予想外の展開、いやいや想定内だし・・・。
なんとかお店を開くことができた秀治。 順調に進むスパイ活動。 想定内の新展開の中にも新たな問題が起きる。 目の前に現れた美少女に惹かれていく秀治。 この美少女が今後の展開を握る?
予想外の展開、いやいや想定内。 想定内の展開、いやいや予想外?
こんな雷鳴が鳴り響く夜には 第五部 予想外の展開、いやいや想定内だし・・・。
物件探しは意外と難航した。 少年のお父さんはメイン通りの高級店がそろう地域をどうしても貸したいようで。 私はというと高級店がそろうメイン通りの裏通り、ちょっと秘密感がある店舗を賃貸ではなく売り物件を探していた。 会員制の高級アクセサリー店を開くのだから、あまり目立ってはいけない、お城を監視する情報収集基地でもあるのだから目立ってはいけない。 また高級店だし、監視拠点でもあるのだから、お城からあまり離れてもいけない。
やっとあきらめてくれた少年のお父さんが紹介してくれたところが、メイン通りから一筋入った裏通りお城の前の通りからも一筋入った通りにある2階建て屋上に櫓のある洋風の館だった。
お店自体は一切表からは見えない店舗としては理想の建物。 櫓からはお城の入り口が見える諜報機関としても理想の建物だった。 洋館風だったのも扱う商品と合致していたので即決した。
「さて、拠点は決まったし店を開けるにももう少し商品がそろわないといけない、私も毎日店にはいられないし、海くんに任せるには少しまだ早いし・・・人を雇うしかないかな。」
店舗前に求人募集の張り紙をして
【求ム! 急募! 店舗管理販売責任者
高額賃金保障!
八森商会】
同様に町の瓦版にも載せてもらい、まずは人材確保です。
高額賃金につられてか、毎日のように面接にやってきた、やってくるにはやってくるのだが・・・箸にも棒にもかからないやからばかりがやってくる。 早く決めて従業員教育を行いたいのだが、なかなかうまくいかない。 途方に暮れていたある日、この時代には珍しいショートカットの女性が求人を見てやってきた。 年齢は20歳と言っていたが、どうみても15、6歳ぐらいにしか見えない。 話してみると意外にしっかりしていて接客マナーもちゃんとしている。 商品コンセプトからすると、もっと大人の雰囲気を持った女性がよかったのだが・・・この機を逃すと次にいつ好機にであえるかわからない。 採用を決めて明日の朝10時に店に来るように伝えた。 面接時には一切化粧をしていなかったので、明日は上品清楚な化粧をして店に来るように伝えた。 彼女は屈託のない笑顔で頭を下げて店を後にした。 私は何よりもこの笑顔に魅入られてしまっていたのかもしれない。 天使の笑顔がそこにはあった。
次の日の朝7時くらいに目を覚ますと店の前に誰かが立っている。 朝日にあたってはっきりとは見えないがどこかで見覚えがある。 髪はショートカットでボブスタイル、さらさらな髪の向こうにはつぶらな瞳と少し低い鼻、薄化粧ではあるが上品で色気すら感じるその中に幼さが見え隠れする。 彼女がこちらの視線に気づき挨拶をした。 その顔は昨日面接に来た幼い少女その人であった。
(いやー! こんなに上位変換するとは・・・これはよい買い物をしたかもしれん! じゃなくてなんでこんなに早くここにいる? しかもなんか大荷物持ってるし。)
「おはようございます。 昨日とはガラッと変わって大人っぽく綺麗になりましたねって、そうじゃなくてどうしたんですかこんなに朝早くから。 とにかく今開けますので中に入ってお話ししましょうか。」
店の扉を開けて彼女を中に招き入れた。 体が冷えていたのでひざ掛けと温かいお茶を持って行った。 近くで見るとさすがに昨日見た幼さがわかるが、化粧をすることと所作によってこんなに大人っぽさというか色気がだせるんだと、しばらく感心して見惚れてしまった。
彼女から事情を聴くと、彼女の家はもともとこの国の上流商家で何一つ苦労のないお嬢様だったこと。 知り合いの商人に騙されて偽物の茶葉をつかまされ信用を無くしてお店は倒産、父親は残り少ない財産をもって失踪。 母親一人でここまで育ててくれたが、その母親も体を壊して亡くなってしまった。 母親が亡くなった後は、短期の仕事で食いつないできたようだが、騙されて失踪した父親の娘ということで、安い賃金で働かされていたということだった。
お嬢様とはいえそこは商売人の娘、接客販売のノウハウはしっかりとたたきこまれていたようで、納得の能力スキルだったわけだ。 ここでの仕事が決まり、そのことを現在の雇い主に話をしたところ給料ももらえず追い出されたとのことで、住むところもなくなってしまったそうだ。
まあ海くんと二人男くさいところに可憐な花を置くのは若干危険なような気もするが・・・本人は気にしないということなので、おいてあげることにした。
