっているの!?)
夢希『悪いけど、私をどこにいるか探っても無駄よ。撮影も出来ないし、記録できるのは頭の中だけ。…まぁ、歪んだ人格しかないお前達にはもうすぐ絶滅するけど…』
ど、どういう意味だ!?
夢希が指を鳴らすと、様々な動画が映し出された。
夢希『これらを観なさい。かつての私が実の家族に暴行や暴言をし、同級生達は私をイジメ、先生達は見て見ぬふり。大人達も私を悪者であると一方的。まぁ私にとってはこんなの、氷山の一角に、過ぎないわ。今も世界中にイジメや人種差別、虐待に意味もない戦争等々…。何の学習もせず、何度も繰り返し、弱い人達を食い物にしてきた』
映像が消え、再び夢希が映し出された。
夢希『私は思った。「1度人類を絶滅しないとリセットできない」って。だから私は極小数を除いたお前達クズを全人類絶滅して理想の世界を作り変えないと』
何を言っているんだ。
画面の両側から看守が現れ、1人は大きな銃のようなものを夢希に渡し、もう1人は何かを呟くと、夢希の上に何かが現れた。
夢希『そのデモンストレーションとして、世界中の人間の内2億人を殺すわ。勿論マジだから』
銃を上に向けた。
夢希『これは攻撃でもなければ、宣戦布告でも世界征服でもない…。
私を……私を何もかも否定した人類への……逆襲だ!これより開幕を宣言する…。第3次世界大戦 終焉の始まりを!』
引き金を引くと、銃がマシンガンのように発砲した。
すると、何人かの署の職員達が、頭を撃たれて倒れていく。
志穂(銃撃された!?けど、署内は発砲音が聞こえなかったし、どこから…)
同時刻 どこかの駅
人々が全員女になった事をパニックになっている中、サラリーマン風の元男がスマフォで夢希の動画を見ていた。
サラリーマン「何言ってるんだ?そんな事出来るわけが…あ゛っ゛」
サラリーマンを含めた人達が頭を撃たれて倒れた。
同時刻 どこかの家のリビング
パソコン画面に写った夢希を両手の中指を立てて挑発していた。
男「できね~クセに~。殺れるもんなら殺って…がげっ」
同時刻 都心
街中の女子高生2人がスマフォで夢希の動画を笑いながら観ていた。
女子高生1「何これCGか何か?」
女子高生2「どっちにしろ人殺し何かできないくせにい…ぐぎっ」
1人が倒れて!隣にいたもう1人はその返り血を浴び、スマフォを落とした後悲鳴を上げた。
世界中パニックが起き、次々と射殺されていく。
夢希の持つマシンガンは、弾薬2億個装着されており、空間魔法を使って文字通り2億人の人間達を次々と殺している。
各地に看守達が潜伏しており、死んだ人間達から出た魂を魂の監獄で回収している(看守以外は魂が見えない)。
女・子供・老人関係なく射殺され逃げ惑う人々。
街中で死体と血だまりができ、子供は大泣き、人々は悲鳴を上げる。
薬莢は次々と地面に落ち、確実に減っていく。
そして、全ての弾薬を撃ち尽くした。
夢希「今までのはほんの序の口よ。どこに逃げ隠れをしても無駄よ。お前達は確実に死ぬんだから。お前達が絶滅するまで戦争は終わらない。私を否定して事を後悔しなさい。私は第10001の国 零帝国の王女 緑奈夢希!お前達に殺されて魔王姫になった女よ!」
そう言って配信を終え、用意されたイスに座って渡されたコーラを飲んで一息ついた。
蓮花「お疲れ。どうだった?チューバーになった感想は?」
夢希「…気分が良いもんじゃないわね…。何が面白いんだが…」
再びコーラを1口飲む。
蓮花「確かに…少なくとも、あんな連中のまとめや感想の動画とかは批判や批判や低レビューしかしないな…」
夢希「あぁゆう連中は、元々観たりプレイしたりはしてないのよ。ただの目立ちたがり屋のエセプレイヤー、エセ読者なのよ」
…確かに、PCを含めた端末にはマンガの購入や読んだ形跡は全く無く、ゲーム機やソフトの購入は全く無かった。
蓮花「しかし、人類絶滅か…。この手のマンガとかしか無かったけど…」
夢希「子供の頃はヒーローに憧れてたけど、大人になればそんなのいなかった。だから私達が変えるのよ。ヒーローではなく…『悪の敵』として」
次の日からアマテラスの侵攻しつつ、本格的に地球の人間達を絶滅する計画が始まった。
まさかこの配信の数日後にあんな事が起きる事になるとは、夢希達は、知る由もなかった。