急遽、同居することになった彼女の名前は、
三井彩音、18歳
身長推定148センチ 体重推定40キロ
髪は茶色がかったショートボブ
スリーサイズは非公表
なんで推定、非公表かって・・・そりゃあ聞けるわけないし、この世界にパワハラがあるかわからないけどやっぱりね。
彼女は住み込みのかわりに家事全般をやってくれるとのこと、一度は断ったのだがどうしてもということなので、海くんのお弁当も作ってくれるというからあまえることにした。 彼女がどれだけできるのかは未知数だったが、そんな思いは杞憂と終った。 家事全般完璧! 惚れてしまいそうだった。
「いかんいかん・・・私には飛鳥がいるのだから・・・浮気はダメダメ・・・。」
「何かおっしゃいました? 何がダメなのでしょうか・・・不手際があったらおっしゃってくださいね。 なおしますので。」
いやぁ本当にいい子だね彩音ちゃんは。 飛鳥のお嬢様度とは世界が違うけど、これもお嬢様の一つの形といってよいだろう。 飛鳥はいまごろくしゃみの連続かな。
何はともあれこれでお店の安定と私生活の安定は確保できた。 あとは情報収集とお城に出入りする人たちの監視! ここからが本番! 偵察活動の始まり始まり。
「商売や女にカマかけて本文を忘れてたんだろって・・・忘れるわけないでしょ、楽しかったけどね。」
また独り言をつぶやいてしまった・・・。
この店を開店してからの私の日課は、朝起きて食事をしたらお城の入り口が見える2階の角の部屋へ行き入っていく人たちを監視するそれが終わると商品の搬入や品出し、お昼から街へ出て情報収集、夕方にはまたお城の監視。 これがほぼ毎日のルーティーンとなっていた。
お城の入り口を監視すること1か月、ひとつ気になることがあった。 私もたいがいだが、毎朝毎晩同じ時間にお城に入って同じ時間にお城から帰る人物がいる。 きっちり週のうち五日間働いたら二日は休む、残業もゼロ、たまに長期休暇もとっているようだ。 まさに現代人のような働き方。 やはりと言うべきか・・・あの峠であった侍らしからぬ男・・・この国の老中といったか。
あの時からおかしいとは思ったんだ。 立ち居振る舞いというか言動についてもこの時代の人間とは違うと感じてたんだよな。 この時代の人たちには基本お休みという習慣がない。 休みという休みがなくて、その日働いている途中でも予定がなくなったり、調子悪かったりすると、そこから休みにしてしまったり。 要するに規則正しくではなく気持ちのままに気分で仕事をしているといってもいいかもしれない。 でもこの国の公的機関を中心にサービス業以外は土日休みが多くなってきているようだ・・・これもあの男の影響か。 ことごとくこの国は我々が生きていた現代に近いものなっているのだ。 ただ気がかりなのは、こちらが監視しているのに、逆に監視されているような気がすることだ。
「気付かれたか・・・? まあそうなったらそうなったで、いくらでもやりようはあるさ。」
その晩の夕食時に彩音ちゃんがこう切り出した。
「旦那様、今日の午前中旦那様がお出かけになった後、ご老中がふらっとお店にいらして、一回りしたらお帰りになられたのですが。」
なんですと・・・偶然? いやいやそんなわけはない。 わかってて堂々と正面から来ましたか。
「なにかお探しですかと旦那様に何かとお尋ねしたのですが、軽く手を挙げて何もせずにお帰りになられました。」
「そうですか・・・って! 彩音ちゃんこの国のご老中を知ってるんですか?」
「この国の国民がみんなというわけではありませんけど、上流階級の方々やお城の仕事に関係している家の人間はたいてい知っていると思いますよ。 あの方はこの国を変えた有名人ですから。」
「老中はもともとこの国の人なの?」
「5年ぐらい前でしょうか・・・ふらっと外の国からやってこられて、最初は農家の家に拾われて、そのお礼にと農業を手伝っていたそうなんですが、老中様の助言で効率もよくなり生産高もあがったとか。 それを聞きつけたお城の元の老中様がご自身の養子として国造りの助言をうけていたそうです。 そのあと元のご老中様が隠居されて後を継がれたのが現在の老中様ということです。」
彩音ちゃんなんでも知ってますね。 そうだ稀の国はどのように伝わっているのでしょうか、少し気になります。
「彩音ちゃん、ちょっとお聞きしたいのですが・・・東の国境「稀の国」についてはどのように聞いていますか?」
「変なことを聞く旦那様ですね。 稀の国は自然を愛し自然を信仰する信心深い国と聞いております。 ただ戦となると一騎当千の猛者たちがそろい1対1では絶対に勝つことはできないと聞いています。 ただ軍事力では人数にも差があるので、国境に一定数の戦力を常駐させてしのいでいるようです。 私たちにとっての脅威は東ではなく北西の大国ですから。」
(おっと殿・・・相手にされてませんよ~。 これはこの国との戦は無駄でしかないということになりますよね・・・真剣に戦するのも考えないとね。 ほかの道を模索できないだろうか。)
「彩音ちゃん、ありがとうございます。 とても参考になりました。 この国で商売するにもこの国の文化や考え方をしらないと商売もできませんからね。 またなにかと教えてくださいね。」
「あっそれと彩音ちゃん、今度老中様がこられたらお手紙を渡してくれませんか。 今から一筆書きますのでよろしくお願いします。 ただ老中様から何を聞かれても答えないようにお願いできますか。 海くんもよろしくお願いしますよ。」
その晩、私は老中宛に一筆したため、厳重に封をして次の日の朝彩音ちゃんに手渡した。
手紙の内容はまた後程お伝えするとして・・・内容には一度ゆっくりお会いしたいと記しておいた。 数日後また私の留守中に来られたようで、お手紙を渡した旨報告があった。 さらに数日後、今度はお城のお使いの者が手紙をもってやってきたようで・・・今回も私がいない間・・・手の内が全く読めない。 その手紙の中身は向こうも会いたいとのこと、場所と時間を指定してきた。
八森商店店主 八森秀治様
~中略~
こちらからご連絡差し上げなければならないところ、ご丁寧なお手紙を頂戴し誠にありがとうございます。 本来のところこちらからご予定を合わせなければならないところなのですが、立場上あまり自由が利きませぬので、こちらから日時、場所を指定することをお許しくださいませ。
つきましては、明後日お昼過ぎに町はずれにある迎賓館までお越しいただけると幸いです。
老中 片桐慎之介
敵地に入ることになるのだが、不思議と恐怖感は感じなかった。 これまで少なくても数回の接触で人となりはわかっていたし、殺るんだったったらとっくに殺られているだろうしね。 どんな話が出てくるやら楽しみですね。
その後予定の日まで何事もなく進んでいった。 老中の片桐さんもこれまでとかわらない毎日のルーティーンを守って生活していた。 こちらの監視を知っているくせに知らないがごとく生活している。 不気味なぐらい静かに面会当日を迎えた。
「はぁ~・・・。」
ため息をついていると、海くんが声をかけてきた。
「どうしたんですか? 大きなため息ついて! いやならやめたらいいのに。」
「海くん、旦那様は嫌というわけではないのですよ。 会見の内容がどうのというよりも、老中様に勝つための武器が足りないと、昨晩あたりから憂鬱なのですよね、旦那様。」
「彩音さん! 旦那が老中ごときに負けるわけがないじゃないですか。 旦那も旦那だ! あんな若造に負けるわけがないって、いつもの勢いはどうしたんだい! あー情けない! しっかりしてくださいよ!」
海くん・・・彩音ちゃんへの言葉遣いのほうが丁寧なことのほうが私にはショックですよ! しかも若造って・・・老中のほうがあなたよりも年上だろうし、能力も上でしょうに。
「はぁ~・・・。」
またため息をついていると。
「またため息をついている! なさけないなぁ~。」
「海様、今のため息はあなたへのため息ですよ。 それに旦那様は老中様に能力で負けるとは思っていませんよ。 旦那様は着ていく服でも負けたくないのです。 何を着ていけば、勝てそうな着物がないなとお嘆きなのです。 ただ旦那様、海様のいうことにも一理あります。 勢いというものも時には必要だと思います。 僭越ながらこの彩音、旦那様のために着物を用意させていただきました。 気に入っていただけると幸いです。」
そう言って出してくれた着物は派手すぎないシックな色合いの着物で、見る人が見ると違いが判る最高の着物だった。 帯と下駄の鼻緒に朱の差し色が入ったおしゃれな着物だった。 さすが彩音さまわかってらっしゃる。 幼く可愛く更にこの心遣い・・・惚れてしまいそうです。
彩音ちゃんが用意してくれた着物に着替え気を引き締めなおして出かける準備を終えると、いまだに海くんは彩音ちゃんに自分へのため息がなんなのかの意味をしつこく聞き続けている。
「海くん・・・そういうところがまだまだ子供だっていうため息ですよ。」
私がそういうと、海くんは頭をひねりながらまたはてなマークが飛んでいた。 私は一瞬くすっと笑い大きく深呼吸をすると、自分でも顔つきが変わったことがわかるぐらいだった。
「海くん、ありがとう。 おかげでいつもの自分で戦いにむかえそうです。 それでは行ってまいります。 あとはよろしくお願いしますね。」
うしろで火打石の音が聞こえる・・・にくいね彩音ちゃん! 行ってきます。
―迎賓館前-
さすが富める国の迎賓館。 朱色を中心に金をふんだんにちりばめ、ところどころに螺鈿細工で装飾している。
「けっして上品とは言い難いですね。 趣味が悪い・・・わびさびもないな。」
「下品で悪かったですね。 私の趣味ではありませんよ、先代王の趣味です。 私個人の面会であればこんな場所は使わないのですが・・・今回は国家の代表としてあなた様をお迎えしてお話しするので、国の決まり事で迎賓館を使わざるを得ないのです。 察してください。」
「これはこれはご老中様、自らのお出迎え痛み入ります。 多文化を直接触れる機会を頂き恐悦至極。 ありがたき幸せでございます。 ただ一商人である私には迎賓館など恐れ多いこと、どこぞの離れでよかったものを。」
「何をおっしゃいます。 今や飛ぶ鳥を落とす勢いの八森様に迎賓館ですら足りないぐらいです。 また我が国と彩の国の未来が決まるかもしれない会見です。 最高のおもてなしをしなければ、末代までの恥となりましょう。 八森様、そろそろ腹を割ってお話いたしませんか。」
「そうですね片桐殿、お互いの身分を明かして語り合うのはもう少し先にしたかったのですが・・・事情がおありのようだ。 急がなければいけない事情があるのですね。 どうも敵対する話でもないようです、わかりましたお互いに包み隠さずお話ししましょうか。」
そういうと奥の奥、広大な建物の中央当たり、周りには一切窓も扉もない部屋に通された。 出入口は一つだけ、完全に人払いをして会見が始まった。
お互いの自己紹介から始まった会見だが、予想通り彼もこの時代の人間ではなかった。 私より数十年前の時代からやってきた、この時代では私のほうが年上だが、実質大先輩になる。
この時代に来る前は大学院で経済学と社会学の研究を行っていたそうで、どうりで社会インフラや制度、経済形態が現代的だったのもうなずけた。 先代王から今の殿さまに代わってから一気に制度を変えて、国民への福利厚生を充実させてきたとのこと。 そんな時に彩の国で武道大会が開かれ、異形の戦士が圧勝したニュースが入ってきた。 情報を集めれば集めるほどこの時代では眉唾物の情報ばかり。 これは自分と同じ別の世界からやってきた転移者ではないかと思い、密書を持たせて使者を送ったというわけだ。
「片桐殿、あの忍びが使者なのだろうけど、決して友好的ではなかったぞ。 いきなり攻撃してきたし、まあ名乗らなかった私も悪いが、密書を持っている様子もそぶりもなかったし。 まあ牢屋には入っているけど、粗末な扱いはしてないはずだから釈放するように使いを出しましょう。」
「かたじけない。 誰にもばれずにお渡しするようにと伝えたのを忠実に守ろうとしたのでしょう。 ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします。」
「まああの忍びたちが来なければ、私もこの国に様子を見にこようとは思わなかったわけですから、こうやって友好的にお会いすることもなかったと思うと、まんざら無駄ではなかったのだと思いましょう。」
どれぐらい時間がたっただろうか、お互いにこの世界に来てからの苦労話を話していた。
話を遮るように片桐さんが話をさえぎり本題に入った。
「八森様、本日お呼びしたのは他でもない・・・我が国と稀の国の状況は彩音殿から聞いてお知り頂いていると思います。 我が国は稀の国と戦をしている状況ではないのです。 できるだけ戦力を西側へ向けたい。 また稀の国の一騎当千武力をお貸しいただけないだろうか。」
はい想定内です。 はい予想してました。 はい私もそれができればと考えていました。
予想外なのは・・・・・・・・
彩音殿?
えっ? どういうこと? たしかにあんなよい娘がいきなり面接に来て、いきなり住み込みになって・・・よく考えるとおかしいのがよくわかる。 どうやら彩音ちゃんの魅力にやられていたようです。 恐るべし彩音マジック。
「あっ! 勘違いしないでくださいね。 彩音殿が八森様の元へ行ったのは彩音殿の意志ですから。 まさか彩音殿があなたのお店で働いていようとは。 ちょっとした知り合いだったので、少しだけ利用させていただきました。」
この後、頭の中はもやがかかったようにふわふわだったが、彩の国の許可も取り付けないといけないので持ち帰らせていただき、ふらふらしながら家まで戻った。
彩音ちゃんが笑顔で出迎えてくれた。 朝癒された笑顔とは違った笑顔に見えるのは、私の心が狭いからだろうか。
私の態度に気が付いたのだろう。
「旦那様、明日お話しさせてください。 本日はお疲れでしょうからゆっくりお休みくださいませ。」
そういわれて床についたが・・・眠れるわけもなかった。 私の気持ちとは裏腹に明日も朝日が昇る。 短い期間でこんなにも心を奪われている私がいた。
第五部 完